秋山渉
あきやまわたる
「峠で速いヤツが一番かっこいいんだ イケてるぜおまえ・・!!」
「貧乏でも努力した奴が勝ってこそ ドラマじゃねーのか オレが負けてちゃもりあがらねーぜ!!」
埼玉県秩父市周辺に住み、飯能市と横瀬町の境にある正丸峠(旧国道ルート)をホームコースとする走り屋の青年。
秋山和美の兄で、同じ県内の走り屋チーム(チーム名は不明)を束ねる秋山延彦とは従兄弟同士である。
職業と年齢は明らかにされていないが後述の坂本とは呼び捨てとタメ口で話し合う事から、プロジェクトDの埼玉遠征時では26歳前後と思われる。
原作では喫煙者という設定であるが、アニメ版では喫煙シーンが一切ない。
普段は特定のチームに所属していないが、プロジェクトD編では延彦が立ち上げた「埼玉北西エリア連合」チームに助っ人として加わっている。
また峠が専門ではないラリーストの坂本を延彦に紹介するなど交友関係が広い。
作中で中里毅と共にプロジェクトDのダブルエースとバトルをした事のある数少ない人物で、主人公の藤原拓海以外で高橋啓介とは2回戦っている。
自分と同じ凄腕ハチロク(AE86)乗りである拓海の噂を聞いて興味を持ち、群馬県を訪れた際偶然知り合い同士になった和美と武内樹を通して拓海に接触する。
どちらかというと強面だが普段は基本的にフレンドリーで年下にも丁寧に接し、妹の和美をいつも気にかける善良な人物であり、樹からも同じレビン乗りとして尊敬されている。
また樹からは「すげえかっこいい人」と呼ばれたり、池谷からは「あんなかっこいい兄貴がいるなら、和美ちゃん、樹に振り向かないんじゃないかな」と心配されたりと、作中世界ではイケメンな様子である。
しかし公道レースやそれに使うクルマの事になると人が変わったように熱くなり、乱暴な言動を取るなど闘争心を剥き出しにする。
またセブンスターリーフの末次トオルと同じく潤沢な経済的環境にあるわけでない事から、クルマに大金を使うという考え方における執念が強く、特に大病院の御曹司に生まれ、潤沢な資金で走り屋をしている高橋兄弟には敵対心を持っている。
後述する愛車への後付けターボ(排ガス式過給機)による改造はコスパの良いパワーアップを求めた結果であり、その後のスーパーチャージャー(機械式過給機)への換装もメンテナンス代を惜しんで走り込みを続けた結果エンジンをブローさせてしまったのがきっかけであった。
そのため金欠を補うために人一倍にメカニックについて勉強している。
ブローした拓海のスプリンタートレノのエンジンが載せ換えられた際、父文太の独自ルートによって通常では手に入れる事がかなり難しいレース用エンジンを一目見て見抜いており、それに全く気づいていなかった拓海を軽蔑して皮肉的な台詞を言う一幕もあった。
そんなわだかまりを持ったまま拓海と自身のホームコースである正丸峠で対戦し、持久戦の末敗北。
クルマだけでなく拓海の突出した才能を認めるようになった。
以降はより落ち着きのある性格を見せるようになり、走り屋とハチロク乗りの先輩として拓海にアドバイスをしたり、食事に誘うほどまでの仲となった。
また今カレとトラブル中の和美を非常に気にかけていたイツキがフラれた際は心配し、拓海に対して「イツキには気の毒な事をしてしまった。あんなふざけた妹のことは早く忘れて、もっといい女を探せと伝えてくれ」という主旨の発言をしている。
二度のバトルを通して啓介ともかなり良好な関係となり、ニセプロジェクトDによる騒動の際は延彦らとともに拓海や啓介たちにも協力。
その情報網で迅速な特定の実現に寄与し、発見したニセモノにいち早く接触。
相手の実力を見抜いた上で懲らしめるべく、「ドリフトを見せてほしい」と一芝居を打ってカマをかけた。
アニメ版の完結編最終回には、延彦や坂本と共に神奈川県でのプロジェクトDの最終決戦に応援で駆けつけて拓海の勝利を見届けた。
アーケードゲーム『頭文字D_ARCADE_STAGE』シリーズでは公道最速伝説モードで碓氷(Ver.1)、秋名(Ver.2/D4/D6~D7)、正丸(Ver.3,Special)、筑波(D5)、八方ヶ原(D6~D7)、定峰(D8~DZero)、土坂(DZero)と様々な峠に出没している。
プレイヤー側がハチロクだとハチロク使いの意地にかけて、特殊台詞が聞くことができる。
初期バージョンのVerシリーズ、D4/D5では一度勝利した後に再戦を行うと従来のスーパーチャージャー仕様に変わっている。
2021年稼働開始の『頭文字D THE ARCADE』では公道最速伝説の第一話から登場し、プレイヤーと大きく関わっていく重要な立場としてストーリーを展開している。
また、ストーリー内では秋名で同じレビン乗りのイツキに指導しているが、やはり荒っぽいようでイツキからは「スパルタ」と称されている。
