「不可能を可能にする男かな? 俺は」
「俺はもうどこにも行かない! 終わらせて帰ろう、マリュー!」
プロフィール
概要
機動戦士ガンダムSEED
地球連合軍の軍人にしてモビルアーマーメビウスゼロを駆るエースパイロット。所属は第七機動艦隊で階級は大尉→少佐。
ヘリオポリスには、元々初期GAT-Xシリーズのモビルスーツパイロット達の護衛の為に彼らの輸送艦に同乗して訪れていた。その後乗ってきた艦がザフトの攻撃で沈められた事で、アークエンジェルに合流して乗艦するという経緯である。
遺伝子操作を受けていないナチュラルであるが、コーディネイターや生体CPU相手とも互角に渡り合えるほどの規格外の強さを持つナチュラル屈指の実力者。
特殊誘導兵器『ガンバレル』『ドラグーン』を操る特殊感覚(高度な空間認識能力)の持ち主。この「特殊感覚」をして一部媒体ではニュータイプともされるが、ニュータイプの設定自体がSEEDには存在しないので、それは大きな誤りである(ゲーム上では一括りもしくは同一の効果を持つ能力として扱われる事が多く、前述の誤解の元となっている)。この空間認識能力は『ガンバレル』『ドラグーン』が使えない重力下においても発揮され、ザフトのエースパイロットの乗る初期GAT-Xシリーズ相手にスカイグラスパーで互角に渡り合っている他、一度にザフト軍MSを9機まとめて撃破した戦闘もある。
ただし、スーパーコーディネイターのキラ・ヤマトが書き換えたストライクの複雑なOSに関しては全くもって理解が追いつかないなどやはりナチュラルな所はナチュラルで、モルゲンレーテ社がコーディネイターが書き換えたOSをナチュラル用に順応させる調整を行った事でようやくモビルスーツ操縦においてもその実力を遺憾なく発揮できるようになった。終盤で結成される三隻同盟においてはエースパイロットのコーディネイター率が高いため、ナチュラルのパイロット代表のような立ち位置となっている。
連合内では、『エンデュミオンの鷹』の異名で知られる。しかし、名付けられた経緯が後ろ暗い為か、本人はあまりこの異名を好んでいなかったらしく、もっぱら『不可能を可能にする男』を自称する事が多かった。
作中では、コーディネイターであるキラに対しても最初から偏見や特別視など持たずにあくまで対等に接して、実戦でも精神面でも当初は様々な理由から不安定だった彼を『頼れる兄貴分』や戦友として支えた。さらに元々実戦経験の足りない、あるいは全くの素人だらけのアークエンジェルにおいてはほぼ唯一の経験豊富な軍人であった為に、あくまで階級から艦長を任されてしまったマリュー・ラミアスらなどの良き相談役やアドバイザーにもなっていた。そしてやがてマリューとは互いに惹かれあっていった。
金髪、若干チャラい、シビアなリアリスト、主人公を補助する戦闘機(MA)乗り、兄貴分、危機脱出のための特攻等、初代におけるスレッガー・ロウを思い起こさせるキャラである。
ラウ・ル・クルーゼとの関係
SEEDの黒幕であるラウ・ル・クルーゼと彼は、グリマルディ戦線のエンデュミオン・クレーターでの戦いで初めて遭遇し(ムウは当初そう思っていた)、以降は幾度も砲火を交えた宿敵である。
しかし、実はクルーゼの正体は名家・フラガ家の血筋に異常に固執したムウの実父「アル・ダ・フラガ」のクローン。そして、アルが自身のクローン生産(ラウ)を命じた相手こそがキラとカガリ・ユラ・アスハの実父「ユーレン・ヒビキ」であった。
すなわちムウとクルーゼとの因縁は彼が作られた瞬間から始まったと言っても過言ではなく、自分の父親のクローンと戦うという異様な状況がそこにあった。
ムウは上述通り薬物投与を受けていないナチュラルでも屈指の実力者であるパイロットなのだが、アルからすればこれでも自身の才能を遺伝しきれていない「出来損ない」に過ぎず、自身の莫大な遺産を継がせるわけにはいかないと判断したのがラウを作った理由である。実際、アルの才能をそのまま引き継いでいるクルーゼ相手では圧倒されている場面が多かった。
