「発見された以上は見逃せない。スペースポートの破壊が目的だったが、全てを消滅させる」
データ
アビリティレベル
※リーオーをオールレベル100として換算
ファイティングアビリティ | レベル110 |
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ウエポンズアビリティ | レベル160 |
スピードアビリティ | レベル110 |
パワーアビリティ | レベル140 |
アーマードアビリティ | レベル140 |
概要
多彩な火器で武装した砲撃戦用ガンダムタイプMS(モビルスーツ)。
主要人物の1人であるトロワ・バートンが搭乗する。
機体名の「ヘビーアームズ(Heavy arms)」は、そのまま「重火器」を意味する。ここでいうarmとは言うまでもなく「武器」の意味であるが、一部のファンからはそのまま直訳して重腕とも呼ばれている(この場合の「アーム」は「兵器」の事なので実際は誤訳)。
敵組織であるOZ(オズ)からは「ガンダム03(ゼロスリー)」のコードネームで呼ばれる。
後に改修されガンダムヘビーアームズ改(Gundam Heavyarms-Kai)へと強化される。
アフターコロニー(A.C.)195年、地球圏統一連合の圧政に反発する一部のコロニー独立派勢力が計画した一大テロ作戦、「オペレーション・メテオ」の中核として投入された5機のガンダムの1機。
元連合所属の技術者チームの1人ドクトルSが、同僚達と共同設計したウイングガンダムゼロのデータを基に、故郷のL3コロニー群にて極秘に開発した。
当初パイロットはコロニー独立派のスポンサーであるバートン家の庶子トロワ・バートンが予定されていたが、作戦開始直前のトラブルで彼が殺害されたことで、偶然整備員として現場に居合わせた名無しの少年がトロワの名と共にパイロットの座を引き継いだ。
火器管制システムを得意分野とするドクトルSらしく、本機は全身に多彩な重火器を内蔵した重火器砲撃型の機体として設計された。
その様は正に移動弾薬庫と言うべきもので、戦艦5隻分に相当する火力を誇る。
その反面、弾切れの際の戦闘力低下も著しく、その場合は右腕に装備された折り畳み式ガンダニュウム製のアーミーナイフ以外の武装を持たないのが弱点である。
パイロットのトロワは10歳の頃よりMSの操縦に親しんできた戦闘のエキスパートであり、残弾数を惜しまない圧倒的な弾幕火力で敵部隊を短時間で壊滅させるという強襲を前提としたガンダムにマッチした戦法を用いていた。
重武装による重量は大出力のスラスターによって補っており、5機すべてのガンダムに言えるが運動性、速力は当時の連合、OZのどのMS(ジェット戦闘機を軽く超える速力のエアリーズなど)と比較にならない程であり、スラスターによる短時間の飛行も当然可能、かつトロワのその凄まじいまでの反射神経と技量を駆使した軽快かつアクロバティックな機動が可能で、全弾発射後の接近戦でも十分な戦闘力を発揮している。
ウイングガンダムの影に隠れがちではあるが、この機体も本編での出番は少ない。
序盤こそは数多の量産機を撃墜したり、ヒイロが決闘用に一時的に搭乗(後述)したりと活躍しているが、17話でガンダムパイロット達が宇宙に上がった際はトロワはOZに潜伏する目的でヒイロと同様地球に破棄している。
さらに25話でトロワがゼロシステムに取り込まれたカトル・ラバーバ・ウィナーを説得するためにウイングガンダムゼロの攻撃を受けて搭乗していたヴァイエイトが爆散、記憶喪失になり戦争を忌み嫌う臆病な性格へと変貌してしまう。ヘビーアームズの在処を唯一知っているトロワの記憶が失われたため、OZ潜伏期間含めると実に2クールもの間この機体がどこにあるのかすら分からない状態が続いた。
後にサリィ・ポォの捜索で破棄したヘビーアームズが発見されたのは41話、ピースミリオンに輸送され再びトロワの元へ行き渡る事になったのは実に43話の頃であった。もちろん宇宙用のガンダムヘビーアームズ改へと改修がされたのはこの直後の出来事である。
ちなみに初期から登場している5機のガンダムの中で大破した事も敵対組織に鹵獲された事も無いのはヘビーアームズだけだったりする。
ガンダムヘビーアームズEW
カトキハジメによってリファインされたEW版ガンダムヘビーアームズ改から逆算して、テレビ版ヘビーアームズをリファインした機体。
大河原邦男デザインのテレビ版に対し、この機体はカトキ本人のイニシャルを取って「Ver.Ka」、もしくは「アーリータイプ」とも呼ばれる。
