「プライベートアイ… 探偵ですから…」
「僕には命を懸けて守らなければならないものがある!」
概要
小五郎に頼み込んで探偵としての弟子となる傍ら、彼の事務所の階下にある喫茶店「ポアロ」でアルバイトをしている私立探偵。29歳。独身。右利き。186センチ(「キャラクターファンブック改訂版」より)。愛車はマツダの旧車スポーツカーであるRX-7(最終FD型)。誕生日&家族構成は今のところ不明。
褐色肌と明るい色の髪、タレ目が特徴の青年。容姿端麗で、園子や歩美も「イケメン(さん)」と絶賛。美しい金髪ショートヘアが魅力的だが、髪質は理髪のプロでも扱いづらいらしく自分でカットしている(「ゼロの日常」第4巻を参照。ただしこの作品はパラレルと明言されている)。シャワーは毎朝するタイプ。
原作者・青山剛昌氏曰く、「ポアロ」ではモテモテとのこと。
好きな女性のタイプは「たぶん明るい子が好きなのかなぁ」や「喋りまくっても嫌がらない人かなぁ」と青山氏は返答している。読者や視聴者に童顔扱いされることが多々あるが、青山氏は童顔を否定している(「90+PLUS SDB」の質問コーナーを参照)。
一人称は基本「僕」だが,感情が高ぶると「俺(漢字)」になることもある。気前が良く穏やかで、周囲には基本丁寧な言葉遣いで接する。明るく人懐っこいため、少年探偵団のような小さな子供たちからも慕われている一方で、因縁の深い赤井秀一のことになると、普段の穏やかな物腰が崩れ感情を剥き出しにすることが多い。
青山氏によれば「赤井の存在は、安室の唯一の弱点」とのこと。
スペック
洞察力や観察力、情報収集力など、探偵としてのあらゆる能力に長けた切れ者。持ち前の饒舌さで相手を追い詰める。
2023年現在、披露されたスキルは主に以下の通り。
- 盗聴器の発見(『探偵たちの夜想曲』)
蘭の携帯電話での通話にノイズが発生したことから、盗聴器の存在を察知。
常備しているらしい発見器を使って次々と回収していった。
- テニス(『密室にいるコナン』)
見事なサーブを披露した際、ジュニアの大会での優勝経験を明かす。
- 医療技術(『密室にいるコナン』)
投げられたラケットにぶつかったコナンを医者が来るまでの間応急処置をした。
蘭曰く「医者が来るまでの処置も的確でとても頼もしかった」とのことであり、簡単な応急処置技術を会得している。
- ピッキング(『密室にいるコナン』)
本人曰く、セキュリティ会社の知り合いに教わったとのこと。
青山氏によれば、ボクシングは趣味とのこと。
その腕前は本編と劇場版で1回ずつ披露されており、本編では1発で犯罪者を気絶にまで追い込むほどのパワーを発揮した。
初登場回では突然殴りかかられた際咄嗟にかわしており、反射神経も優れていることが窺える。
- ギター演奏(『仲の悪いガールズバンド』)
園子に絡むガラの悪い男達が聴き惚れてしまうほどの腕前。
アニメオリジナルではあるが、本職のパン屋が教えを乞うほどのサンドイッチ(ハムサンド)を作れることも判明している。またそのサンドイッチを自分の店で売りたいというパン職人の願いをあっさり許可する(ポアロ店長の許可は取っていなかったが)など、コナンが驚愕するほどの気前の良さ、ポアロの仕事への真摯な取り組みなども明かされている。
また、「冷蔵保存していたケーキがなぜか頻繁に型崩れしてしまう」という事態が発生した際には、発想を転換させて最初から型崩れの心配のないケーキを作るという解決策を編み出している。
元々料理上手だったわけではなく人にからかわれるほど苦手だったが、幼馴染から教わって更に自分なりに研鑽を積んだスキル。
- 爆弾の解体(『純黒の悪夢』)
設計図を見なくても解体できる腕前を持つ。ある人物に教わったらしい。
