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センシティブな作品

TT-33

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てぃーてぃーさんさん

ソ連製の自動拳銃。別名トカレフ。「TT-33」より「トカレフ」で検索した方がひっかかる。

概要

ソビエト連邦陸軍に1933年から1951年まで制式採用されていたシングルアクションオートマチックピストル

正式名称は「Тульский-Токарева 1930/33(トゥルスキー・トカレヴァ・1930/33、トゥーラ造兵廠・トカレフ・1930年/33年式)」。フョードル・ヴァシレヴィチ・トカレフ技師が設計。

構造

M1911を参考にしながらも部品点数は極力減らされ、ユニット化が図られたため、極めて単純な構造で、生産コストが安く、過酷な環境でも安定して動作し、分解と組み立ては殆ど工具を使用せず行うことができる。反面、グリップは握りにくく操作性が悪い。安全装置が無い。

しかし単にコスト削減や生産性の向上のために構造の単純化を図ったのではなく、凍結によって安全装置の解除が出来なくなる可能性を考慮し、あえてこれを排除したと言われている。また、構造の単純化も凍結による破損時に修理を容易にするためといわれ、ロシアの厳しい冬に耐えるべく設計された銃であったことが窺える。

シングルアクションの拳銃であるが、撃針は重めのものを用いている上にファイアリングピンブロックのような内臓安全装置を持たず、ハンマーが倒れた状態で取り落とすと衝撃で撃針を叩いてしまったり、固定されていない撃針が自重で前進して撃発してしまい暴発の危険がある。落下時の暴発を防ぐ対策として、ハンマーの指かけ部以外をスライドで覆い隠している。ハンマーを起こした状態はかなり危険だが、ハンマースプリングを強くして引き金を引きにくくすることで安全装置が無いことへのリスクを緩和した。

また一応ハーフコックによるハンマーの固定は可能ではあるが、問題はハンマーを固定するリセスは他の拳銃と比べ小さいので摩耗や破損による無効化が起きやすい事、ハーフコックにするとスライドがロックされてしまう事からスライド操作でハンマーを起こすことが出来ず、手で操作しづらいハンマー形状である事もあってかなり使いづらかった。

だがそもそも想定されていた使用者は応集兵ではなく充分な訓練を受けた職業軍人たる将校であり、用途も彼らの自衛用拳銃として「普段は薬室を空にしておき、使用時にはスライドを引いて初段を装填してから撃つ」と言う安全対策がしっかり教え込まれる事が想定されていた。これは、拳銃を使う状況はごく限定的なものであると考えられていた為と思われる。

実際には将校のTT-33でも暴発事故が少なからずあり、腰に挿したTT-33が暴発して大事なムスコに先立たれるという悲しい事件も起きたらしい。

命中率が悪いイメージがあるが、軍払い下げの酷使されたものを銃身に鍍金を施すことで誤魔化したものや、中国などで粗製乱造されたライセンス品に依る所が大きく、本来は充分な精度を持ち合わせている。

弾薬は7.62×25mmトカレフ弾を使用する。

弾頭はフルメタル・ジャケットで、ボトルネック型薬莢というライフル弾のようなヤツである。9mmパラベラム弾と比べて口径が1mm以上小さく、ほぼ同径の薬莢は6mmも長いため、拳銃弾なのに非常に初速が高い。

トカレフ弾の弾殻は元々硬い鋼鉄製だが、の節約のため鉄製弾芯を使用した変形しにくい弾頭が多く、高初速な事もあって.357マグナム弾をも凌ぐ貫通力を生み出した。各種防犯会社や研究所が行った射撃実験では、「拳銃弾に対応」と謳われた防弾チョッキや防弾ガラスを貫通してしまうことが発覚し、急遽対応に追われることとなった。一方で貫通力自体は高いものの体内で変形したり転倒させやすい形状にするといった工夫がされていないので貫通しきってしまう事もあって所謂マンストッピングパワーは低め。

バリエーションとしては1949年に消音化モデルが作られており、バレルプッシングが消音器取り付け部品となっている珍しい構造をしているも、その事で作動が妨げられるために手動で排莢する必要があった。後継としてPB/6P9ピストルが開発されるとこれは置き換えられた。

他国モデルは有名な中国の54式手槍の他、北朝鮮の68式拳銃やベトナムのK14-VN、ポーランドのラドムwz48やユーゴスラビアのツァスタバM57、ハンガリーの48ミンタやルーマニアのTT-Cなどがあり、主に旧共産圏の後進国で採用されていた。

「トカレフ」

日本では「トカレフ」の通称で知られており、漫画、小説、ドラマなどによく登場する。

尚、安全装置が無い事で有名だがライセンス・コピーモデルにはサムセイフティやマガジンセイフティ等の安全装置が追加されている物も多い。

また中国のライセンスモデル54式手槍(通称黒星)は日本に密輸されて非合法に使用される事が多く、更に2001年以降、摘発件数は後継モデルのマカロフ型が多くなっている。

これらはソ連崩壊時にAK-47と共に非合法に流れたこと、更にウクライナ侵攻が話題を集めたため、日本において「ロシア製の銃」は「不法に使用される銃」「悪役の銃」の代名詞となっている。

トイガン

国内メーカーからはエアソフトガンはハドソン産業とKSCより、モデルガンはハドソン産業とタナカワークスより製品化しているが、ハドソン産業は廃業している。海外メーカーはWE-Techが製品化している。

特にKSCのものは通常のABS、ヘビーウェイト樹脂、オリジナルモダンカスタムのTT33vp12、オリジナル第二弾のリブカットカスタム、54式タイプ、オリジナル中東風カスタムの54Xコンプ、限定品としてペルソナ5ジョーカー仕様、コンペンセイター及びトリガーセーフティ付トリガーを搭載したカスタムモデルなど多種多様なラインアップがされている。

リアルライブオペレーション機構を採用しており、ハンマーダウン状態でマガジンを装填すると、スライドを引いて初弾装填を行わないとハンマーを手で起こして撃とうとしても空撃ちとなり発射されないようになっている。

また、サイズの関係からか動作に難があり動かせる文鎮と揶揄されたハドソン製と異なり、P230のような小型拳銃を出していた経験からかKSC製の動作は比較的快調との事。ちなみにハドソンから金型を引き継ぎ改良したとも言われているが、ハドソン廃業の際に金型を引き取ったメーカーにKSCはなく、物自体も完全に別物で完全新規のものとなっている。

タナカワークスはハドソンの金型を引き継ぎモデルガンを発売。発火できるまでに手間がかかりすぎる上に動作のたびにトラブルに悩まされる一発毎にどこかが壊れると揶揄されたハドソン製と異なり、動作や部品の耐久性は驚くほどに改善されているが、銃身は構造上の問題なのか壊れやすいままとなっている。

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