「やっと会えたな… 愛しい愛しい宿敵(こいびと)さん…」
概要
FBI捜査官の1人にして実質的エース格。一人称は「俺」もしくは「私」。
世界中で暗躍する謎の犯罪組織である「黒の組織」に対抗出来るFBIの切り札的存在。
左利きで截拳道の達人。スナイパーとしても高い狙撃能力を持ち合わせる。
主人公・江戸川コナンこと工藤新一とは、彼の幼少期より数奇な因縁を持っており、本編でも様々な経緯を経て、現在は頼れる味方の一人となっている。
初期の頃は、クールであり感情を表に出すことがあまり無かったが、根は情に厚い性格であり、近年では感情豊かな場面が増えている。また、10年前に江戸川コナンこと工藤新一との出会いを果たした際には彼の言動に声を上げて笑う場面が見られた。
また、2021年に開催された緋色の総選挙では1位に君臨した。
人物
年齢は32歳。現在の国籍はアメリカだが、本籍はイギリス出身。
日本人の父親・赤井務武、日本人とイギリス人のハーフである日系イギリス人の母親・メアリー・世良を持つイギリス人のクォーター。
兄妹には自身と同じクォーターで弟の羽田秀吉・妹の世良真純がいる。
また、母方の親族として叔母の宮野エレーナ、叔父の宮野厚司、従姉妹の宮野明美・宮野志保(灰原哀)を持つ。
日本語は両親から教わったため堪能で、「50:50(フィフティ・フィフティ)」を口癖としている。
常に黒いニット帽を被っており、緑の瞳と目の下の隈と、一年前までは長髪だったが「恋人にふられっぱなしであることによるゲン直し」と語って切った短髪のオールバックが特徴。
好物はコーヒーとバーボンで、かつてはスコッチも好きだったが、最近はバーボン一筋のウィスキー党。また、ヘビースモーカーで、タバコにはマッチで火をつける。
好きな女性のタイプは、黙ってても間が持つ人。(SDB90+青山剛昌へ質問より)
高い推理能力・捜査手腕・身体能力・截拳道による格闘能力・700ヤード(637メートル)離れた場所から小さな盗聴器を正確に狙撃するスナイパーとしての技術を持ち、黒の組織のボスからは、唯一狼人間を倒すことのできる白銀の銃弾になぞらえ、組織を壊滅させ得る「シルバーブレット」として恐れられている。
また、1066話では、1300ヤード(約1.2キロ)以上離れた対岸でジンが投げた手榴弾を狙撃し、空中で起爆させるという離れ業以上の腕前を披露した。
劇中の来歴
過去(FBI加入前)
MI6に所属する諜報員である赤井務武とメアリー・世良の間に生まれ、15歳(17年前)まではイギリスで育つ。
しかし、消息不明となった父からのメールに従って、家族と共にイギリス人である事を隠しながら日本へ来日。後に父の死の真相を探るため、表向きは留学という理由で単身渡米している。
10年前にはグリーンカード、アメリカ国籍、運転免許等を取得。同時期に母・メアリーに呼ばれ日本に帰国して弟・羽田秀吉と再会し、更には渡米後に生まれた妹・世良真純や幼い頃の工藤新一と毛利蘭と出会っているのだが、本人は忘れている模様。
この時に起きた事件に関わった後、当初FBI入りを反対していたメアリーからFBI入りを認められ、大学卒業後に3年間の職務経験を経てFBIへ加入する。
過去(FBI加入後)
新人時代のエピソードは描かれていないが、「新人なのに態度でかそうだけど、それを納得させる活躍をしてたんじゃないかな」「(デスクワーク)してると思うよ。態度でかいけど」と作者は回答している。
FBIに加入してしばらく経った後、諸星大の偽名で再び来日し、「広田雅美」の偽名を名乗っていた黒の組織の末端の構成員・宮野明美に事故を装って接触。彼女を通じる形で黒の組織の潜入に成功し、組織内で旨く立ち回った末に「ライ」のコードネームを与えられるまでに至っている(「ライ」の名称はライ麦を原料とするライ・ウィスキーが由来。)。
