「死んでいたさ…だが、トレーズの亡霊が彷徨っている以上、おとなしく棺桶で眠っているわけにもいかんのでな!」
「平和に馴染めない男も少しは役に立つということだ!」
概要
『新機動戦記ガンダムW EndlessWaltz』に登場するモビルスーツのひとつ。
基本情報
型式番号 | OZ-00MS2B |
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頭頂高 | 17.4m |
重量 | 8.2t |
ジェネレーター出力 | 3647KW |
スラスター総推力 | 87003kg |
装甲材質 | チタニュウム合金 |
機体解説
『新機動戦記ガンダムW』本編にて、トールギスIIと同時期に製造された、トールギスの3号機である。
予備パーツから組み上げたものの専用武装の調整遅れによって前線に出す前に戦争は終結してしまい、ゼクス・マーキスが搭乗するまでは、ルクセンブルクの格納庫に眠っていた。
一説には、トレーズ・クシュリナーダ本人が搭乗する予定だった(機体の配色がトールギスⅡに似ていることからトレーズ専用機とも考えられなくもない)という説や、彼がゼクス(ミリアルド・ピースクラフト)用として製造し、彼との決闘のために用意していたという説もあるが、そのゼクスがすでにガンダムエピオンを所持していたため不要になったという説もある。小説版では、ゼクスの墓の前でレディ・アンがゼクスのためにトレーズが残したものと表されている。
機体性能にエピオンの性能の一部を加え、さらに武装面でもツインバスターライフルに匹敵するメガキャノン、ガンダムの使用するビームサーベルと同等の威力、エピオンのヒートロッドの強化型やシステムエピオンの前駆となった操縦システムを持ち攻撃力と機動力を極限まで発揮可能となっておりガンダムに匹敵する性能を持つ。(性能としてコロニーの5機のガンダム、ゼロとエピオン以上のものは存在しないとされている)
また、頭部や肩回りの構造も改良されており、武装類の取り回し強化を図っている。
更には戦闘時はリミッターを任意で外すことが可能で、外した場合はガンダムエピオンと同等の機動性を発揮できるが、エネルギーの消耗は激しくなる。
武装
バルカン
頭部に2門装備。1・2号機にはなかった装備で、ガンダムのバルカンが武装として有効と証明されたため本機に装備された。
OVAでは使用する描写がないためかゲームなどで登場する際は都合によりオミットされることが多い。
メガキャノン
ヴァイエイトのビームキャノンの技術をベースに開発された。砲後端に円筒状の小型ジェネレーターを装備。通常状態でもトールギスのドーバーガン以上の威力がある。また、砲身を上下にスライドし、バレルを延長した『最大出力モード』になるとツインバスターライフルに匹敵する出力を持つ砲撃が可能となる。ゼクスはこのモードで巨大な資源衛星を一撃で破壊している。
グリップは銃身側面についており、非使用時は右肩のアタッチメントに接続される。
ビームサーベル
先行2機と同型のビームサーベルをベースに威力向上を図りガンダムのサーベル級の威力を持つ。シールドに2基搭載。
シールド/ヒートロッド
左腕に装備されるヒートロッドが搭載されたシールド。
シールドが大型化されているが、基本的にはエピオンと同型だが改良がされている。
ヒートロッドは伸縮可能で、未使用時はシールドに内蔵することも可能。
超高熱を発し、ネオチタニュウム合金製のサーペントの脚部を絡めた際は、その部位を溶解していた。
プラモデル等では左肩のアタッチメントにマウントできるものもある。
関連動画
劇中での活躍
マリーメイア軍が反乱を起こした際、地球権統一国家管理下の諜報組織である『プリベンター』が、『火消しの風・ウインド』として現れたゼクス・マーキスの搭乗機として封印を解いた事で表舞台へ姿を現すことになる。
ルクセンブルク郊外からHLVで宇宙に上がり、地球降下を開始していたマリーメイア軍を強襲、30機のサーペントをシャトルと共に撃墜した。