最終決戦では、全ての因縁に決着をつけるべくクルーゼに戦いを挑むも、元々の素質(加えてクルーゼは白服に上り詰めるための血の滲むような努力までしている)や、ニュートロンジャマーキャンセラー搭載の最新機種ZGMF-Xシリーズであるプロヴィデンス相手に初期GAT-Xシリーズであるストライクでは圧倒的差を埋めきれず(それでも初見のドラグーンを全回避というトンデモっぷりを発揮しているが)、機体を損傷させられ撤退を余儀なくされる。
そこでムルタ・アズラエルの手によって行われたドミニオンの艦砲射撃からアークエンジェルと中にいる恋人のマリューを身を呈して守り、最後は「へへ、やっぱ俺って不可能を可能に…」と言い残し、機体の爆発の中に消え、MIAとなる。
ドミニオンはマリューの手によって撃たれ、ムウとアズラエルの最期を見届けたラウは、ムウを自らの手で殺せなかったことを悔やみ、「アズラエルめ…案外と不甲斐ない」とブルーコスモスの盟主にも毒づいたが、彼もまた人類を破滅させる野望をキラ・ヤマトに阻まれ命を落とすのであった。
※これ以降の記述には重大なネタバレが含まれます。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
前作終盤にて死亡が確認されていたが、後述の後付設定により生存、連合(ブルーコスモス)によって回収後何らかの処置が行われムウ・ラ・フラガの記憶を持たない別人であるネオ・ロアノークとして登場。
ストライクのコクピット内で宇宙を漂流していた瀕死のムウを後にブルーコスモス盟主となるロード・ジブリールの手で回収され治療を受ける。この際にムウであったころの記憶は消去処理されており、身体の全快後はブルーコスモス盟主直属組織であるファントムペインの指揮官として動いていた(この時の階級は大佐)。非人道的処置により生体CPU化されたエクステンデッド3名の指揮・調整役も担っており、彼らと接する際はムウであった頃のような飄々とした気さくな態度も見せていたが、一方で必要であれば指揮官として非情な判断をしたり、上からの冷徹な命令にも従うなどより軍人らしい性格になっている。作中では敵側の仮面役とほぼ同様の立ち位置として物語の裏表で暗躍。連合を掌握したブルーコスモスの現場代表として、オーブやプラントに対し強行な作戦を推し進めていた。
余談だが、子安氏は監督に「ムウとは違う感じで演じた方が良いのか」と聞いたところ、「ムウみたいな感じでいい」と言われたらしい。
シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、アスラン・ザラを擁するミネルバ隊と幾度も刃を交え、後にキラ達アークエンジェル組とも対決、特にレイ、キラとは交戦すると謎の感覚を覚える描写が多々あった。
そんな彼に転機が訪れたのは、ステラ・ルーシェの独断出撃からのザフトによる捕縛事件であった。突如、ザフト軍の軍人であるシンからステラの捕虜返還を通達され、これを了承。
その際、「戦争の無い、暖かい世界に帰す」事を条件として提示され、これもその場では了承し、ステラを返還される。
ここからが問題であった。
ステラ達エクステンデッドは、ファントムペインに存在する「ゆりかご」という装置で、定期的に特殊処置を行わなければ生存する事が出来ない体であり、故にミネルバにいたまま、はたまたプラント本国に送られでもすれば衰弱死させてしまう事を察した(解剖されると言うクルーの会話を聞いてしまった事も要因)シンとレイ・ザ・バレルの手によって連合に返還されたのだが、相手は人権等全く省みないジブリール。ブルーコスモスに返還されると言う事は上記の約束など最初から守れるはずのない物だった。
