概要
新機動戦記ガンダムW13話に登場するOZのスペシャルズの軍人。
ルクレツィア・ノインの教え子であり、階級は共に特尉。
スペシャルズから漏れた旧連合の寄せ集め部隊をたった二人だけで制圧するほどの高い実力を持っている。
一方人格面にはかなり問題があり、スペシャルズに選ばれなかった旧連合の軍人を「過去の遺物」と見下しているかなり傲慢な性格。
7話から始まったオペレーション・デイブレイクの反乱軍の制圧要員として活動していたが、投降・武装解除を公言しても時代の流れに逆らった愚か者と見なし、粛清・処刑と称し見境なく殺害し、殺しを楽しんでるような節すら見られる。
ゼクス・マーキスからは「技術は大したものだが、ノインの教え子にしては頭の出来が悪すぎる」と評価された。
トレーズ・クシュリナーダに心酔しているが、当然彼らのやり方は本来のトレーズが好むものではなく、レディ・アンを介し曲解された思想でしかない(彼らに限らずこれはニューエドワーズ基地を爆破させようとした軍人にも似たような性格の者が多く見られた)。
また高い階級を持ちながらも自他共に認める甘さを持ったゼクス・マーキスのことを快く思っておらず、トールギスを骨董品と呼んだり、10話のウイングガンダムとの交戦も「負けそうなところをたまたまガンダムの自爆により救われた」と都合のいいように解釈していたり、一時的に自分らの部下になったゼクスを囮に使ったりするなどかなり邪険で理不尽とも言える対応を取っていた。
モガディジオ要塞(ちなみに3話でインダス基地を襲ってきた馬鹿に対応しきれなかったボナーパ指令が逃げ込んだノベンタ砲による陸海空戦力を寄せ付けない難攻不落の要塞であり、この回で退場した)襲撃時に戦力不足を理由にレイク・ビクトリア基地に支援軍を要請したが、すでに基地は戦力の多くが撤退していた。そのためゼクスがその責任を取って自ら一時的に彼らの部下になる事を申し出た。
しかしモガディジオ要塞でも投降する旧連合を見境なく攻撃した事でゼクスと対立、さらにその途中三人に同行していた部下が死亡した事によりトールギスと交戦するも、共に返り討ちにされ死亡した。
その後、事の顛末はゼクスによって報告書にまとめられ、ノインの所へと送られた。ゼクス曰く「技術しか教えることのできなかったミスを反省しろ」とのこと。
こんな性格だが、一応教官のノインに対する忠誠心は強かった模様。
この話以前まで彼女の教え子は比較的まともな人格者が多かった中、このような問題児が出てしまったのは文字通り彼女が教えてきた技術のみを鵜呑みにしてきたからだと思われる。これはノインがトレーズの思想を理解しきれていないという裏返しでもあり(むしろ理解できている人間が皆無に等しいのだが)、結果的に曲解されたトレーズの思想に依存するようになってしまったのだろう。
なお、部下が死亡した際はゼクスに怒りを露わにしているが、こちらはただ単に自分より下の人間に部下を殺され墓穴を掘った事への八つ当たりか、すぐさまゼクスを二人がかりで攻撃していることからゼクスを殺すための言い掛かりの可能性もある。
アレックス
CV:難波圭一
「あんたはかっこよすぎるんだよ~!!」
頭にバンドを巻いた金髪で色白肌の男。搭乗機はキャンサー(劇中では「レッドキャンサー」と呼ばれた)。
ミュラーの死後、海中のトールギスをミサイルを乱発し追い詰めるが、自身の放ったミサイルで視界を遮られてる隙に背後を取られ、激昂したゼクスにより海中で機体を真っ二つに引き裂かれて死亡した。(劇中最高の水中MSであり耐圧により超強固な装甲をもつ無傷のキャンサーを、なんの苦もなく素手で真っ二つにする恐ろしすぎるパワー}
死に際ゼクスの事を「あんたはかっこよすぎるんだよお!」と言っていた事から旧連合への容赦ない攻撃もエリートとは人間らしいかっこよさを求めず非情であるべきという自覚の上での行動とも考えられるが、その非情さこそがトレーズの忌み嫌う戦争の在り方だという事に気付くことはなかった。
この時のゼクスのセリフ「馬鹿どもがあああああ!」はその時の彼の二人に対する並々ならぬ怒りがひしひしと感じ取れる。
ミュラー
CV:草尾毅
「ひゃはははぁ! 粛清!! 粛清!!」
黒のモヒカンで褐色肌の男。搭乗機はエアリーズ。媒体によって呼びがミューラーだったりする。
ボナーパが命からがら隙を見て発射したミサイルで同行していた部下が戦死した事に激昂し、「部下が死亡した原因」としてゼクスを殺そうとするが、それ以上に怒りに震えていたゼクスにビームサーベルで機体を真っ二つに切り裂かれ死亡した。
中の人は某人気バスケ漫画の主人公と同じで、ガンダムWの主人公はそのライバルだが、残念ながら二人が共演する事はなかった。
他媒体での活躍
『SDガンダムGジェネレーションアドバンス』に二人揃って登場。
アニメ本編では1話限りの登場だったが、キャラが立っていたためかこの作品では良待遇な登場を果たす事になる。
OZのフロンティアⅣ侵攻部隊の指揮官として登場する。同作にはクロスボーン・バンガードやザンスカール帝国が存在しない為、OZが侵略者ポジションの勢力となっている。2名ともトーラスに搭乗しており、モビルドールによるトーラス部隊を率いている。
シーブック・アノーの駆るガンダムF91部隊と交戦し善戦するも、戦闘中に突如割り込んで来たウッソ・エヴィンに油断していたアレックスが乗機を奪われる失態を犯す。加えてウッソがその横にいたミュラー機に攻撃を仕掛けた為に、彼らはモビルドール部隊を残留させたまま一時撤退を余儀なくされている。
その後しばらく音沙汰無かったが、OZの総本山にてボスとして出現する。アレックスはメリクリウスに、ミュラーはヴァイエイトに搭乗し、本来の役割である2体でのコンビネーションを仕掛けて来る。
しかしながら、次のステージではモビルドールに乗ったメリクリウスとヴァイエイトが平然と''全く同じ出現位置のボス枠''として登場し、彼ら同じようなコンビを組んで仕掛けてくる為、原作通り兵士がモビルドールに取って代わられる惨状を体現した存在となってしまった。
関連タグ
新機動戦記ガンダムW OZ(ガンダムW) ルクレツィア・ノイン ゼクス・マーキス ヴァイエイト メリクリウス
イザーク・ジュール、ディアッカ・エルスマン(機動戦士ガンダムSEED)…両者共に優秀なコーディネーターであることから自分より格下の人間(この作品の場合はナチュラル)を見下していた点で共通している。しかし彼らは殺しを楽しむほどの残忍さはなく、最終的には改心している。
カミーユ・ビダン、シン・アスカ…第2次スーパーロボット大戦Z(再世篇)にて同じ組織に一時的に所属していた彼らをアレックスと二人で因縁を突けて突っかかっていた。シンは二人の態度に怒りを現すもカミーユは似た様な人間を知っている為、相手にしないよう諌めていた。
ビースト・ザ・ワン…殺しを楽しんでる悪役仲間。こちらも人間を見下しており、精神攻撃を仕掛けたり嘲笑いながら新宿を焼き払う等、意外な共通点がある。
バット(北斗の拳)…アレックスと中の人が同じ。こちらは、親友の最期を看取る際、同じセリフを言って読者・視聴者の涙を誘った。