こういう謎解き(かけひき)は、得意だろ…?
ついに明かされる、〝キッドの真実〟―
概要
劇場版『名探偵コナン』シリーズ第27作品目。
今回のメインは『から紅の恋歌』以来7年ぶりとなる服部平次&遠山和葉、そして『紺青の拳』以来5年ぶりとなる怪盗キッドのツートップ。
スタッフ陣も監督は『から紅』と、脚本は両作とそれぞれ共通。
この3人は原作における初対面となった『キッドVS高明 狙われた唇』にて平次がキッドの変装だと気付かず和葉にキスしようとするという因縁があり、前作ラストの情報解禁の段階でこれを踏まえた内容になると示唆されていた。
ティザーポスターとメインビジュアルには、テレビシリーズに先駆けて『から紅』でアニメデビューとなった大岡紅葉と伊織無我、そして映画初登場の沖田総司も描かれている。
また超特報ではキッド=黒羽快斗の父である初代怪盗キッド・黒羽盗一について言及されており、『業火の向日葵』に続いてキッド関係者の深掘りも予想されていたが、メインビジュアルの発表と同時に原作でまだ明かされていないキッドの”真実”が明らかになることが確定。
しかしそれを危惧したキッドに招待状とフィルムが盗まれてしまったらしく、(正式公開前の情報漏れを懸念して)試写会を一切行わない異例の徹底ぶりとなっている。
前年の『黒鉄の魚影』では、試写会実施以降、映画の正式公開前に、映画公式Twitter(現X)に大量のネタバレツイートがリプライされ、公式が声明を出すほどになった騒動があった。本作はその性質上昨年以上にネタバレが致命傷になるため、このような措置をとったものと思われる。
2024年5月3日、金曜ロードショーで「猫の恩返し」放送後に怪盗キッドが電波をジャック。22時41分より本作の冒頭10分が放送された。
シリーズで劇場公開中の作品の一部が放送されるのは本作が初である。
そして公開日以降、前作を超える勢いの動員数を叩き出し続け、2024年5月4日には興行収入100億円に達成したことが公式より発表された。コナン映画としては前作に続く成果であり、アニメシリーズにおける二作連続100億超えという邦画としては史上初の快挙を成し遂げた。
奇しくも原作30周年という節目の年の江戸川コナン、工藤新一の誕生日に発表されたことでファンからは感慨と祝いの声が上がっている。その後も勢いはとどまるところを知らず、5月27日には140億円に到達と歴代シリーズ1位に登りつめると同時に、3年連続の記録更新を実現。6月24日にはついに邦画史上10本目となる150億円台に到達した。
また、本作を持って劇場版名探偵コナンシリーズの累計動員数が1億人を突破した。これを記念して歴代劇場版を振り返る特別動画が公開された。
あらすじ
北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届いた。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だという。
ビックジュエルを追い求めるキッドが、なぜ刀を狙うのか…?
一方、西の名探偵・服部平次とコナン達も、函館で開催される剣道大会の為に現地を訪れており、犯行予告当日、平次がキッドの変装を見事見破り追い詰めるが…!?