ネオ個人も完全にブルーコスモスの支配下にあった。皮肉にもシンの活躍によりネオは三度ミネルバに戦いを仕掛け三度敗退しておりもはや後が無い状態であった。この状況でネオが連合に真っ向から逆らおうものなら、ネオが連合を追放されて、ステラを戦場に引っ張り出す人間が変わるだけである。だからと言って、ネオ個人がステラを連れて連合から脱走したとしても、連合がゆりかごを所持している以上、それは彼女を生存させられる手段を捨てるになってしまう。
そんな状況下で、ネオ個人がステラを守る為に出来る事は、上層部の言う事を聞き、ステラを再調整する=延命させる事だけだったのかもしれない。彼個人としても、その事に対し苦悩や葛藤、後悔もしていた(小説版などを参照)。
結局、デストロイで出撃したステラは、戦闘による負傷で命を落としてしまう事になる。
ネオは直感や気配で正体を察したキラによって撃墜され、アークエンジェルによって回収され捕虜となってしまう。
回収当初はアークエンジェル組からの扱いに困惑しており、自身がムウである事を全く覚えていないと言う事で、アークエンジェル組を悲しませた。
- ムウ当時の階級(少佐)で呼ばれると「勝手に降格させるな!」と怒っていた。ネオは大佐であり二階級も違う。軍人にとって階級の重さは命の重さである。
- かつての恋人であるマリューに対しても、「な、何だよ?一目惚れでもした?美人さん?」と言い出す始末であり、マリューは苦悩することになる(この辺りはネオマリュの記事を参照)。
ネオ自身は、ステラの身を案じている一幕があり、また、転戦を続けるアークエンジェルに対して、アークエンジェルに対する過去の記憶が無いにもかかわらず、「いつもこの船は…」と、過去を振り返る自分に困惑していた。
その後、アークエンジェルがオーブに戻り、プラントとの戦闘開始の折にて解放されるが、既に彼自身、アークエンジェルと言う船、そしてマリューに対して煮え切らない歯痒い感情を抱え始めており、後にミネルバと戦うアークエンジェルを支援する形でアークエンジェルへと戻ってくる。
その後、記憶はまだ戻らないものの、自分の中に引っかかる何かに惹かれ、アークエンジェルと行動を共にする事を決意する。
第44話では、ギルバート・デュランダルの提唱するデスティニープランに対するラクス・クラインの「人々から決定権を国家が取り上げて管理する」「世界を殺すシステム」という言葉、アスランの「そぐわないものは淘汰、調整、管理される」という言葉に対して、ネオとして非人道的な扱いを受けていた強化人間エクステンデッドの3人を思い出していた。そぐわないもの…遺伝子解析で「劣等」とされたものが「デスティニープラン」下ではどのような扱いを受けるのか詳細は分からない。しかし遺伝子が全てを決め、運命に抗うことが「無駄」にされる世界はごめんだ、とまだムウとしての記憶は戻らないまでも、アークエンジェルに集う仲間と意気投合するのだった。
この際、アークエンジェル組が正式にオーブ国防軍に編入されるに当たり、オーブに残るカガリからアカツキを貸与され搭乗している。
最終決戦であるメサイア攻防戦においては、オールレンジ攻撃を可能とするシラヌイパックに換装したアカツキと抜群のコンビネーションを発揮。シンやレイと戦う事で手一杯のキラとアスランに代わりザフト全軍に対して八面六臂の大活躍を見せ、ザフト側の攻撃部隊に対し圧倒的な猛攻撃を与え続ける。ムウ(ネオ)を止められる人間がザフト側にいなかった事がザフト大敗の原因なのではないかと思わせる程の凄まじい一騎当千ぶりであった。
その戦闘の最中、「アークエンジェルが回避したらエターナルにタンホイザーが直撃する」ようにアークエンジェルを追い詰めたタリア・グラディスの戦術によって放たれたミネルバのタンホイザーからアークエンジェルを庇い、そのデジャヴ極まるシチュエーションによりフラッシュバックが起こって記憶を取り戻し、乗機の特殊装甲のおかげもあって今回は無事に生還。かつてと同じ飄々とした決め台詞と共に、ネオ・ロアノークからムウ・ラ・フラガへと戻ったのだった。
