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概要編集

社畜とは、主に日本で、企業に飼い慣らされてしまい、自分の意思と良心を放棄し奴隷家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄した言葉である。

「会社+家畜」から来た造語で、会社人間、企業戦士などよりも、皮肉が強く込められている言葉である。

なお、公務員のことを表す「公僕」とは異なるものであるが、組織に勤める一員という意味で混同されることもある。


言葉の考案者は小説家の安土敏(本名・荒井伸也)で、広めたのは評論家の佐高信と言われる。また、佐高は社宅(会社の保有する従業員用住宅)を「家畜小屋」と呼び、その存在を批判している。


かつてはフリーランスや自営業といった立場の人から「会社に家畜のように飼い慣らされている哀れな存在」として皮肉を込めて呼ばれることが多かったが、のちに勤め人自身が「過酷な労働環境を強いられ、自分の余暇や家庭を犠牲にしてまで労働に従事している状態」を自嘲して使うことが多くなっている。


社畜に至る経緯やブラック企業との関連編集

園芸家にして投資家として知られた本多静六は「凡人者の天才者に対する必勝とまではいかなくとも、少なくとも不敗の職業戦術がある。それは『仕事に追われないで、仕事を追う』ことである。」と述べている。


「社畜」に至る理由として、従業員が仕事をする上で成し遂げるような目的・目標を持てず、働くことが単なる賃金目当てになっていることが挙げられる。

つまり、仕事を通じてなされる自己実現や社会への貢献などの希望が無くなっている状態であるといえる。

サービス残業


しかし、そもそも働いて給料で糧を得る事で生活は成り立つので、仕事を「生活のためだけにすること」と割り切って、「アフター5や休日に遊ぶため」「家族を養うため」に働くという価値観は間違っているわけではない。

働いている間はしっかりと自分の仕事をこなし、働いていない時間は自分のため、自分の生活をする、という働き方は至極真っ当である。


「社畜」が社畜たりうるのは、仕事とは別にあるはずの生活が犠牲になっているにもかかわらず、ただ働くことだけにエネルギーを吸い取られているという点にある。


滅私奉公の概念、つまり、個人的な感情や利己のためだけの考えを捨て、組織や公の場に奉仕する、というのはある意味では美徳であるが、個性を重視する現代社会においては必ずしも良い面ばかりと言うわけではない。

さらに、組織やそのトップ、上司の思想や理念が、社会や勤め人自身のそれと乖離していたり、労働環境が伴わなかったりすれば、志をもって労働に勤しむ社員であっても「滅私」に至ってしまう可能性がある。


特に、社会問題として語られるブラック企業では、社会経験のない新人の無知につけこみ、非常識な労働環境を強いた上で、それが誤りだと気付く機会も奪うような状況が知られている。むしろそれが当たり前、耐えるのが美徳であると錯覚させてくる。


そうでなくても、発展による業務そのものの飽和状態、人材の先細りなどで社員に過剰な労働を課していくような企業は少なくない。コストカット(=人件費の削減)や、多角化する業務のためのスキルアップだけを一方的に求め、社員からすれば時間と労力に見合わない薄給化が生じ、そこから少しでも手取りを増やすべく残業するしかなく、更に過度に働く流れも生じている。結果、時間と体力は消費して労働以外を行う余裕を失っていく。

つまり、企業や社会のあり方そのものが「目的のための労働」ではなく「働くために生きる人々」を生み出す土壌と化し、一個人のスタンスではなく社会問題としての側面も大きいと言える。


企業は本来、何らかの目的を成すために創設されたものである以上、その目的に合致しないならば、転職や自らの起業などを考えるべきだろう。

しかし、転職を考えても次の職に就くまでは無給なので、食いつなげるよう一定の貯金を貯めてからとしばらく働き続けるケースもあり、その上で上記のように自身の働きぶりに見合うとは言い難い薄給で体力も時間も失いながら続けている人も少なくない。


消耗しながらも働き続ける者を安易な言葉で貶してはならない。


当てはまったら危険編集


どれも労働基準法違反の犯罪である。

「これが普通」などといった洗脳が行われる。改善されないならさっさと辞めたほうが良い。

※雇用契約書に署名捺印済であっても違法な契約内容は最初から無効である。


「金と時間と労働力を搾取され、過労死自殺するまで働きました」なんて美徳でもなんでもない。


現在は「退職代行」といったサービスもある。


Pixivでの扱い編集

社畜」をイメージ、題材としたイラスト・漫画のほか、社畜状態に陥ってしまった人のエッセイ漫画なども多く投稿されている。

このほか、過酷な労働環境で働かされ、他のキャラクターやファンから「社畜」と言われているようなキャラクターを描いた作品にもタグが使われる。


一部では、社畜のネガティブなイメージとは特に関係のないような明るくポジティブなキャラ、本編では特に会社務めでないキャラを「社畜化」させたようなIF二次創作も投稿されている。 例→ヌヌ葉否Twitterめう労働ランナーなど


また、ゲーム内でイベント攻略や育成のため低コストのキャラクターを最低限度の回復だけして延々とクエストを回し続ける(※仮に高コストでもやることは同じである)ようなことを「まるでブラック企業で働かされる社畜のようだ」とプレイヤー側が自嘲する形で、キャラやプレイ日記などに使っていることもある。例→ブラック鎮守府など



関連タグ編集

ブラック企業


資本主義 サービス残業 残業 やりがい搾取

 プロレタリアート 限界OL 退職代行


労働基準法…守らないの犯罪である。


プロボックス…「社畜の棺桶」の異名を持つ社用車向けの乗用車

24時間戦えますか 月月火水木金金 ヌヌ葉否

ブラック鎮守府 オリョクル


いきのこれ!社畜ちゃん:社畜状態でハードワークを強いられている「社畜ちゃん」が主人公の漫画。


ネバー・レイト・ナイターズ

ロボットアニメなどの世界観で社畜追体験ができるリアル系TRPG


関連キャラクター編集

屋敷しもべ妖精:魔法使いに無償奉仕すること誇りとする社畜種族。

シャチクヒルドン:『テイコウペンギン』の『魔進戦隊キラメイジャー』とのコラボ動画に登場した、社畜をモチーフにした邪面獣

伏原さん:『社畜さんは幼女幽霊に癒されたい』の主人公。ほぼ毎日ブラック上司である課長に大量の仕事を押し付けられ深夜まで残業しており、幽霊ちゃんから社畜さんと呼ばれている。

ボルサリーノベガパンク抹殺の任務の為にエッグヘッドへ赴いた際に、戦桃丸に対し自らの立場を社畜と称している。

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