伝説の怪盗VS迷宮無しの名探偵再び
概要
2009年に放送されたスペシャルアニメ『ルパン三世VS名探偵コナン』の続編にあたる作品。前作よりも「VS」感を強調していることがパンフレットなどでスタッフが語っている。
キャッチコピーは
- “決着(ケリ)”つけようぜ―。
- 奇跡の対決、開幕―
- この世に 解けない謎 盗めない宝は 散り一つ存在しねぇ
『劇場版名探偵コナン 絶海の探偵』の本編終了後の予告編にて2014年のコナンの映画予告と共に、2013年12月に『ルパン三世VS名探偵コナン』のコラボ第2弾かつ劇場版が公開される事が発表された。
名探偵コナンにとっては番外編だが、第18作目の映画であり、
ルパン三世にとっては劇場版第7弾で17年ぶりにして、
上映時間がアニメシリーズとしては最長の107分となった映画でもある。
そして、両シリーズ初のスピンオフ映画である。
前作で監督を担当した亀垣一(本作では絵コンテにも参加)と、脚本を担当した前川淳が本作においても同じ役職に就いている。
また、2009年に毛利小五郎の声優が、2011年に石川五ェ門・峰不二子・銭形警部の声優が交代しているため、両作とも一部のキャスト変更後の初共演となる。
前作がルパン世界にコナンの人物が登場するのに対して、本作はコナン世界にルパンの人物が登場するという趣向となっているため、前作に登場しなかった少年探偵団などの面々もルパン勢との初共演を果たす。宮本由美(第10作『探偵たちの鎮魂歌』にも姿を見せているが声なし)、三池苗子、ジョディ・スターリング、ジェイムズ・ブラック等、劇場版自体の登場が初のキャラクターもいる。
なお、前作やコナンシリーズで使用された様々な設定が、本作にも登場することは一切公表されていなかった。そのため、登場人物のセリフ等には他の作品を観ないと理解できない点が多い。
あらすじ
ある日、東京・月島の宝石店にてダイヤが怪盗キッドによって盗まれる。江戸川コナンはスケボーでキッドを追いかけるものの、何者かにスケボーを真っ二つにされキッドの逃走を許してしまう。
その手口から、コナンはキッドが偽物と把握、その正体はかつてヴェスパニア王国にて出会った大泥棒・ルパン三世であった。
ルパンはアラン・スミシーという謎の男に連絡を取る。彼は何等かの目的で峰不二子を人質にとり、ルパンに盗みのテストをさせていた。
翌日、海外の人気アイドル・エミリオがライブの為に来日するニュースが流れる。少年探偵団はエミリオとマネージャーのクラウディアに釘付けになる中、コナンはエミリオのボディーガードとなっていた、ルパンの相棒・次元大介の姿を見つけ、コナンはルパン一味が何かを企んでいると睨む。
一方、米花町の銀行の金庫で厳重に保管されていた宝石・チェリーサファイアを頂くという、ルパン三世からの予告状が警察に届く。銭形警部は目暮警部とタッグを組み、佐藤刑事・高木刑事と共にルパン逮捕に乗り出すが、ルパンの策略に敵わず、チェリーサファイアは盗まれてしまう。
そんな中、コナン一行は鈴木園子のコネを使い、エミリオの滞在中のホテルに訪れる。しかし、そこに目暮警部と白鳥警部がおり、エミリオ宛に脅迫状が届いていたことが判明する。それは大きな事件の、そしてルパンとコナンの対決の幕開けに過ぎなかった。
登場人物
左がキャラクター名、右が声優
ルパン三世
名探偵コナン
前作からの再登場
本作オリジナル
若護茂英心 | 松岡文雄 |
---|---|
ケイン・ゲジダス | 没キャラなのでなし |
銀行支店長 | 仲木隆司 |
マスター | 八奈見乗児 |
ルチアーノ・カルノヴァーレ | 金尾哲夫 |
エミリオ・バレッティ | 入野自由 |
キング | 三浦知良(友情出演) |
クラウディア・ベルッチ | 夏菜 |
アラン・スミシー | 内野聖陽 |
設定
()が付いていないのは、文字通りである事を示す。
引き継がれた設定
- 前作の設定のほとんど。
- ルパン三世(アニメ版の名台詞「裏切りは女のアクセサリー」)
- 名探偵コナン(佐藤刑事の携帯電話の待ち受け画面)
- 14番目の標的(ハワイの射撃場でみっちり仕込まれている」というコナンの台詞)
- 銀翼の奇術師(序盤に登場した釣り人)
- 紺碧の棺(「佐藤刑事の初恋の相手がルパン」という設定)
- 11人目のストライカー(ルチアーノの「東都スタジアムの改修工事も急がせた」という台詞から)
- 絶海の探偵(小五郎がクラウディアに差し出す金色の名刺)
新設定
- コナンの読唇術(コナンが犯人追跡メガネの望遠機能を使って、相手の話す内容を理解する事が出来る)
- 灰原の愛車(不二子と同じくハーレーダビッドソンのバイクである)
- ジェイムズ・ブラックは、実は不二子のファン。
変更された設定
本作限定の設定
- 蘭が使用している携帯電話がガラケーではなくスマホになっている(2023年現在も原作・アニメ版ではガラケーである)
- 銭形警部と行動していた為か、佐藤刑事にギャグ補正がついている (本作ではスタンガンより強力なビリビリシールを2度喰らったにも拘わらず立ち上がってルパンを追いかけているが、威力を考えると『コナン』本編では死に至る可能性も否定できない。なお、彼女自身は過去に劇場版『瞳の中の暗殺者』では犯人の銃撃を受けて瀕死の重傷を負っている)
展覧会
東映太秦映画村にて、『ルパン三世・名探偵コナンの世界展』が2013年11月30日から2014年2月14日(休村期間有り)にかけて開催。東映×東宝という異なる映画会社との異例のコラボとなったが、東映側からのオファーに対し、東宝側が快く快諾したため実現した。
ルパン・コナン両作の複製原画・アニメのセル画などをはじめ、前作のスペシャルアニメの資料なども展示されている。
興行成績
2013年12月7日から全国で約330ヵ所の劇場で公開。オープニング2日間で、興行収入約6億円を記録。映画観客動員ランキングと初日満足度ランキングでは初登場第1位となった。公開第6週目の1月7日には、早くも観客動員数300万人、興行収入約36億円を記録。そして最終的には、ルパン・コナン両シリーズで、興行収入は当時歴代最高の約43億円を記録した。