- ドライビングテクニック(『探偵たちの夜想曲』『純黒の悪夢』他)
愛車のRX-7が初登場した『夜想曲』にて、いきなりそのRX-7を犯人の乗る車にぶつけて止めるという離れ業を披露。
人質を救うためとはいえ誰が見ても「やり過ぎ」ということで、後日警視庁に呼び出され事情聴取を受けている。
劇場版ではアクションの度合いが上がっており、『純黒』では冒頭からキュラソーや赤井と激しいチェイスを繰り広げた。
『ゼロの執行人』でもモノレールの線路や車輌の側面を走る離れ業を披露した。
これに関しては事前に映像がなく、先にアフレコ音声のみを収録していたので中の人が初めて映像付きでこのシーンを見た際、あまりの離れ業に驚愕したという。
人間関係
バイト先である喫茶店「ポアロ」の階上にある「毛利探偵事務所」に居候する小学生。安室は彼こそが「眠りの小五郎」である事を見抜くが、工藤新一である事には気付いていない。
師匠である毛利小五郎の一人娘。親友である鈴木園子に安室の事を尋ねられた際、「お父さんの一番弟子」と紹介する。
弟子入り先の私立探偵。別名「眠りの小五郎」。安室からは「先生」と呼ばれ、彼も安室を紹介する際は「一番弟子」と紹介する。
警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部。安室の事は「喫茶探偵」と認識している。
江戸川コナン・灰原哀・小嶋元太・円谷光彦・吉田歩美が所属する探偵団。灰原とは直接の面識はないが、他の少年探偵団達からは慕われ、「安室さん」や「安室の兄ちゃん」と呼ばれている。
バイト先である喫茶店「ポアロ」の店員で、安室の先輩。
蘭の同級生である女子高校生探偵。彼女は過去に出会った人物が安室と似ていると発言するが、安室はそれを否定する。
正体
バーボン
組織から出奔したシェリーを追っており、ある事件をきっかけに小五郎に接近。以後、小五郎らに協力的な姿勢を見せながらシェリーの行方を探っていた。
詳細は当該記事を参照のこと。
降谷零
彼の本名及び真の正体は、警察庁警備局警備企画課(通称「ゼロ」)に所属する公安警察官・降谷零。
こちらも安室同様、初代担当声優の古谷徹と担当したアムロ・レイの苗字をそれぞれ組み合わせた名前である。
詳細は当該記事を参照のこと。
つまり、探偵、黒の組織、公安のトリプルフェイスを持つ男こそが彼なのである。
名前の由来
名前の由来は、初代担当声優の古谷徹と古谷が担当した『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイ。ちなみに安室の年齢は『逆襲のシャア』時のアムロと同じ29歳。声はアムロでも、行動的はアムロのライバルで赤井秀一と同じ声のシャア・アズナブルに近い感じである。
また、古谷氏は「機動戦士ガンダム00」においてはリボンズ・アルマーク役でも出演していた(こちらでのキャスト表記は「蒼月昇」だが、「00」に疎い人向けに平たく言えば「別名義を用いただけの同一人物」であるため、ここでは「古谷徹としての出演」として扱わせていただく事とする)ため、リボンズの立ち位置をバーボンとしての立ち位置に見い出す人もいたりする。
この人と同様のパターンである。→名探偵コナン×ガンダム
キャラクター造形
安室として初登場した「ウェディングイブ」1話目では、もともと完全な悪役(組織側の人間)として登場させたが、作者が描いているうちに「こいつカッコいいな」と思ったため気が変わり、2話目から公安の設定が追加されたとのこと。また、SDB BLACK+内でも安室については(登場時は悪者の予定だったけど(笑))と明記されている。
