「高木……。こ、こいつは……、お前に任せたぜ……。ま、任せたからな……」
概要
元警視庁刑事部捜査一課強行犯三係の刑事。
享年28歳。
佐藤刑事の1つ上でいつも爪楊枝をくわえていた。
見た目よりは年上に見えるイケメンと言ったところ。
なお一部の読者や視聴者からは「ただの老け顔」と評される事も多い。
由美から「殺しても死なない」と評されるほどのタフガイで、巨漢の被疑者を瞬時に確保するなど身体能力も高かった。
高木刑事の教育係を務めており、彼とは非常に仲が良く名前の読みも同じであることから、自分たちのことを「ワタル・ブラザーズ」と触れ回っていた。
高木とは対照的に肉食系であり、恋人で英会話講師のナタリー・来間の自宅にも頻繁に泊まりに行き、婚約を目前としていた所、1年前にとある詐欺師を逮捕した直後、高木の目の前で居眠り運転の車にはねられ、死亡する。
死の直前には婚約指輪をナタリーに渡すよう高木に託したが、伊達の死を知ったナタリーもまもなく後追い自殺してしまったため、その思いは果たされなかった。
高木が普段使っている黒い手帳は伊達の遺品であり、指輪の他に独自に掴んだ捜査情報が残されていたが、その意味に気付くまでに1年以上を要している。
降谷零(安室透)とは警察学校時代の同期で、長らく音信不通ながらも互いに気にかける友人同士だった。
当時の零については、「自分の成績はいつも2番」、「頭も体もアイツには一度も敵わなかった」と評しながらも、同時に零が自分の力を過信し、無茶をしがちであることを心配しており、高木にも「刑事といえど命は一つ、そいつの張り所を間違えるな」と忠告していた。
過去
22歳で警視庁警察学校に入校。
降谷零・諸伏景光・松田陣平・萩原研二は、同じ鬼塚教場に在籍していた同い年の同期。
同教場では5人で班を形成しており、自らが班長を務めていた(その名残で卒業後も「班長」が渾名になっている)。
後述する父の件を引きずっており「力がなければ正義は遂行できない」という考えを抱いていた。
成績は零に続く2位という優秀さ。
逮捕術の訓練時に零と対戦した際は、痛めていた自分の膝を打ち抜くのを零が躊躇して気が逸れていたとはいえ、零から一本取っている。躊躇してしまった零に、ある事件でボロボロになった自分の父親を思い出しながら厳しい意見を言った。
約6年後にあたる原作での高木との会話から、この時の試合については自分が勝ったと思っていない様子。
また、教官が零と松田に顔の傷の理由を尋ねた際はゴキブリ退治で負った傷と説明(本当は殴り合いが原因)したり、その2人が言い争いを始めた際には仲裁に入ったりと、面倒見の良さも発揮していた。この時からナタリーと付き合っており、ハーフでありなにかと見た目で絡まれる零を彼女に重ねて庇っていた。
その行動を見た萩原から零に好意があるのではと指摘され、思わず彼女がいることを話してしまい零たち4人を仰天させた。
偶然同じタイミングで外出していた零と行ったコンビニで偶然コンビニ強盗に巻き込まれ人質になるが、零や萩原、松田、諸伏の機転により強盗犯は制圧される。
その際、伊達が引きずっていた父親の辞職の原因となった事件の現場に実は居合わせていた萩原の言葉で父の本当の『強さ』を知り、吹っ切れた。
この事件の後、久しぶりに父に電話しており、父親と同じように爪楊枝を咥えるようになる。
関係者
- 父親(CV:多田野曜平)
元警察官。
少年時代の伊達にとっての誇りだったが、非番中に伊達を連れてコンビニに訪れた際に強盗に遭遇した際、抵抗することなく土下座してやり過ごすという行動に出た。
それが許せなかった当時の伊達は激高し、犯人に対して「お父さんはお巡りさんなんだぞ!」と啖呵を切ってしまい、それに逆上した犯人から息子を庇って木刀で滅多打ちにされてしまった。
その後1年間入院した末に辞職。
最終階級は巡査長。
伊達が警察学校に入った頃にはビル清掃の仕事をしている。
この事件には萩原も姉と共に居合わせており、当時を思い出した彼の証言から「伊達の父は警察官のプライドを捨てて命乞いをしたのではなく、犯人が外で控えていた仲間と共に更なる凶行に及び人質に危害を加えることを防ぐため、応援が到着するまで時間を稼いでいた」という真相が明らかになっている。
- ナタリー・来間(CV:茅野愛衣)
伊達が警察学校入学前から交際していた恋人。
北海道出身の日本人とアメリカ人のハーフ。
英会話講師として働いていたが、伊達の殉職を知って彼が搬送された病院を訪れた後、自宅に帰って後追い自殺してしまった。
彼女の両親も娘の訃報を知って遺体を引き取りに来る途中で交通事故に遭い他界しており、代わりに旧知の人物によって引き取られた。
伊達は彼女のことを同僚や身内にも紹介していなかったようで、結果的にこのことが高木が事件に巻き込まれてしまう原因になってしまった。
余談
初代担当である藤原氏は『コナン』開始当初にはモブ役などを担当しており、名前ありの役は伊達が初めてだった。
しかし、伊達としての登板は「命を賭けた恋愛中継」2話分と『警察学校編』原作のショートPVのみで、2020年4月に病没。その後『警察学校編』のアニメ化に伴い、映画『11人目のストライカー』で中岡一雅を、本編でもゲスト出演経験がある東地氏が二代目担当として役を引き継いだ。
そういった事情もあり、東地氏は『警察学校編』放送前のコメントでも藤原氏の名前を出している。
また、アニメには幼少期の姿も登場しているが、配役はノンクレジットのため不明となっている。