なお、この時には同じくコードネームを与えられた構成員であるバーボン(安室透)とスコッチ(諸伏景光)の二人と行動を共にする事が多くなっていたようだが、バーボンとはお互いの素性を疑っていたらしく、不仲であったとされている。
そんな中、組織に潜入していた日本の公安警察の一員であった事実に気づかれてしまい、逃走したスコッチを追い、彼に接触。自身がFBIから潜入している身である事実を明かし、何とか逃がそうとしたが、そこへスコッチを探していたバーボンの足音が響き、結果、逃げられないと判断したスコッチは情報の入ったスマホごと自らの心臓を撃ち抜いて自殺してしまう。スコッチの死に責任を感じた事と、彼の自決の一因となったのが自身の足音であるということをバーボンに悟らせないため、あえて泥を被ることを決意。駆け付けたバーボンに対し、スコッチを殺したのは自らであるという嘘の証言を行い、バーボンからは激しい憎悪と殺意を買ってしまう事になった。
その後、組織内のコードネームを持つ構成員の中でも大物とされているジンとの共同による任務にまでこぎつけた事で、FBIの仲間達との共同でジンの捕獲作戦に乗り出すのだが、自身を怪しんでいたと思われる組織の送り込んだ老人の連絡員(実はRUMの変装)が現れた事で、アンドレ・キャメルが思わず逃げるよう声をかけてしまい、それが原因で作戦は失敗。ジンも現れず、自身がスパイであった真実にも気づかれてしまう事になった。
図らずも、この時の作戦の失敗が原因で、赤井と交際関係にあった宮野明美が組織の陰謀によって抹殺されてしまう事になるのだった。
作戦失敗後はアメリカに戻り、再びFBIの捜査官として活動。本編の1年前には、ニューヨークで組織の構成員の一人であるベルモット(シャロン・ヴィンヤード)を追っていたのだが、偶然にも街中で工藤新一と離れていた毛利蘭と遭遇。
「銀髪に染めた長髪の日本人」について尋ねた後、彼女にこの場から離れるよう警告するのだった。
本編
黒の組織を追って三度目の来日。上司のジェイムズ・ブラックと合流し、しばらく米花町周辺に潜伏して調査を行っていたが、全身黒づくめの恰好や不気味さを感じさせる雰囲気から、江戸川コナンや灰原哀からは黒の組織の一員ではないかと疑われていた。
まあ、黒の組織に潜入していた時期もある為、間違いとは言えないが…。
「季節外れのハロウィンパーティー」では、ベルモットを確保しようとして逆に追い詰められたジョディを救出する形でベイエリアに現れ、カルバドスの動きを封じて彼の武器をすべて取り上げた後、ベルモットをショットガンで銃撃して負傷させる。
しかし、眠らされていたコナンを人質に取られて逃亡された上に、動きを封じられたカルバドスにも自決されてしまった為、手がかりは掴めずじまいとなった。
「赤と黒のクラッシュ」では、初めてコナンと共同戦線を張り、CIA諜報員であったキールこと水無怜奈(本堂瑛海)を組織へ再潜入させることに成功する。
だが、キールの裏切りを疑っていたあの方の命令を受けた怜奈によって、来葉峠にて肺と頭を撃ち抜かれ、証拠隠滅のために愛車のシボレー・C-1500ごと爆破される。その跡地からは身元が確認不可能なほどの損傷を受けた遺体が発見され、残った右手の指紋などの状況証拠からFBIにも組織にも、赤井本人と断定された。
偽装死と復活
来葉峠において死亡したと思われたが、実はコナンの発案による拳銃自殺した組織の一員・楠田陸道の遺体を用いた偽装工作であり、赤井自身は「沖矢昴」という架空の人物になりすまして潜伏し、単独行動をとっていた。沖矢の姿では、声を阿笠博士が開発したチョーカー型変声機で変えており、チョーカーの存在を隠すため、ハイネックやスカーフなど常に襟の詰まった服装をしている。
組織に悟られないようにFBI本部にも内密にし続けているが、直属の上司であるジェイムズには偽装工作実行時に気付かれて事情を話し、後にジョディやキャメルにも真相を話したことから、日本滞在中のメンバーとは再び連携体制に入る。