デキム・バートンを追い詰めたかに思えたが、コロニー落としによる真のオペレーションメテオを盾にされなすすべもなく残り470機のサーペント部隊の地球降下を許してしまう。
真のオペレーションメテオが阻止された際、メガキャノンで資源衛星MOIIIを破壊するが、後一歩のところでデキムには逃げられてしまう。
燃料不足で宇宙に漂い、回収に現れたルクレツィア・ノインと共に地球へ降下。大統領府を占領したマリーメイア軍を再度強襲する。
ノインのトーラスと敵機をパイロットを殺さないように行動不能にする戦い方のために不利な状況になっていくが、そこに現れたガンダム3機と共闘し、多くのサーペントを行動不能にする。
しかし、やはり数にものを言わせたマリーメイア軍の猛攻に追い詰められ、ついには囲まれて絶体絶命の状況となる。
だがその戦う姿は見た人々を奮起させ、戦う姿勢を起こさせるに足るものとなり、ウイングゼロの大統領府シェルター破壊、そしてデキム・バートンの死亡により反乱は終結した。
ガンダムはこの後全てが自爆装置により破壊されたが、このトールギスIIIの行方は明らかにされていない(一説にはゼクスとともに火星に運ばれたらしいとのことだが・・・)。
外部出演
スーパーロボット大戦シリーズ
初参戦のF完結編ではボスユニットとして登場したが、大抵のシリーズではEW版のゼクスは味方なので自軍ユニットとして登場する。
性能は飛行可能でウイングガンダムゼロ (EW版)と同等。ウイングゼロのバスターライフルのように本機はヒートロッドを持ち、接近格闘戦にも対応できる。
メガキャノンは小隊制のスパロボでは全体攻撃。 作品によってはMAP兵器版が実装されているシリーズも多い。
シミュレーションRPGとしての活躍ではスーパーロボット大戦Lにてとある異名がついた。
2体一組でPU(パートナーユニット)を組む「パートナーバトルシステム」を採用したLでは定番システムとなっていた強化パーツが廃止されており、PU(パートナーユニット)編成と機体ボーナスシステムによる機体ボーナスの組み合わせが実質的に強化パーツの替わりとなっており、発売前の情報でトールギスⅢのユニットボーナスは「自分のパートナーユニットに宇宙適性A」と判明、宇宙適性の低いユニットが多い本作では序盤に手に入る本機はプレイヤーにとって「スラスターモジュールの代替品」との認識がとても強い。某所ではゼクス共々火消しのスラスターモジュールなどと呼ばれることになる。
ガンダムvsガンダムシリーズ
EXTREME V.S.より追加アップデートで参戦。コストは2500。
メガキャノンからの照射だけでなく、ヒートロッド振り回しによる接近迎撃も可能。特殊格闘では トーラスを呼び出す。
武装こそはシンプルだが、挙動は癖が強いじゃじゃ馬。
前作の通常トールギスが可能だったスーパーバーニア(SB)と通常のブーストダッシュが併用可能。
また、空中で後格闘を使うと急降下を行う。
※本シリーズでのスーパーバーニアとは、レバー(前後左右いずれか)+ジャンプボタン1回でロックした相手を向きながら若干浮き上がりつつ高速移動。上手く使いこなせれば相手をメインの射角内に捉えたまま移動できるので、回避と反撃の両立ができる。
ちなみに解禁当時は非常に凶悪であり、SBによる超機動・後格闘の急降下による強制着地により2500とは思えない性能を有している。SBによって格闘機ではほぼ相手にならず、殆どの3000をも圧倒できてしまう。そのためトールギスはトールギスでしか倒せないと言われたほどである。
「下格のSB急降下着地に盾を出すと、まず着地を取られない」などゲーム的におかしい要素が詰め込まれており、ぶっ壊れ機体筆頭であった。
(尤も、EXTREME.VS.はシリーズ初作ということもあり、壊れ機体自体は珍しくなかったのだが。) 後にSB関連、後格闘が下方修正された。
バンナムも持て余し気味なのか、シリーズが進むにつれ上方修正と下方修正を繰り返しており、それに加えてブーストダッシュ関連のテクが開発されるにつれてSBが暴発しやすいトールギスⅢは使用者が減ってしまったこともあって評価は安定しない。
