曖昧回避
セガの格闘ゲーム『ラストブロンクス』に同名のキャラが居る。→工藤優作(ラストブロンクス)
概要
CV:田中秀幸
工藤新一(江戸川コナン)の父。世界に名を響かせる推理小説家で、『闇の男爵(ナイトバロン)』シリーズなど世界的ヒット作を数多く生み出している。
コナンからは「父さん」と呼ばれるが、本人がいない時にはたまに「親父」と呼ばれる。
年齢については『ベイカー街の亡霊』にて登場した大学時代の(優作曰く)悪友樫村忠彬が39歳であることから、優作も同い年ないし3歳前後すると思われる。
一人称は基本的に「私」で口調も紳士的だが、家族の前だと一人称が「俺」でラフな口調になる場合もある。
新一以上の推理力の持ち主であり、作中でも純粋な推理力は一二を争う程にレベルが高く、推理の盲点や死角に嵌る事すらない。優作自身も数多くの事件を解決している。
この事から国内外の警察関係者の知り合いも多く、毛利小五郎や目暮十三とも少なくとも10年以上も前からの付き合いである。また、日本警察の他にもインターポールやFBI、スコットランドヤードといった様々な警察組織とも幅広いコネで繋がっている。
ちなみに10年前は、小五郎と同様にヒゲを生やしていなかった。
常に冷静沈着で、どんな得体の知れない相手を前にしても顔色も声色も一つと変わらないほどの度胸の持ち主で肝が座っている。
公安から黒ずくめの組織へと潜り込んだスパイである安室透が沖矢昴の正体を暴こうと居候先の工藤邸に乗り込んできた際は、息子の頼みにより元女優の妻の高度なメイク技術で沖矢に変装。つつがない演技で丁寧に応対した後に見事撤退させた(後になって利き手の違いで怪しまれたが、これは仕方無いだろう)。
コナンにとってはある意味で奥の手の戦力となっている。
普段から鋭い観察眼を見せる一方で、大変無邪気で子供っぽい性格…もとい、子供心を忘れておらず、初登場エピソードで散々コナンを振り回したようにイタズラが大好きな素敵なおじさまだが、ジョーク(オヤジギャグ)のセンスはコナンや有希子も呆れるほど下手。もしかしたら小五郎と同じレベルかもしれない。
犯人に対しては良心に訴える形で自首を勧めたり、反省を促したり、アフターケアをしたりする人情家な面もある。
幾つもの仕事を抱えて多忙であるにもかかわらず、原稿執筆を放棄して海外旅行に出かけることもしばしば(と言うより逃げている)。
このためか過去の事件や新一の幼少期の回想やイメージシーンを除いて、本編での正式登場は少なく、原作では22巻の「上野発北斗星3号」から72巻の「ホームズの黙示録」まで登場期間が空いてしまい、実に50巻ぶりの再登場となった。
劇場版も現状『ベイカー街の亡霊』と『100万ドルの五稜星』しか登場していない。
黒ずくめの組織の首領の正体が烏丸蓮耶である可能性が出始めたのを機に、現在は妻である有希子と共に定住地であったロサンゼルスから帰国。家主として居候を認めた沖矢昴との縁もあって、FBI捜査官達と手を組む形で黒ずくめの組織との対決に本格的に乗り出す意向が濃厚となり、『工藤優作の推理ショー』で事実上の初参戦となった。
また、黒ずくめの組織側の幹部格筆頭であるラムの指揮によってFBI捜査官の連続殺人が実行に移されたのを機に、自分達が組織の力を甘く見過ぎていた事を実感する事になった。
黒ずくめの組織側からも、その優れた推理力から兼ねてより危険人物と認識されていた様で、ラムによって自身が不自然に日本へ長期滞在している理由について調べられようとしている。
名前の由来は、ドラマ『探偵物語』の主人公・工藤俊作と、それを演じた俳優の松田優作から。
海外版での名前はBooker Kudo(ブッカー・クドウ)。
人間関係
保護のためにも海外へ移住することを提案した息子に何らかのやむを得ない事情があることを推察して、危険を伴うことは承知の上で、コナンとして黒の組織壊滅のために活動することを認めた。
上記の初登場を含め現在まで2回ほど息子と(勝手に)推理対決をしている。現在のところ結果は1勝1敗の引き分け状態(結果的に敗北しても最後の方まで優作の方が勝っていた)。どうも阿笠博士を味方に付けた時点で勝敗が決まるらしい。