それ以外で赤井の生存を知っているのは沖矢の正体に勘づいていたバーボンこと安室透のみだが、当初コナンの策で優作が変装した沖矢対峙させ、その最中電話越しに会話する事で生存を確認させ、同時に「赤井=沖矢」という推理を崩し、更に安室透の正体を降谷零と突き止めた事により、追跡を断念させる。
しかし、後にラムの命令で工藤家に探りを入れた降谷と対峙し、「赤井=沖矢」と確信されるが、優作と有希子の工藤夫妻が間に入り、何やら交渉に入った模様である。
人間関係
家族
赤井秀一の父親。羽田浩司とアマンダ・ヒューズがアメリカで殺害された事件に関与していたらしく、その後、消息が途絶えている。赤井は、父の事件の真相を探るために、FBIに入ったほど、この事件にこだわっている。
赤井秀一の母親。10年前は秀吉や真純の父親代わりになることを赤井秀一に望んでおり、当初は赤井のFBI入りに反対していたが、後に赤井の強い決意を悟り、最終的にはFBI加入を承諾している。
赤井の生存を知らず、亡くなったと聞いている。
赤井秀一の実弟。プロの将棋棋士で、高校卒業後羽田家の養子に入っている。17年前までは「赤井」、高校卒業までは「世良」の姓を名乗っていた。赤井の生存を知り、赤井との連絡専用の携帯を持っている。
- 世良真純 -
赤井秀一の実妹。上述の通り赤井の渡米後に生まれたため、真純が7歳になるまで面識がなかった。赤井を「秀兄(しゅうにい)」と呼び慕っており、赤井の影響で截拳道を始め、探偵を志した。現在は赤井は亡くなったと聞いているらしい。
同僚
来日しているFBI捜査官の筆頭者。来葉峠による作戦の準備に気づいた事から、事前に赤井から作戦を聞いていたため、彼の生存をFBI内で唯一知っていた。
FBIの同僚。元々恋人同士だったが、赤井が潜入捜査のため黒の組織の構成員と付き合うことになってから、事後報告で別れを切り出されている。現在でもジョディは赤井を想い続けており、彼の死(実際は偽装)を悟った時には誰よりも深く悲しんだ。「一緒に仕事ができるだけでよかった」と心中で吐露する場面もある。一方の赤井もジョディに心を許した行動が多く、重要な任務の前には彼女を心配している。
FBIの同僚(部下)。赤井はキャメルの運転技術を買っており、キールに関する重要な作戦を任せている。2年前、赤井の組織への潜入捜査中に、赤井の正体が組織にバレるきっかけを作ってしまった。FBIが利用した宮野明美の死の原因は自分にもあると考えているが、赤井本人は彼女も覚悟していたことだから気にすることはないと話している。
黒の組織
黒の組織のボス。赤井秀一を「シルバー・ブレット」と称して恐れている。羽田浩司の残したダイイングメッセージからその名が浮上する。
黒の組織のNo.2。赤井が組織に潜入していた頃から「ボスの側近」と噂され、赤井も耳に入れていた。羽田浩司の事件に関与しており、赤井からは羽田浩司の事件現場に残されていたダイイングメッセージから、同件の最重要容疑者として名のあがっている「浅香」がラムであると推測。しかし、後に工藤優作との話し合いにより、ダイイングメッセージから「あの方」の名を浮上させた。
赤井秀一が「宿敵」と呼ぶ黒の組織の幹部。赤井が組織に潜入していた頃から赤井を嫌っていた。ジンを捕縛する作戦の中で起こったミスに乗り正体が露見し、赤井が組織を去った2年後に赤井の元恋人・宮野明美を殺害した。左頬には赤井につけられた弾痕がある。
組織にいた頃からのライバルにあたり、「敵に回したくない男の1人」としている。上述の通り、公安のスパイにして彼の親友であった組織の一員・スコッチが死亡してからは、降谷から深い憎しみの感情を向けられている。赤井の正体が組織に露見する前から、赤井の正体に気づいていた模様。
