秋山延彦
あきやまのぶひこ
「反則と言われようが 何と言われても オレはプロジェクトDに勝ちたいんだ・・」
秋山渉と秋山和美の従兄弟で、埼玉県の定峰峠をホームコースとするチームのリーダー(チーム名は明かされていない)。
秋山和美の発言から東松山市に住んでいることが判明している。
やや髪の長い眼鏡をかけた青年で、年齢は明かされていないがタメ口で話してくる坂本(頭文字D)には敬語で接しているのでおそらく25歳以下。作中でのセリフから何らかの仕事をしている社会人である。
同作品で近親者が3人以上登場するのは大変珍しく、他には本編で高橋兄弟と従妹の緒美、原作番外編『拓海外伝』の武内樹の両親くらいしかいない。
ドライバーとしての技量はそれほど優れておらず、どちらかといえばプロジェクトD編以降の高橋涼介同様にチームリーダー・参謀としての役割のほうが強い。
高橋啓介の弱点を的確に見抜いたり、藤原拓海がわざと遅く走っていたのも看破するなど観察眼は確かなものがある。作中で「頭が悪い」とさんざん言われている岩城清次とは対照的に、涼介、渉、史浩たちから「頭が良い」と評価されている。
また優男のような風貌と振る舞いとは裏腹に闘争心は強く、プロジェクトDが来ると聞いてビビって慌てるチームメイトにも「オレは興味がある」「来てくれてうれしいぜ」と平然と言ってのけている。
さらにチームのヒルクライムエースである岩瀬恭子のFD3Sのチューニングメニューは、彼女が初心者の頃からずっと延彦が考えてきているが、これも啓介から「良い車だ」としきりに褒められる出来栄えで、チューナーとしての腕前の高さも持ち併せる。
なお岩瀬に対しては異性としての情も垣間見られ、彼女が啓介に熱を上げているのを見て「妬ける」と感じていた。
以下ネタバレあり
プロジェクトDと最初の交流戦でのFD同士ヒルクライムでは啓介がまだコース攻略に手間取っていることを見抜いて後追い作戦を考えるが、啓介への慕情に燃えて自分の走りを見てもらいたいと恭子は先行を選ぶ。しかしこれが結果的に災いして敗北した。
延彦はドライバーとして藤原拓海とのダウンヒルに臨むが、これは試合前の練習時で拓海の実力を目の当たりにして敵うダウンヒラーがチームにいない事を察したため。勝利を諦めながらも次のバトルに向けて秋名のハチロクのポテンシャルを観察しようと後追いを先行するが、逆にわざと見せるような走りをされ、1つ目のヘアピンを過ぎるとあっさりと千切られてしまう。
その次の交流戦までに、ヒルクライム担当に従兄の渉、ダウンヒル担当に渉の知人でラリーストの坂本らを加えた『埼玉北西エリア連合』を結成してリーダー兼参謀として登場。間瀬峠でプロジェクトDを迎え撃つ。
前戦で感じたヒラメキを元に拓海がこれまで戦ってきた相手を分析した結果、「峠でハチロクに勝利するには『軽さ』を武器にするしかない」という結論に達し、坂本の搭乗マシンとしてハチロクより圧倒的に軽い軽自動車であるスズキのカプチーノを準備した(ハチロクの車重も約960キロとかなり軽量な部類であるが、カプチーノは700キロ強しかない)。
延彦の目論見通り、コース終盤までは「軽量コンパクトでコーナーワークが速い先行のカプチーノに翻弄される秋名のハチロク」という展開となり、拓海をして「どうすればいいのかわからない」と思考停止に追い込む善戦を見せた。
しかしバトル当日は大雨であったことから、元々峠が専門ではない坂本のマシンへの理解と習熟度の差、加えて「気持ちの強さ」で詰められ、軽量さを最大限に活かすことはできなかった。このため拓海を大きく引き離すことができず、エンジンパワーが物をいう終盤の直線区間で逆転され敗北した。
しかし、これまで誰も使ってこなかった(そして最後まで他の誰も使わなかった)「ハチロクの軽さに着眼した戦法」を採用し、大雨ながら善戦していたという事実からも、結果では敵わなかったにしても明晰な頭脳と大胆さを兼ね備えた人物であることは間違いないと言える。
実際涼介もカプチーノという情報をキャッチした際には「ヤバイ、ミスをした」「東堂塾2戦目よりも苦戦する」と珍しく焦りの汗を流しており、大雨のおかげでミスを帳消しにできたと感じているほどである。
そもそもカプチーノという選択は先のようにハチロクをじっくり観察して対策を思い付いたことが理由だが、これは今後の布石として涼介が拓海へ1つ目のヘアピンまであえてペースを抑えさせ延彦に走りを見せたことが発端。本来であれば常勝軍団率いる涼介の「布石」だったものを逆手にとって「ミス」に換えたという点、ハチロクに圧倒的な差で見せつけられるような負け方をしても戦意を喪失することがなかったという点で、延彦は只者ではなかったわけである。
また恭子のFDについても涼介は「このコースを知り尽くした、かなり頭のいいやつが仕上げたものだ」と認めている。
後に啓介が恭子のFDを借りてランエボに勝利しているが、これも半分はチューニング指示を担った延彦のおかげと言える。
このように作中では珍しく、テクニックではなく頭脳でプロジェクトDを追い詰め、そして助けたキャラクターである。
バトル後ニセプロジェクトDの情報収集に協力しており、神奈川県での最終決戦には渉と坂本と共にギャラリーとして駆けつけ、アニメ版では拓海の勝利を見届けた。
- 愛車のアルテッツァは、作中でバトルに用いられた車としては唯一のFR+セダンという組み合わせである。現実においてはエンジンパワーに対して車体が重いことから走り屋向けではないと評する声が多く、後に用意するカプチーノの対極と言えるような車種であった。
- 延彦役の堀川仁は、アニメ版登場に先駆けて2003年発売のPS2用ソフト『頭文字D Special Stage』でキャスティングされ、約1年後に放送されたアニメ版『頭文字D Fourth Stage』でも引き継がれた。
- 当初原作では彼の名字は明かされておらず、名字の初出はゲーム『頭文字D Arcade Stage ver.2』から。それに追従する形でアニメFourth Stageでも秋山延彦と表記され、原作では神奈川最終決戦のギャラリーとして再登場した際に初めて表記された。結果、ゲーム→アニメ→原作という珍しい形で名字が表記されるようになった。
- 原作・アニメ共に延彦と同仕様のアルテッツァが色違いで登場しており、両者共通で原作番外編『ウエストゲート』とOVA『頭文字D Extra Stage2』に登場したガラの悪い二人組が搭乗していた車両や、アニメではFourth Stage以降で一般車として稀に登場していた。
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