「人が人を助ける理由に… 論理的な思考は存在しねぇだろ?」
「工藤新一、探偵ですよ。」
プロフィール
在籍 | 帝丹高校2年B組(現在は休学中) |
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誕生日 | 5月4日 |
星座 | 牡牛座 |
年齢 | 17歳 |
身長 | 174cm |
家族 | 工藤優作(父)、工藤有希子(母) |
CV | 山口勝平(幼少期&変化後:高山みなみ) |
実写版で演じた俳優 | 小栗旬(2006〜2007年)、溝端淳平(2011〜2012年) |
概要
頭脳明晰、容姿端麗の高校生探偵で数々の難事件を解決し、「東の高校生探偵」「日本警察の救世主」「平成のシャーロック・ホームズ」などと称される、天才的推理力の持ち主。
実家暮らしであるが、物語が始まる1年前に両親は既にアメリカに移住しており、コナンになるまでは実質一人で生活していた。
コナンになってからは幼馴染の毛利蘭には事件の依頼で多忙となったと伝えており、帝丹高校も同様の口実で休学している。マスコミからは突然姿を消したことから、世間では死亡説が囁かれていた。
紅の修学旅行編にて蘭と恋人同士となる。また、この時にマスコミに写真を撮られ、世間的に存命が発覚する(後に両親や服部らの尽力で誤魔化すことに成功)。
名前は原作者・青山剛昌氏が語感でつけたとのこと。姓は『探偵物語』の主人公・工藤俊作に由来し、名はSF作家・星新一に由来する。
人物
容姿
小説『工藤新一への挑戦状』ではモデル並みのイケメンであるとまで言及されている。実際、ラブレターを大量にもらうほど女性からはモテモテ。また、公式の説明書きに「美形」と紹介されたり、作中でも婚約者持ちの年上女性をうっとりさせていた。新一の性格を問題視する園子も、彼の「顔は良い」と評価している。
OVA『10年後の異邦人』における10年後の世界ではこの姿にコナンの時のメガネを掛けた出で立ちが見られる。
公式のビジュアルブックでは母親譲りの整った顔立ちと明記されているが、目暮と有希子からは若い頃の優作にそっくりだとも言われている。
青山氏曰く、帝丹高校男子裏人気投票で「新一はたぶん一番じゃないかなぁ」とのこと。
また、黒羽快斗と瓜二つの顔という設定があり、新一、快斗ともにイケメン設定である。青山氏曰く「2人が似ているのは理由がある。描くかもしれない」とのこと。顔の造形は瓜二つではあるが、クールを気取る探偵の新一と遊びを重視するマジシャンの快斗の雰囲気は異なる等の相違点もある。
性格
何かと他人や自分が行動する時に理由を探し、矛盾をなくすように色々と考え、理屈をつけたがる理論派。
コナン・ドイルを愛読する、重度のシャーロキアン。自身の誕生日である5月4日についても「自身の誕生日」ではなく、「『最後の事件』でホームズがモリアーティ教授とライヘンバッハの滝に転落した日」と連想するほど。
当人もクールで論理的な二枚目を気取っているが、蘭のことになると冷静に推理ができなかったり、蘭に近づく男性に(子供相手でも)嫉妬したりと感情的になってしまうところがある。
探偵として
父親譲りの推理力と母親譲りの演技力に加え、本をたくさん読むなどの努力の結果、あらゆる分野においての豊富な知識を持つ。ネットでは江戸川コナンや工藤新一のIQの数値が紹介されることがあるが、いずれもデマであり、IQ400の公式設定がある黒羽快斗とは異なり、新一に関してはIQの数値の公式設定は存在しない。実際、新一のIQについて質問された時、作者の青山氏は"案外普通かも"と回答しているため、飛び抜けたIQの高さは黒羽快斗特有の設定であると思われる。
どちらも極めて優秀な頭脳の持ち主であるものの、メタ的に説明すれば推理力とIQは賢さの種類が違うものだと作者は考えているのかもしれない。
物事を合理的・論理的に捉えようとするあまり、ミスではない犯人の不合理な行為や独自の精神的な物事(天然含む)には思考が及ばないことがある。
また
- 短慮さと迂闊さからミスリードに引っかかったり、憶測で犯人の心境・動機を決めつける
- ちゃんと周りを確認せず、推理や考えを披露し状況を悪化させる
- 詰めを誤ったり、無謀な行動に出た結果、第三者の助けがなければ犯人の自殺・逃亡を許したり、自分自身が本当に死んでいた
場面がある。
