「この世に神様なんているのかしら?」
CV:小山茉美
概要
黒の組織の大幹部で本名はシャロン・ヴィンヤード。
見た目は20代から30代にも見える美女ではあるが少なくとも40歳以上は生きているため、なんらかの方法で外見上の若さを保っている。
また極度なまでの秘密主義者であり、"A secret makes a woman woman. (女は秘密を着飾って美しくなる)"が口癖。
現在も生存する黒の組織のメンバーで唯一江戸川コナンと灰原哀の両者の正体を知っている人物であり、組織の中でもコナン達との関わりが非常に深い人物である(後述)。
人物
組織では「千の顔を持つ魔女」と呼ばれる程の変装の達人で、この変装技術はかつてシャロンとして表舞台に出ていた時に、役作りも兼ねて工藤有希子と共に黒羽盗一から学んだものである。作中で変声機を通さずに他人の声を出すことができるのは彼女以外は怪盗キッドだけであり、その技術の高さから諜報活動に長けている。
組織のボスであるあの方のお気に入りで他の幹部よりも自由な行動が許されているのだが、その立場を良い事に独断専行と言える行動も非常に多い。
また、笑いながら精神的に追い込んだ末に憎い対象を殺そうとしたり、敵の注意を引く為に自分の手を汚さない上で無関係の人間を脅迫して殺人を無理矢理実行させる、自分の保身の為なら味方を平然と使い捨てにする等、ある意味では同格のジン以上に冷血で執念深い面を持ち合わせている。
『満月の夜の二元ミステリー』でのジョディ・スターリングとの回想では、組織の情報を集めていたジョディの父を殺しただけでなく、病床の母親や幼いジョディをも家もろとも焼き殺そうとしていた(ジョディは思いつきの行動による偶然から死を免れている)。この回では仲間の一人であったカルバドスを見殺しにして自殺に追いやっており、キャンティやコルンからは激しく嫌悪されている。
最近では、ジンやあのお方からもその動向を警戒され始めており、ジンに至っては何度か本気で殺されそうになった事もある。
一方、無関係な人物を巻き込むことには反対であるらしく、年端のいかない子供、ジンの大量殺人計画に巻き込まれそうになった乗客達等については、殺害を阻止するよう動くなどの配慮も見せ、殺人嗜好者ではないことが示唆されている。
ただし、相手を助けるか殺すかについては殆どベルモット本人の気まぐれで決めている部分も目立つ。少なくとも、「興味の沸かない人間に関してはどうなろうと構わない」という酷薄なスタンスは、ジン達と殆ど変わらず、前述の凶行等も踏まえれば善良な人間と言えないのは確かである。
ロンドンのヴォクスホールブリッジにてメアリー・世良の前に彼女の夫の姿で現われ、変装を見破った彼女に口移しでAPTX4869を飲ませ、現在の姿に変えた直接の主犯であることも明かされる(ちなみに、この時の「自分の妹が作った毒薬」という言葉から、長らく濃厚とされていたメアリーとエレーナの姉妹説が作中で初めて明言されたことになった)。
内心では組織の実行しようとしている「極秘計画」に反意を抱いているらしく、その組織を壊滅させる決定打を探し求めているような言動も見られ、コナンの事をあの方が組織を壊滅させる存在の異名である「Silver Bullet(銀の弾丸)」と呼んでいる。
その為か、組織の一員である水無怜奈がスパイである事に気付いていながら半ば黙認しているのだが、一方で組織にとって最大の脅威となり得ると見なされている赤井秀一の抹殺計画に関しては反意を見せないどころか、「二発なんていらないわ。シルバーブレットは、一発あれば十分よ」と称している等、あくまでも自分にとって都合の良い形で組織の壊滅を狙っているようである。
ある意味あの方と同等なくらいに謎が多い存在。行動の真意も非常に読みづらい。
FBIには、大女優のシャロン・ヴィンヤードとして演じて脚光を浴びたニューヨークの舞台『黄金の林檎』と、「外見を変装により取り繕いはしても、中身はしわくちゃの老婆」という皮肉を交えて『腐った林檎』という標的名を付けられており、赤井秀一にはカルバドスとの関係について「(リンゴを原料にした蒸留酒である)カルバドスが腐った林檎の相棒とはお似合いな名前だな」と揶揄されている。
交流関係
- 工藤有希子
上述の黒羽盗一に同時期に弟子入りした縁で交流があり、ミュージカルの観劇に愛車を暴走してパトカーに捕まった彼女を咄嗟の変装で助け、その後も特別に楽屋に案内するなど親しい友人同士であったが、後にシェリーこと灰原哀の処遇を巡って事実上現在は決別した状態となっている。
『工藤優作の推理ショー』では、帰国した工藤夫妻に探りを入れるため「優作の姿に変装した怪盗キッド」に変装してコナンに接触するという荒業を行っている。
組織のAPTX4869の開発に関わる彼女について、一度は「諦める」と交わしたコナンとの約束を反故にするだけでなく、「確保」を命令している組織の意向に無視してまでも「抹殺」に固執している。その際も、笑いながらじわじわと追い詰めて殺そうとしたり、メールによる死の宣告によって怯えさせようとする等、常軌を逸する残忍さを覗かせる。
また、「恨むのなら、こんな愚かな研究を引き継いだあなたの両親を恨む事ね」と称している点からも、灰原だけでなく宮野一家そのものに対し激しく憎悪している節があり、研究所の火災による事故で宮野夫妻が死亡したのも、ベルモットの暗躍であった可能性が示唆されている。
ただし、『漆黒の特急』の件で、コナンと怪盗キッドのトリックに騙された結果、終盤でジンに「シェリーの抹殺に成功した」と報告してしまい、今後は迂闊にシェリーの命を狙って独断行動をする訳にはいかなくなっている(シェリー生存の事実を知られてしまうと、その責任を負わされる形でジン達から本格的に命を狙われかねない為)。
他にも、彼女自身が幼児化のことを公にしたくない、灰原の側にいるコナンや蘭が組織に狙われるという理由も重なって、灰原の居場所を把握しているものの組織には一切伝えていない。
- ジン
個人的に深い「つながり」があるらしく、バーボンこと安室透とは、それをネタに何度か個人的な取り引きを行っている。その内容は、組織のメンバーが知ったら驚く程のものであるらしい(それと同時に一気に組織内での彼女の立場が不利になるほどのものでもあるようだ)。
余談
単行本の裏表紙の鍵穴キャラとしては3回、ファンブックを含めるなら4回も登場している。と言うのも、シャロンとして1回、クリスとして2回も登場しており、そのうえ榎本梓に変装した姿として登場しているためである。
元親友の工藤有希子と共に峰不二子をモデルとしており、作者によると有希子が良い方の峰不二子、ベルモットが悪い方の峰不二子らしい。ちなみに担当声優の小山氏は風魔一族の陰謀で一度だけ峰不二子を演じたこともあり、キャスティングもルパン三世との縁を思わせる配役になっている。
担当声優の小山氏は以前アニメオリジナルエピソードで花井亜希子を演じている。
関連イラスト
関連項目
名探偵コナン
江戸川コナン 工藤有希子 安室透 宮野志保
ベルモット シャロン・ヴィンヤード クリス・ヴィンヤード
シルバーブレット 黒の組織
おまえのようなババアがいるか…変装こそ得意(それこそ中年男性だったり、自身の娘という設定だったり)だが、ベルモット自身はれっきとした女性である。