概要
1983年から1987年まで販売されていたトヨタの乗用車カローラレビン、およびその兄弟車スプリンタートレノのうち、排気量1,6リッターのDOHCエンジン「4A-GEU」を搭載したスポーツグレード(GT APEX/GTV/GT)を指す。
駆動系は先代であるTE71型のものを流用。
発売当時の同クラス車が全体的にFRからFFに移行しつつあった中、適度なコーナリング性能のあるFR構造を貫いた事から、ライトユーザーからセミプロまで多くのドライバーの支持を集めた。
その中には土屋圭市、谷口信輝、勝田範彦、ヤリ=マティ・ラトバラらのように、ハチロクで技術を身につけモータースポーツで活躍したプロドライバーも多い。
1,5リッターのSOHCエンジンを搭載する廉価グレードも存在し、そちらは形式がAE85(通称ハチゴー)となる。
この他で輸出仕様ではトレノの車体にカローラの名を冠したモデル「カローラGT-S スポーツリフトバック」が販売されていた。
その後、レビンとトレノもAE86の後継となるAE92・AE91型以降はFF化された事から、シリーズで最後の軽量FRモデルとして日産のシルビアやマツダのロードスターと共に依然として高い支持を受け続けた。
その一方で主にドリフト系の走り屋にも人気だったことからチューニングも含めた改造率が非常に高い。
その傾向からなのか同年代の軽量スポーツカーと同様に陸運局による車検審査が厳しいようであり、現在でも発売当時のハチロク用アフターパーツに関しては車検対応が保証されない場合が多いとされる。
1990年代後半、『頭文字D』において本車種が主人公・藤原拓海の愛車となり、同作のヒットによって再度注目を集めるようになった。
さらにそのモデルがハチロク全体で最も生産台数が少なかった3ドアのトレノであったため、需要が急拡大し中古価格急騰の事態に陥り、『頭文字D』完結から10年が経過した現在でも依然として高止まり傾向にある。
なお、『頭文字D』作中のハチロク乗りは拓海以外に秋山渉と乾信司がおり、愛車はそれぞれ渉が3ドアのレビン、信司が2ドアのトレノである。
中古車購入の注意点
生産終了から30年以上が経過している大衆向けのスポーツカーなので、現在出回っている中古車の殆どが大掛かりな板金やエンジンの換装などの修復歴があったり、日常使いでは少々不便なモータースポーツ向けのシートやシートベルトなどに変えられた内装となっているものが多い。
『頭文字D』のアニメ放映期には、エンジンやボディが錆で半分腐食しているような程度の悪い車や、事故車、ニコイチ車、メーター改ざん車などを高額で売りつける悪質業者も横行したとされている。
こうした事情から数少ない程度のよい個体にはかなりの高値がついているので、購入を検討する際は現役や元オーナー、信頼できる自動車整備士などの有識者に相談する事が重要である。
余談
2012年にトヨタとスバル(当時は富士重工業)が共同開発した、FRクーペのスポーツカー86が発売される。
ただしエンジンはスバルの水平対向型となり、シャシーもスポーツ仕様の専用設計と、ハチロクとは設計コンセプトも車両規格も全く異なる。
メーカー側も「AE86のように長く愛される車になって欲しい、という意味合いで車名を決めた」と発表しており、決してカローラレビンやスプリンタートレノの後継車というわけではない。
関連動画
- TVコマーシャル(スプリンタートレノ)
このCMで一緒に紹介された同年代のセダン(AE81、ちなみに4A-G搭載車はAE82となる)と合わせたキャッチコピーは「SEXYスプリンター」で、CMキャラは古谷一行だった。一方のカローラは郷ひろみで、「素敵に、NEWカローラ」をキャッチコピーとしていたが、レビンの登場するTVCMは存在しているか不明。
- 【TOYOTA NEXT ONE】WEBムービー「THE WORLD IS ONE」篇
2015年公開のトヨタの企業CMでカローラレビンが登場。
日本・豪州・南アフリカの3バージョンが製作された。
動画は全てWEB(ロング)版。
日本篇
豪州篇
南アフリカ篇
- 輸出向けカローラGT-S TVコマーシャル
関連項目
BRZ(86の兄弟車種)