なら……わたしの想いが……あなたを護るわ!
あなたはもう泣かないで………わたしの本当の想いが、あなたを護るから………
プロフィール
英字表記 | Flay Allster |
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生年月日 | C.E.56年3月15日 |
没年月日 | C.E.71年9月27日 |
星座 | 魚座 |
血液型 | A型 |
年齢 | 15歳 |
身長 | 162cm |
体重 | 53kg |
CV | 桑島法子(ナタル・バジルールと兼役) |
愛用化粧品 | エリザリオ(※19話) |
人物
一人称は「わたし」、二人称は「あなた」。ただし、感情が昂ったり激昂すると「アンタ」にその都度変わる。
公の場所や身分が高い人物なら敬語で接する一方、プライベイトの言葉遣いは女性語を頻繫に使う。呼称は身分が高い人物なら「姓+役職名」(フラガ少佐、ラミアス大尉、バジル-ル中尉など)と敬称を用い、年上を含む親しい人物や同い年以下の人物なら「名前+呼び捨て」と使い分けて呼ぶ。
キラ・ヤマトが通うカレッジのマドンナ的存在であり、彼の憧れであった美少女。ミリアリア・ハウは同じサークルに所属する先輩。
大西洋連邦政府の外務次官ジョージ・アルスターの一人娘。サイ・アーガイルとは親が決めた婚約関係にあったが、後に破談となる。母親は幼少時に病気で他界している。
物語序盤では、コーディネイターによって友達と故郷を奪われ、自身も推進剤の壊れた脱出ポッドで宇宙を漂流するという命の危険に晒され、そしてザフトのMSに捕まる(と思い込む)などの恐怖を味わったことと(4話参照)、元よりキラという人物がどのような性格かを知らなかったことにより(1話参照)コーディネイターに強い警戒心を抱いており、それらがキラにとっての人間関係のトラブルを引き起こすこともあった。
さらに父子家庭であったこともあり、唯一の家族である父親がザフトの攻撃を受けて死んだ際には、憎悪にまで発展してしまった。
略歴
第1クール
ザフトのヘリオポリス襲撃の際たまたま居合わせたことで避難民となり、アークエンジェルに乗艦。
第4話で判明するが、ヘリオポリスが襲撃されたときは、ジェシカとミーシャという2人の友人と共にフローレンスの店で買い物をしていたが、逃げる際にはぐれてしまい、1人で逃げてきた。
友人たちは第1話で姿が出ているものの、その後の登場は無く生死不明である。
だが、避難した救命ポッドも推進部が壊れて宇宙で漂流。死を待つしかない状態だった。
そこを、ザフトのMSに襲撃され、ザフトの戦艦に連れて来られたと、キラの説明を聞くまで信じていた。
また、キラのことも最初からコーディネイターと知っていたわけではなく、ヘリオポリスではサイの知人として普通に接していたが、AAに保護された後にカズイの一言によって知ることとなる。
アークエンジェルが地球軍と合流したのち、他の避難民と共に地球へ送り届けられる予定だったが、地球軍の先遣隊との合流を目前にザフトの襲撃を受ける。
地球軍の先遣隊に父がいることを知らされていたフレイは不安のあまりキラに詰め寄り、キラもまたこの時点では戦争の何たるかを理解していなかったこともあり、「大丈夫だよ」と安易に慰めの言葉をかけてしまう。
だが、敵軍にアスランがいたことへの動揺も有り、本気を出せないキラ。
それは、父親を案じてブリッジに来たフレイにも伝わってしまう。
結局、地球軍の先遣隊は壊滅。
キラは、フレイの信頼を裏切ってしまうこととなる。
「アンタ……自分もコーディネイターだからって、本気で戦っていないんでしょう!!」
そして、更に追い打ちのように、敵機のパイロットがキラの旧友であったことを彼とサイの会話を立ち聞きしたことで知ってしまい、キラおよびコーディネイターへの不信と憎悪が決定的なものとなる。
彼女が憎しみを晴らすために選んだ手段。それは「自分たちを守るただ一人のコーディネイターであるキラにザフト(彼の同胞たるコーディネイター)を殺害させ続けることで、キラを精神的に追い込み、その果てに戦場で散らせる」という、本来争いごとが嫌いな彼が最も苦しむものだった。
