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ウッソ・エヴィン

うっそえゔぃん

ウッソ・エヴィンとは、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』の主人公である。
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CV:阪口大助

人物像

地球の中央ヨーロッパの山奥にある集落「ポイント・カサレリア」に住む13歳の少年。
それまでのガンダムパイロットとして最も若く、父のハンゲルグ・エヴィンと母のミューラ・ミゲルは「自分の息子はニュータイプである」と確信を持ち(曰く、天啓を受けた)、夫妻によって幼い頃からサバイバルスキルや高度な知識、モビルスーツの操縦技術等の教育を徹底的に受けてきた。
その後、両親はまだ幼いウッソを置いて突然失踪してしまうが、鍛え上げられた自活能力と、幼馴染の少女シャクティ・カリンと共に、両親の帰りを待ちながら支え合って生活している。

地球での生活許可証を持たない不法居住者ではあるが、カサレリア近郊の特別居住区「ウーイッグ」に、自分たちで栽培した自然食品や加工肉を売りに出るなど、正式な許可を持つアースノイド達にもある程度許容されて暮らしていたようである。
特に、ウーイッグの商店の一人娘である年上の少女カテジナ・ルースに一目惚れしており、街を行くカテジナの隠し撮り画像を、屋根裏部屋のパーソナルコンピューターの壁紙として使用するといった思春期の少年らしい面も持ち合わせている。(なお、カテジナは彼を殊更相手にしていたわけではなく、ウッソが何度もメールを送っているのに対して『ひとりで大変でしょうが、シャクティさんを大事にして、力を合わせてくださいな』という一文を返しているのみであった。)

宇宙世紀0153年4月5日、成り行きでザンスカール帝国の実験部隊「イエロージャケット」のパイロット・クロノクル・アシャーの駆る試作モビルスーツシャッコーを奪取した事から、帝国と対立するレジスタンス「リガ・ミリティア」と行動を共にすることになる。
その最中、負傷したマーベット・フィンガーハットに代わり、止む無くVガンダムのメインパイロットを務めた事で本格的な戦果を挙げ、周囲の大人たちから「スペシャルな少年」と認識され、リガ・ミリティアのエースパイロットとして渦中に引き込まれていくのであった。

劇中の経過日数は僅か79日間だが、特にV2ガンダムに機種転換してからは本格的に組織の中心戦力として活躍し、ミノフスキー粒子下においては実質的に不可能とされてきた超長距離狙撃を戦闘機動を行いながら成功させ、振り向きざまに迫り来るビームを自分のライフルのビームで撃ち落す(ビームを狙って相殺する)など、凄まじい技量を見せ付けている。
更に13歳という年齢ならではの柔軟な発想力と、高度なミノフスキー物理工学の知識、そしてニュータイプとしての資質によって、戦況に合わせた奇抜とも言える作戦を立案・実行することで、単なるエースパイロットとして以上の戦果を幾度も挙げ、ザンスカール帝国との圧倒的な戦力数の差を覆し戦局をリガ・ミリティアへ傾けた

性格面では両親から受けた「教育」により、年齢に似合わない高度な論理思考能力を有するが、根本では少年らしい純粋さを有しており、ひたむきな性格とあいまって多くの女性の母性本能を刺激し、マーベットだけでなく、リガミリティアの中核部隊シュラク隊の女性パイロットたちや、更にはザンスカール帝国軍の女性兵士からもたびたび目をかけられている。

生い立ち

宇宙世紀0140年にカサレリアに生を受けるが、上述の通り正式な居住権の発行を受けられない身であった。
父親であるハンゲルグは地球圏の三大NGOのひとつ、宇宙引越公社ヨーロッパ地区において上級職員として勤務していた過去がある(当時の同僚/現マネージャーは、『優秀すぎたがゆえに、敵も多かった男』と評した)事から、母のミューラに居住権が無かったためと考えられる。
ただし、ウッソ自身は不法居住者という身分に卑屈になる事はなく、自分たち親子が人里離れた場所で暮らしているのは、両親からの「大切な理由があるから」という曖昧な説明で納得している。産まれたときから『火を炊くときは煙を隠す』、『夜は明かりが漏れないよう窓を全て閉める』という生活を続けてきたため、境遇に疑問を抱きようがなかったのである。

上述の優秀でありすぎる父と、あらゆる物事を理詰めで捉える母から、自然環境に対するサバイバビリティと、宇宙世紀を成り立たせているミノフスキー物理工学の両面において高度な教育を幼少より施され、設定されるハードルは常に『凄絶』なレベルであった。
劇中では8歳頃の刃物の扱いおよび救急手当てを自分で行う姿や、11歳でのナイフ投げ(後天的な両利きへの矯正)などが描かれ、小説版ではよちよち歩きの頃には既に斜面での受身訓練を始めており、8歳で連立方程式(14歳レベルの数学)を解いていることが示されている(これらの学習環境や旧式MSのフライトシミュレーターは、ハンゲルグが廃棄図書館のデータベースを復旧させたものを使用していた。なお、ハンゲルグ自身もヘリウム3さえ定期調達できればMSのジェネレーターの復旧利用を生活構築の視野に入れられる程、工学技術に精通している)。

