CV:菅生隆之
概要
『100万ドルの五稜星』に登場するゲストキャラ。
福城聖の父親。元高校教師。病気を患い退職、現在は函館市内の自宅で隠居生活を送っている。また、コナン達を家に招いた際にも薬を服用していた。
代々続く居合の師範の家系ながら実力はあまり高くなく、師範の座を聖に託す。高い実力を持つ聖を自慢に思っており、彼の成長を楽しみにしている。
一連の事件において重要なアイテムである東窪榮達の刀の内2振りを所有しており、コナンや警察の捜査に協力する。
宝の秘密を知っているようで、それを見かねたブライアン・D・カドクラの一味に拉致されてしまう。
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以下、本編の重要なネタバレ注意
「こ…こんなもののために、こんなもののために我々は!!」
彼がこの一連の事件の犯人。
その目的は親交の深かった斧江拓三の父、斧江忠之の意思を継ぎ、戦況を一変させるほどの何か(斧江圭三郎の遺産)を破壊すること。
彼は忠之から宝の正体について聞いており、宝が上述の通り何かしらの兵器であることを知っていた。拓三は圭三郎が資産を金塊に替え隠しているものと思っていたが、カドクラもその正体に感づいており、そのため彼を拉致し宝の在り処を聞き出そうとしたのである。
また、久垣澄人弁護士も殺害している。(久垣は密かに卓三を裏切ってブライアンに鞍替えし、ドバイに流れていた刀二本を回収して彼に渡すつもりだった)
作中では聖がその殺人事件の犯人だと疑われて逮捕されてしまったが、実はこれも彼による計画の一環。カドクラに命を狙われる危険のある聖を警察に匿わせるという目的のために、あえて偽の証拠を用意し逮捕させるよう誘導した。
物語後半にカドクラ一味に人質として拉致されてしまうが、その時「何か」がカドクラの手に渡るのを防ぐため、聖にのみ分かる暗号(血で描いた星型)を残していた。(これは聖に自分の意志を引き継いで宝を破壊しろというメッセージだった)
事件の捜査で福城宅に訪れたコナンと平次がその暗号を発見し写真を撮影、それを警察に提出し取り調べの際、聖が確認。
その時は悟られないよう知らない振りをしていたが、後にトイレに行き付き添いの警官を気絶させ脱走、家に忍び込み刀を回収し行動を開始する。
キッドを襲った狐面の剣士も彼で、老体かつ病を患っているため宝探しは不可能であったが短時間の戦闘は可能で、聖以上の凄まじい実力を発揮している。
コナンと平次から宝の在り処を聞き出したカドクラによって連れ出されるも彼の車をコナンが静止、その隙を突きカドクラと部下のナチョを倒し、コナン・キッドと共に宝の在り処へと赴く。
彼らが破壊しようとしていた宝かつ「当時の戦況を一変させる程の何か」…
その正体は圭三郎が作らせた暗号機と暗号解読機であった。
戦争において情報は武器よりも貴重であり、そのやり取りを円滑にでき、なおかつ敵軍の暗号を理解できる本機は、当時の大日本帝国にとっては確かに「宝」ではあった。これを目にしたコナンは「圭三郎は終戦によりこれらが回収されるのを防ぐ為に隠した」と推理している。
だが、経年により技術革新を果たした令和の世においては、その性能はスマートフォン1台よりも遥かに劣る代物と化し、宝や軍事兵器どころか、もはや歴史資料館で展示されるレベルの文化的な価値しかなかった。
現代におけるスマホは専用の解析機が無いと解読が困難な暗号作りなんて事は可能であり、他にも別人を装った連絡、IOTテロの発生やインターポールの施設を破壊する手引きなどをたった1台で済ませる事ができるため、本当に無価値な物のために行動していたのである。
こんな物の為に人の命を奪い事件を起こしたことを彼は心底悔やみ、上記のセリフとともに涙を流している。
その後は警察に連行されたものと思われる(重い病を患っている為に余命が設定されてもおかしくはなかったが、その場合は犯人が亡くなるという展開になる為か、劇場版の製作に参加している原作者が余命設定は避けたと言えなくもない)。
本作の超特報のセリフにもあった「意志を継ぐ者」というのは、息子の聖であった。
しかし、難解な謎や宝探しの労力、そして時代の違いによる重要度の変化のために宝の正体を見抜くことができず、全く大したことのない物のために罪を犯してしまった悲惨な親子である(この親子は妻/母親を爆撃により喪った過去があるため、兵器による犠牲に心を痛めていたこともあり尚更である)。
関連タグ(ネタバレ)
大山鳴動して鼠一匹:彼の行動と結末に当てはまることわざ。
青の古城探索事件:犯人が大罪を犯してまで追い求めた宝が(少なくとも当人にとっては)何の価値もない代物であり、「こんな物のために私は…」と泣き崩れる点が共通している。
森川雄山:とある事件に登場した犯人。良衛と同じく、重い病を持った人物、息子がいる、殺害した人数がひとりという共通点を持つ。
カーディアス・ビスト:中の人繋がり。こちらは良衛とは対照的に世界情勢を一変させると言われる「過去の遺産」を守っていた人物だったが、その遺産は現代では殆ど価値が無い時代遅れな存在だったという共通点を持つ。