拓海と乾信司と同じく現役のハチロクドライバー。
他の二人がスプリンタートレノであるのに対し、渉のハチロクは兄弟車のカローラレビンである。
またグレードとスペックは全く違うが、同じ年代のレビン(AE85)に乗るイツキから憧れを持たれている。
渉がハチロクに乗る理由は、当初は「古い車というハンデキャップを逆手にとって相手を追い詰める事が快感だから」というある意味で屈折した下剋上根性によるものであった。
しかしながらその後、「なんでこんなにハチロクが好きなのか自分でも分からない」とも語っており、また「どこまで現役の(公道レースでの)戦闘機として通用するか」や「(後年車である)FD(RX-7)を撃墜してやる」などの発言から、渉が自身のハチロクレビンに特別な愛情を持っていると思われる描写がされている。この辺り、当初はハチロクのメーカーすらよく分かっていなかった拓海とは対照的であり、ハチロクへのこだわりや愛着は、ある意味拓海以上とも言える。
初登場時のエンジンは後付けターボによるターボチューン。
最大で280馬力ものパワーを絞り出し、下りでも啓介のFDと張り合えるほどの実力であったが、代償として、ターボラグ(ターボ過給によるアクセルレスポンスの悪化)の大きい「ドッカンターボ」仕様であった(とは言え渉の熱い性格もあってか、彼自身は気に入っていた)。
そのためコーナー出口でマシンの挙動が乱れてもアクセルを戻さず、カウンター(逆ハンドル操作)だけで押さえ込むような変則的なドライビングスタイルを我流で身につけて、バトルでは立ち上がりでの加速でカバーしていた。
その後、エンジンブローを機にスーパーチャージャー仕様に変更。パワーこそ200馬力程度とターボには及ばないが、フラットな出力特性により総合的な戦闘力は確実に向上しており、渉自身のドライビングもフラフラと不安定な動きが無くなり洗練度が増し、ドライバビリティの弱点を克服している。
ドラテクに関しても、特に持久力に優れ、先行後追い方式でプロジェクトDのダブルエースと長時間に渡り互角の勝負を演じるほどではある。
しかし、拓海とのバトルでは「道幅がかなり狭いからこちらがミスをしない限り抜かれる事はない」と思い込んで一瞬集中力が切れた時に抜き去られたり(アニメ版では拓海の荒技もあった)、啓介とのバトルでも大雨と長期戦で集中力が切れ始めてワイパー操作の瞬間にグレーチング(路面の排水溝の網)に足を掬われてスピンしたりと、ドラテクとは別の要因で敗北を喫している。
本作のパラレルワールド的続編であるMFゴーストにも登場。原作では解説の声のみの出演だったが、アニメ二期では約15~20年後の近影が明らかになり若々しいイケおじとなっていた。
北関東で有名なハチロク使いとなった渉はその後プロドライバーとなり、全日本ラリーやジムカーナ、ツーリングカー選手権で活躍する存在になっていた。
またリョウ・タカハシらと共にMFGの立ち上げにも携わり運営理事としてもその名が知られている。
拓海の近況を知る数少ない人物であり、第3戦のザ・ペニンシュラ真鶴で解説を務めた際に(かなりオブラートに包みながら)彼が健在であること、そして既婚者になっていることを語った(開幕戦で解説を務めた小柏さんが聞いてたら涙腺崩壊は間違いないだろう…)。
またカナタ・リヴィントンの走りを「(簡単には諦めないしつこさが)自分好み」と評する一方で、ミハイル・ベッケンバウアーに対しては「(計算高いところが)あまり好きではない」とバッサリ斬ってみせるなど、中継を視聴していたファンからは「解説としてどうなのよ?」と言われてしまっていた(拓海に人一倍の思い入れがあるために私情が入った解説とも言えるが)。
- 拓海と同じハチロク乗りということもあってか、初登場直後は拓海とキャラクターデザインが非常によく似ていた。拓海と接触する頃にはデザインが少々変更されている。
- AE86の後継であるAE92、そのまた後継のAE101にはスーパーチャージャーを装備した4A-GZ搭載モデルがあり、ファンからはこのエンジンを移植したのではないかと考察された。ただし作中では言及されておらず真相は不明。とはいえ頭文字Dの時代背景が2000年前後であることを鑑みれば、4A-GZに換装した上でチューニングを施したと考えるのが自然であろう。
- 声優の鶴岡聡氏は、カーランド協力の下で原作第二部の渉とほぼ同仕様のレビンを所有している。同じくカーランドで拓海仕様のトレノを制作・愛車とする三木眞一郎氏と異なり持ちキャラの愛車再現いう訳では無く、いちファンとしての所有である。なおこちらのエンジンはAE101用の4A-GZに換装済み。
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