ウッソ自身にこれらのハードルをクリアしていくポテンシャルが(不幸にも)あったこと、そして「お隣さん」であるシャクティも、学習面に対してはある程度同じものを受けていた事から、『他に比べるものが無い』という理由で本人は疑問に思わず、何よりも父母が与えていた愛情が本物であったため、暮らしについては本心から幸福を感じ、受け入れていた。
(ただし時折は、窮屈な生活に対するフラストレーションが爆発する事もあったが、こちらについては後述する。)
この結果、物語開始時点で、ウッソは高度な工学知識とMS操縦技術のみならず、少年時代のアムロジュドーバナージと異なり多様なサバイバル技能、不意を突けば武装した兵士でも昏倒させるだけの身体能力・格闘技術を習得しており、対人交渉能力以外については『完璧』と言えるレベルに仕上がっていた。

宇宙世紀0151年にハンゲルグが突如として姿を消し、更に翌年にはミューラも消息を絶っているのは、夫妻が中心となっているリガ・ミリティアの組織活動が本格化したためであるが、あえて何も言わず去ったのは、環境変化対応の最終課題(テスト)としての目論見があった事が、小説版のミューラの口から語られている。
本件については、アニメ・小説のいずれにおいても、宇宙引越公社に『月とサイド1、2、3全域への片道シャトル搭乗券』を二枚(一枚は協力者用)=「見つけてみせろ」というメッセージを残していたことから、同様の思惑があった事がわかる。

ニュータイプとして

宇宙世紀ガンダムシリーズの主人公としては唯一、宇宙へ出た事のない生粋のアースノイドであった(このためカミーユやジュドー、バナージといったスペースノイドの主人公らとは逆に、宇宙に上がった際に宇宙空間の広大さや、スペースコロニーの建造技術に驚嘆する場面が描かれている)が、ウッソは当初より「生命の砕ける音が聞こえた」といったように高度な感応力を発揮しており、ニュータイプとしての素養をシャッコーに搭乗する以前から開花させていた。
小説版においては、この感応力は野生動物の狩りを行う際に獲物の行動を先読みする事や、天候不順による自然災害を肌で感じて想像する事によって培われたと語られている。

即ち、ジオン・ダイクンが唱えたジオニズム――宇宙という新しい環境に進出・適応する事による種の進化論を、真っ向から否定する人物であるといえる。

ジオニズムおよびニュータイプ論は、地球圏が宇宙世紀0140年代から突入している「宇宙戦国時代」においては実質的に遺物化していたが、ウッソの存在は更に事実上の終焉をもたらせるものであった。

ウッソ自身の能力は、戦況が進み、宇宙へ出る事によって(全79日間)更なる開花を果たしているが、これが戦闘の激化による刺激によるものなのか、宇宙という新たな環境から受けた刺激によるものなのかは、定かではない。
ただ、わずか3ヶ月足らずの間に「ウッソ自身が気をつけなくてはいけない」程に強くなって“しまった”のは事実である。

なお、ウッソ本人はニュータイプの概念について「棄民されたスペースノイドが自己肯定のために生み出した自慰的な考え方」と断じている(小説版)が、天賦の才を地球の恵みの中で育て伸ばした彼がこのような見識を持っていたのは、スペースノイドにとっては皮肉であった。

パイロット能力

生い立ちで述べた通り、MSの操縦技術はフライトシミュレーターでの特訓でありながらも、自己のセンスによって高度なレベルに昇華させており、初めて搭乗した実機(シャッコー)の着陸を手動で行っている。更にはマルチプル・モビルスーツであるVガンダムの性能をスペック以上に引き出す、多数の独自モーションプログラムを作成、運用した。
前者の手動操作の難度についてはガンダム・センチネルの『月面着陸モーションプログラム・トラップ』に譲る。
後者については、Vガンダム搭乗初日(第5話)において、『ガンダムの人差し指でオデロの頭を小突く』という凄まじい精度のモーションを完成させており、カミオン隊への合流を決意した後は時間を見つけて様々なモーションを追加している(トップ・リム、ボトム・リムのオートディフェンサーや部分変形など、設計仕様には想定されていないもの)。更には戦闘中、特にサーベルを用いた接近戦においてリアルタイムで変則モーションを作成・実行する人間離れした操縦も度々見せた。(なお、平時にはV2ガンダムの指で鉄骨を曲げ『鯨を釣るための釣竿』を作るという、少年らしい発想も披露している。)

以上より、劇中でのウッソの戦闘能力的な成長は技術面ではなく、精神面のムラや迷いを抑えられるようになり、集団戦闘における戦術判断・ポジショニングを、実戦を通して習得した事に拠る部分がほとんどである。

