CV:中原茂
「弾切れを気にする必要はない。」
「早かったな…俺の死も…」
「名前など無い。どうしても呼びたければ『名無し』でいい。殺すつもりならそれでも構わないが、少しは抵抗するかもしれん」
「俺は名前が無くて少々不便だった。なんならそいつの名前をもらってもいい」
視聴者の反応
-弾切れ気にしたことあるのかよ
-髪型は気にし・・・
etc
プロフィール
人種 | 不明 |
---|---|
年齢 | 不詳(推定15-16歳) |
身長 | 160cm |
体重 | 44kg |
名前の由来 | フランス語の3(trois)+ティム・バートン |
概要
片目が隠れるほどの非常に長い前髪が特徴。
冷静沈着でヒイロ以上に無口だが、ヒイロと違い思考の視野は広く、一般的な常識もわきまえている。
また仲間に対する情も厚く、意外にも面倒見の良い性格である。
身分を偽装した潜入を得意とするなど、工作員としての能力も高く、伸身三回宙返り一回捻りを楽々とこなす身体能力を活かして、地球降下後はサーカス団に潜伏していた。
そのサーカス団では、看板娘のキャスリン・ブルームの相方を務めていた。また服を着ていると分からないが肉体はやり過ぎレベルの筋肉質である。
乗機はガンダムヘビーアームズ。
トロワ・バートンは本名ではなく、オペレーション・メテオ発動直前に殺害された本来のパイロット(後述)の名前をもらったものである。
本来の経歴は、物心もつかない頃に傭兵部隊に拾われた名もない兵士で、10歳の頃からモビルスーツで「自分の帰る場所」を見つけるために戦場を渡り歩いていた。
それ故に、MS操縦技術及び状況把握能力は、5人のガンダムパイロットの中でも最高とする説もある。
自分の名を呼びたい者には「名無し」と呼ばせ、「トロワ」の名をもらう直前にはヘビーアームズの整備工をしていた。戦場を渡り歩いていた兵士であった彼が整備工になったのは「宇宙になら自分の帰る場所があるのでは」と考えて宇宙に来たが地上とは違い戦場がない宇宙では、整備工として食わざるを得なくなったため。なお、「ここが自分の帰る場所なのかも」と思うくらいにヘビーアームズの整備工としての仕事を気に入っていた。
「トロワ・バートン」の名を貰い、ガンダムに乗ることを決意した理由は、本物のトロワを殺した男(ドクトルSの助手)が殺人の恐怖に震えるのを放っておけなかったのと、幼い頃から戦場慣れした自分が計画遂行の代役の適性があると自己判断したため、そしてかつてから自分が整備していたヘビーアームズそのものに強い愛着を持っていたためである。
ちなみにカトルに名前を聞かれた際に「名前なんかない。どうしても呼びたければトロワだ。トロワ・バートンとでも呼んでくれ」と返したことから、TV版の時点で「元々の名前はない」という設定は出来ていたようだ。また、EWでの回想で「名前が無くて少々不便だった」と言っているが、小説版でのモノローグによれば実は名無しで困ったことはないとのこと。
なお、トロワの背中には生まれたばかりの頃に負ったらしき火傷がある(本人には、その記憶はないらしい)。
またキャスリンには幼い頃に生まれたばかりの弟を炎の中で失った過去があるため、キャスリンはトロワが実弟のトリトンではないかと推理することもできるが、確証は得ておらず、真相は不明である。
ガンダムのパイロットは特殊な訓練を受ける中、トロワだけはガンダムのパイロットとなった経緯からもわかるように訓練無しでオペレーション・メテオに参加している。
しかし、幼い頃から己で戦場で身につけた戦闘技術により、他の4人にひけを取ることは一切無かった。
OZ潜入時にはレディ・アン上級特尉に「完璧なパイロット」と評されている。
MS戦闘においては、乗機であるガンダムヘビーアームズの特性や能力を把握した上で機体の火力を活かして戦う。それだけでなく、自身が身につけた戦闘技術をも活かして巧みにヘビーアームズを操縦してみせる。
特筆すべきはそのバランス能力。
サーカスに潜伏した際に綱渡りのロープの上で伸身二回宙返り一回捻り(ムーンサルト)を決めて綱の上に着地するという大技を見せているが、彼はなんとこのムーンサルトをMS(ガンダムヘビーアームズ)で披露している。
当然ながらモビルトレースシステムのような機能はヘビーアームズには存在しないため、彼は通常のMSのコックピットでこの芸当を行っている事になる。
他にも、武装(シールドガトリング)の都合で左右の重量バランスが悪いヘビーアームズを、武器を投棄した際のバランスの切り替わりを考慮して、あえてバランスの悪いままで使用している他、機体を高速回転させながら、アーミーナイフでMSを切り刻むといった高度な技を見せている。