沖矢昴が赤井秀一の変装であると確信され、工藤邸に乗り込まれるが、コナンと優作による変装トリックによって「沖矢=赤井」という推理を崩し、逆に降谷の正体を掴む。赤井は降谷が乗り込んできた理由として、身柄を組織に引き渡し大手柄をあげて組織の中心近くに食い込むためだと予想している。
赤井秀一の従妹。黒の組織の末端構成員であり、10億円強盗事件の犯人。赤井は潜入捜査のために彼女に近づき、その妹・志保と顔見知りになることで組織関係者とのコネクションを持ち、組織に潜入した。宮野明美を利用し組織に潜入していたが、正体がFBI捜査官だと露見したことで明美と志保を残し組織を抜ける。その後、2年間音信不通だったが明美は強盗犯罪を実行する前日に、FBIに助けを求めるメールではなく復縁を求めるメールを赤井本人に送っている。
彼女からは「大君」と呼ばれていた。赤井は明美をどう呼んでいたかについて作者は「『おい』とか『あんた』とか『ちょっと』とか言ってそう(笑)」だと『SDB90+』で答え、『話そうDAY2018』では、明美とジョディどっちが本命か聞かれて「どっちも好きだったんじゃないかな。でも心に残ってるのは明美さんかな」と答えた。
ちなみに、中の人である玉川紗己子氏は、池田氏の妻である。
赤井秀一の従妹。組織の科学者。姉の明美がFBI捜査官である赤井を組織に引き入れ、その正体を知りつつも彼と関係を続けようと、組織の幹部や妹の志保に報告せず黙っていた。その事が原因で組織は彼女を危険視。宮野姉妹の組織離脱の条件として10億円強奪を命じ成功させるが、10億円の場所を教えなかったため組織は明美を裏切者として始末した。姉の死の原因を作ってしまった志保(哀)に対し、赤井は接触を避けており、現在においても「赤井秀一」として直接顔を合わせたことは一度もない。私情で阿笠邸を盗聴し灰原を監視している。盗聴されている事は灰原本人は知らない。
黒の組織に潜入しているCIA捜査官。一度はFBIに拘束された状態となるも、その所属が明らかになると、赤井は組織に戻ることを提案した。彼女は弟の本堂瑛祐に保護認証プログラムを受けさせることを条件に組織に再潜入し、約束通りにCIAに情報を提供した後FBIにも情報を提供している。
協力者
正体不明だった時期にはコナンから警戒されていたが、水無怜奈(キール)の一件から興味を持ち、『赤と黒のクラッシュ』で秀一に協力するようになった。彼との間には、「ある計画」が存在していたことが後に明らかになる。『話そうDAY2020』で、楠田陸道の死体を使って赤井の死を偽装する作戦はコナンが考えたものだと明言された。FBIは子供のコナンにも赤井が黒の組織の女を利用し潜入していたことを詳しく話しているので、コナンは赤井の過去の恋愛事情を知っている。
沖矢昴として潜伏する際にコナンからの連絡を受けた有希子に変装させてもらい、工藤家に居候させてもらう。あらかじめ赤井秀一の生存を知っていた数少ない人物のうちの二人。優作と有希子が一時帰国してからは三人で暮らす。マカデミー脚本賞を受賞した優作の新たな代表作「緋色の捜査官」は赤井秀一をモデルにしたFBI捜査官が主人公である。
有希子にとても気に入られており、「イケメンで礼儀正しくクールでダンディ」だと称賛されている。
沖矢昴として潜伏する際に使用するチョーカー型変声器の開発者。あらかじめ赤井秀一の生存を知っていた数少ない人物のうちの一人。
名前の由来
原作者・青山剛昌氏のお気に入りのキャラクター。名前の由来は『機動戦士ガンダム』に登場するシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」と、担当声優の池田秀一から。
他作品からの出演
なんと妖怪ウォッチぷにぷにで少年サンデーコラボとして登場。しかもコラボキャラで最初の最高ランク「ZZランク」である
関連イラスト
関連項目
江戸川コナン ジョディ・スターリング アンドレ・キャメル ジェイムズ・ブラック
L96A1:彼が愛用する狙撃ライフル。バリエーションはAWS。