そのため、AAを降りて他の民間人がメネラオスに移乗する中、大勢の前で地球連合軍に志願兵として入隊を希望。尤もらしい理由でサイたちも除隊せず留まるよう誘導し、キラが除隊を撤回するよう仕向けた。
キラが引き返してこなかった場合は自らストライクに乗り込むべく待機していたものの、結果彼が戻って来たことで彼女は賭けに勝つ。
そして、キラに祝福とも呪いともとれる言葉を告げ口づけると、彼を戦場へと送り出した。
なお、メネラオスに移った避難民は脱出用シャトルで地球に降下する最中にイザークによって撃墜されており、意図したものではなかったが自身のみならずキラたちが命拾いすることに繋がっている。
第2クール
アフリカ着陸直後は、モビルスーツに搭乗したまま大気圏突入を行った反動で意識不明に陥ったキラを付きっ切りで看病を行っていた。
この時にはある程度冷静さを取り戻し、苦しむキラへの情も抱き始めていたようだが、それを認めることを拒むように「キラは…戦って…戦って…戦って死ぬの。でなきゃ許さない…」
と独り呟いていた。
キラが目覚めるとさらに関係を深めて同衾するまでになる。
キラはフレイの思惑通り(あるいはそれを超えて)、アンドリュー・バルトフェルドに「バーサーカー」と評される活躍を見せるが、「ナチュラルとの違い」を目の当たりにした仲間たちとキラとの関係はぎこちなくなり、キラはフレイへの依存を強めていく。
フレイは婚約者であるサイに対しては「婚約はお父様が決めたこと。だけどそのお父様は今はもういなくなってしまったから、わざわざこだわる必要はないわ」と公言し、一方的に別れを告げられて納得いかずしつこく話をしようと迫るサイを砂漠に降下してしばらく後に「関係なくないわよ!だってわたし、昨夜はキラの部屋にいたんだから!」とキラの前でこっぴどく振っているが、これは全て復讐のための演技であり、サイへの想いは留めていた。
サイがキラへの嫉妬に狂い、無断でストライクガンダムに搭乗する暴挙に出た際も、サイのために涙しているが、それを周囲には隠していた。
しかし、フレイのキラへの計略はここで綻びを見せ、サイを気にかけるキラに対して「(サイは)バカよね、キラにかなうわけないのに」と口を滑らせてしまう。
この言葉にフレイのサイへの想いと自分への強い偏見を敏感に感じ取ったキラは、フレイの内心に気づいていながらも、それを受け止めきれずにいる自分(※監督談)に気づき、コックピットで過ごすようになる。
一方、フレイは利用しようとキラに接近し続けたことでキラの苦悩と優しさに直面し、皮肉にも無意識にキラに惹かれてしまっており2人の関係もすれ違い始める。
フレイはキラと共に周囲から孤立してでもキラを自分に依存させようと試みたが、率直でコーディネイターとの違いを意識しないカガリがアークエンジェルに乗り込んだことでキラと友人達の関係も小康状態に落ち着き、結果としてフレイのみが周囲から孤立し、フレイがキラに依存するようになる。(なお甲板の上でキラを励ますカガリの姿を見て不機嫌になるなど無意識に彼女に嫉妬しているような描写もあった)。
オーブ連合首長国でもサイ達が家族と面会する中、両親が既に死亡していて親戚もいないフレイの孤独は解けることがなく、一人アークエンジェルの艦内に引き返すが、そこで自分と同様家族と面会せず、1人で作業するキラを見つけ、
「かわいそうなキラ、一人ぼっちのキラ、戦って辛くて、守れなくて辛くて、すぐ泣いて………」
と本音を吐露する。(キラには彼自身の家族に会いたくない理由があったのだが、フレイにそれを知るすべはなかった)。
フレイから対話に臨もうとするのは、キラのストライクでの最後の出撃直前であった。
緊迫した状況と喧嘩別れした気まずさから上手く話せないフレイの気持ちを何となく察したキラは「帰ってから(話そう)」と述べて出撃したが、アスラン・ザラとの激闘の末に生死不明(MIA)となり、約束は果たされなかった。
これが2人の最後の会話となってしまった……。