新一が推理に情熱を注ぐようになったのは彼の影響であり、幼い頃から推理作品を読ませたり捜査現場に連れ出したりしつつ推理のいろはを教え込んでいたらしい。
推理以外にも主にハワイで、射撃や乗馬、クルーザーの運転などコナンの多岐に渡る基礎技術を仕込んでおり、劇場版での中盤や終盤のクライマックスシーンでその経験はフルに活用されている。
これらのことから新一にとっては探偵としての師匠とも言える存在である。
なお、浮気疑惑で妻に愚痴られたコナンからは「あの男にそんな甲斐性はない」と断言された。
かつて日本中の賞を総ナメし、女優として絶頂期にあった彼女にプロポーズして電撃結婚した妻。
女優引退後も変わらぬ無邪気さに振り回されたり、鋭いツッコミを入れられて焦る表情を引き出させられる数少ない存在。一見すると夫婦の力関係が有希子上位に傾いているようだが、天真爛漫な彼女を持ち前の寛容で受けとめる愛妻家である。
小説家として駆け出しの新米の頃から密かに対決を繰り返していた模様。阿笠や有希子によると、当時各国の警察を子供のように手玉にとる怪盗1412号に興味を持ち「1412」を「KID.」(14:KI、12:D.)と読んだことが「怪盗キッド」の通称のはじまりで、キッドの命名者と言える。彼の正体を知っていた様子。それどころか…。
難事件に遭遇した時には何度も優作に相談を持ちかけているらしい。
優作側も彼のことを「鬼警部」と呼んで信頼しており、込み入った事情を抱えた犯人の処遇を託していた。
彼らが初めて出会ったのは約20年前のこと。米花センタービルの展望レストランで食事をしていた優作と有希子は殺人事件に巻き込まれ、優作が真相究明に乗り出したのだが、そこで当時まだ新米刑事だった目暮は優作の卓越した推理力を目の当たりにすることになる。
脚本を務めた映画「緋色の捜査官」において、名前こそ明言していないが主人公のモデルにしていたらしい。後にこの映画でマカデミー賞最優秀脚本賞を受賞する(ただし受賞式に参加したのは優作に変装した有希子)。
余談
平成のホームズこと息子の新一よりも推理力が高い身内という意味では、シャーロック・ホームズの兄であるマイクロフト・ホームズを思い浮かべるという意見もある。
作者の青山氏は元々ルパン三世を演じた山田康雄氏をキャスティングに希望していたと話している(妻の有希子のモデルが峰不二子であるためか)。その為か、『江戸川コナン誘拐事件』ではルパン三世の愛銃として有名なワルサーP-38(のオモチャ)を所持している。しかし、アニメ放送前年の1995年に山田氏は死去してしまったため、初代毛利小五郎役・神谷明と関係の近いキャラクター(キン肉スグルとテリーマン、ケンシロウとファルコ等)を演じることが多かった田中氏を起用したとのこと。
田中氏と有希子を演じた島本須美は「めぞん一刻」において音無惣一郎・響子の各々演じている(※惣一郎は物語開始時点で既に故人なので、未亡人である響子の回想のみ)。
OVA「さまよえる赤い蝶」(青山剛昌短編集収録)では交際中の彼と有希子にキャラクターを差し替えられているため、優作が一度推理ミスするという珍しい場面が見られる。
彼の代表作『闇の男爵』と同名のコンピューターウイルスが黒の組織に使用されていたことがあり、優作本人も作中屈指の推理力の持ち主であることも相まって、実は彼こそが「あの方」と呼ばれる組織のボスなのではないかと疑う読者もかつて少なからず存在した。
息子の奮闘ぶりを眺めて楽しむ、あるいは息子の探偵としての成長を促す目的で、敢えて全てを黙認しているのではないかとの説が立ったこともあった。
しかしながら雑誌「ダ・ヴィンチ」2014年5月号掲載の作者インタビューにおいて、優作=あの方という説は完全に否定されている。
関連項目
以下、劇場版『100万ドルの五稜星』最大のネタバレ注意
エピローグにて、優作によりまさかの真実が明らかとなった。詳細はこちらを参照。