更に「頭は切れるが落ち着いて行動できないのが玉にキズ」と阿笠博士に指摘されるほど、好奇心・知的探求心旺盛かつ向こう見ずな面があり、頭脳と推理力への自惚れも手伝い
- 無関係な事件に興味本位で首を突っ込む
- 感情や動揺が顔に出やすく、予想外の出来事に対して挙動不審になる
- 小さくなる前の自分しか知らないことなどを言ってボロを出す
と言ったケースが後を絶たない。
これらは
- 裕福な家庭で甘やかされて育った
- 父親が放任主義者かつ母親のマイナス面を強く受け継いだ
- 師匠を持たず、完全な独学・我流で探偵術を身に着けた
が起因していると思われる。
探偵を名乗り、世間の注目を集めるなど、年相応の自己顕示欲・名誉欲や功名心もあるものの、基本的には事件の解決を第一としており、その手柄が小五郎その他の人物に渡っても特に惜しむことはない(何もしていないのに天狗になっている小五郎に呆れた視線を向けることはよくあるが)。
初期の頃は「犯人を追い詰めることが楽しい」と語っており、事件の捜査に対してゲーム感覚が入り混じっていることがうかがえた。
しかし、とある事件で犯人を自殺に追い込んでしまったことから、「推理で犯人を追い詰めて自殺させるような探偵は、殺人者と変わらない」という信念を持つに至る。
ただ、その後自決した組織のスパイの遺体をすり替えて利用した(自身が自殺に追い込んだわけではない)事もある。
特技
- サッカー
リフティングしながら考え事ができるほど得意(そうしていると頭が冴えるらしい)で、その腕前は超高校級。本人曰く「探偵としての体力をつけるためにやっていた」とのこと(観戦するのは大好き)。蘭曰く「サッカー部を辞めていなければ、今頃は国立のヒーローだった」らしい。
ふざけているとはいえ蘭の蹴りを軽くかわせるなど、元々の運動神経も抜群。
サッカーの練習をベースに幼少時から鍛錬していて、反射神経も優れている事から、本格的な武道専門の使い手には及ばないながらも、総合的に戦闘能力は並の成人男性にも劣らない。
- 絶対音感
度々ネタにされるほど音痴だが、絶対音感の持ち主でもある(発声と聴き取りは別能力であるため、この2つは両立する)。
声優の山口勝平は黒羽快斗として歌っている公式のキャラソンがいくつかあるが、同じ声優であるのにもかかわらず新一は音痴であるためキャラソンが出せない笑い話もある。
他にもテレビゲームも少々苦手な模様。ただし時計台では高速タイピングができたこと、図書室のある工藤邸で読書環境に恵まれていたことから、ゲーム自体に興味が薄かったと推測される。コナンになってからは生来の負けず嫌いもあって上達しようと躍起になったこともあるようだ。
趣味・嗜好
- シャーロック・ホームズ
新一が探偵を志したきっかけ。「世界最高の名探偵」として尊敬しており、自身も「平成のシャーロック・ホームズになりたい」と語っている。(だが、我々の現実世界で2019年5月1日をもって年号が平成から令和に変わってしまったため、新一の夢である『平成のシャーロック・ホームズ』が叶う事は永遠にないということで、某SNSではそれをネタにしたツイートがいくつか確認されている)
ホームズが弾いているからという理由でバイオリンも演奏する。ちなみに蘭曰く、「新一の演奏は妙な弾き癖がある」とのこと。
なお、この辺りの設定は、初期には固まっていなかったのか、『月光』殺人事件では、シャープとフラットが分からないというシーンがある。
- レモンパイ
『初恋の人想い出事件』で判明…というより、中学の先輩・内田麻美がサッカー部へお裾分けした際、周囲が麻美に忖度する中で、正直に「不味い」と評した新一に3か月かけて「美味しい」と言わせたことを、麻美が彼の好物だと蘭に言っただけである。実際、つき合いの長い蘭も知らず、新一本人も言ってない以上、特別好物というわけではない。
「新一の好きな食べ物はレモンパイなのか?」という質問に対して、青山先生は「蘭が作るものならなんでも好き」と回答。
蘭が初挑戦で作ったパイは、麻美にいじわるで変な風に教えられ、見た目は不格好だったもののコナンが「おいしーっ♡」と一発で気に入っていたことから、蘭が作ったレモンパイは間違いなく好物の一つである。
苦手な食べ物はレーズンとのこと(特別編で初披露されたもので、元ネタは青山氏本人)だが、アニメ版の幼少期のエピソードで有希子がサラッと発言しているのみで原作では反映されていない。