シャクティ・カリン

他者から関係を問われた際には必ず「」と答えており、本人の表層意識における認識もほぼ一致していたが、事実としてはシャクティに行動のイニシアチブのほとんどを譲り渡し、彼女の意志を優先して大勢の行動指針を決めていた。また、無意識レベルでは彼女の保護や救出という行動の優先度を極めて(あるいは自身の命以上に)上位に設定している。

リガ・ミリティアは正規軍ではなく、ウッソの立場や戦果を省みて不問にされてはいたが、シャクティの捜索に出るためにMSを持ち出すなどの行為は組織として許されるものではなく、ウッソの論理思考はそれが理解できないはずが無いのだが、常に何らかの理由(自己欺瞞)を語って行動を正当化・補正していた。
特に最終盤においては、地球連邦軍との共同作戦における最上位戦略目標である『エンジェル・ハイロゥの降下阻止(撃破)』を達成(キールームを撃破)するチャンスを幾度も得ながらも、シャクティの保護を優先するため完全に無視している。なお本件については、最終出撃の際のジャンヌ・ダルク整備員の掛け合いから、上層部以外には「血路を開いたが今一歩撃沈には届かなかった」という認識であったようである(アサルトバスター装備を用いていたとは言え、「単機」で「艦隊」を抜けて中心部に到達し、あまつさえV2本体はほぼ無傷で旗艦するなどというのは、常識的には夢物語である)。

カミオン隊員、ひいてはリーンホースJr.所属部隊員やカテジナ、クロノクルもこの彼の行動原理については早い段階から気付いており、事実、カミオン隊員たちはカサレリアからウッソを戦闘員として同行させるために、シャクティの説得を行っている(シャクティが承認すれば、ウッソが同行すると理解していた)。

ウッソがこのような(ある意味において歪な)精神構造となったのは、カサレリアという閉鎖空間においてシャクティが居なければ、はるか以前に自滅するしかなかったという境遇が、小説版で補足されている。

ウッソにとってシャクティは、同じ学習と生活を共有する『仲間』であり、心を配らなければならないと同時にフラストレーションを気兼ねなくぶつけられる弱い『妹』であり、自然環境を読み取る才能においては自分よりも長けた『憧れ』であり、両親不在の中で支えあって生きていくために欠かせない『パートナー』でもあるという、『自分がただの少年である証拠』そのものであるが故に、自身が持つ様々な才覚をスペシャルと奢る事無く、心健やかに成長できたのである。
またシャクティは、フォンセ・カガチが金銭で雇った誘拐犯を両親と思い込んで生きていたが、『父役』は地球降下後すぐに病死、『母役』は何も残さずに消息を絶つという、愛情の無い家庭環境で育てられていたため、対比としてハンゲルグ夫妻からの愛情を確かなものと認識することができ、既述の厳しい(という言葉で片付けるには生ぬるい)教育環境を受け入れて来られた面も大きい。

よって、シャクティの存在はウッソにとってアイデンティティーの大部分を占めていると言っても過言ではなく、彼にとって彼女を喪う事態は『在ってはならない』。
ただし逆に、彼女さえ居てくれるのならば、どのような事態においても――母親が目の前で凄惨な死を迎えたとしても――アイデンティティーを見失わずに済むため、多くのニュータイプが抱えていた精神的脆弱性を“パートナーとの共生”という形で克服しているとも言える。

なお、“異性”としては、カテジナやマーベットに対する思春期の憧れも交えた好意とは別に、劇中は度々『他の女性との睦まじい姿を見られた場合は、言い訳をしなければならない』という意識が働いていたため、本質的には“シャクティとの生活を続ける”以外の道を描いていなかった事がわかる。

余談

名前の由来

「嘘」から来ており、「少年なのに嘘のように強い」という意味合いがある。
実際、彼の活躍は13歳という幼い少年にしてはあまりにも出来過ぎたものであり、本来ならばライバルポジションである成人男性のクロノクルを完全に蹴落としてしまっていた。
結局、クライマックスで彼に立ち塞がった最後の敵は、かつてのペンフレンドであり憧れの女性であったカテジナであった。

なお、ウッソの両親が「自分たちの考える理想的な子供」を作るための英才教育を施した描写については、富野監督によると「そうやって作られた『理想の良い子たち』が自己を肯定してゆくと、恐ろしいことになる」とのこと。

シャアの末裔説

ウッソの母親シャアの愛人の姓が同一であり、時代的にもシャアの孫に当たるのではないかとささやかれていた。
が、富野氏はこれを否定。苗字の綴りも一致しないため、現在はシャアとは無関係だと認識されている。

パーソナルマーク

機体に描かれるパーソナルマークは、イニシャル(U・E)を重ねて描いたペガサスであり、アムロ・レイがパーソナルマークにイニシャル(A)をアレンジしたユニコーンを使用していた事と比較すると面白い。
2015年に発売されたマスターグレードには、グレー一色と正式カラーの二種のパーソナルマークがデカールとして添付された。

関連イラスト

ガンダムッッ!!
ウッソ・エヴィン少年。



関連項目

機動戦士Vガンダム シャクティ・カリン 光の翼
Vガンダム V2ガンダム シャッコー
カテジナ・ルース

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