マリューは喜びの涙を流した。長きにわたる彼女の苦悩が報われた瞬間だった。
賛否両論の復活
前作で死亡したはずのムウが生きており、記憶喪失からのムウの記憶の復活までの長いマリューの苦悩が報われる展開はムウマリュファンから熱い支持を得た。
しかしその一方で、尺の都合もあったとはいえムウがネオとして犯した数々の罪を悔いる描写はあまり描かれず(上述のデスティニープランに反発する動機としてエクステンデッドの3人を思い出していたくらいか)、シンとの因縁にも決着が付かず、そのくせ彼自身は無事に本編終了まで生き延びて記憶を取り戻し恋人であるマリューの元に戻るという幸せな結末を迎えている点には多くのファンから批判が集まった。なお、小説版やスパロボなどではこのあたりが補完されている。
なお、HDリマスター版の戦後を描いたドラマCDでは、シン、アスランどちらとも仲良く接しており、福田監督曰く「ステラの事は、既にお互いの中で決着がついている事」との事である。
また、当初は記憶の復活に際してネオとしての記憶がなくなったかは定かでなかったが、この監督の説明からもネオ時代の記憶はどうやら残っているようである。
ネオの正体が分かるまでは本編内でムウとは認識されなかったが、担当声優や人当たりのいい態度などから視聴者からムウと同一人物と考察していた者もいた。
エンデュミオンの鷹
SEED本編開始前に行われたプラント・地球連合間の戦争の緒戦の一つである月面のエンデュミオン・クレーターでの決戦において、ムウの駆るメビウス・ゼロがジン数機を撃墜するという戦果を挙げた事に由来する異名である。
当時、メビウスとジンの性能差は圧倒的な開きがあり、1機のジンを大多数のメビウスで取り囲んで集中攻撃を仕掛ける事でやっと撃破できるか否かという有様であった為に、当時としては正しく『大戦果』と例えるに相応しい快挙であった。
しかしこれは、あくまで士気高揚を狙った連合軍がプロパガンダの為に、意図して広げた異名である(彼に限らず、ガンダムシリーズのエースパイロットの異名は大体こういった側面が強い)。それに伴って大々的に英雄として祭り上げられた事に辟易していたムウ本人は、この異名を余り快く思っていない。
また、この戦闘は投入された連合軍部隊の殆ど(ムウの所属していたメビウス・ゼロ部隊の他全員を含む)が壊滅した悲惨な戦闘でもあった。というのも戦闘の最中に、基地内のレアメタル採掘用の水溶解設備のサイクロプスの暴走により、自らの第七艦隊含む味方も殆ど巻き込まれてしまったのである。
- 一説では、施設の破棄を兼ねて連合軍側が意図的に暴走させたとも言われているが真偽は不明である。
- またサイクロプスの暴走の悲劇を間近で見ている為に、『SEED』本編でのアラスカ基地での戦闘でアークエンジェル組含む味方を囮にサイクロプスで基地諸共殲滅する非道な作戦を知った時には驚愕と動揺を隠せなかった。
パーソナルマーク
翼をモチーフとしたマークを持つ。
ただし、ヘルメットに描かれるのみであり、この手の二つ名持ちのエースキャラには珍しく機体へのマークドは行われていない(やはりムウ自身が上記の異名を好んでいない為だろう)。
搭乗機
「SEED」序盤にて搭乗。大気圏突入までのアークエンジェルの貴重な戦力として使用された。
「SEED」にて地上降下後に使用。ムウの使用した1号機は主にランチャーストライカーを使用した。
「DESTINY」ではアークエンジェルから離艦する際の餞別として譲られたが、結局これに乗って戻ってきた。
F-7D スピアヘッド
「SEED」にてアラスカ基地で一時的に搭乗。地球連合軍の多目的制空戦闘機で、スカイグラスパーの原型機でもある。
