概要
270年ごろローマで殉教したテルニーの主教聖バレンティヌスの記念日。
イタリア語では「ヴァレンティーノ」という。
一般的に家族や恋人等の大切な人に贈り物をしたりメッセージを伝える日となっているが、国や地域によって差異もある。
日本におけるバレンタインデー
従来は、女性が好きな男の人にチョコレートで好きな気持ちを伝える日となっていた。
元々は製菓業界が広めたキャンペーンという説があり、1か月後の3月14日には、男性が女性にチョコをお返しするホワイトデーが設定されている。
このホワイトデーは西洋にはなく、日本(と韓国)独自の記念日である。
昭和期は経済的負担は全て男性が担うのが当然であり、恋愛アプローチをかけるのも男性からが基本とされている中で、「たまには女性から男性に告白しましょう」という意味で始まったとされる。
しかし年月が経ち、若者の恋愛離れが加速し、衰退傾向にある。
義理チョコの文化が急速に衰退しているのは言うに及ばず、「本命チョコ」を渡す女性も今や1割に満たない。
むしろ現在では、同性の友達に贈る「友チョコ」や、「自分用チョコ」の方が日本のバレンタインの主流になっている。
その一方で、外国人のオタクの中には、アニメやゲームの影響を受けて日本のスタイルに憧れて同様の事をする者も巷でいるらしい。
諸外国におけるバレンタインデー
西洋諸国
発祥地の欧米では大切な人にカードや花束やお菓子を贈る事が多い。
よく「男性から恋人の女性に贈るものだ」という誤解があるが、実際には家族や友人に贈る事が多い。
フィンランドでは「友人の日」と解釈されている。スウェーデンの様にあまり祝わない国もある。
アイルランドやウェールズ等では教会を巡礼して祈りを捧げる人も多く、宗教上重要で厳かな祭日と位置付けられている。
チョコレートを贈る習慣は元々イギリスのチョコレート会社が、ギフト用チョコレートボックスを発売し広まった物とされる。
が、現在この習慣は東アジアが中心である。
ボビー・ジュードは、北米圏ではクリスマスが家族の為の祝日であるのに対し、バレンタインデーは恋人の為の祝日であるとされるとしている。
韓国
韓国でも日本と同様に「女性が男性にチョコを贈る日」となっているが、韓国では本命の男性にだけ贈る事が多く、日本の様に義理チョコというのは一般的ではない。韓国では、日本と同様、チョコを貰った男性が、女性にお返しを贈るホワイトデーもある。
一方、韓国独特のバレンタインデーに関係する日として、チョコを貰えなかった男性がチャジャンミョン(ジャージャー麺の様な食べ物)を食べるブラックデーという物がある。
中華圏
中国語圏ではバレンタインデーは「情人節」と書き、恋人と過ごす記念日とされている。
台湾では、どの様に過ごすかはカップルによってまちまちであり多様化している。
伝統的には、高級レストランやホテルなどを予約し、恋人同士で甘い一時を過ごすのが台湾のスタイル。
中には中国の様に花束を贈ったり、日本のようにチョコを贈るカップルもある。
尚、お菓子は一般的ではなく、薔薇の花束を贈る事が多い。
情人節に限らず、贈り物は中国において基礎的なコミュニケーションの1つである。
イスラム諸国
イスラム教の国々では、「キリスト教の祝祭で浮かれてんじゃねぇ!」って事で実質タブーとされている場合が多い。
ただし、イスラム教国家では男女が出会う機会が極端に制限されている為、陰ながら若者の間ではプロポーズをキメる日と扱われている。
インド
公共の場で愛を伝えるという事自体がタブーとされている為、あまり一般的ではない。
バレンタインデーの由来
由来には諸説ある。
一説には、3世紀頃ローマ帝国の皇帝クラウディウス2世は、兵士達の士気が下がる事を防ぐ為、婚姻を禁止していたという。
これを憂いたキリスト教司祭のヴァレンティヌス(バレンタイン)は秘密で結婚させたが、皇帝がこれを知り、ヴァレンティヌスを投獄し処刑した。
そのヴァレンティヌス(バレンタイン)が処刑された日が、2月14日であるとされる。
ただし、この説は異教を排除する目的で作られた創作であるとも言われ、こちらの「クラウディウス・ゴティクス」の項目でも完全否定されている。
そもそも当時のキリスト教はローマ帝国内でも新興宗教だったし。
サブカルチャーにおけるバレンタインデー
ソーシャルゲーム業界では、バレンタインデーに合わせてイベントが開始したり、特別なキャラや衣装が登場したりと、クリスマス・正月・お盆と並んでガチャの書き入れ時とされている。
さくら友蔵は、チョコレートはアメリカの兵隊さんがくれる物だと思っていたらしい。
まぁ歳が歳だからね。
ラブコメや恋愛少女漫画、恋愛ゲーム(乙女ゲーム)等においては『ヒロイン(女主人公)が本命である男主人公(ヒーロー)に想いを伝える絶好のイベント』という事で本編のエピソードやメインイベントのテーマとして取り上げられる事もある。
しかしスーパー戦隊シリーズやプリキュアシリーズの様な日朝系の作品においてはその真逆で本編でエピソード(単発・続き物問わず)のテーマとして取り上げられた事は一度もない。
イベントがイベントなので恋愛要素が無いと取り上げにくいというのはあるかもしれないが、それ以上に2月はシリーズの交代時期である。『本編が最終回間近でヒーローやヒロイン達が敵対する悪の組織との最終決戦真っ只中だから』逆に『新番組が始まったばかりなので新ヒーロー、ヒロインが覚醒途中だから』というのが大きな理由だろう。
ただし、ビーロボカブタックの50話『チョコは男の純情』の様に取り上げられた作品も無い訳では無い。
pixivでは想いを伝える女の子や、貰えずに嘆く男子のイラスト等が投稿される。
お気に入りのキャラクターがチョコを片手に微笑むイラスト。
気になる相手にどうやってチョコを渡そうかと悩むほほえましい漫画。
はたまた、自分の体にチョコを垂らして誘う色っぽいおねーさんの姿……様々な作品が投稿されている。
特定の業界では「ふんどしの日」にも制定されているらしく、ふんどし関連のイラストが多く投稿される。
関連イラスト
関連動画
イベントの浸透ぶりから、元ネタになる楽曲が多い。…リア充爆発しろ系が多いのは否めないが。
関連タグ
宝くじ:全国自治宝くじ「バレンタインジャンボ」が毎年2月に発売される。
2018年に「グリーンジャンボ」から改称。
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