カラーリングはテレビ版と同じ赤系統となっている。
プロメテウス
FrozenTeardropに登場する機体で、ヘビーアームズのプロトタイプ。
本編では一度解体されていたものをトロワがシェヘラザードと共にリビルドした機体として登場。ただしまだ未完成らしく、各部の装甲が不足しており、火星環境対策のマントを装備している。
武装
ビームガトリング/ガトリング
シールドと一体化した左腕の大型ガトリング砲で、本機の武装では唯一のビーム兵器。左前腕に嵌め込んで装備する。
不使用時はバックパックに懸架される。
攻防2つの機能を纏めたため普通の片手火器に比べ重量が増加しており、重量バランスが左側に偏り機体挙動が不安定となるのが欠点。
操縦システム側の設定を変更補正すれば右腕と同じ負荷で操縦する事は可能だが、トロワは格闘戦移行時の装備投棄の際に発生する弊害(おそらく負荷補正プログラムの変更による僅かな操縦ラグ)を考慮し、あえて設定を変えず自らの技量のみで不安定さをカバーしている。弾切れになった時は接続を解除して自重で左腕から落とすようにしている。一応前述の通りシールド自体は付いているが劇中ではシールド本来の用途である防御をほとんど行っていない為どちらかと言えば「ガトリングの不意の故障を防ぐ為の装甲カバー板」程度の存在である。
また本来の設定画では右手での補助支持用の為のフォアグリップアームが付いているのだが劇中作画では使用されない為省略されているケースが多くファンアートでもその傾向が強い。このフォアグリップは設定画だとグリップ手前でも折れ曲がる機構となっているが、近年の立体物では専ら省略されている。
アーリータイプ版でも同様にビーム弾式で、シールドが別パーツ化したガトリングガンになり手持ち保持式となっている。バックパックには砲身と給弾ベルトで接続された大型マガジンを背負う。
バルカン
頭部に2門内蔵されたガトリング砲。
小口径ゆえ威力・射程距離は攻撃用としては非力で、近接防御や牽制等の補助的使用に限られる。
マシンキャノン
両肩に内蔵された機関砲。こちらは頭部バルカンに比べ大口径で、MSを充分に破壊可能な威力を持つ。バルカンとマシンキャノンという同じパターンの装備をしている機体はウイングとデスサイズがいるが当機はその二機との違いとして両方を同時に使用する事が多い点がある。
胸部ガトリング砲
胸部の開閉式装甲カバー下に隠されたガトリング砲。
口径は頭部バルカンと肩部マシンキャノンの中間に位置し、砲身の多さによる高速連射で総合的な威力を高めている。
カバー開放時はコクピット前面の装甲ごと開く構造のため、一時的にコクピットの防御力が激減してしまう。また、作品は違うが同じような武装を持つガンダムレオパルドと違い両側の装甲を横に観音開きする構造のため必ず両方展開しなければならない。
大河原版・アーリータイプ共に2門装備しているが、EW版の改では4門に増設されている。
ホーミングミサイル
両肩アーマーに内蔵されたミサイル。
標的の熱紋、電磁波を探知しこれを自動的に追尾する(A.C.ではミノフスキー粒子に該当するものは存在しない)。
大河原版は両肩に6発、アーリータイプは両足に36発装備。wikiなどでは32発と表記されているが、HG1/100シリーズの説明に準ずれば36発が正しい。
マイクロミサイル
両脚ランチャーポッドに内蔵された小型ミサイル。
こちらは追尾機能は無く、複数目標に対し飽和攻撃を仕掛ける「面の制圧」を目的とする。
大河原版は両足に24発、アーリータイプは両肩に52発装備。wikiなどでは56発と表記されているが、1/100の説明に準ずれば52発が正しい。
アーミーナイフ
右前腕に固定装備されたガンダニュウム合金製ナイフ。
基本的に弾切れ時や敵機に接近を許した場合に使用される予備武装だが、トロワの技量をもってすれば充分に強力な攻撃手段となり得る。トロワは持ち前の弾幕を張り巡らせながらターゲットに自ら接近してアーミーナイフで仕留める戦法を好む傾向にあり、数多の敵MSをメッタ斬りにした。
15話ではナイフを伸ばしたまま錐揉み回転し、エアリーズをズタズタに切り裂くという技を披露した。ゲームA.C.E.でも固有のアクションが再現されている。
また刃の周囲にエネルギーフィールドを巡らせているため、ビームサーベル等と切り結ぶことも可能。7話ではビームサイズを受け止めている。
大河原版は固定装備化しているが、アーリータイプは当初ナイフ無しで画稿を発表した為か外付け追加オプション式になっている。
ビームサーベル