第3クール
当初の目的であったはずの復讐を成し遂げたものの達成感はなく、拠り所を無くし却って虚無感しか残らなかったフレイは、罪悪感にかられサイと話をしようとするが、キラとトールがMIAになったことで、余裕の無かったサイは、フレイが自分とよりを戻そうとしているのだと思い、すげなく断る。
フレイは「本当はキラのことなんか」と答えるが、それが却ってキラたちの死の悲しみを受け止めていたサイを激昂させ、「いい加減にしろよ!君はキラのことが好きだったろう!?」と自分が本心からキラのことを好きになっていたことを指摘される。
なおも食い下がろうとしていたところでミリアリアが捕虜となっていたディアッカ・エルスマンに挑発され、襲いかかろうとしている場面に遭遇すると、キラの死にショックを受けている自分を自覚し動揺していたフレイは、衝動的にキャビネットにあった拳銃で「コーディネイターなんて、みんな死んじゃえばいいのよ!」と叫び、キラの仇かもしれないコーディネイターの射殺を試みるが、我に返ったミリアリアにすんでのところで止められた。
連合軍内部のブルーコスモスによりアラスカ基地に到達したアークエンジェルとその乗員は生還の見込みのない囮作戦に投入することが秘密裏に決定されたが、ブルーコスモスにとって有益とみなされたナタル・バジルールやムウ・ラ・フラガとともに「『アルスター家の娘』という肩書きや志願兵という経緯がコーディネイター排除のプロパガンダに使える」として、転属命令が下り、アークエンジェルを降りることになる。
転属に反発し、ザフトの侵攻開始による混乱に紛れてアークエンジェルへ戻ろうと脱走するも、基地内部に潜入していたラウ・ル・クルーゼに遭遇。父親のそれによく似たクルーゼの声を聴いて「パパ?」とつぶやいたことでアル・ダ・フラガの遺伝子とかかわる人物かと思い至ったクルーゼにより拉致された。
OPにて、フラガ•クルーゼ・フレイの三人が映るカットがあるため、初期設定では何らかの関係性があったと思われるが、詳細は不明。
以降はザフトで初めは捕虜として、のちになし崩し的にクルーゼの付き人となり、戦艦ヴェサリウスで生活していた。
- リマスター版では、全裸で更に涙目でベッドで横になっている新規カットが加えられている。明確な描写はないため寝たとは言い切れないが、クルーゼがイザークに「フレイを捕虜らしく扱うべき」と忠言されていることを考えあわせると、性暴力を振るわれていたと考えられる。
- 小説版ではフレイは声が父に似ているクルーゼに「誘拐された者は誘拐犯に対して、愛情を抱くようになるという」ストックホルム症候群的感情を抱いていたと地の文で書かれている。クルーゼはフレイに銃さえ与えていたが、もはやフレイはクルーゼの庇護が無ければ死人も同然の身であり、元々強くない彼女の精神が自衛本能に向かってしまったと思われる。
第4クール
その後、クルーゼに『戦争を終わらせる”カギ”』と言われてニュートロンジャマーキャンセラー搭載のMS(=核動力)の情報をそうと知らずに持たされたまま小さな救命ポッドで戦場の只中に放り出される。
この時ようやくキラが自分を守るために命懸けで戦っていた戦場の怖さを我が身で知ることとなる。
アークエンジェルに回収されたいという意思と流れ弾に当たる恐怖から、国際救難信号でクルーゼに言われたまま戦争を終わらせるためのカギを持っていると触れて回ったことで地球軍の軍艦ドミニオンに搭乗していたブルーコスモスの盟主・ムルタ・アズラエルの興味を引き、回収される。この際国際救難信号を通じてキラの声を聴き、彼の生存に喜びの涙を流した。
艦内では顔見知りであるナタルと再会したことで緊張の糸が切れたのか、彼女を見るなり泣きながら抱きついていた。
今までの自分の行いを深く反省し、別離前に約束していたキラやサイ達との対話による和解を望み、アークエンジェルと巡り合えるだろうドミニオンへの乗艦を希望。ニュートロンジャマーキャンセラーを手に入れた功績から曹長(アークエンジェル乗艦時は、サイ達同様に二等兵)へ昇進し、ドミニオンのオペレーターとなる。