機体の弾を打ち尽くした後の事も考慮して戦っており、(むしろ機体の特性から弾切れした後のほうが身軽になる)「大量の弾幕による飽和攻撃で早期に決着を付ける」「弾を打ち尽くして機体を軽量化させる」といった理にかなった戦術を駆使する。
劇中のやり取りにて、敵に包囲された際、(退路を断ち集中攻撃をする戦術に対して)「敵指揮官の判断は正しい」と肯定しながらも「此方の戦力を把握する前に行動を起こすべきではなかった」といった問題を指摘するなど、戦況把握能力の高さがうかがえる。
実際にこの後「ガンダニュウムの特性によりレーダー表示がうまく機能しない」というガンダムの特性を把握する前に仕掛けた敵部隊はトロワの反撃で壊滅させられている。
寡黙で冷徹な言動が目立つ一方、他人へのさり気ない気遣いや相手に合わせた対応が出来る等コミュニケーション能力が地味に高く、他のガンダムパイロット達全員と一番上手く付き合えている。基本的に他人をあてにせず信用しないヒイロですらトロワに対しては比較的良好な信頼関係を築いていた。
TV版では宇宙再浮上時ヒイロと同じ「ガンダムを地上に破棄した組」であったり、あっさりヒイロに機体を貸し出したりした描写からヒイロと並んで自分の機体に愛着がないのではないか?と誤解される描写が目立っていたが、上述したオペレーション・メテオに参加した経緯やガンダムのフェイスにピエロのマスクを装着するなど、感情が把握し難い人物だから分かりづらいだけで「相棒」「僕のサンドロック」「ナタク」と呼ぶヒイロ以外のガンダムパイロット同様彼も彼で自分の機体への愛は結構重い。それどころか、小説版EWによるとデスサイズを破壊した時に泣いていたのもガンダムを破壊する行為に心を痛めていたためとされているので、「ガンダム」に対して愛が重い。
ただしトロワが機体に愛着があるとはっきり分かる描写はEWからのものであるため、TV版時点の設定ではどうだったかは不明。宇宙でトーラスに愛機を破壊されたくなかったから置いてきたとも取れるし、終盤ヘビーアームズを何の意味もなく見つめる描写があったりしたので元からそうなのかもしれないが…描写によって極端なのは事実であり、視聴者の間でも「ヒイロと並んで愛着がない」「ヒイロ以外の3人同様愛着がある」と印象が真っ二つに分かれがちである。
劇中での活躍
新機動戦記ガンダムW
地球で最初にカトルと出会い、彼のバイオリンにあわせてフルートを演奏する芸達者な一面を見せた。
またトレーズ・クシュリナーダに完敗して意気消沈の張五飛にコーヒーを入れてなぐさめたり、自爆して重傷を負ったヒイロをサーカス団にかつぎ込んで匿うなど、なにかと他のガンダムパイロットの面倒を見ていた。
サーカス団で療養中のヒイロの台詞(自爆が『死ぬほど痛い』)に、普段感情を表に出さないトロワが大笑いしてキャスリンを驚かせたりしていたが、その後はヒイロと共に行動し、ヒイロが誤って殺してしまったノベンタ元帥の全ての親族に謝罪するための旅にも付き合った。南極でゼクスとヒイロが決闘を演じた際には自分の愛機であるヘビーアームズを提供。
密かにウイングガンダムのビームサーベルを左腕に仕込む改造を施していた。
南極での戦いの後、ヘビーアームズを地球に放棄して宇宙に上がりOZ宇宙軍に潜入するが、疑惑の目を向けられ捕獲されたガンダムデスサイズを見せしめに破壊することを命じられる。
それは自分達の「オペレーション・メテオ」が敗北したことを象徴するものだったが、強靭な自制心で全く動揺を感知されることなく命令を遂行してみせた。
しかし、コクピットの中で無意識のうちに涙を流した(コクピット内に浮遊する液体を見てはじめて、自分が涙を流したことに気づいた)。
その後、OZに捕らえられたガンダム製造技師達が開発したヴァイエイトのテストパイロットになり、OZに捕らえられたヒイロと共に、ウイングガンダムゼロでコロニーを破壊して回るカトルを迎え撃つ。
死闘の最中、トロワはヒイロをかばってウイングゼロのツインバスターライフルの直撃を受けるが、機体が爆発寸前にもかかわらずトロワはカトルに語りかけ続け、自分達のコロニーのための戦いは終わったと言い、新しい時代を受け入れて本来のカトルに戻ってほしいと説得した。ヴァイエイトは大破し、トロワは宇宙空間に投げ出される。
宇宙空間を漂っていたところを救助され、とあるコロニーでキャスリンと再会するが、トロワは記憶を失っていた。
トロワはそのままキャスリンの弟としてサーカス団で働くが、記憶を失ったトロワは戦争の影に怯えるおとなしい少年になっていた。
デュオやカトルが会いにきた時は、キャスリンがもう戦争には行かせまいと彼らを追い払ったりしたが、サーカス団のあるコロニーが戦争に巻き込まれた時、キャスリン(この時は「姉さん」と呼んでいた)を守るためにカトルと共に再び戦場に戻る。