赤井のライバルキャラを登場させる構想から生まれたキャラクターのため、当初は「白井」というネーミングも想定されていた。「赤い彗星」に対する「連邦の白い悪魔」からであろう。愛車がRX-7なのもガンダムの形式番号RX-78から。
声優については、作者が赤井役の池田秀一氏に「こんど赤井のライバルを登場させるつもりなんですよ」と話した際、池田氏が「それなら声優は”彼”で決まりですね」と返したことからCVを古谷徹氏に依頼することを決めたとのこと。
また、古谷氏は以前にもコナンにゲスト出演していて、映画第10作目『探偵たちの鎮魂歌』にて事件の依頼主である伊東末彦の声を当てている。
余談
経済効果
劇場版でメインキャラクターを務めた「ゼロの執行人」公開後から彼の関連商品が売れまくる現象が多発、社会現象を巻き起こした。その勢いは伝説の男を彷彿させるという声も。
主な例は、
- 映画「ゼロの執行人」の興行収入を100億にしよう、とSNSで会が立ち上がり映画館に通い詰める人が続出(2018年10月時点では達成されていないものの、前作から紅の恋歌に20億以上の差を付け、シリーズ初の90億を突破している)。その後中国での放映が決定し、日中合計で興行収入100億を突破したことから100億の男と囁かれるようになった。
- 安室透が主人公のスピンオフマンガ「ゼロの日常」の第1話が掲載された24号は売り切れ続出。24号発売の当日から全国の書店で“完売”や“品薄”の報告が相次ぎ、確保に失敗したファンが後を絶たなかった。
- 本名である「降谷」苗字のハンコが爆売れ。降谷姓は非常に珍しく、全国に30人程しかいないため本来は年に数本も出ないのだが、専用注文フォームまで開設される事態となった。
- つけているイヤホンと似ているとネットで話題になった「bluetoothイヤホン」 に注文が殺到。
- 愛車「RX-7」のトミカが争奪戦になるほど品薄に。本物を購入したという猛者まで現れた。
- 彼モチーフのキャラ香水が何度も売り切れ都度生産されるほどの人気に。
- 彼の好物であるセロリを食べる人が続出した。
これらのようなあまりの女性人気ぶりに、「安室の女」なる言葉が生まれるほどであった。
そうした状況を汲んでなのか、『ゼロの執行人』公開を記念して名探偵コナン関係では初のLINE公式アカウントが作られた。
零-ZERO-
福山雅治氏が手掛けた映画主題歌。一部のファンからは「安室ファンにとっての国歌」と揶揄されることも。
福山氏が“俳優”として自ら脚本を読み込み、今作のコナン世界観を追求し、書き下ろした。
歌詞は今までのコナン映画の主題歌にはなかったコナンお馴染みの台詞「真実はいつもひとつ」というフレーズから始まる。
福山氏が「真実を追求するものと己の正義を貫く者、それぞれの信念が激突する今作を主題歌で表現できればと思っています」と語るなど、「コナンと安室のバトル」という今作のテーマに寄り添い、映画の世界観が色濃く反映された楽曲となっている。この年の紅白でもこの曲が披露された。
結果、エンドロール後に流れたこの曲が余りにもコナンの世界観、安室透という男の生き様を表現していたため、多くのコナンファンに感銘を与え、前述の「安室透経済効果」の引き金の一つとなった。
映画公開に合わせ、青山剛昌氏書き下ろしの福山氏と安室がセッションしている特別イラストも公開された。
古谷氏の降板
2024年5月、CVを担当していた古谷氏の不祥事が報じられ(詳細は本人の記事を参照)、関係各位による協議の結果翌6月22日付で安室役を降板することが報じられた。
後任や、キャラクターそのものの安室の扱いについては現状未定。
関連イラスト
関連項目
武蔵改二(艦隊これくしょん):作者が「どうぶつの森」や公式アプリの「ないしょ話」、サイン会などで度々「安室に似ている」「安室っぽい」と発言している。