いつ死ぬのかわからない戦場に身を置いて過ごすことが、フレイにできる唯一の贖罪でもあった。
アークエンジェルへ帰ることを望みながら、アークエンジェルとの戦いに身を投じていくが、最終的にアズラエルが(被弾したムウのストライクを回収するため)ハッチを解放した無防備なアークエンジェルに対してローエングリン発射の命令を下したため、独断でインカムを使ってアークエンジェルに逃げるように通信を送ろうとしたことでアズラエルの怒りを買い、射殺されかける。
だが、ナタルがアズラエルに反旗を翻したことで助けられ、彼女の退艦命令を受け他のクルーと共に避難用の救命艇で退艦し、その後間もなくドミニオンは轟沈した。
最終話にてアークエンジェルに向かおうとするも、クルーゼのプロヴィデンスガンダムによってキラの精神を破壊するためだけにキラと一瞬の再会を果たした直後、キラの目の前で用済みとばかりに救命艇を沈められ、ドミニオンのクルーと共に僅か15年という短い命を散らした……。
皮肉にも父親やエルと同じ死に方であり、父の本当の仇でもあったクルーゼに父娘二代で殺されるという悲しい最期であった……。更に言えばクルーゼの正体はフレイが前半で激しく憎悪したコーディネイターではなく同じナチュラルだったのである。
だが、死の瞬間のフレイの表情は絶望や悲しみに満ちたようなものではなくあたかも自らの運命を静かに受け入れるかのような表情になっていた……。
尚、小説版では爆炎に包まれながらも「キラと会って謝らなければいけない」と死ぬ寸前まで強く思っていたことが描かれている。
フレイを乗っていた救命艇が撃墜されたのを目撃したサイは「フレイ…」と悲しげに呟いており、別れてしまったとはいえ彼にも思うところがあったのは間違い無いだろう。
この際、フレイの魂がキラの前に現れ、今までの仕打ちを謝罪し「わたしの本当の想いがあなたを守るから」と願い消えて逝った……。
だが、キラにはシンのように魂を見る能力は備わっておらず、フレイの言葉は届いていない。
監督によれば、この場面は(アムロとララァのようなものではなく、カイとミハルのやり取りがモデル)とのこと、実際に彼らの言葉は会話としては成立していない。
フレイの「あなたはもう、泣かないで」という言葉は、「戦って辛くて、守れなくて辛くて、すぐ泣いて」という過去の彼女の言葉を通じて解釈すると、キラを望まぬ戦いと、守れなかったことへの自責の念から解放しようという望みだったが、皮肉にもキラは絶望と憎悪のまま、死に急ぐようにクルーゼに決戦を挑むことになり、「あなたは、あなただけはっ!!」と怒りと殺意を明確に剥き出しにしていた……。
フレイは「ナチュラルとコーディネイターの相克の中で、人生や運命を狂わされてしまった被害者」だったと言える。
キラにとっては初めて好きになった女の子であるフレイの死は壊れかけていたキラの心にトドメを刺し、終戦直後の彼は生きる気力が消えかけそうな状態になってしまっていた……。
続編において
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
SEEDの2年後が舞台の本作では、フレイについて直接触れられていない。
第3クールED「I Wanna Go To A Place…」のEDアニメでは、オーブの海岸に連合・オーブ出身のキャラクター達が生死を問わず集合する中、ラクスと寄り添うキラを見守るように佇む姿が描かれている。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
本作では、キラが飾っている写真の中に、フレイの後ろ姿が写り込んだものがある。
監督曰く「こだわって入れるようにした部分です。」とのこと。
何年の時を経ても尚、どうにかして写真を飾りたいと思うほどには、フレイはキラにとってずっと大切な存在で有り続けているようだ(無論、ラクスにはバレているが)。
ゲームでの活躍
Gジェネレーションシリーズ
「コーディネイターのくせに………!」 - 対コーディネイター(キラ含む)