秋に関しては「食欲」と考えており、作中ではうどん、てっちり、たこ焼き、ラーメン、寿司を美味しそうに食べているため食べること自体は好きな模様(真相を誘き出すために注文した料理を普通に食べてたり、犯人が仕掛けた毒が入ってる可能性があるものを食べて無害であることを証明したりとちゃっかりしてる場面もあった。)
経歴
乳児期
天才的な推理力の片鱗を見せており、優作を探す有希子を導いたり、ヒントを出すといった活躍をする(OVA『青山剛昌短編集2』内『夜空に飛び立つ10個の惑星』)。
保育園時代
保育園転入早々、知識と経験不足を含みながらもとある園児の誘拐事件を未然に阻止する(蘭GIRL&新一BOY)。この時からホームズに傾倒しており、推理披露のコツに倣っていた。
園内に図書室が無いことに呆れ、昼寝中の園児達を「映画で見た死体置き場かと思った」など年齢にそぐわぬ言動をしつつ、初披露は緊張と期待ながらと年相応の内心も併せ持っていた。
小学生時代
初代怪盗キッドと遭遇。蘭と阿笠と共に町中を奔走しながら暗号を解いていった(工藤新一少年の冒険)。「鎮(ちん)めよ」の誤読は一部で有名。
初代怪盗キッド以外にも赤井秀一・羽田秀吉・世良真純・メアリー・世良達赤井家との出会い(さざ波シリーズ)やフサエ・キャンベル・木之下との遭遇(イチョウ色の初恋)、そして萩原研二・松田陣平・伊達航・諸伏景光・降谷零の5人からなる通称警察学校組と邂逅した劇場版「ハロウィンの花嫁」がある。
中学時代
互いに顔も名も知らないまま、事件現場で服部平次とニアミス(ゲレンデの推理対決)。その他はOVA「MAGIC FILE2 工藤新一 謎の壁と黒ラブ事件」や劇場版『戦慄の楽譜』回想に登場する。中学生時代は制服に黒の学ランを着用しており、事件を捜査する為に授業中に理科室で薬品を組み合わせ煙を出し、騒ぎに乗じて授業を抜け出したりと子供っぽいヤンチャな一面もあったりする。
「真の姿」として
物語の都合上、「工藤新一」として登場することは滅多になく、コナンの背後にイメージとして現れることが多い。実体での登場までが年単位という珍しい主人公である。
他に登場の仕方としては、
- 蘭やコナンの回想シーン、蘭の妄想シーン
- 試作のAPTX4869の解毒薬で一時的に元の姿に戻る
- コナンが離れたところから電話で変声機を使って本来の新一として話す
- 本編の時間軸を新一時代に戻した過去編
- 劇場版の冒頭ナレーションやクライマックスでのコナンの心の声
などのパターンが挙げられる。
「新一の指示でコナンが動いた」と装うこともあるため、「新一は子供を危険に巻き込む非常識・非情な人物」と周囲に解釈されかねない事例も起きている。
特に劇場版第1作『時計じかけの摩天楼』においては「新一の指示で爆弾処理をさせられたコナンが負傷した」ということになり、病院に駆けつけた小五郎は、幼いコナンにもう少しで死ぬような無茶をさせた新一に対して「何て奴だ」「今度会ったらただではおかない」と凄まじい怒りを見せていた。蘭の妄想では見知らぬ女性との浮気を連想させるシーンや、本物よりもやたら言動がキザだったり、王子様みたいになったりと色々とアレな描かれ方をすることも少なくない。また『天空の難破船』ではひょんなことから蘭に確保されそうになった怪盗キッドが咄嗟に顔立ちが似ている新一に変装、高木や佐藤の前でも新一に変装したせいでこの3人から「新一の正体は怪盗キッドである」というシャレにならない誤解を受けたが、蘭は「新一なら絶対しない事」をされたために新一ではないと見破り、高木と佐藤についてはおそらく服部平次によって誤解は解かれたと思われる。
劇場版においては工藤新一本人が回想、イメージ、変声機による声、冒頭ナレーション、怪盗キッドによる変装以外で本編に正式登場したのは『迷宮の十字路』が唯一である。ちなみに、映画の冒頭ナレは毎年新録しているとのこと(10周年シネマガイドの山口氏のコメントより)。
山口氏の兼役であるキッドも出番が同じくらいには不定期な上、コナンに匹敵する活躍を見せるため、正直どちらがメインの持ち役なのかわからなくなっている感は否めない。実際、キッドが登場する劇場版ではキッドの方が本役扱いされることが多い。
ドラマ版ではコナンを忠実に演じられる子役が現実世界にはまずいないためか、いずれの作品においても主人公は工藤新一になっており、エピソードも幼児化する前の時系列もしくはアクシデントで子供から大人の姿に戻ると言った構成で話が展開される。