身体に染み付いたMS操縦技術だけで戦い続けるが、キャスリンのいるコロニーがOZに占拠されたとき、単独でウイングゼロに搭乗して出撃した。
トロワはゼロシステムに取り込まれかけるがカトルの呼びかけで正気を取り戻し、システムが見せたイメージによって記憶も取り戻した。
完全復活した後は、宇宙用に改造されたヘビーアームズで戦い抜く。
最終決戦でもドロシーとの決闘で重傷を負ったカトルの救出に行き、失意のドロシーにも「帰る場所があるなら、生きなければならない」と声をかけ、脱出した。
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
キャスリンのサーカス団で巡業を行っていたが、その周囲にちらつく影を察知する。
かつて自分が名前を頂戴した人物の一族が、再び戦争を引き起こそうとするのを知ったトロワは、彼らが組織するマリーメイア軍に別名で潜入するが、マリーメイア軍側に五飛がついていたため、暗殺に失敗しあっさり正体がバレてしまう。
マリーメイアに恭順の意を示すことでその場を逃れ、同じく潜入してきたヒイロ、デュオと協力して先にヒイロを逃し、X-18999コロニー落下阻止に成功する。
その後、デュオと共にガンダムを回収していたカトルと合流。回収されたガンダムヘビーアームズカスタムを駆り、宇宙からカトル、デュオらと共にブリュッセル大統領府へ降り立った後、「敵のパイロットを殺さない」という条件を自分達に課した上で、サーペントの大部隊と激戦を繰り広げる。最後は他のガンダム共々弾切れになり、自爆を試みようとしたところでヒイロの活躍や民衆の支持によって戦闘が終了。
マリーメイア軍の乱が終結した後は、他のガンダムと共にヘビーアームズを爆破し、「トロワ」として再びキャスリンのいるサーカス団に戻る。
搭乗機体
主な搭乗機
XXXG-01H ガンダムヘビーアームズ(1~10話、13~15、17話)※16話ではヒイロが乗った。また乗ってはいないが41~43話でも登場はする
OZ-13MSX1 ヴァイエイト(21~25話)※45話で戦闘データをAI化した個体が再登場
XXXG-01H2 ガンダムヘビーアームズ改(44~49話)
XXXG-01H2 ガンダムヘビーアームズカスタム(EW)
その他の搭乗機
XXXG-01W ウイングガンダム(16話)※ヒイロが搭乗を拒否したため、代わりに乗った
OZ-06MS リーオー(20話(水色)、EW(緑))※EWは幼少期の回想で登場
SK-12SMS トーラス(サンクキングダム仕様)(39話)※この際、ビームガンとトーラスカノンを両脇に抱えてビームガトリングのように連射するシーンがある
XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ(43話)
MMS-01 サーペント(EW)
なぜなにナデシコはやらないのか
最近のスーパーロボット大戦シリーズではもっぱらギャグ要因としての扱いが目立つ。
どんな風に目立つかは下の動画を参照されたし。
真のトロワ・バートン
CV:中村秀利
本来L3コロニーから真のオペレーション・メテオを遂行する予定だった人物。
EndlessWaltzでも登場したデキム・バートンの実子で、親父同様地球を乗っ取る事を目的に自分一人だけでも真のオペレーション・メテオを発動しようとしていた。
現トロワが名無しだった時代から面識があり、彼が見せた写真でマリーメイア・クシュリナーダの存在を知っていた。ヘビーアームズの開発スタッフの大半と仲が悪かった真トロワにとっては否定も肯定もしない現トロワは唯一信用できる相手だった模様。
オペレーション・メテオ遂行直前コロニー落としに反発したドクトルSと口論になり、その事をデキムに言いふらそうとしていた所をドクトルSの助手(家族が地球にいる)に射殺された。
なお、現トロワは特に真トロワが殺されて悲しそうにしている様子はないし、率先して隠蔽に協力した。あのトロワにこんな扱いを受ける真トロワェ…(一応境遇に同情とかはあったらしいが)
実父デキムがマリーメイア軍に潜伏した現トロワを正体を知りつつも条件付けとは言え雇っていた事から息子の死に対して何の未練もなかったようである(ただし小説版では息子を殺された事を憎んでおり、最終的には抹殺するつもりだった)。それどころか彼がヘビーアームズに乗る理由は実力関係なしにたまたまバートン一族だったからという親の七光りで決まった可能性すら考えられる。
なお、のちにデキムも自身に反感を抱いた同胞の手で射殺される等、親子揃って己の人間性が原因で命を落としていた。
中の人(中村秀利)も現在は故人だが、偶然にも命日は劇中でマリーメイアが蜂起した日(クリスマス・イブ)であった。
関連項目
カトル・ラバーバ・ウィナー ヒイロ・ユイ 張五飛 デュオ・マックスウェル キャスリン・ブルーム