概要
トヨタ自動車が企画・開発しダイハツ工業が製造するライトバン。かつてはステーションワゴンモデルも販売されていた。また、2020年までサクシードという姉妹車が存在した。製造はダイハツが担当するが、販売店はトヨタ系ディーラーのみである。
2002年7月販売型 | 2014年8月販売型 |
カローラ/スプリンターバンの後継として2002年に発売された。2014年にビッグマイナーチェンジ(初代ヴィッツベースから2代目・3代目ヴィッツベースに移行。事実上のフルモデルチェンジである)が行われ、この際ワゴンモデルが廃止され商用車のみとなった。さらに2019年にはハイブリッド仕様も追加された。このハイブリッドモデルに限りオートエアコンがあるが、プリウスほど大きな出力のあるAC電源は装備していない(ガソリンモデルと同じものが装備されているのみ)。
トランスミッションは2002年~2014年モデルが5MTもしくは4AT、2014年以降のモデルはCVT。
エンジンは2002年モデルが1300ccもしくは1500ccガソリンと1400ccディーゼル。1500cc天然ガス仕様もあったが、2014年以降はディーゼル共々廃止となりガソリンのみに整理された。
2018年からは、マツダがトヨタと資本提携を結んだ関係で、それまで日産・ADのOEM車だったファミリアバンがプロボックスのOEMに切り替えられている。
特徴
競合車種の日産・ADバン/ADエキスパートをはじめ、日本におけるほとんどのライトバンは乗用車の派生車種として開発されてきたが、本車種は商用バージョンであるバンがメインで、ワゴンは商用車からの派生であった(後にワゴンは廃止)ことが特徴。競合のパートナー(ホンダ)、ランサーカーゴ(三菱)などのライトバンが次々と生産中止・OEMに切り替えになる中、20年近くにわたり製造・販売され続けており、街角ではよく見かけられる。
取引先との商談や納期など、時間に追われまくる営業マンが乗るプロボックスは、特に高速道路で追い越し車線を全力で疾走する姿から、ネット上では「公道最速」などと言われることもある。なお車名の由来は「プロフェッショナル」+「ボックス」=「プロフェッショナルのための箱」であるが、社用車としてあまりにも多用されていることや、上記の理由で運転が荒い(名古屋走り等)ドライバーが目立つ、さらに後述のように「車内での寝泊まり」までこなせてしまうため、「プロレタリア」+「ボックス」=「社畜の棺桶」と自嘲気味の異名まで持つほどである。
商用車として開発されたため、内装は質実剛健そのものの非常に合理的な設計であり、車内で食事をとったり事務作業ができるよう引き出し式テーブルなどが装備され、さらに空調で灰皿の灰が飛び散らないよう配慮されていたり、車内での睡眠まで考慮されているという、半ば仕事のための居住空間としての側面も持ち合わせている。
後席の快適性はあまり考慮されていない反面、積載性に優れ、安全性や走行安定性など自動車としての基本的性能の面では評価が高い。
そのため、マイカーとして愛用するドライバーもいる。荷物積載のため固められた足回りがスポーティーという評価があり、ヴィッツベースのためカスタム部品も多く出回っていることから、エンジンをチューンしたりローダウン仕様に改造されることがある。またスパルタンな内装は汚しても気にならないということでアウトドアの遊びクルマに使われる事も多い。