『だめですよ……忘れちゃ。それが大切な思い出なら、忘れちゃだめです。人は死んだら、人の思い出の中でしか生きられないんですから…。』
『今日ぐらい仕事のことは忘れましょう。忙しくし過ぎていると、本当に心を亡くしてしまいますよ?』
CV:高木渉
概要
本名は高木渉。
26歳で警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係に勤める刑事。階級は巡査部長。
もともとは原作に登場せず、アニメ版において事件の検証説明をさせる役として登場したオリジナルキャラクター。後に原作に逆輸入されキャラ設定が掘り下げられてからは、警察関係者の中では目暮警部に次いで出番が増えており、人気投票でも刑事の中では上位に入る人気を持つ(安室透と警察学校組が頭角を表すまでは警察の中で人気はトップクラスだった)。ちなみに、漫画初登場は「時代劇俳優殺人事件」からである。
モブキャラから専用エピソードやラブストーリーが描かれる程の重要キャラへと出世したことと、『名探偵コナン』の知名度の高さや影響力の大きさから『日本一出世したモブキャラ』などと呼ばれることもある。
人物像
職務には忠実だが、時には凡ミスを起こしたり人質になったり、優柔不断で薄幸な面が強い。推理力は高いほうではなく当初は頼りないキャラが強調されていた(「こりゃ警部補止まりかな」と出世の限界を見限られたこともある)が、性根は温厚で年齢問わず人当たりは良いため、警察関係者の中でもコナンたちと仲が良い。コナンたちが事件に関わっても割と大目に見てくれる上に子供たちの意見にもしっかりと耳を傾けるためか信頼もあるようで、子供だけで事件に遭遇した場合は真っ先に彼が呼ばれることも多い。
コナンたち主要キャラや探偵団の助けや助言によって事件を解決に導いたことも何度かあり、近年は活躍する場面も増えている。特にコナンが関わると事件が進展することを薄々と分かっているので、彼に訊かれたことには正直に答えるのだが、一般人に事件概要を話すことは本来禁じられているため、ファンから情報漏洩を心配される面もある。実際、黒の組織関係者である安室透にさる死亡事件の詳細を雑談的に語ってヒントを与えてしまい、傍にいたコナンを心情的に窮地に立たせたこともある(更に言うなら安室の正体が正体なだけに、この失態については思うところがあるであろうと推測される)。
爆弾が仕掛けられたエレベーターにコナンと二人で閉じ込められた際は、彼のあまりにも小学生離れしている言動を不思議に思ったのか『君は一体、何者なんだい?』と真剣な表情で彼の正体に迫ろうとしたこともあった(もっとも作者によると、頭の切れる子どもだとは思っているが、正体には1ミリも気が付いていないらしい)。
時には上司である目暮警部と同様、警察官そして男としての意地を見せる話もある。「古き傷跡と刑事の魂」は本職をして「刑事ドラマみたいな展開」と言わしめた、屈指の活躍回。
先輩の伊達航とコンビを組んでいたが、伊達は1年前に交通事故で亡くなってしまう。いつも伊達から譲り受けた手帳を使っている。
宮本由美や三池苗子によれば、交通課の婦警に人気があるらしい(由美は冗談めかしてのセリフであったが、苗子はそういった冗談を言うタイプではないので、おそらくは事実と思われる)。
あるエピソードでは、変装して佐藤美和子刑事と張り込みをしていた時にからかわれついでに恋人と言われたことから、「からかわれ上手の高木くん」と揶揄された。
元々モブキャラだった事もあり、生い立ちや家庭環境等のプライベートな部分は殆ど明らかになっていない。『11人目のストライカー』での発言によれば甥がいるらしい。
ちなみに元々は喫煙者だったが時代の流れか嫌煙家という設定に変更されている。「紺碧の棺」ではトレジャーハンター達から火を借りているが、その後盛大にむせている(実は事件の容疑者であった彼等の指紋を採取するためのブラフであり、佐藤や目暮からも感心されている)。
本庁の刑事恋物語シリーズ
佐藤に対しては最初は高木の一方的な片思いだったものの、様々な事件を乗り越えていくうちに徐々に距離が縮まり、松田陣平を殉職させた連続爆弾犯を逮捕してからは仲が急接近し、現在では相思相愛の恋人同士。探偵団の計らいもあってキスも済ませた。登場するたびに過激な発言をするようになっている。
当初は佐藤との仲は彼女を慕う白鳥を始めとする男性刑事たちからは認められておらず、何かにつけて嫌味を言われたりデートを邪魔されたりしていた(理解してくれていたのは千葉刑事と由美くらい)。だが後に白鳥が小林澄子と交際を始めてからは沈静化し、今では完全にラブラブ状態であり、『新蘭』と並ぶ名探偵コナンの代表的カップリングである。
容姿
黒色の短髪に中肉中背ぐらい。アニメの当初の髪型は前髪が尖っており、肌も色黒で精悍な顔立ちだったが、今では現在(メイン画像)のような温和な容姿に落ち着いている。瞳の大きさも小さくなっている。
またアニメオリジナルキャラクターだったこともあり、アニメと原作で髪型が違う時期もあった。これは、原作者の青山剛昌がアニメオリジナルキャラクターの高木刑事を原作に初めて登場させる際、見た目を別のモブキャラのものと間違えてしまった為に生じた現象。現在は、アニメ版のほうが原作に合わせて高木刑事の容姿を変更しているようである。
ちなみに「最初の挨拶」の原作に登場した高木刑事は、アニメ版初期の見た目で登場している。
↓初期の髪型
現在は原作、アニメともに黒髪短髪、劇場版のみ未だ色黒である。
なお、2013年に入ってからアニメでの作画の向上によってイケメン化しているようである。
背格好は殉職した松田と似ており、髪型を変えサングラスの装着でそっくりと言われた。
名前
上記のように元はアニメに登場するモブ刑事に過ぎなかったが、アニメの中で目暮警部に名前を聞かれた際、中の人のアドリブで「高木渉」と名乗ってしまい、以降も「高木です」と名乗り続けたことでこの名前が定着(中の人曰く「言ったもの勝ち」)。原作にも登場するようになり、専用エピソードが描かれるなど今では立派な登場人物の一人である。
その他
本名の「高木渉」は上記の理由から、pixivにおいても世間一般においても中の人の方を意味する事が多い。そのため、タグとしては本記事名の方がポピュラーである。
なお、中の人が同じ小嶋元太と一緒に登場する場面も多く、その際中の人は元太と高木刑事の両方を同時に演じ分けているらしく、どちらかというと元太から高木刑事の声に切り替える方が大変とのこと。