もっとも横島はこの時点でも割ともててた方（大半は人外だが）で、これ以降の物語後半にかけては普通の人間の女性から好意を寄せられていたり、結婚式をあげたり、敵の女幹部と本気で両想いな関係になったり、実は小学生のころから女の子に人気があったことが判明するなど、むしろ横島にこそこのセリフをつきつけてやりたいくらいである。

元ネタ2の派生：絶対可憐チルドレンについて。

作者の椎名高志はこのセリフが気に入っているのか、それから10年近くのブランクを経て、後の作品「絶対可憐チルドレン」で使っている。

兵部京介「ほーら、憎しみで人を殺してごらーん」「僕は憎しみで、人を殺せる」

兵部京介はホントに殺せる。

明石薫の同級生たち（男）「ふーん、それは　それは……」「早めに死んで欲しいタイプだよネ」「てか、今すぐ殺してえな」「ああ、憎しみで人を殺せたらネ」

死んで欲しいのは皆本光一。この子たちは、横島忠夫の遺伝子を忠実に受け継いでいる。

その他

上記２つとは直接の関わりは無いが、恐らくこれらの影響を受けた以下のセリフがある。

増田こうすけ作「ギャグマンガ日和」の作品のひとつである『西遊記～旅の終わり～』において、天竺（と銘打たれただけの掘っ建てのゴール地点）を目前にして三蔵法師とその弟子である孫悟空と沙悟浄は誰が1番になるかで醜い争いを始める。

流血沙汰にまでなった為に、一旦仕切り直して「恨みっこ無し」という前提で3人で正々堂々と勝負することになったが、直後に言い出しっぺであるはずの三蔵法師が顔面に青筋をイキらせながら

「もし私が1位になれなかったら１位のやつを憎しみで殺す！」

とぶち上げる。その理不尽さには沙悟浄が思わず「恨みっこ有りかよ！」とツッコんだほど。

元ネタでこの作品を思い浮かべた人は、猪八戒が最期に何と言っていたのか思い出しなさい。

メタな話ではあるが、そもそも仏門における修行の要諦とは名誉欲や食欲などの煩悩の一切を打ち消して悟りに至るというものだが、今作の三蔵法師、実在の人物でありながらだいたい創作界隈では生臭坊主に変換されがちなキャラ付けのなかでも群を抜いた破戒僧っぷりを発揮していて、弟子である妖怪2人に対して「油断したな馬鹿どもめ、やーいやーい！」「この河童野郎！死ね！！」などと言い放つわ、少しでも先にゴールに到着したいが一心で妖怪のように爪を一瞬で長く尖らせるわ、人外外道に拍車がかかっている。

このため、この話しはブラックユーモア全開な『ギャグマンガ日和』のなかでも抜群にシュールな神回として有名である。