「 バカね…トカレフは撃鉄を軽く起こして中間で止めると安全装置がかかるのよ?
これくらいジャックする前に勉強しておきなさい… 」
概要
名前の由来は、ジョディ・フォスターと代表作『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリング。
人物
その怪しげな立ち居振る舞いや言動から黒ずくめの組織の一員かと思われていたが、その正体はFBI捜査官。「ジョディ・サンテミリオン」という偽名を使い、英語教師として帝丹高校に赴任、潜入捜査を行っていた。かけている眼鏡は父親の形見である。
工藤新一のクラスの男子生徒から「今度来た英語の先生イケてるぜ♡」「ナイスバディの外人さん♡」。服部平次は「チチがでっかい」と言った。
ベルモットの身柄確保が迫ったと帝丹高校から離任するも、ベルモットには情報が筒抜けで罠に掛けたつもりが反対に罠に掛けられてしまった。毛利蘭・赤井秀一のおかげで命拾いした後日、病院で蘭・園子に「捜査でミスをして休暇をとらされたから日本に来ていた。英語の教師をやってたのはちょっと憧れがあったから」だと説明。コナンたちからは離任後も「ジョディ先生」と呼ばれている。
なお、日本語は在米中に知り合った日本人の友人・澁谷夏子から教わったもので、英語教師として潜入する協力もしてもらった(『緋色シリーズ』)。帝丹高校勤務中は怪しまれないためにあえてステレオタイプの片言で話していた。ちなみに服部からは片言を見抜かれた上で「…俺は英語を話せんフリしてたつもりやないけど、アンタの下手なフリした発音よりはマシやろ?」と英語で返答された(さらにアニメでは平次の中の人が英検準一級を取得しているほど語学に長けていたため、ネイティブ並みに淀み無く発音していた)。
離任後は普通の話し方に戻しており、米花百貨店で日本語をペラペラ話している姿を蘭に見られて流暢さを指摘されたが「日本が大好きだからうまくなった!悪い?」と押し通したり、高木渉には「日本語の上手なキャメルに特訓されてめきめき上達した」と誤魔化した。
「休暇で日本に来ているFBI捜査官」設定でいながらクセが抜けないのか、FBIの手帳を見せて勝手に捜査指示を出して高木に苦言を呈されたこともある。
過去
20年前、FBIの捜査官だった父は「黒ずくめの組織」の情報を秘密裡に集めていたため、射殺された。そしてその資料を処分する為に火災を起こされ、それで母は亡くなる。自身は父が飲むジュースを買いに出かけた事で助かり、証人保護プログラムを受けた。その後、父の遺志を継いでFBIに入った(「ジョディ・スターリング」は改名後の戸籍名であり、出生時の名前は不明)。
能力
本職がら拳銃の扱いには慣れており、シューティングゲームも大得意。『謎めいた乗客』ではバスジャック犯の持つ拳銃の安全装置をこっそり作動(厳密には「トカレフに『安全装置』という概念は存在しない」ため、より正確には撃鉄を中間で止めた「ハーフコック」状態を代用)させ、発砲できないようにした。
『黒ずくめの謀略』ではコナンにより解読(および復号パターンの補完)がなされた「7セグメント文字(デジタル数字)を応用した暗号」を殺されてしまった発案者に代わって書き出すという役目を担うも、ヘボン式で「Fu」とすべき部分を訓令式の「Hu」にしてしまい、組織に作戦が露呈してしまう。(この時、コナンの「ジョディ先生」発言で優作はジョディに「学校の先生をやってらしたとか?」と聞き、小学校の先生に表記法を教わったとジョディが答えた結果「訓令式で暗号を書き出してしまった」事に優作とコナンは気づいた)。
…もっとも、このミス自体は「暗号の運用に支障をきたす」様な大それたものではないのもまた事実(要するに「双方で内容を理解出来さえすれば良い」だけで、洞察力が優れた細かい事が気になる悪癖の持ち主なんかが見抜く様な事でもない限り、実用性を損なう致命的なミスとは言い難い)であり、ミスを謝る彼女に対しジェイムズは「君だけのせいではない!」赤井も「俺達もチェックして気づかなかったからな…」と発言しているように、赤井すら見抜けなかった。ジン達も「ある人物の助言」が無ければ「スペルの違和感」に気が付かなかった可能性が高い。
彼女を無能扱いするファンに対し「ジョディ先生がヘボというか、相手の方が更に一枚上手だった」「優作さんですら一目見ただけでは見抜けなかった、そんな細かい部分なんて普通は気が付かない」などと苦言を呈するファンも少なくない。
人間関係