対人関係
幼馴染。出会いのエピソードである『サクラ組の思い出』によれば、初対面時(当時4歳)の彼女の笑顔に一目惚れして以来、ずっと想い続けている模様。
青山氏によると、新一は蘭のことは全部が好きらしい。
アメリカに渡った両親と離れ一人暮らしをしている新一を、蘭は何かと気にかけており、食事を作りに行くことも多い。
ちなみに新一が日本に残った理由は、蘭と離れたくなかったから。
誰もが認める相思相愛でありながら長らく進展がなかったが、『ホームズの黙示録』にて遂に新一から告白。コナンとして出会ったその日に蘭から「内緒だよ」と、その想いを告げられていたため、返事待ちの期間も落ち込んだり焦ったりする様子はなかった。
そして京都へ修学旅行に行った際に、清水寺で蘭から返事をもらい、ようやく恋人同士となり、Yahoo!のトップニュースにもなった。
蘭の父親。第1話時点では「蘭のお父さんまだ探偵やってんのか?」などと言っており、あまり目上の人間として見ていない節もあった。また小五郎の方も、新一に対してはあまり良い感情を持ち合わせていないものの、それでもやはり蘭の幸せを第一に願ってもいるため新一と蘭の関係を邪魔をしようとはしていない。
事件で遭遇した際などは「毛利探偵」と呼んで丁寧語を使っており、公の場では礼儀正しく接していることがうかがえる。
蘭の母親。幼い頃に蘭を連れ出して危険な目に遭うことが多かったため、こっぴどく叱られることもあったらしい。当時の記憶は新一にとってある種のトラウマになっている模様。
小五郎と英理の別居開始以来10年近く会っていなかったため、コナンの姿で再会した時はすっかり顔を忘れており、事件解決後に蘭が「お母さん」と呼ぶまで気づかなかった。
英理もまた新一に対しては良い印象を抱いてはいないが、一方コナンとしての彼には正体を知らないと言うこともあるが蘭と同様家族同然に接している。
父・優作が事件の捜査に協力していたこともあり、幼い頃から面識があった。新一が初めて自力で解決した事件の担当刑事も目暮で、以来探偵としてすっかり頼りにされている。
現在でも「コナンから聞いた」という形で度々目暮に連絡を入れており、新一の電話一本で捜査方針が変わることもしばしば。
同じ高校生探偵であり、コナンが工藤新一であることを理解している。お互い似ている雰囲気があり、意気投合している。初期のころはライバル関係として対決していたが、近年では二人で捜査を行い解決に導くパターンが多い。しかし東と西の文化の違いや、精神状態で推理力に差が出てくる時もある。それらを除けば推理力はほぼ同じである(しかし外交官殺人事件の時には敵対心での焦りか、服部は完全に犯人のミスリードにかかってしまった)。
相手の正体が黒羽快斗だと知らない(というか、快斗の存在すら知らない)が、向こうにはコナンが工藤新一だとバレている。怪盗には興味なかったため、小さくなる前に対決していたことすら認識していなかったが、キッドの暗号やプロ顔負けのマジックを見るうちに段々と興味を持ち、ライバルとして何度も対決している。互いの頭脳を認め合い、なんだかんだで割と仲も良い。
なお、上記の通り素顔が瓜二つであるがこれについては『100万ドルの五稜星』で両者の間に衝撃の真実(リンク先ネタバレ注意!!)があったことが明かされた。ただし、当の本人たちは未だにその事実を知らない。
服部の剣道のライバル。こちらも顔が似通っており、新一が生きているのではとされた際、マスコミ相手に彼と見間違えたことによる誤解だと服部が説明して信じさせることに成功している。
余談
連載30周年を記念した105巻特装版の青山剛昌の名探偵図鑑にまさかの抜擢。通常版とは紹介探偵が異なるという、レアケースである。オススメは「最初の挨拶」(=「空飛ぶ密室工藤新一最初の事件」)。青山剛昌先生自ら選ぶオススメエピソードである。
それにしても表舞台から忽然と姿を消した彼はどこへいったのだろう?
なお、別ゲームのラジオ番組にゲストとして山口氏が出演した際に話した所では、「新一はネイティブな英語を喋る」と作者が設定しているらしいのだが山口氏自身はバリバリ日本人なので大変だと吐露している(発音に関してファンにツッコまれた際には「そこ以外は完璧なんだ」と自身を励ましているとか)。
関連イラスト
関連項目
工藤の日:「910」が語呂合わせで「クドウ」と読めることから、ファンの間で9月10日が工藤の日として扱われている。