平成女児チョコ
へいせいじょじちょこ
『平成女児チョコ』とは、平成時代の女子小学生たちが、バレンタインデーに合わせて手作りしていたチョコレートのこと。
ただしこの場合の『平成』は令和にはほど遠く、2000年代を中心とする平成初頭から中期を指している。
湯煎などで溶かしたチョコを一口サイズのアルミカップに注ぎ、アラザンやカラースプレーなどをトッピングした後、冷やして固めたものが主流。
手作りチョコとしては初心者向けであり、大量生産が容易だったことから、友チョコが浸透し始めた2000年代に一気に普及する。
また平成元年に小学校で生活科が新設され、以降は低学年の小学生にも調理実習の機会が与えられ出した点や、1990年前後から右肩上がりで増えつつある100円ショップが食品を取り扱うようになった点も、手作りチョコが女子小学生間で流行る追い風となった。
なお当然ながら『女児チョコ』や『平成女児チョコ』は、令和になってから命名されたものであり、平成期の呼び方とは異なる。
2020年前後に平成レトロのブームが興り、その一環として24年頃から、平成の女子小学生の手製品を再現・模倣するチョコが脚光を浴びる。
チョコ自体は溶かして固めるだけの簡単なものだが、それを思い思いのデコレーションでポップにアレンジする手法は、当時女児だったZ世代のみならず令和の女子小学生の心もつかんでいる。
令和では市販のクッキーなどをチョココーティングしたものや、チョコペンでデコレーションしたものも女児チョコの一種と見なされることがあるが、上述のとおり『平成女児チョコ』の多くはデコレーションされたカップチョコを指す。
令和に再現されSNSを通じて注目の的となった女児チョコと比べ、実際に平成の小学生たちが作るチョコは、必ずしも味や見栄えが良い代物ではなかった。
2000年代半ばには子ども用包丁などの調理器具はすでに開発されていたが、安価な製菓キットはまだ広まっていなかったため、下記のような失敗も月並みであった。
- チョコの溶かし方を間違える
- チョコが固まらない
- チョコが想定外の形になる
- チョコの油分が分離する
- チョコが岩石並みに硬い