サイクロプスによる自爆計画を知ったムウが放置されていた機体を使用。その後被弾し、計画を報せるためアークエンジェルへの着艦を強行した。以降はスカイグラスパーに乗り換えて再出撃している。
連合離反後、キラの乗り換えに伴いオーブ解放戦より使用。
HDリマスター版のオーブ解放戦で使用。多数のストライクダガーを撃破、カラミティとも互角の戦いを繰り広げた。
宇宙へ上がった後、メンデルの宙域でバスターと共にアークエンジェルの防衛の際に装備。途中メンデル内部に侵入したクルーゼを追うが、彼が新型機のゲイツに乗り換えていたこともありランチャーでは分が悪く、パージしてアーマーシュナイダーで近接戦を仕掛けようとしたところをエクステンションアレスターの直撃で小破している。
最終決戦にて使用。また、TV版のオーブ解放戦でも装備。
クルーゼのプロヴィデンスと互角の戦いを繰り広げるが、展開されたドラグーンには対応し切れず中破。その後アークエンジェルへ放たれたドミニオンのローエングリンを庇い爆散した。
「DESTINY」序盤に使用。インパルスを圧倒してみせる。その後のレイのザクファントムとの戦闘で小破、着艦。その後は登場しない。
地上降下後に使用。専用のカラーリングで塗装された機体を保有。性能は一般機と同じだがジェットストライカーのリミッターが解除されている。
「DESTINY」では初めてフリーダムの武装を潰す活躍を見せるも、その直後にフリーダムに撃墜され、ネオはアークエンジェルの捕虜となり本機は放棄された。
「DESTINY」終盤、オーブに残るカガリに代わって本機のパイロットとなる。実戦ではドラグーン搭載のシラヌイパックを装備しアークエンジェルを防衛。多数のザクウォーリアやグフイグナイテッドを撃墜、ミネルバのタンホイザーを破壊、レクイエム破壊にも貢献した。
「FREEDOM」にて搭乗。一般機カラー。
オーブ軍の主力MS・ムラサメの改良型。
不可能を可能にした男
「SEED」の最終決戦において、ドミニオンの放った陽電子破城砲ローエングリンからアークエンジェルを庇い、『やっぱり俺って不可能を可能に…』と言い残し、閃光の中に消える。
光が消えた後の虚空には、ストライクガンダムの残骸とムウのヘルメットだけが漂っており、ムウの戦死を疑う余地などどこにもなかった。
……はずであった。
ネオ・ロアノークを名乗る仮面の大佐として「DESTINY」にて『奇跡の復活』を果したのだが、あまりにも展開がご都合だった為に、視聴者からの評価は作品同様賛否両論そのものであり、元々ムウのファンだった者からも非難が頻出した。
そもそも、DESTINYで復活して以降のムウは、彼自身にはほぼ選択の余地のない状況だったと言う事を差し引いても、当初のファンからも批判されるような要素が大きく、この辺りも本作やキャラクターのイメージダウンに大きく繋がってしまっている。
ちなみにネオとして復活したのは「脚本を担当した両澤氏の友人にムウの熱狂的なファンがいて、彼の死に関して納得がいかないと抗議があったから」という噂もあったが、これに関しては事実無根のデマであり、福田監督自身もその辺についての話をTwitter等で発信している。
また、虚空を漂うムウのヘルメットは当初は「予備のヘルメット」だったと公式では説明…もとい言い訳をされていたが、その後販売されたDVD版以降ではストライクの頭部に差し替えられ、「生きている」事を示唆する描写に変更されている。なお、「コクピットに予備のヘルメットが用意されている」描写は後にシリーズ内で使われている。
(こういった変更がムウ生存の後付け感をさらに強化してしまっているのは否めないが…)
巷で生存説が言及されていたが為に、スペシャルエディション版で改めてその死が決定付けられた次回作のロックオン・ストラトス(ニール)とは真逆のパターンである。
(というかそもそもニールの生存説が流れていた事自体が、ムウ→ネオという前例のせいだった面も強いのだが)