ただし極端に弱体化することはなく、高めの立ち位置をキープしている。
そしてEXTREME VS.2では最上位コストの3000に昇格。
これまでは常時SBであったのに対し、通常はほかの機体同様のBD、特殊格闘+レバー入力でSBで高速移動と、より使い分けが容易になる。またヒートロッドも発生が早くなり、迎撃のみならず相手を捕えここから格闘コンボの起点にとエピオン同様に近距離の攻め手として強化されたことにより、高速戦闘を得意とする最上位コストMSとして仕上がった。
だが今回はヒートロッドを強化しすぎた。SBを絡めた変則機動から放たれる超高速発生のヒートロッドの1撃は下手すると格闘専門のエピオンよりも恐れられる事態に。
それゆえアップデートでヒートロッドの発生と威力の低下されるというエクバ2追加プレイアブル機体1号と共に本環境初の最上位コスト弱体化修正という不名誉な称号を得てしまった。それでもまだまだ強機体として存在していた為、ヒートロッドの更なる弱体化に加えアシスト・射撃CSといった攻め手を弱められててしまう事となった。
使用する点で気をつける点は、これまでと違いトーラス呼び出しが溜め時間の必要な格闘CSとなったこと。メイン射撃でキャンセルする降りテク(通称:アメキャン)が可能になったとはいえ、咄嗟に出せる飛び道具が減少。前述の弱体化アップデートの際にメイン射撃の弾数も少なくなったので残弾管理にはこれまで以上に注意が必要。
逆に機動力関係には大きな手は加えられていないため、手堅く乗り回すことができれば苦手の少ない高機動万能機として遺憾なくその性能を発揮してくれる。
要所要所で高水準の武装性能は未だ健在なため、現在も愛用する人は多く、大会での実績も残されている人気機体となっている。
Gジェネレーションシリーズ
コストが高めの機体。トールギスやトールギスⅡから開発できる。
プラネイトディフェンサーやゼロシステムといった特殊な機能が存在しないが、移動力が最高クラスで武装の内容から遠~近距離で距離を選ばず戦える(FとPではメガキャノンがMAP兵器扱いの為、実質的には高機動格闘機として運用する事になる)。強化パーツやパイロットのスキルなどで機能を底上げすることでその性能を発揮してくれる。
立体物
HGFA1/144 HG1/100 SDガンダムフルカラーシリーズにてラインナップ。
HGFA1/144は、金型の関係で初代トールギスとトールギスⅡのパーツが付属していて好みのトールギスを組み上げることが可能。専用のボディパーツも同梱し、メガキャノンを構えたポージングを取らせやすくなっている。
だが、トールギス及びトールギスⅡのコンパチキットというためなのか、それらに塗装がしやすいように成型色は白一色という素組み派には少々苦労する仕様になっている。
気が付きにくいが、脛部品は新規で設計されている。
HG1/100では、劇中で使用した武器が同梱する他に初代トールギスとトールギスⅡのパーツが同梱するコンパチ仕様となっている。
前述のHGFA版と異なり成型色はしっかりと色分けされているが、こちらは初代とⅡを再現するには要塗装となっている(そのまま組むとトールギスⅢカラーの初代とⅡになるため)。
2014年にはMG化。ただし人気作品の人気機体にもかかわらず一般販売ではなく、プレミアムバンダイからの受注生産品だったため、「プレバン送り」とも称され多くのファンにトラウマを植え付けた。そしてこのEWシリーズのプレバン送りはアルトロンEW、ヘビーアームズ改EW、サンドロック改EWと続くことになる…
後にチタニウムフィニッシュとメタリック成型のスペシャルコーティング版がイベント限定品として発売された。
2019年にはRG化し、こちらもプレミアムバンダイ限定。
同じくプレバン限定でチタニウムフィニッシュ版も登場している。
SDガンダムフルカラーでは、メガキャノンを展開した状態の固定モデルとなっている。※現在、入手困難