「今の僕にとって1分は… 無限ですから…」
概要
日本人の父親・赤井務武、日本人とイギリス人のハーフである日系イギリス人の母親・メアリー・世良を持つイギリス人のクォーター。
母方の親族として叔母の宮野エレーナ、叔父の宮野厚司、従姉妹の宮野明美・宮野志保(灰原哀)がいる。
イギリス出身だが、17年前に家族とともに来日。日本語は両親に教わる。
高校卒業後は羽田家の養子となり「羽田」と名乗るが、17年前までは「赤井」、高校卒業までは「世良」を名乗っていたため、高校時代の旧友からは「世良」と呼ばれている。
優れた記憶力と洞察力を持ち、高校時代はクラスで起きた事件を次々に解決するなど探偵の真似事をしており、真純からは兄妹の中で一番頭が切れると評されている。
兄である秀一からは『世界一のブレーン』とその頭脳を認められており本人も「記憶力は世界一かも」と自称するほど頭脳には自信があり、劇場版『緋色の弾丸』では瞬時に周辺の地図を記憶して逃走中の犯人の心境を推察して逃走経路を正確に先読みして追い詰め逮捕に貢献するという神業を見せ、あまりの出来事にFBIのジョディやキャメルは、驚きを通り越して放心していた。
『太閤名人の将棋盤』でもその頭脳は発揮され、コナンよりも先に犯人がわかっていた(ただし、後述の通り自身の身体能力は低く犯人に拘束された)。しかし、『トリプルコラボの浮気疑惑』では話の都合上なのか事件現場にいながらその頭脳は発揮されなかった。
高層マンション在住で高収入だが、食事はラーメン屋に通うなどジャンクフードが主。
容姿
父親似であるため母親似の兄妹とは似ていない。
由美にも「顔はイケメン(だが性格が子供すぎる)」と評されるが、身なりに関心がなく平時は寝癖に無精髭、丸メガネにジャージというむさ苦しい風貌をしている。
さすがに対局では身だしなみを整え和装を着こなしているが、落差が激しいためメディアでの露出が多いにも拘らず登場時は事件解決後まで著名な棋士だとは気づかれなかった。
恋人の由美に至っては、その後も長らく気づかれず、和装姿を見ても初心者落語家と思われていたほどである。
太閤名人・モデル
名前が羽柴秀吉に似ていることから、棋界で名付けられた愛称。
当初は将棋タイトル四冠までの獲得だったものの、その後は順調にタイトルを増やし、名人位に復位して史上2人目の七冠王となった。しかし、勝又力との王将戦に敗れて六冠王となる。
モデルは、史上初の七冠同時戴冠を達成し、永世七冠の資格を持つ将棋棋士の羽生善治。跳ねた寝癖やかけてるメガネは若かりし羽生のものとそっくりである。ちなみに羽生は七冠達成直後に当時人気女優だった畠田理恵と結婚をしているが、婚約は達成前だったらしい。
しかし、85巻で秀吉が放った妙手「4七角」は第62期棋聖戦第一局で谷川浩司が羽生善治に対して指した一手がモデルとなっている。
なお秀吉の持っている「初志貫徹」と揮毫された扇子は実際に渡辺明が書いたものがある。
恋愛面
宮本由美とは彼女の学生時代に、順位戦の帰りに電車で隣り合ったことをきっかけに交際を開始する。交際中に最初のタイトルである名人位を獲得した直後のデートにて、由美の何気ない一言をきっかけに対抗心を燃やして七冠制覇を決意し、由美が警察官になる以前の時期に「7つ揃うまで開けないで」と予告したうえで、婚姻届の入った封筒を由美に渡す。
その後、数年間会っていなかったことから愛想を尽かされたものの、隣室で起こった殺人事件を由美が担当したことで再会を機に寄りが戻り、それ以後も交際時と同様「由美タン」、「チュウ吉」と呼び合う腐れ縁が続いている。
後に制覇を成し遂げたが、王将戦では由美との約束に集中力を奪われて敗北してしまい、自身の座右の銘である「初志貫徹」を貫くため、彼女に婚姻届の入った封筒の処分を頼む。しかし、すべての事情を知り、封筒を破り捨てた由美から「言いたいことがあれば7つ揃えて天下を取ってから直接言え」と激励されたことで再起し、再び七冠王を目指す。
彼女への愛情は強く、女性警官を標的とした殺人事件が発生した際には心配のあまり着拒されるまで電話をかけ、挙句に腕の立つ兄に身辺警護を頼んでいるほど。なお、現在は同棲を始めたようである。
身体能力
詳しい描写はないが、連続殺人の犯人から(相手が顔見知りで警戒心が低かったこともあるが)あっさり不意打ちを喰らって拘束されたことから、母や兄妹と比べて高くはないのは明らかである。
このときは犯人に捕まった場合に備えて、普段使いのスマートフォンを携帯せず、兄との連絡専用のスマートフォンでSOSを発したが、通話相手である秀一は「兄としてはまず捕まらない方法を考えてほしい」と苦言を呈している(「太閤名人の将棋盤」)。
人間関係
家族
実父。17年前、羽田浩司の事件の調査を進める中で浮上した「敵」を危惧し、家族を日本に送り出した後消息不明。
実母。秀吉が将棋タイトル七冠を達成した際は笑顔を見せている。当人の現状については真純が伏せていることもあり全く知らない。