他媒体では…
『コミックボンボン』で連載していた高山瑞穂先生の漫画版では、最終局面でストライクからメビウス・ゼロに乗り換えて、クルーゼのプロヴィデンスガンダムに有線式ガンバレルでがんじがらめに絡みつき、キラに自分もろとも奴を撃てと言って介錯を懇願、クルーゼと運命を共にした(こちらではちゃんと死んでいる)。
ついでにいえば続編のロアノークとは似ているだけの別人となった。
また、『第3次スーパーロボット大戦α』ではこのローエングリンを受け止めるイベントは搭乗機が何であろうと発生する。本作ではメビウス・ゼロの使い勝手がいいためにムウがビウス・ゼロに乗ったままの場合が多く、全国各地でメビウス・ゼロを駆って「不可能を可能」にするムウが多発したとか。なお、イベント後も退場することは無い。
その一方で第3次αの2ヶ月後に発売された『スーパーロボット大戦J』では当該イベント発生後永久に戦線離脱し、これは如何な回避手段も存在しない。『スーパーロボット大戦DD』でも原作同様にMIAとなる。
『スーパーロボット大戦W』ではそもそもこのイベントが起きないので最後まで使用できる。
メディアミックスでの活躍
Gジェネレーションシリーズ
「敵指揮官を優先目標に設定………!」/「俺は、大義を振りかざす人間を信用しない………!」 - ヒイロ・ユイ
「特別な力なんか無くったってぇッ!」 - ガロード・ラン
「貴様ッ!なかなか良い漢の声をしているなぁ!」 - ギム・ギンガナム(中の人繋がり)
「クソッ………あいつだけは俺が仕留めねぇと………!」 - 対ラウ・ル・クルーゼ
「あんまり遅いと置いてくぜ?おっさん!」 - ディアッカ・エルスマンが援護
「ネオは、やらせない………!!」 - ステラ・ルーシェが援護
「Xラウンダー………?いや、違うな………!」 - キャプテン・アッシュ(アセム・アスノ)
「生き延びたくば、私の親衛隊に加わりなさい?」 - カルタ・イシュー
「敵はニュータイプと同類か………!?しかし!」 - シグ・ウェドナー
「行け!ファング!」 - GNファング搭載機搭乗時
~以上、Gジェネクロスレイズでの特殊会話(一部に対ネオ・ロアノークを含む)~
初登場は『SEED』。『PORTABLE』からはネオ・ロアノークも含めたC.E.73版が参戦。
エンデュミオンの鷹のスキルで覚醒武器や一部特殊武器のMP消費を半減できるため、ガンバレルやファンネル、ドラグーン等を効率よく使用する事がが可能。
また、不可能を可能にする男のスキルでHP半減時にステータスが上がるため、追い詰められると思わぬ力をみせることも。
『WARS』からは、特殊セリフの実装に積極的になったこともあり、ファンネル、ファング、トランザムなど特殊台詞を発する機会も増えた。
スーパーロボット大戦シリーズ
第3次α、J、WではSEED設定準拠で登場、初代Z、K、LなどではDESTINY設定準拠で登場する。
ナチュラルでありながら原作同様高い能力値を持つがコーディネイター技能が採用されている作品ではそれらを持つパイロットと能力値の差が開けられがちで更にSEED技能も持たないので作品によってはカガリよりも使い勝手が悪いこともある(さらにナチュラルなのでコーディネイター用のMSには乗れないので乗り換えの選択肢が狭い)。ざっくりいえば
- 第3次α、W、L:加入時期の差はあれど乗り換え次第で普通に使っても強い。前述の通り第3次αの使い勝手が良過ぎてイベントでローエングリンを受け止めてしまうメビウス・ゼロや、Wで本来のパイロットよりも強くなってしまうXアストレイは特に有名。
- 初代Z:加入は遅いが同作ではSEED系は乗り換えができないので普通にアカツキで使う事になる。ただし何故かスーパー系のような能力の伸び方をする(アカツキもMSとしては硬い)のに援護防御もブロッキングも持ってないのでテコ入れは必須。
