概要
ゴッホの名画「ひまわり」シリーズを巡り江戸川コナンと怪盗キッドの攻防戦を描く。
シリーズ初の「アートミステリー」と位置づけられている。
しかし今回のキッドは今までとは違ってかなり得体の知れない怪人として描かれており、犯行の手口もこれまでのやり方とは全くかけ離れているような描写がされた。
鈴木次郎吉のボディーガードである後藤善悟と、怪盗キッドの助手である寺井黄之助が本作で劇場版に初登場。
ゲスト声優として絵画鑑定士役で女優の榮倉奈々と、美術館職員役で知英が出演。
また現実でも「ひまわり」シリーズの1枚を所有する新宿区の「損保ジャパン日本興亜美術館」(現在「SOMPO美術館」)が登場することから、当時の館長の氏名と肩書をモチーフにした人物が護衛対象者として登場する。
本作では2014年に急逝された永井一郎に代わり富田耕生が鈴木次郎吉を担当。
その後富田氏は2020年に逝去されたので、彼が演じる次郎吉の劇場版登場は本作のみとなった。
また2018年に逝去された石塚運昇が演じる中森銀三の劇場版登場はこの作品が最後となった。
阿笠博士は登場こそするがストーリー本筋には一切関わらない初の作品になっている(メタ的に言えば皆勤賞の為に登場したといえる)。
他にもレギュラー陣の警察関係者は中森を除けば終盤に目暮十三が登場するのみである。
製作
本作のシナリオは櫻井武晴氏が書いた内容から大幅に改変されているという。櫻井氏のシナリオ通りにコンテを切った所、本編の尺が約3時間もかかる見込みになってしまった為、予定されていた内容を大幅にカットしており、カットされた内容には作者の青山剛昌が考えた殺人事件・トリックや犯人の詳細な動機も含まれていたとのことで、カットされた内容の一部はノベライズ版で補完されている。
また、2023年には阿部ゆたか・丸伝次郎コンビの作画でコミカライズ版(全2巻)が発売されているが、一万円札の図柄が渋沢栄一になっていたり、登場人物の名前の変更など本編と異なる部分がある(一万円札の図柄が渋沢に変更されるのは2024年7月に発行のものからであり、コミカライズ版発売時点ではまだ福沢諭吉のままである)。
ストーリー
大富豪が集まるニューヨークのオークション会場で、鈴木財閥の相談役次郎吉がある美術品を落札する。
それはゴッホの7つのひまわりシリーズの一つで、かつて第二次世界大戦下の日本での空襲で焼失したとされている2枚目を模写したのではないかという「8枚目」であった。
そのビッグニュースは全世界に中継され、コナンも観入る。
そして日本での展示まで絵画を護る専門家たちである「7人のサムライ」が発表されたその時、突如会場に怪盗キッドが出現。
会場を派手にかく乱し、ニューヨークの空に飛び立っていった。
残されたカードには「ゴッホの『ひまわり』を頂く」というメッセージがあった。
特定の宝石しか狙わないはずのキッドが何故絵画の「ひまわり」を狙うのか。
キッドの不可解な行動にコナンが挑む。
ゲストキャラクター
名前 | 声優 | 職業 |
---|---|---|
圭子アンダーソン | 榊原良子 | 企画プロデューサー |
東幸二 | 磯部弘 | 学芸員・絵画修復士 |
岸久美子 | ゆかな | 学芸員・演出家 |
石嶺泰三 | 宝亀克寿 | 学芸員・運送担当 |
チャーリー | 咲野俊介 | ニューヨーク市警警部・警備担当 |
宮台なつみ | 榮倉奈々 | 学芸員・絵画鑑定士 |
ウメノ | 沢田敏子/皆口裕子 | 『ひまわり』を毎日鑑賞する老婦人 |
東淸助 | 大川透 | 大工、東幸二の祖父 |
原口秀夫(コミカライズ版では原田秀夫) | 柴田秀勝 | 損保ジャパン日本興亜美術館館長 |
キャスト | 知英 | レイクロック美術館の案内係 |
関連イラスト
余談
本作に登場している『ゴッホの7つのひまわりの絵』について、徳島県鳴門市にある大塚国際美術館においてレプリカの7枚全てが一緒に並べて飾られている。
本作放映時には地元映画館とコラボキャンペーンも実施した。