GジェネレーションSEEDにデビューして以来、着実に参戦したが、出席率は低調な方。
戦艦クルーじゃなくて戦闘員としても運用することが可能なため、ラウ・ル・クルーゼを相手にリベンジマッチ(残念ながら関連セリフはなし)も可能。
パイロット起用することも可能ではあり、プレイヤーによってはコーディネイター達を凌駕するレベルの女子パイロットに育て上げることも可能。
MSや戦艦搭乗時の戦闘台詞は原作序盤における身勝手さや敵への憎悪に満ちたもの、もしくは宇宙世紀シリーズで言うところの好戦的な強化人間ヒロイン達を彷彿とさせるものになっており「CROSSRAYS」においてもそれらの台詞が流用されている。
もしも原作でのフレイに戦えるだけの力があった場合別ベクトルでインパクトのある性格になっていたのかもしれない…
一方、『GジェネDS』ではメインストーリーにおける選択肢次第で、彼女がクルーゼに殺される前にアークエンジェルで回収することが可能。
その場合、フレイがキラに会って謝罪するシーンを見ることができる。
また、フレイの想い(IDコマンド)がキラの帰る場所である、アークエンジェルを守ることになる。
スペシャル編ルート(通称ライバルルート)では、ナタルとブーステッドマン達がアズラエルに反旗を翻すストーリーになっており、ドミニオンメンバーが主役状態でストーリーが進むため、フレイもパイロットとして使用可能。
後に合流するキラと小隊を組ませることで、フレイの本当の想い(IDコマンド)でキラを守ることもできる。
尚、効果は敵の攻撃の無効化であり、キラの必中系IDコマンドと組み合わせることで、ボス級にも挑めるほど強力。
エンディングでは、SEED DESTINYの第3期エンディング「I Wanna Go To A Place…」の光景さながらに、ラクスと共に旅立つキラを遠くからそっと見守るフレイが見られる。
ミリアリアは彼女に、キラに会わなくても良いのかと問うも、
「……ううん、いいの」
「私はキラのこと、苦しめる事しかできなかったから」
「けど、あの人なら……」
フレイはキラと会うことはお互いのためにならないと答えた。
これからは、自分にできることを探すとのこと。
彼女の成長が見られる良い結末ではないだろうか?
スーパーロボット大戦シリーズ
スパロボでは「SEED」よりも続編の「DESTINY」の方が参戦機会が多いため、登場回数は少なめ。
原作準拠
初登場ながら悪女方面が強く描写され、登場期間が短いこともあってキラ以外にその死を悲しまれない、原作通り「戦争を終わらせる鍵」を持たされて宇宙に放り出された際には一部の人物から『助けてもらいたいが為のハッタリ』程度にしか思われなかった場面すらあるなど非常に不遇だった。
但し、フレイのキラに対する強い憎しみを高いニュータイプ能力で感じ取ったカミーユ・ビダンが彼女の行動に一定の理解を示している場面や、リアル系男性主人公が「フレイの存在がキラの戦う意味の重要な部分となっていた」と語る場面がある。
また、ケイサル・エフェスとの最終決戦の際、ナタルやトールと共に霊魂としてαナンバーズに力を貸している(この時に、フレイはキラとサイとミリアリアに謝ることが出来たと思われる)。
第3次αに対して自軍部隊のメンバーとそれなりに交流していたため、明確に「仲間」と認識されており、死亡イベントの際にはキラだけでなく、その場にいた全員がクルーゼに対して怒りを爆発させている。
『スーパーロボット大戦Z』シリーズ
第2次Z再世篇と第3次Z時獄篇において、直接登場こそしないもののキラの台詞の中において彼女について言及しているものが存在する(DESTINYのキラがフレイについてはっきり語るのは今作が初となる)。
第2部より登場。
SEED本編のシナリオがかなり省かれているので前半で行った行動は直接は描写されない。
原作同様、キラに対して八つ当たり同然の暴言を吐いてしまうが、自らの過ちを今作の主人公であるカズマ・アーディガンに全てを話すことで少し気持ちが楽になる。
