「事故だけはしないでね…負けても良いけど事故だけはしないでね」
概要
主人公である藤原拓海の同級生にして彼にとって作中一人目の彼女。
一人称は「なつき」。
茶髪ショートのボブカットに愛らしい顔立ちをした天真爛漫で明るい性格なのだが、大事なものがごっそり抜け落ちているような裏の顔も持ち合わせる。
自称走り屋の池谷浩一郎や武内樹、塚本先輩たちが失神したり絶叫するほどの拓海の全開ドライブを、一切動じないどころかおもしろかったとケタケタ笑う剛胆さを持つ。拓海曰く「やっぱ女はつよいよなー…塚本先輩はこんなんなっちゃってるのに」。
しかし車酔いしやすい体質で酔い止めの薬を常備しており、乗車機会の多さを拓海に疑問に思われて焦る場面があった。
劇中の活躍
以下ネタバレ注意
元々は拓海と同じくサッカー部に所属し、マネージャーをしていた。以前は先輩の御木と付き合っていたが、御木が部室で「茂木のセックスはオレが仕込んだ」という話を自慢気にしていたことに拓海がブチ切れ、殴ってしまったことをきっかけに退部。一時は拓海とは口をきかなくなってしまった。
初登場時は拓海と武内樹に声をかけているが、これは実に1年ぶりの会話であった。その後拓海との距離を急速に縮め、一緒に海にデートに行ったりキスまでする仲になった。
しかし実はベンツ乗りの「パパ」と援助交際を行っており、肉体関係を結んで月に数十万ものお金を貰っているという裏の顔も存在する。なおなつき自身は援助交際の自覚がなく、「そういうのとは違うと思っていた」と後に吐露している。
他にも
- 拓海たちのバイト代に「そんだけ働いてたった12万なのーっ」と大声で驚くという高校生離れした金銭感覚を暴露する
- 「なつきが百万円あげたらどうする?」「すごい感謝してなつきのことめちゃめちゃ大切に思えたりして?」など、想い人を金で買うという妄想を大はしゃぎで本人にまくしたてる
- 他人のS13に腕時計をうっかりぶつけて怒られた時に根に持ち、その車が現れた際は塚本先輩の180SXを運転させてもらっている拓海に「こんな車ぶつけてもいいから」と塚本先輩の前で言い放ってバトルに駆り立てる
などドン引きするようなエピソードが多い。
が、(厄介なことに)多くは本人に悪意がない。
実は「パパ」はなつきのクラスメートで親友の白石の父親で、拓海に惚れていた白石は拓海にこの事を告発。確かめにラブホ(TVアニメ版ではファミレス)に見に行った拓海はベンツの助手席に乗って出てくる茂木を実際に目撃してしまい、今度は拓海から嫌われてしまう。
「ベンツのカレシと仲よくやれよ オレにかまうな!!」(拓海)
しかしなつきは悪びれておらず、「いくらなんでもひどすぎだよォ」「なんにも悪いことしたつもりないよ」と被害者ぶっており、これが元々悪かった読者の印象をさらに悪くしている。なお拓海が作中初めての敗北(vs須藤京一)を喫したのも、この件で自暴自棄になってしまったからである。
唯一擁護できる点があるとすれば、この援交はなつきの方からもうやめようと言い出した後、「パパ」がせがんだ最後の一回であるという点くらいだろうか。
しかし茂木は悩み抜いた末、逆に図々しく出るという大胆な作戦に出た。拓海の働くガソリンスタンドにバイトとして入ったり、クリスマスには拓海の家に押しかけたりした。
※クリスマスツリーには、お手製のトレノのオーメントを飾っていた。
正月には御木に「誘拐」されるという事件が起こるが、それをきっかけにお互いの気持ちを再確認した後、短い間だが再び付き合うこととなった。
「お前に会えなくなるのはすげえつらいんだ・・お前のこと好きだから・・!」(拓海)
バイトは卒業するまでやり遂げ、高校卒業後なつきは東京の専門学校へ行くことに。最後に拓海は「なつき以外の誰にも言わない」という、プロドライバーになるという夢を語って峠の全力アタックを隣で見せ、2人の営みは終わりを告げた。その後お互い忙しくなったため、手紙を交わす程度で会うこともなく疎遠になっていった。
茂木は上京する電車内で「サヨナラ 拓海くん…」と別れを告げ、拓海もプロジェクトDに参加する中で上原美佳に燃えるような恋をするようになったが、これはあまりに茂木が不人気であったためにされたヒロイン交代という説がある。
しかし作者が「バトル好きの読者には申し訳ないけど、これは成長ドラマなので」と断りを入れるほどふんだんに描かれた2人の触れ合いは、頭文字DのNL(HL、男女CP)界隈でそこそこ人気が高いのも事実である。
余談
・主要キャストやBGM担当が後のTVアニメ版と共通し、同作のプロトタイプとも言えるマガジンCDブック版(ドラマCD)では主要キャラとしては数少ないアニメ化の際にキャスト変更されたキャラである(他にはパパもアニメとは異なり、こちらでは沢木郁也氏が演じていた)。
・バイト先に関して、小柏カイ戦より後にガソリンスタンドでバイトを始めた原作と異なりTVアニメ版ではSecond Stage終盤(原作でいうと秋山渉と正丸峠でバトルをする直前)に市内のハンバーガーショップでアルバイターとして働く事を決意、理由も今までの自分が間違っていた事に気付いた上で「どうすれば良いか分からないけど、拓海くんと同じようにバイトしてみる」という決意と共に「自分自身を変えてみせる!」と宣誓している(面接の様子を正丸峠に向かう池谷と健二に目撃されており、最終話にて池谷が拓海にそれを伝えエンディング前には拓海がハンバーガーショップの前を通りなつきの様子を窺い少しだが微笑みを見せていた)。この変更により御木と再会する場所もこの店で客として来た彼に見つかるという流れになっている。
・TVアニメ版では全編通じて白石が登場しないので援助交際の事を拓海に明かした人物は不明のまま終わっている。
・新劇場版では物議を醸した【援助交際している事態】そのものがオミットされたので当然パパも登場しない。
・実写版では援助交際の理由が「母子家庭で、その母親が病気になったことから」と、原作に比べるとかなり許容できる理由となっている。ただ、展開が駆け足気味の為に秘密がバレた後も仲直りすること無く終了している。また主要キャラでは唯一日本人が演じた。原作では援助交際バレ→AE86エンジンブローなのだが、実写版では時系列が逆転している。また、目撃者は樹になっている。
・講談社から発売されたゲームボーイ用ソフト『頭文字D 外伝』では、なつきがメインのストーリーがあり、自分で車を買った設定で様々な相手に挑戦していくという原作からは考えられないものだった。
・新劇場版でなつきを演じていた内田真礼の弟である内田雄馬は、続編であるMFゴーストで主人公のカナタ・リヴィントン(片桐夏向)を演じている。
関連タグ
上原美佳…拓海にとって二人目の彼女で彼の伴侶となった女性。世間的には有名なプロドライバーになった拓海には女子プロゴルファーとして有名な彼女の方が相応しいという意見も存在している。