実兄。父の事件の真相を探るためFBIに加入。現在は自身の死亡を偽装して潜伏しているが、秀吉は兄の生存を知っているようで、普段使いのスマートフォンとは別に、内密の話をする時専用のスマートフォンを用意してやり取りを行なっている。沖矢昴の姿を確認しているかは今の時点では定かではなかったが、映画第24作目緋色の弾丸にて酔いつぶれた由美の姿を見て、以前会った時とは別人だと驚く秀一に「そういえば、兄さんに由美タンの警護も任せたことあったけ」と話している際の回想の姿が沖矢昴だったため、秀吉も『赤井秀一=沖矢昴』という事実を知っている可能性はある。
また、兄の生存に関して、メアリーや真純に口外しないよう秀一から口止めされている(上記劇場版で勘付かれてはいるが)。
実妹。秀吉を「吉兄(きちにい)」と呼ぶ。兄の職業については知らない模様。連絡のやり取りは行なっており、推理の相談に乗る事がある。また、「魔法使いにはもう会えたのか?」というメッセージを送っていることから、彼女の目的を理解している可能性はある。
- 羽田浩司(故人)
義兄。17年前、趣味のチェス大会に出場するために渡米した所、現地のホテルで何者かの襲撃を受け、死亡する。座右の銘の「初志貫徹」も元々は彼のものであった。
このように、同じ都内に点在しているとはいえ、父親を除く実家関係者は総じて身分を偽って潜伏中というのっぴきならない状況であり、社会的地位も生活も安定している秀吉とは対極である。これに関しては正式に羽田家に養子入りし亡き浩司に代わり家を継ぐ義務がある次男坊に、メアリーと秀一が配慮しているとの見方もあるが、あくまで推測の域であり、その場合は未成年の真純への扱いにも疑問が残る。
このように赤井家の相互認識には不透明な部分も多い。
その他
秀吉の隣家で起こった事件の現場で対面。コナンが普通の小学生ではない事を一目で見抜いており、推理のサポートを行う。実はコナン(工藤新一)とは10年前の事件で会っており、容疑者を絞る手伝いをしていた。ただし、コナン=新一であることまでは現時点で把握していない。
余談
秀吉の"きち"の字は、口の上が士ではなく土である𠮷が正しい。プロ棋士の坂田三𠮷が由来であろうか。
兄と妹の名の由来と中の人がガンダムシリーズから取られている事で有名だが、羽田秀吉は名の由来こそ違うが、演者の森川智之が過去に機動新世紀ガンダムXでシャギア・フロストを演じている。
なお、森川はアニメ版「金田一少年の事件簿」において明智警視を演じていた。
また、複数の作品でジョン・H・ワトソンを演じた声優でもある。
統計
初登場
原作: File 847 (単行本では80巻)
アニメ: 第731話
※なお、49巻にて、名前は出ないものの由美の元カレとして存在自体は仄めかされていた。この際に由美は「イケメンだったけど性格が子供っぽく、愛想をつかしてひどい振り方をした」と語っている。
登場回
漫画
File 847: 7つ揃うまで
File 848: 用意した一着
File 849: 太閤の手筋
File 860: 灯油の臭い
File 899: 封じ手
File 900: 王手
File 901: 禁じ手
File 902: 妙手
File 928: ラーメン屋の変な客
File 929: ホースを回す犯人!?
File 945: 意地悪なおじいさん
File 946: 真の夫婦
File 947: 座右の銘
File 969: 試着室で水着♡
File 972: さざ波の邂逅
File 973: さざ波の捜査官
File 974: さざ波の魔法使い
File 1013: 同い年なのに…
File 1015: 女性警察官連続殺人事件
File 1016: 駐禁の標識
File 1037: 時の流れを…
File 1042: 思い出のジンギスカン
File 1043: 名人の髭
File 1044: 名人の目
File 1045: 名人の手
File 1046: 名人の奥の手
File 1091: コラボ
File 1092: 新しい刺激
File 1093: 映え
アニメ
第731話: 現場の隣人は元カレ (前編)
第732話: 現場の隣人は元カレ (後編)
第745話: 容疑者か京極真 (後編)
第785話: 太閤恋する名人戦 (前編)
第786話: 太閤恋する名人戦 (後編)
第827話: 死ぬほど美味いラーメン2 (前編)
第828話: 死ぬほど美味いラーメン2 (後編)
第849話: 婚姻届のパスワード (前編)
第850話: 婚姻届のパスワード (後編)
第878話: 試着室の死角 (前編)
第879話: 試着室の死角 (後編)
第881話: さざ波の魔法使い (前編)
第882話: さざ波の魔法使い (後編)
第972話: 標的は警視庁交通部 (二)
第973話: 標的は警視庁交通部 (三)
第1025話: 大岡紅葉の挑戦状(後編)
第1033話: 太閤名人の将棋盤(初手編)
第1034話: 太閤名人の将棋盤(妙手編)
第1035話: 太閤名人の将棋盤(王手編)
第1130話: トリプルコラボの浮気疑惑(前編)
第1131話: トリプルコラボの浮気疑惑(後編)
映画
第24作: 緋色の弾丸
オープニング
OP 45: Lie, Lie, Lie, (大黒摩季)