時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で見つかる。捜査線上に浮かび上がったのは、”死の商人”と呼ばれ、アジア一帯で武器商人として活動する日系アメリカ人。彼は戦時中の軍需産業に深く関わっていた斧江家初代当主が函館のどこかに隠したとされるお宝を探していた。
それは、当時、日本の敗色濃厚だった戦況を一変させるほどの強力な兵器だという噂も…
そして、そのお宝とキッドが狙う刀はどうやら関係があるようで、刀を狙うキッドに対し、謎の”剣士”の影が迫り…
刀に秘した”真実”が、闇夜を切り裂き、いま月下へと導かれる――
(公式より)
ゲストキャラクター
本作オリジナルキャラクター
名前 | 声優 | 備考 |
---|---|---|
土方歳三 | 津田健次郎 | 幕末の新選組副長。所縁の日本刀を怪盗キッドが狙う |
川添善久 | 大泉洋 | 北海道警捜査一課の刑事 |
福城聖 | 松岡禎丞 | 医大生 |
福城良衛 | 菅生隆之 | 福城聖の父親。元高校教師 |
斧江拓三 | 中博史 | 斧江財閥の現当主 |
久垣澄人 | なし | 斧江財閥の顧問弁護士 |
吉永神子 | 高野麻里佳 | 巫女 |
ブライアン・D・カドクラ | 銀河万丈/ジュリアン・マクファーレン | 日系アメリカ人の武器商人 |
ナチョ・ベルガ | 武田幸史 | カドクラの部下 |
アフロ | 宮本崇弘 | カドクラの部下 |
今作のキーワード
- 斧江圭三郎の遺産
斧江財閥初代当主であった斧江圭三郎が函館の何処かに隠したとされる宝。一説では、圭三郎の資産の一部を大量の金塊に代えて残したとも、軍需産業に携わっていた圭三郎が残した戦況を一変させる力があった強力な兵器とも言われている。
斧江財閥現当主・斧江卓三は勿論、カドクラもこの宝を求めている。
そしてキッドにとっても因縁のある宝であり、キッド曰く、「ある男が盗もうとして、何故か持ち帰らなかったもの」だとか……
- 星稜刀(せいりょうとう)
今作のキーアイテム。かつて土方歳三が手にしたとされる日本刀。東窪栄達という無名の鍛冶師が製作した6本の刀がその在処を示しており、圭三郎の遺産の手掛かりになるという。(但し、星稜刀は過去に盗難にあって劇中では回想シーン等でしか出てこない)
動画
超特報
特報
予告
累計1億人突破記念メモリアルムービー
SpotifyとのコラボCM
コナンがキッドと平次を事件現場(?)に呼んで今作の主題歌をSpotifyで聴かせているが、何故か"眠りの小五郎"状態である。現場にいるキッドと平次の2人はコナン=新一と知っているので一見すると「この必要は全くない」とも思えるが、小五郎はコナンの正体を知らないため一応は必要がある(それでも、外部から監視や盗聴でもされていない限り、小五郎の声で話す必要は無いが)。おまけに聴かせた理由も「ただ聴かせたかっただけ」、さらにそれを聞いてキッドと平次が何故かオーバーリアクションで驚くなど、ツッコミどころ満載。
さらに言えば曲を聞いたキッドが「良い曲だな」と言ったり、平次が「せやかて事件となんの関係が…」と続いたりaiko氏へのリスペクトもしつつネタも交えた非常に完成度の高いCMとなっている。
なお、背景の小物は「花火」「BFと書かれた本」「カブトムシのぬいぐるみ」など、全てaikoがこれまで出した曲に因んでいる。愛が凄い。
上記の動画が投稿された後、ほとんど映像は同じであるものの声が違う別バージョンが投稿。
そちらは電波が届かず曲が流せない、Spotify Premiumの広告が入るなどあるある(?)ネタを用いたものとなっている。映像が同じであるため、もちろんキッドと平次はオーバーリアクションで驚いている。動画は以下参照。
Spotify PremiumとのコラボCM(オフライン篇)
Spotify PremiumとのコラボCM(広告ナシ篇)
余談
- タイトルは舞台となる函館の異名「100万ドルの夜景」と、五芒星の別名「五稜星」を合わせたもの。
- 北海道が主要な舞台となるストーリーは1998年放送のアニメオリジナル『鶴の恩返し殺人事件』などがあり、サブを含めれば『上野発北斗星3号』や『命を賭けた恋愛中継』などさらに何回かある。
- キッドが2番目に登場した映画『銀翼の奇術師』における飛行機の行先は函館空港であり、これを含めると映画で舞台となるのは20年ぶり。