その後、クルーゼにNジャマーキャンセラーのデータを持たされ、ドミニオンに回収される間際に、ノイ・ヴェルターに保護されるというif展開となる。
ちなみにドミニオンに回収される(原作通りの展開を辿る)とゲームオーバーになる。
そこでキラと再会し、今までのことを全て謝罪して和解し、最終決戦後はサイと寄りを戻した。
ドミニオンに回収されなかったことや原作では初対面時に自らが理不尽な罵声を浴びせたことくらいしか関わりがなかったラクスの命懸けの行動によって悲惨な最期を迎えることなく生存した(更にコーディネイターに対する偏見も消えて無くなっており、初めて本当の意味で父から自立することができて大人になったと言える)。「キレイなフレイ様」と言う人も。
また、プレア・レヴェリーの看病を風花・アジャーと共に行っており、クルーゼと似た出自故に長くは生きられないだろう彼を心配していた。
ED後は元婚約者のサイと復縁するのか、カズマと結ばれるのかは分からないが、最良な結末を迎えたのは確かだろう。
メインストーリー2章でのメンデル攻防戦でドミニオンに回収されてクルーとなった後、ヤキンの戦いで原作通りクルーゼに殺されかけるが、刹那・F・セイエイによって救われ、無事にキラやサイ達と再会を果たし、その後は地球へと帰還する。
ただ、原作イベントはそこで終わらず、メインストーリー3章にて「DESTINY」の物語へと突入することになる(この為、彼女の死がスパロボシナリオのバフとなっているシン・アスカはのっけから大変なことになっている)。
以降はストーリーから音沙汰無しだったが、12月のアップデートで、本来ならば決して見ることがなかったキラのストライクフリーダムガンダムの専用演出対象とした新支援パーツとして登場。
この支援パーツを見たファンの中には感動の涙を流した者もいた。
余談
上述の性格から来る劇中での行いから、『SEED』のみならずガンダムシリーズ全体でも誤解されることが多く、ファンからの評価がわかれている。
しかし、終盤では自身がザフトに行き、コーディネイターの中で自分だけがナチュラルというキラと真逆の境遇を体験し、更にクルーゼによって「戦争を終わらせる鍵」を持たされて交戦宙域に放り出された際に、戦場でのキラの気持ちを理解し(小説版に記載有り)たことで、後述のとおり、脚本曰く「キラを誰よりも理解していたのはフレイ」というほど、彼の境遇を知ったキャラとなった。
彼女がまだ精神的に未熟な15歳で、ナチュラルであったことも考慮に入れると、最も人間臭いキャラクターだったと言える。
キラの心を掴み続けた無印でのメインヒロインであるが、中盤以降彼らが対面することはなかった。
約束した対話が果たされないままフレイが死亡したことで、キラはフレイの影に囚われ続けることとなる。
監督の福田己津央氏は「もしも彼女が生存していたとしたら、キラは戦争の中で傷つけてしまった彼女と罪悪感を互いに抱えながらも結ばれていただろう」と発言している。…しかし、もしもフレイが死なずに最後まで生き延びて、キラと結ばれていた場合、ラクスと番になったのはあの男であったと考えられ、そうなった場合はより世界は戦乱に突き進んだと思われる。そう考えると、フレイの生死はコズミック・イラの世界の行く末を左右する重大なターニングポイントだったとも考えられる。
また、脚本家の両澤氏も「キラを誰よりも理解していたのはフレイ」と発言している。
更に、監督の発言に「実は今のキラとラクスの関係性についても、彼女(両澤氏)はあまり乗り気ではなかったんですよ『好きな男だったら、なんでそいつにモビルスーツを渡して戦場に出すんだ』やってることと言ってることが違いすぎていて気持ち悪いと。普通なら、『もう出ていかないで』って言うはずだって」とある。
また、Blu-rayの監督のインタビューから、本来ガンダムSEEDは無印のみで終わる予定であり、キラも死亡する予定であったが、人気が出たためキラを生存させ続編に繋げたとある。
そして、GUNDAM.INFO BOX GLOBAL SPECIAL PART1にて監督は、
