概要
テレビアニメ版は2003年お正月スペシャルとして2時間枠で放映された。
単行本では36・37巻に収録されている。
本作は、視聴者に強烈な印象を残した、松田陣平と萩原研二の爆発物処理班コンビが登場する事件として有名であり、ファンサイトができるほど女性ファンを中心に絶大な人気を獲得した。
メインとなるのは佐藤刑事と高木刑事の恋物語で、本庁の刑事恋物語シリーズの拡大版という構成になっている。そして、本作では毛利蘭の知らないところで事件が進展していくことになる。
松田と萩原のモデルは『太陽にほえろ』の新人刑事役として人気を二分した松田優作と萩原健一。
二人を担当した神奈延年と三木眞一郎は『銀翼の奇術師』で怪盗キッドの変装役を担当した。
またこのエピソードで登場した松田陣平は、のちに『純黒の悪夢』にてある人物の回想という形であるが再登場している。
そして松田、萩原、降谷零、伊達航、諸伏景光の5人は警察学校での同期だったという設定が追加され公式スピンオフ『警察学校編』にてこの2人がメイン人物として登場する事になるなど当時の読者、視聴者は知る由もなかっただろう……。
2022年に公開された劇場版『ハロウィンの花嫁』は本作の続編としての側面もあり、公開記念に同年の3月19日から4週間にかけて本エピソードが再放送されている。
あらすじ
今から3年前、爆発物処理班から強行犯係に松田陣平という男が配属になってきた。
彼は7年前に同僚の萩原研二をとある事件で亡くして以来、ずっとその犯人を追っていたが、11月7日にその犯人が仕掛けた爆弾の解体中に殉職。
身を挺して多くの人々を救った彼の事を当時彼の教育係だった佐藤刑事は忘れられないでいた。
それから3年後の11月7日、松田の命日であるこの日、佐藤は少年探偵団と共に郵便局強盗の実況検分を行っていた。
日が暮れたころ、一行は高木刑事と白鳥刑事と遭遇。彼らは「レストランに爆弾を仕掛けた」という予告電話があった為店内を調べていたそうだが、特に変わったものは発見できなかったらしい。
電話はガセネタだったと判断し、白鳥は車でその場を離れようとするが、その途端、彼の車が大爆発を起こす。脱出した白鳥だったが、爆発の影響で重傷を負ってしまう。
白鳥は車に残されていた犯行声明文を佐藤に託す。その声明文は3年前、松田が死んだ爆破事件の時のものと酷似していた。そしてそれはこれから起こる大事件の序章に過ぎなかった…
ゲストキャラクター
名前 | 声優 | 備考 |
---|---|---|
爆弾犯A | 中田譲治 | |
爆弾犯B | 佐藤正治 | 同上 |
刑事A | 松本保典 | 警視庁捜査第一課刑事 |
刑事B | 松本大 | 同上 |
刑事C | 稲葉実 | 同上 |
朱美 | かないみか | エレベーターに閉じ込められる |
朱美の母 | 豊嶋真千子 | 朱美の親で彼女の身を案じる |
原作とアニメの相違点
原作では上記の通り、事件が起きた日が11月7日とされているが、アニメでは放送日と同じ1月6日になっていた。『ハロウィンの花嫁』および総集編『本庁の刑事恋物語~結婚前夜~』では原作通りの11月7日に設定。
原作では萩原は名前が言及されただけで直接登場しておらず、アニメ化にあたって新たに姿が描かれ、7年前の事件についても掘り下げられている。
アニメ版では、新一が蘭に携帯電話(所謂ガラケー)をプレゼントしているシーンがあるが、これは少し前に放送されたアニオリ回『愛と決断のスマッシュ』で犯人に壊された事が大きな理由であり、再度ガラケーをプレゼントした形となった(この大事な物をアニオリで壊してしまった為、当時アニメ版の監督を担当していた山本泰一郎氏曰く「新一からのプレゼントなのに一度アニメで(ガラケーを)壊して皆さんに怒られた」との事)。
余談
萩原(と松田)に関わりがある警察官が、この事件を解決してくれたコナンに対して深く感謝しており、「命を懸けてでも恩返しをしたい」と考えており、後に恩を返す事が出来た。
因みにその警察官と同じ県警であるとある警部も、この事件とは関わりはないものの詳細は知っており、萩原と松田についてもその警察官から聞いており、既に知っていた。
なお、後日談といえる劇場版では実質的2人の仇ともいえる爆弾犯がある人物に殺害されているが、原作と違ってもうひとりの爆弾犯やコナンが事件解決に関わった事などが触れられていないなど時間軸や展開が大きく異なる部分も一部ある為、パラレルワールドと解釈するファンもいる。