- 『紺青』では少年探偵団はコナンたちの旅行先が北海道だと思っていたが、これはキッドが偽装したためで、実際にはコナンはキッドにシンガポールに密入国させられていた。
- 特報映像公開から約2週間後の2023年12月16日放送の『ハメられたのは私』にて、架空の都市・羅鈍市の羅鈍百貨店で開催されている北海道物産展が鍵となり、ネクストコナンズヒント後「物産展も良いが現地に行きたい」と小五郎にねだるコナンのセリフが流れた。
- また、映画公開直前の4月6日放送回『4人だけの同窓会』Cパートでは、小五郎が「事件解決を労う目暮と高木にジンギスカン鍋を振舞われる」という夢を見るシーンだった。
- 土方歳三役の津田健次郎は、『コナン』に客演した鬼丸猛以来2度目のシリーズ出演であり、原作者である青山剛昌直々の指名である。
- 大泉洋演じる川添刑事は、『北斗星3号』や『銀翼』などに登場しコナンたちとも顔見知りである西村警部の部下。
- 氏は実兄が現・函館市長であることも有名なため、それらを加味したキャスティングであると思われる。
- また『コナン』103巻のカバー袖「青山剛昌の名探偵図鑑」には、彼がCVを務めるレイトン教授の紹介文が書かれていた。
- 今年の5月20日に放送された「世界まる見え!テレビ特捜部」の中で本作のPRが行われたが、その時のサブタイトルが「世界のおマヌケさんが大集合!全員逮捕だ2時間SP」と映画のネタバレをこするようなものだった。
関連タグ
ぐだぐだ超五稜郭:アプリゲーム『Fate/Grand Order』の期間限定イベント。タイトル発表&イベント開始日が本作のタイトル解禁日と同じ2023年11月29日であり、まさかの舞台被りとなった。
(その他関係性は⇒こちらを参照)
ラストマン-全盲の捜査官-:大泉洋と、『ゼロの執行人』で主題歌を担当した福山雅治がW主演した刑事ドラマ。津田健次郎も重要人物の役(ネタバレのため当該記事参照)で出演している。
函館バス:本作の舞台の地元バス会社。映画公開に併せて函館市内線でラッピングバス(3種)を運行していた(参照)。
函館市企業局交通部(函館市電):同じく映画公開に併せてラッピング仕様の路面電車を運行していた。
THE突破ファイル:日本テレビ系列のバラエティ。を翌翌日公開を控えた2024年4月11日において公開直前を記念し再現ドラマコーナーの1つ『突破市役所なんでもスグやる課』においてコナンがゲスト(着ぐるみ)出演。
内容は畑を荒らすアライグマにてこずる野田課長(マヂカルラブリー・野田クリスタル)と尾形職員(パンサー・尾形貴弘)達の前にコナンが現れ彼が出した対処方法をクイズにするというもの。
その少し前2024年4月27日に放送されたアニメ第1121話『あぶなすぎるメロン畑』において奇しくもこの時の内容は畑を荒らすアライグマをどうやって捕まえるかという偶然の一致が起きた。
ゴジラxコング:新たなる帝国:大ヒットを記念して、コラボムービーが作成された。
この先、本編の内容を含みます
サプライズ登場キャラクター
優作は『ベイカー街の亡霊』以来22年ぶり、有希子はOPのみだった同作を除けば映画初登場。(『ベイカー街の亡霊』に登場したのは有希子をモデルとしたアイリーン・アドラーのため)
映画初登場。
青山剛昌氏の原画シーンがある好待遇での登場となった。
声優は最新作『まじっく快斗1412』からM・A・Oが続投。
公開の2日前に原作デビューした母の中森碧子は流石に登場しなかった。
今作で初めてコナンと対面することとなったが、コナンは青子が蘭に似ていると言った発言は特にしていない。一方で、青子はコナンを見て「青子の幼馴染の小さい頃にそっくり」と発言している。
しかし映画を見たファンからは「あまりにも自然に小五郎の隣にいるから蘭だと思った」「蘭なのにツノがないから変だと思った」などと言われている。
前述した客演を経て、こちらも映画初登場。
青子同様、青山剛昌氏の原画シーンがある。
津田健次郎氏は本作では土方歳三も演じており、一人二役となった。公開後に少年サンデーの付録として登場した「100万ドルの書」では2人のCVが同じなのは偶然とのこと。ただし、津田氏を土方のCVとして指名したのは青山氏本人。
彼が沖田を呼ぶシーンではイメージとして隊服姿の土方歳三が映し出されている。これは「100万ドルの書」によると沖田の前世の記憶かもしれないらしい。
以下、本作における最大のネタバレ注意
本作で明かされる”真実”。
奇しくも関係する人物も同じ。