左腕に仕込まれたウイングガンダムの予備ビームサーベル。
本機の正式な武装ではなく、南極でゼクス・マーキスのトールギスとの決闘に臨むヒイロ・ユイに本機を貸し与えた際に臨時追加した限定装備。
というのもヒイロが自爆時の怪我を左腕に負っていて慣らしで再出血するような有様だったので
左腕に掛かる負荷を軽減する必要が有り、MSの左前腕を外し空いたスペースと肘の関節動力ブロックを利用して応急的なホルダーを作って装備している。ビームガトリングは爆薬ボルトで肘関節ブロックに強引に据え付け投棄時にはボルトを爆破し投棄する。ただしEW漫画版ではビームガトリングの保持方法が手持ち保持になっている為左前腕が付いたままになっており数少ない矛盾の有るおかしな描写となってしまった。
イーゲル
EW漫画版で登場した追加装備。
肩部多目的ウエポンコンテナ、脚部追加ミサイルポッド、脚部クローラーユニットで構成される、地上での制圧力を強化した形態。
ダムゼルフライ
EW漫画版での追加装備。
大型プロップローターと補助ジェットエンジンを2基ずつ装備した、大気圏内用完全飛行ユニット。
着地時には支持脚を下ろさないと転倒してしまうほど、機体バランスに影響を及ぼす。
改装後の詳細はガンダムヘビーアームズ改へ
立体物
ガンプラ
放送当時に1/144スケールのプラモデル、BB戦士シリーズにラインナップ。
1/144は胸部ガトリングとホーミングミサイルハッチの開閉は可能だが、マイクロミサイルハッチの開閉ギミックは再現されていない。また、ビームガトリングのフォアグリップアームは差し替えでの展開となっている。
HG1/100での展開はサンドロック同様省略されてしまったが、B-CLUBから発売された公式のレジン製ガレージキットは存在する。
BB戦士では、劇中同様の武装が同梱されている。胸部ハッチ、ミサイルハッチが展開しアーミーナイフは方向転換による展開状態の再現が可能
MGでは2012年1月にEW版のヘビーアームズが登場。
最新フォーマットでは定番になっている16話のウイングガンダムのビームサーベルを仕込んだ左腕用のパーツも付属するが、XXXGフレームが非常に挟み込みが多く分解しづらい構造のいためコンパチ仕様となっている。
また、W系のビーム刃はグリーンのため、宇宙世紀やSEED系に多いピンク刃のものに対応しておらず、MGウイングガンダム系から別途に持ってくる必要がある。
イーゲル装備版はプレミアムバンダイ限定商品として登場した。
2020年10月にはHGACとして商品化が決定。
体型バランスが設定画と比較して胸部が小さく肩アーマーが大型化したEW版寄りになっている。
最新フォーマットなのもありガンプラでは初めて設定通り胸部ガトリング・ホーミングミサイル・マイクロミサイル全てのハッチが開閉するギミックが再現された。一方、定番だったビームサーベル用の左腕関節のパーツは用意されていない。
ただしHGACサンドロックと比較するとギミックが豊富な分細かい部分の色分けが厳しい。
胸部ガトリングハッチの青ラインの他各所グレーや黒のラインは一部シール再現となっており部分塗装が必要になっている。その他バルカンやマシンキャノンの黄色、胸部ガトリング真上にある謎(?)の青いレンズ部分の色なども足りない。
翌年2021年1月には早速イベント限定商品としてクリアカラーバージョンが発売された。
アクションフィギュア
TV版らしくやはりラインナップは少なく、2000年代前半までは「モビルスーツインアクション」ぐらいしか出ていない。実はアップデートされたセカンドバージョンも存在し、最初のロットはマイクロミサイルハッチの開閉ギミックが再現されておらず、セカンドバージョンで改善された。
2008年にHCM-proで登場。
小サイズながら全ハッチが差し替えなしで稼働し、胸部ガトリング用のエフェクトやビームサーベルを仕込んだ左腕も付属。
発売前は「脚部の可動範囲にこだわった」ことを売りにしていたが、実際は装甲がもろに干渉するためあんまり生かせなくなってしまっているのが惜しいところ。
2013年6月にはガンダムヘビーアームズ改がROBOT魂化。
こちらも全ての武器ハッチが稼働する。
市販化されたのは文字通り改の方だが、プレミアムバンダイ限定の「ガンダムサンドロック&ガンダムヘビーアームズパーツセット」を使えばノーマル状態の再現が可能だった(ビームサーベル用の左腕も改修前でしか使ってないためこちらに付属している)。
2021年9月にはGUNDAM UNIVERSEでも発売。
