概要
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』は1997年(1月25日~7月25日)に制作された『新機動戦記ガンダムW』の続編の全3話のOVA。
脚本はTV版でシリーズ構成を担当した隅沢克之が引き続き担当しているが、TV版で途中降板した池田成は当作には関わっておらず、青木康直が監督を務めた。
1998年(8月1日)には新規カット追加の特別篇として劇場版も『機動戦士ガンダム第08MS小隊ミラーズ・リポート』と同時公開された。
ストーリー
TV版の最終決戦「EVE WAR(敗者たちの栄光では『EVE WARS』)」アフターコロニー195年12月24日からちょうど一年後の196年12月24日の出来事を描いた後日談であり、真のオペレーション・メテオ立案者のデキム・バートンとトレーズの娘を名乗るマリーメイア・クシュリナーダ率いるマリーメイア軍がクーデターを起こすことから始まる。
TV版同様ガンダムよりもそのパイロット達の活躍の方が目立っているのは相変わらずで、OVAだと最後の第3話でようやくガンダム5機全機が戦場に降り立つ(それ以前は第1話でナタクのみが出演していた)。
パイロット達がぶっ飛んだ発想から行動を取るのも相変わらずであるが、TV版のようなシリアスな笑いを招くようなシーンは全く無く、全編重い内容が描かれている。また「自分のいる場所の近くで戦争が始まろうとしている」状況を目の当たりにした一般市民の視点が度々入るのも特徴である。
メカニック
ガンダムタイプのMSのデザインがOZの量産機を担当していたカトキハジメによりリファインされた。ただしゼロ以外の4機には石垣純哉もデザインに携わっている。
後に劇場版公開に伴い前期の機体も「アーリータイプ」として再設定され、TVと異なり後継・改造機のビジュアルは全て異なる設定となった。よって本作品に登場するガンダムはもれなくTV版と同一機体扱いとなる。
本作の歴史のその後
本作は最終シーンにて「その後の歴史においてガンダムを含むモビルスーツと名の付く兵器が登場することはなかった」というナレーションで締められることとなる。
しかし後にこの発言を否定する作品として全てのガンダムを総括した歴史の最果てとされる設定「黒歴史」の世界観を背景とする∀ガンダムが登場。この台詞は結果として否定されることとなる。
さらにガンダムWの年号である「アフター・コロニー」から地続きとなる世界観としても、∀の公開後、直接的な続編として「FrozenTeardrop」がノベル作品として製作されている。しかしこちらは本作の台詞もある程度汲んだうえで、否定しないような設定が付与されている。
登場人物
デュオ・マックスウェル(デュオ)(CV:関俊彦)
カトル・ラバーバ・ウィナー(カトル)(CV:折笠愛)
ゼクス・マーキス(ゼクス、ミリアルド・ピースクラフト)(CV:子安武人)
ルクレツィア・ノイン(ノイン)(CV:横山智佐)
リリーナ・ドーリアン(リリーナ、リリーナ・ピースクラフト)(CV:矢島晶子)
ドロシー・カタロニア(特別篇のみの出演)(CV:松井菜桜子)
マリーメイア・クシュリナーダ(マリーメイア)(CV:佐久間レイ)
登場モビルスーツ
本来はそれぞれのガンダムの名前はTVと変わらないが、プラモ化の際に商品として区別を付けるため「~カスタム」と名前に変化が付けられた。しかし、詳細な設定を知らない人達が「TV版の機体のカスタム機」と誤解してしまう結果となり、現在ではプラモデル等の商品やゲームでは「~(エンドレスワルツ版)」「~(EW版)」と表記する場合が多い。ちなみに、TV版前半の主役ガンダムのリファイン版は「~アーリータイプ」「~ver. Ka」として表記した事もあるが、現在では後期主役ガンダムと同様に「~(エンドレスワルツ版)」「~(EW版)」とするのが主流である。
ガンダムナタク(アルトロンガンダムカスタム)
OVA
1話「静かなる軌道(サイレント・オービット)」(1997年1月25日)
2話「過ぎ去りし流星(オペレーション・メテオ)」(1997年4月25日)
3話「永遠への回帰(リターン・トゥー・フォーエバー)」(1997年7月25日)
主題歌
OVA
エンディングテーマ
「WHITE_REFLECTION」(全話共通)
編曲:永野椎菜・高山みなみ
歌:TWO-MIX
劇場版
挿入歌・エンディングテーマ
作詞:永野椎菜 作曲:高山みなみ
編曲:TWO-MIX
歌:TWO-MIX
敗者たちの栄光
EWの世界でTV版のストーリーを描いた漫画作品。