- J、K:はっきり弱い、使い勝手が悪い(特に前者ではSEED終盤での永久離脱イベントの再現(回避不可能)あり、強制出撃も多い為なおさらである)
と言った感じに安定して強いSEED勢の中では珍しく作品によって強さの差が大きいキャラクターになっている。
初代Zにおいては原作では描かれなかったステラの死の件でシンに謝罪・和解する場面が明確に描かれる(更にステラが生存していれば確執も完全消滅する…が、第2次Zを見る限りシンは無茶苦茶根に持っている)、記憶を失くしていたとはいえその間に行ってしまった所業に罪悪感を感じている描写があったりと、色々スパロボ補正を受けている。
余談
キャストのお気に入り
演じる子安武人氏は、機動戦士ガンダムF91からシリーズに関わっているガンダム声優の代表格。気のいい主人公の友人や堅実な補佐官といった脇役、果てはムウと同じく眉目秀麗な仮面の人や、かなりぶっ飛んだラスボスまで幅広く手がける。
そんな中でもムウの事は大変に気に入っており、「自分の素の状態に一番近いので演技しやすい」と発言している。
愛称
愛称は大概はファーストネームの「ムウ」であるが、ファミリーネームの「フラガ」と呼ばれる事も稀にある(GBA用ソフト『機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場で。』)。
エンディング未登場
『SEED』ではナチュラルながら前線でコーディネイター達と果敢に戦う大人・ナチュラル側の主人公と呼んでも過言ではなく、ラスボスの正体の鍵も握っている超重要キャラなのだが、どういうわけか『SEED』ではEDの映像に一度も登場していなかった。ザラ隊の4人ですら(もっと言えば最序盤にしか登場しないこの人まで)登場しているのにである。
初代EDではマリューが悲しげに墓標を見るシーンがあり、「もしかしたら将来戦死したムウの墓なのでは?(こちらの墓の可能性もある)」とする説も挙がり、最終話手前で戦死は現実となってしまった。…まあ上述通り結局後付けで生きていた事にされるのだが。
『SEED DESTINY』でもネオに先を越されることとなり、ムウの姿では第3クールになってようやく登場した。
「おっさんじゃない!」
シリーズを通して、戦闘中に「おっさん」呼ばわりされ「おっさんじゃない!」と言い返すのが恒例になっている。ロートル扱いには不満がある模様。
『SEED』の監督を担当した福田己津央氏がSEED以前に監督を務めていたアニメ『GEAR戦士電童』において、地球防衛組織GEARに入隊した吉良国進が電童のパイロットの出雲銀河から「おっさん」と呼ばれて「おっさんじゃない!」と言い返す場面があり、セルフパロディになっている(吉良国進も戦闘機で電童を支援して戦っており、その辺も共通点がある)。
クロスアンジュでのパロディ
『SEED』の監督を担当した福田己津央氏がクリエイティブプロデューサーを務めているアニメ『クロスアンジュ天使と竜の輪舞』の第14話にて、アンジュとタスクが行き着くラブホの名前は夢有羅布楽雅だったりする(というかクロスアンジュと『SEED DESTINY』が参戦したスパロボVでそのネタは拾われた)。
なお、福田氏は件のホテル名を付ける際、当初はアスラン・ザラを挙げたもののスタッフ一同から猛反対され、逆にムウ・ラ・フラガの方はあっさり了承されたらしい。
関連イラスト
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
エンデュミオンの鷹、不可能を可能にする男:彼の異名。
吉良国進:同じ監督の作品で「おっさん」と呼ばれて言い返す人つながり。
以下、劇場版ネタバレ注意
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
