概要
型式番号LM314V24。
高機動強襲オプション装備形態。全備重量は19.1tに増加するが、ミノフスキー・ドライブの莫大な推力の恩恵により、スペック上のパワー・ウェイト・レシオは変化しない。
リーンホースJrに乗艦している老メカニック陣(ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の専門家である、オーティス・アーキンスが中心となったと考えられる)によって現場開発が進められ、エンジェル・ハイロゥの地球降下が目前となった攻防戦後半に完成・投入された。
実は意外にもV2アサルトバスターの形で投入されたのが先であり、V2アサルトこそが本当の意味での最終決戦仕様だったりする。
高機動によって敵陣深くに斬り込む戦術目的のため、攻撃力のみならず一定の被弾を想定しての防御能力向上が図られるという、V2ガンダムの機体特性に沿いつつ、パイロットの生存率アップに配慮された設計となっており、ウッソは地球降下後の最終決戦においてもこちらの形態を選択した。
これは、本オプションがV2の本来の開発計画に含まれていたものではなく、ウッソ・エヴィンと長期間戦場を共にしてきた各スタッフが、彼を“生かす”ために製造した装備だからである。
金色の耐ビームリアクティブアーマーやIフィールド・ビームバリアにより、ビーム攻撃に対して驚異的な防御性能を有する。なお、15m級MSサイズにデメリットや使用制限無しで、膨大なエネルギーを必要とするIフィールド・バリアが搭載されているのは本機のみである。
メガビームライフル
厳密にはアサルトオプションの専用装備ではないが、本項に記載する。
エンジェル・ハイロゥ攻防戦開始前、ジャンヌ・ダルク合流時に配備されていた、『本来の専用オプション兵装』の一つ。
Vダッシュが装備していたビームスマートガン(メガビームライフル)の発展型であり、V2のマニピュレーター(エネルギーコネクタ)のみならず、肘部ビームシールド発生機を90度スライド・アップさせてから接続する二重のエネルギー供給によって、通常出力でもビームスマートガンの二倍以上の火力を発揮する。ちなみにビーム発射時のSEはあの武装と全く同じ。
カテゴリーとしてはバスターのメガビームキャノンと近似している武装だが、こちらは片腕かつ前腕のみで支持する形状のため、射角・取り回しに優れる。
メガビームキャノン同様、V2本体の精密狙撃機構とパイロットの類まれなセンスにより、高い命中率を引き出している。初テストにおいては旗艦ジャンヌ・ダルク(自陣最後方)から、出撃直後の敵機を数体まとめて撃墜し、地球連邦軍ムバラク・スターン提督を驚愕させた。
開放型のロングバレルはMS全高に迫るほどの長大さだが、非使用時はスライドして半分近くに短縮される。更に、センサーユニットとバレルユニットを分離させて、ハードポイントに懸架する事も可能。
メガビームシールド
厳密にはアサルトオプションの専用装備ではないが、本項に記載する。
メガビームライフルと同時に配備された『本来の専用オプション兵装』の一つだが、調整に時間がかかったため戦場への投入はやや遅れた。
三基のバリアビットとの連携により、艦載用にも劣らない大面積ビームシールドを展開可能な、高出力防御兵装。部隊指揮用に、中心部分からV字状のビームを発射する機能も有している(ビーム自体は射程は短いがゾロアット程度なら軽く撃破出来る威力を持つ)。
稼働に要求される出力があまりに大きく、V1ではスラスターまでカットして全エネルギーを回さなければならない程であり、V・ヘキサが戦闘機動を行いながらアクティブにした時には、ジェネレーターがオーバーロードを起こしてしまった。
初投入時にいきなりウッソはこの武装を囮にすることでルペ・シノ撃破に成功したり、シールドの広範囲に及ぶV字型ビームと光の翼の両方の連携攻撃によりあっさり周辺の包囲網を全滅させシャクティ・カリン奪還目的のエンジェル・ハイロゥ侵入に成功したりするなど多大な功績を上げた武装の一つ。
シールドのビーム圧は、(敵機側の照射設定に依るが)戦艦の主砲を上回る極大出力のザンネック・キャノンを防ぎきる事さえ可能な、高性能兵装である。
だが、劇中でウッソが防御のために大面積ビームシールドを展開したのは僅かであり、彼は高圧・大面積ビームシールドという凄まじく目立つ仕様を利用して、敵機をV2へ引き付けて一掃する戦法や、バリアビットを応用しての疑似オールレンジ攻撃に用いている。このビットの無線操作システムについて触れている資料は存在しないが、機動が単純かつ二次元的なものに限られていたため、ハンガーやブーツ同様、ミノフスキー・コントロールが採用されていた可能性が考えられる。
なお、バリアビットは大気圏内では自重を支えるだけのスラスター推力を有さないため、最終決戦出撃後は実体盾として使用した(判断ミスにより拡散させてしまったゴトラタンのメガビームキャノンから味方部隊を守るために使用していないのは、重力下ではビットを射出できなかった事が理由である)。この際、敵機のビームライフルを容易くはじき、ゴトラタンの頭頂部ビームカッターをも受け止めたが、リグ・コンティオのヴァリアブルメガビームランチャーにより爆砕されてしまった。
しかしながら、上述の通り対ビームにおいては極めて高い防御力を有しているのは確かであり、シールド本体にはかなり厚い対ビームコーティングが施されていると推察される(資料によってはIフィールド・バリア発生機を搭載しているとされる)。
耐ビームリアクティブアーマー
機体各部に増設された金色の装甲。実弾に対しては単純な二次装甲として機能するが、ビームに対しては瞬時に熱融解し、強力なフィールドによって機体を保護する。
媒体によっては肩部アーマーにIフィールド・バリア発生装置が内蔵されているとされる。
作中ではネネカ隊の対MSバズーカにより破壊されており、実弾に対して反応装甲として機能したことによる自壊という説が有力。
成層圏突入時の戦闘で再び装備されたが、最後は上述のヴァリアブルメガビームランチャーを受け切る際メガビームシールド共々破壊されている。
過去にアナハイム・エレクトロニクスが開発したMSA-0120のアップリケ・アーマーや、サナリィが開発したクロスボーンガンダム(F97)のフルクロス装甲に非常に近い機構であり、機体開発同様アナハイムや、元サナリィ・スタッフの技術協力の可能性が見られる。
立体物では金メッキやメタリック成形にされていることが多い武装で、その特別感が窺える。
ヴェスバー
Variable Speed Beam Rifle=可変速ビームライフルの略称。ガンダムF91と異なりバレルが開放型になっているが、メガコンデンサを内蔵しているため取り外しての運用も可能。
小型ながらも、堅牢なアインラッドを一撃で貫通する威力を誇る。
余談だが、デザイン段階ではインコムの様にオールレンジ攻撃が出来る、有線式の武装にするという案もあったといわれている。