1991年10月、RX-7はサバンナRX-7であったFC3Sをフルモデルチェンジした。その結果をFD3S型 RX-7と名付け(サバンナではなくなった)発売した。
この車種はMAZDAの販売店の関係上アンフィニ・RX-7、マツダ・RX-7と名称変更されている。
なお、この車種は1996年以降唯一のロータリーエンジン搭載の量産車両であった(ユーノス・コスモがそれまでには生産されていた)。
車体の軽量化やエンジンの高出力化を図るなど、「ピュア・スポーツ」をコンセプトに掲げる車両として開発が続けられたものの、日本国内市場および北米市場におけるスポーツカー需要の低下、ターボ過給機付ロータリーエンジンの環境や燃費の対策が手詰まりとなったことなどの理由により、2002年8月に後継機を出さず生産終了となった。
エンジン
この車のエンジンはレシプロエンジン換算で2,000㏄となる654cc×2である。出力は、シーケンシャルツインターボ化を施した13B型ロータリーエンジンで255ps(なお、以前の車種では215馬力だった)だった。
しかし初期型255ps車のパワーウエイトレシオ(重量/出力比)は5kg/psを切っていた。後にエンジンの出力向上が行われ、1996年1月のマイナーチェンジでMT車のみ265ps、1999年1月のマイナーチェンジでは280psに達した。
マイナーチェンジ
11年の製造期間中少なくとも6回マイナーチェンジが行われた。
前期型
1型 (1991年12月-)
エンジン出力255馬力。
2型 (1993年8月-)
ダンパーを大型化、サスペンションセッティングの見直し。
大型アームレストを追加し、インテリアの低コスト化した代わりに質感と使い勝手を向上。
二人乗り用の2シーターグレードであるタイプRZとタイプR II バサーストを追加。
後部のサブフレームなどに補強材を追加、ボディ剛性を大幅に強化。
ステアリングがMOMO社製皮巻きに変更。
3型 (1995年3月-)
グレード体系を見直した。タイプR-Sなどを追加。
17インチディスクブレーキを搭載したモデルも登場している。
リアウィングも大型化された2本足のドルフィンタイプに変更。
中期型
4型 (1996年1月-)
97年10月以降は車名が「アンフィニ・RX-7」から「マツダ・RX-7」となる。
制御用CPUのビット数が8ビットから16ビットにアップし、タービン過給圧が470Hgに上昇、エンジン出力がMT265psとなるが、ATは255psのまま。
出力向上に伴い駆動系の一部やエンジンの配管の一部が金属になる、シーケンシャルツインターボ制御部の簡略化など、様々な箇所が強化されている。
外装ではリアコンビネーションランプが丸型3連式に変更されている。
一番製造期間の長いモデルのため、4型は二度モデルチェンジしており、エアバックが標準搭載されたり、シートベルトプリテンショナーの廃止などが行われている。
あまり利用しないスペアタイヤがコストダウンと早期の交換を促すためアルミ製ホイールからスチール製ホイールに変更されている。
メーター照明の輝度調整機能の廃止、イルミネーションカラーがアンバーからグリーンへ変更された。
後期型
5型 (1999年1月-)
タービンの吸気ハウジング内に樹脂部品を採用することで隙間を減らし、過給圧が560Hgとなり、最高出力がMT280ps(タイプRBは265ps)、ATは変わらず255psとなる。
サスペンションセッティング見直し、内装の変更(ステアリングがMOMO製からNARDI製に変更・メーター指針位置が真下からになる・油圧計を過給圧計に変更・シート生地変更)、BOSEサウンドシステムの廃止、16インチアルミホイールの形状変更、フロントサイドマーカーの廃止、リアサイドマーカー発光化、リアゲート部のガラスがスモークプライバシーガラスへと変更、などが行われる。
外装では5角形の開口部を持つ新デザインのバンパーとフロントコンビネーションランプが採用され、リアウィングも角度調整可能な大型のものに再び変更された。
吸気経路も変更され、インタークーラーとエアクリーナの吸気口が独立したものになる。
デュアルエアバッグ・ABSが全車標準装備になった。
1型に流用不能なものはECU、リヤ補強材の一部しかなく、マイナーチェンジ前の車両に変更後のパーツを移植することも可能。
6型 (2000年9月-)
ABSの制御CPUを8ビットから16ビットに変更、サスペンション・セッティング見直し、EBD(電子制御制動力分配システム)を追加。
インテリアではメーター盤がホワイト化され照明は赤色に変更された。
販売店等
当時の販売店系列「アンフィニ」の名を冠して「アンフィニ・RX-7」として発売された。後に販売店のアンフィニ店がユーノス店と統合したことにより、車名が「マツダ・RX-7」となる。
1991年10月、RX-7のフルモデルチェンジによりFD3S型 RX-7が発表され、同年12月より販売開始。
このフルモデルチェンジを機に1971年から20年続いた「サバンナ」の呼称がはずされ、当時の販売店系列「アンフィニ」の名を冠して「アンフィニ・RX-7」として発売された。
なお、後に販売店のアンフィニ店がユーノス店と統合したことにより、車名が「マツダ・RX-7」となる。
マツダ販売網で扱われるようになってからは、車体先端のエンブレムが、マツダのロゴマークとなった。
余談
- 開発コードはX105。なお、開発にあたってはかなりバブリーな状況にあったとされる。
- この車種が販売網整理により、車体先端のエンブレムがマツダのロゴマークとなった。
- キャッチコピーは『その非凡さが、アンフィニ。』、『ザ・ロータリースポーツ』
- 生産終了前、最終特別限定車「RX-7スピリットR」が2002年4月に発売されている。BBS社製17インチホイール、レッド塗装ブレーキキャリパー、専用インパネなどの専用パーツを装着。タイプAは専用のレカロ社製フルバケットシートなどを装備した。
- 2002年8月26日、宇品U3工場での最終生産車は、スピリットR タイプA チタニウムグレーメタリック車だった。この車の最終ラインオフに合わせ、FD3Sに携わったマツダのスタッフの他、一般公募のユーザーを加えて式典が催された。この車は市販されず、社内展用車となった。
- 1998年と1999年に中期型のこの車種がレーダー付きの高速隊パトカーとして宮城、新潟、栃木、群馬、埼玉、千葉、京都に7台導入された。現在は新潟県警察、群馬県警察、埼玉県警察の配備車両がイベント展示用として残されている。
- イギリスの「テレグラフ」誌webサイトが選ぶ「最も美しい車100選」で61位に入ったことがある。
- RX-7シリーズの中では売り上げが一番少ない。これはバブルの崩壊に伴う高級車の売り上げ減少が大きいとされる。
- RX-8に関してはMAZDAが新規車種とみなしているため、2014年の現状ではこの型式がRX-7の最終型番となる。
- RX-7シリーズの中ではアニメや、映画、漫画によく登場するものの、敵の罠にやられてしまったり、大破されたり、銃で撃ち抜かれたり、モノレールの線路走ったり、敵の仲間と鉢合わせて衝突しその後横転の後爆発したりと大体無事に済むことはない。数少ない事故らずに平和に済んだのはこの人とこの人とこの人が乗っていた時とこの人が描いた漫画全般の時くらい。
関連項目
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