「クールキッド」と呼び、信頼を寄せている。ベルモットの部屋に忍び込んだ時、コナンの写真に幼い少年を現す「クールキッド(Cool kid)」ではなくより年上の青年・成年男性を現す「クールガイ(Cool guy)」と書かれている事に疑問を持ち、赤井が沖矢に化けていた事をキャメルと共に告げられた際は変装をプロデュースしたコナンの実母である工藤有希子が「新…コナン君」ととっさに言い直した際は「新コナン君?」と不思議がっていた。なにかと協力してもらったり、しているが頭のいい子としか思っておらず彼の正体は把握していない。
証人保護プログラムを受けることを薦める。結局は断られるが、「逃げたくない」と言った彼女にかつての自分の姿を重ね、「その気持ちを大切にしてほしい」と励ました。ベルモットの部屋に忍び込んだ時に「シェリー」の写真を見ているが、同一人物だとは把握していない。
ちなみに哀とは幼少期の髪型がよく似ている。
ED68『クウフク』では二人でメインキャラとして描かれており、互いの人生がオーバーラップしている。
上司。基本的にジェイムズとジョディ、キャメルの三人+赤井(沖矢)で行動する事が多い。
同僚。かつて交際していたが、黒ずくめの組織への潜入調査中、宮野明美と付き合う事になったから終わりにしてくれと事前の相談も無しにいきなり別れを切り出された。(赤井曰く「2人の女を同時に愛せるほど器用な性分じゃない」。)
FBIが利用した明美(灰原の姉)が死んだ理由を『赤と黒のクラッシュ』で子供のコナンに詳しく話している。
今でも彼を「シュウ」と呼び、好意を寄せている様子が見られる。実際、赤井が死亡を装っている期間にバーボンこと安室透が彼に変装して現れた時には、記憶喪失で喋れないみたいだと完全に本人だと思い込み、罠ってことはないかと訝しむキャメルの意見に聞く耳を持たなかった。
一方赤井は銃弾をくらったジョディに目もくれないばかりか「テメエの車のキーくらい抜いとけよ…」などと痛い所を突いてくる上、敵を騙すならまず味方からだとジョディに何も知らせず計画を進める事が多々あるなど、素っ気ない態度を取る。だが話そうDAYでの作者によれば「赤井は(ジョディと明美)どっちも好きだった」そうなので、よりを戻す可能性は十分にあるだろう。作者は「赤井はかっこよくも身勝手な男だと思いますが、ジョディは彼のどこに惚れたのでしょう?」といった質問に対して「まさにそこだよ」(車のキー発言のコマが横に掲載)と答えている。ちなみに彼への第一印象は「態度がでかい男」、向こうからは「口うるさい女」。(『SDB』参照)
相棒。彼がある事件の容疑者の1人になってしまい、FBIが日本の許可を得ずに捜査している事がバレると問題になる為、「仕事でミスって日本に傷心旅行中の自分を心配して来てくれた恋人」という設定で誤魔化した。
ベルモット(クリス・ヴィンヤード)
両親の仇であり、FBI捜査官としての重要なターゲットの一人でもある。
1年前のシャロン葬儀の時、彼女が20年前の被疑者と同じ言葉を口にしたことで目を付け、彼女の指紋と父親の眼鏡に付着していた指紋を照合させた。すると一致したものの、20年も経ってるのに若過ぎると疑問が生まれ、彼女の母親であるシャロンの指紋と照合したら一致。この事実からシャロンとクリスは同一人物で、年を取っていない事を知る。新出智明の病院に素顔で何度も通っている姿を見ていたので彼に成りすますつもりだと思い、彼とその家族を偽装死させて保護した。その後、彼女を捕まえようと画策して対峙するも計画を把握されており、すでにジョディに扮して張り込んでいた捜査官達を撤退させていた。さらに、彼女の部屋に忍び込んだ事も知られており、あの写真を見せたらFBIがシェリーを見つけてくれるかもと利用されていた。
余談
彼女の声を担当する一城みゆ希氏は、『YAWARA!』でジョディ・ロックウェルと言うキャラクターを演じたことがある。こちらも方向性こそ違うものの、外人独特の怪しい日本語を話す特徴を持つキャラクターとして描かれていた。
本作のキャスティングの例に漏れず、ガンダムシリーズにおいては『THE ORIGIN』にてローゼルシア・ダイクン役として、『水星の魔女』にてカルド・ナボ役として出演していた。
20年近く出演し、一城氏の代表キャラクターの1人にもなっていたが、2023年10月24日に逝去(なお、一城氏の逝去により赤井役の池田秀一氏を除く「FBIのレギュラーメンバーの初代声優」が全員鬼籍に入った事になる)。後任は未定。