コストダウンのために主要ギミックの一部がオミットされがちなこの手のシリーズでは珍しく肩・胸・脚の全ハッチ開閉、アーミーナイフ展開、ビームガトリングのグリップ展開・バックパック設置の全てのギミックが再現されており、同シリーズでも最も高い出来をほこる。
さすがに左腕にビームサーベルを仕込むギミックはないが、そもそも同シリーズのウイングガンダムにビームサーベルが付属していない。
ゲーム作品では
ここではヘビーアームズ改での登場も含めて解説する。
- スーパーロボット大戦シリーズ
五飛ほどではないが、トロワが敵対勢力に潜入捜査しており序盤敵対するパターンが多い。自軍入りしたら射程が長い武装を持ちトロワが援護攻撃に長けており、射撃特化のユニットとなっている。
ヘビーアームズ改は他のW系同様にEW版で登場することが多く、TV版ではほとんど登場しない。作品によっては、EW版への強化が待っており使用できる期間も少ない。
なお、改が初参戦した『F完結編』ではアーミーナイフを除く全ての武器をフル改造すると、「全弾発射」という超高威力のMAP兵器が追加。この武装なんとイデオンを除けば敵味方含めて本作最強の攻撃力を誇る。しかし「他の武器を使う毎に攻撃力が下がる」「使用すると全ての弾数が0になる」という特殊な仕様を持っており、実用性は無いに等しい。使いにくかったのか以降の作品ではされず、近年のシリーズではフルオープン・アタックや総攻撃という名称に変わり、マップ兵器でなく射程の長い高威力の必殺技となっている。
- ガンダムVSガンダムシリーズ
2000GPの多彩な射撃武装を搭載した機体としてヘビーアームズ改が参戦。
基本的には砲撃機体らしく鈍重だが、トロワの技量なのかステップと宙返りが速く、運動性はかなり高い。
マキシブーストの時代にデスサイズヘルと一緒にプレイ日数キャンペーンの報酬として、2000コスト枠で復活参戦。EW版のコストダウン版だが、アシストのサンドロック改が追従しこちらの攻撃に合わせて弾幕を張ると一部武装の差別化がされている。
しかし調整ミスなのか耐久(他ゲームでのHP)が極端に少ない紙装甲。比較として初代ガンダムが660に対して580と大幅に少ないため、近中距離での戦闘がメインのこの機体と噛み合ってない。
ON時代は相対的に耐久の基準が下がったのでマシになったが、ゲームシステム的に過去作基準で性能は追いついてない。
エクバ2の移行の際に一旦は削除され皆が存在を忘れかけた頃、なんとオーバーブースト時代のGGGP(創通主導のガンダムゲーム祭典)後夜祭イベントにてリバイバル参戦が決定。PVもマキシブースト時代を彷彿とさせるものになっている。
「色々な人が使いやすい調整にした」という運営の発言通り、固有のムーブ性は落ちた代わりに特殊移動と各種一斉射の統合し万人向けの操作性を目指した調整の機体となった。
が、ラクス搭乗インフィニットジャスティスの時同様、バンダムはまたもやらかした。
後格闘の宙返り弾幕ばら撒きが着地硬直軽減技に有用且つ誘導切り効果つき、加えて他弾幕は濃密度且つ強誘導、キャンセルルートも豊富でブーストゲージゼロでもちょっとした滞空テクで足掻けるという有様、それゆえ相手に回避行動を強いる弾を撃てる上に回避ムーブも付いてくるという恐るべき弾幕機体と化してしまった。あえていうならEW版同様、火力が控えめで放置が対策として機能するのだが、フルオープンアタックの弾速がこちらの方が優れるのでダメージの取りやすさはこっちの方が優ってしまっている。結果、解禁初日から55%近い勝率を記録する壊れ機体となってしまった。
それゆえ下方が施され、特に滞空テクがやりくくなるよう修正された。
SDガンダムでは
やはりウイングとデスサイズがビジュアル的に目立つのもあり、扱いはイマイチ。
以下はヘビーアームズ(改、EW版も含む)をモチーフとしたキャラ。
作品名 | 名前 | 余談 |
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新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記 | 騎士ガンダムヘビーアームズ | |
超SD戦国伝 武神輝羅鋼 | 獣破頑駄無 | 改モチーフ |
ムシャ戦記 光の変幻編 | 武者ヘビーアームズ | EW版モチーフ |
SDガンダムフォース | 紅蓮の騎士バトール |
関連動画
関連項目
ウイングガンダム ガンダムデスサイズ ガンダムサンドロック シェンロンガンダム