「Fukuda(After the events of Mobile Suit Gundam SEED) I think it's safe to say that Kira was broken. In Mobile Suit Gundam SEED DESTINY, Kira's feelings for Lacus are closer to "addiction" than "love". We never hear him use the word love. (キラは壊れてしまったと言っていいと思う。「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」では、キラのラクスに対する感情は「愛」というより「中毒」に近い。彼が愛という言葉を使うのを聞いたことがない。(翻訳サイトにて翻訳))」
と答えている。
当時の脚本家である両澤氏の記事にも、
『フレイは自分では認めたくないんだけど、キラを一番間近で見てきたし、それでキラのことがかなり好きになったと思います。でも、一旦離れて、もう一度ちゃんと向かい合おうとした時に、キラは行方不明になってしまった。だからきちんと話をしたかった。最後に素直な気持ちを伝えたかったんです。それに対してキラも、フレイの存在に救われていたことは確かです。一人ぼっちで戦っている中で、そばにいてくれて、嘘でも「私が守るから」って言ってくれた人だから。キラに「守る」って言ったのは、フレイただ一人なんです。だから、ちゃんと再会できれば、恋人同士になりそうな二人だったと思います。コーディネーターというレッテルを貼ってキラを見ていたフレイが、最後にはキラ個人を見つめられるようになったということですね。』
とある。
それらの情報から、無印の時点ではフレイがヒロインであったが、続編が決まり別のキャラを新たなヒロインに据えたと考えられる。
2003年12月29日出版の「機動戦士ガンダムSEEDパーフェクトフェイズファンブック」には、キラとフレイのイラストが掲載されており、キラの心情が綴られている。曰く、
「ただキミを守りたかった。すべてのかなしみから。ただキミを癒したかった。すべてのにくしみから。誰がなんと言おうとも、ボクにはキミが必要だった」
視聴者から見れば歪な関係でも、キラがフレイを本当に大切に想っていたことが窺える。
企画段階ではモビルスーツのパイロットになるという案もあったらしく、実現していればストライクルージュはカガリではなく彼女の搭乗機になる予定だった。
その案や上述のGジェネでのパイロット適性もあってなのか、二次創作などではパイロットとしてキラ達と共闘、あるいは敵対して戦うという作品も多い。
また、フレイの死亡退場はある時期から決まったらしく、両澤千晶は生前、フレイを『無敵超人ザンボット3』のような人間爆弾にして、最期を迎える(また、その際にサイも巻き込まれて死亡する)案を出したが、流石に福田監督から却下されたそうである。後に『SEED FREEDOM』ではそのネタが意外な形で拾われることとなる。
終盤に戦死するキャラで有名になってしまったためか、HDリマスター版OPは1期の「INVOKE」からして彼女の戦死を示唆するネタバレをしてしまっている。
そのキャラクター性により当時から賛否両論……と言われることも多いが、実のところ公式で行われた人気投票では放送当時から今に至るまで安定して高順位をキープしており、むしろ視聴者人気は概して高いと思われる。
特に映画公開とともに行われた人気投票では13位にランクイン。トップ10入りは逃したものの、上が三作通して物語の中心だったメインキャラ勢と、やはり映画でも見せ場のあった二作目の主人公&ヒロイン二人と考えるとかなりの大健闘であり(映画で活躍したメイリンやヒルダより上)、20年経った今も彼女の人気が高いことの証左であろう。
関連イラスト
関連タグ
赤毛 巨乳 令嬢 長髪 世間知らず お嬢様 悪役令嬢 悲劇のヒロイン
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