「よっ、全機問題はなさそうだな。どうだ?新型には慣れたか〜?」
31歳。ムウ・ラ・フラガとして改めてオーブ軍の軍籍を得て、オーブ国防軍から出向という形で世界平和監視機構コンパスに所属している。階級は大佐。
ネオであった頃の顔の傷は(消せないのか、あえて残しているのか不明だが)そのまま。髪はネオ時代に伸ばしていた後ろ髪を短くしており、長さは『SEED』と『DESTINY』の中間辺りといった具合。
アークエンジェル所属のムラサメ改で編成される部隊を率いる。
シンとのわだかまりもなくなっており、彼との距離を掴みかねているキラよりシンの扱いは上手い。シンがシュラ・サーペンタインとの剣術試合を受けた時に諌めるキラを制止し「…やらせてみろ」と言うなどのびのび育てる方針(?)のようだが、シュラのサーベルがシンの喉元に突きつけられた時は銃のホルスターに手をかけていた。
さらに「客人が来ているのに稽古をやめない」「一歩間違えれば刺さるようなところに剣を飛ばす」「階級ではおそらく上かつ客人であるキラを煽る」など軍人失格レベルの失礼なそぶりばかりしていたり、何かを隠しているかのような態度のブラックナイツを見て疑念を抱いていたようで、
ファウンデーション主催の宴会では
「しっかし、あの坊ちゃん嬢ちゃんがブラックナイツとはね...」
「なにか?」
「どうも『まともな軍隊』には見えんってことだ」
と発言している。
相変わらずマリューとはラブラブであり、アークエンジェルが罠にかけられ沈められた時には鬼神のように怒るも、コンパストップの戦闘力を誇るフリーダム、ジャスティス以上のスペックを持つブラックナイツ相手に機体スペックに大きな開きがあるムラサメでは敵わず、致命傷を避けつつ墜落を偽装して撤退するのが精一杯だった。
その後、峡谷で墜落し炎にまかれていたアークエンジェルからマリューを救出し、残存機と共に核ミサイルの攻撃範囲から逃れた。
秘密裏にオーブに帰還した後は、オーブに向けてレクイエムが放たれることを懸念したカガリから再びアカツキを託され、カグヤのマスドライバーで先んじて宇宙に上がり待機。オーブ首都オロファトへの発射寸前にミラージュコロイドの偽装を排除しレクイエムの射線上に移動、ゼウスシルエットの陽電子砲弾で偏光リングを破壊し、放たれたビームを間一髪ヤタノカガミで防御する。反射されたビームは周囲の戦艦を巻き込みつつレクイエム砲口各部に直撃、結果一部の修復を要する状態とさせて時間稼ぎに成功する。
流石にレクイエムクラスのビームを跳ね返すのにはアカツキにも相当な負荷がかかったらしく、作戦後は装甲の各部が赤熱化、コクピット内ではアラートが響き、ムウ自身も「不可能を可能にするのもつらいよね」と冷や汗をかいていた。ミレニアムにいるマリューも思わず叫んでいたが、ムウ・ラ・フラガは三たび仲間達の絶体絶命の危機を救ったのである。
さらに言うと本来デスティニーのような核動力機前提のゼウスシルエットをバッテリー機の
アカツキで使うのはかなり無理があり、発射後はほとんどバッテリーが残っていなかったようで
・ゼウスシルエット用コネクタを装備したためにオオワシ、シラヌイパックを付けていない
・ビームサーベルはあるがバッテリーがほとんどないので実質使えない
・割とすぐに出てくるであろうミサイルメインのジンとディンのファウンデーションの守備隊
・バッテリーが尽きれば宇宙漂流がほぼ確定なためクサナギかミレニアムに拾ってもらうしかない
と言う状況下でやってのけていると言うのもヤバさを際立てている
アカツキの損傷もあり最終決戦ではバックアップに回り、デスティニーSpecⅡにゼウスシルエットを託した。ミレニアム着艦後は抱きついてきたマリューと熱い口づけを交わした。
ネタバレ含む関連タグ
- アムロ・レイ:その結末(こちらは死亡扱い)こそ違えど、MS単騎で地球への被害を防いでみせたキャラクター。