「生意気なんだよォ!ナチュラルがモビルスーツなど!」
CV:西川貴教
概要
プラント生まれのコーディネイターで、ザフト軍クルーゼ隊所属エースパイロット。
アスラン・ザラとは2期上に当たる。
母と年の離れた病弱の弟の3人暮らしであり、ミゲルの戦死後に1カットだけ登場している。
ザフトに入隊したのも、病弱な弟の治療費や養育費を稼ぐためであったとされる。
プライベートでは弟想いな良きお兄さんである。
気さくで面倒見の良い好人物だが、ナチュラルに対しては平然と見下した言動も見せる(尤も、当時のコーディネイター(特にザフト)の大半はナチュラル蔑視思考が当たり前でさして珍しくなく、ナチュラル側も偏見や嫉妬からコーディネイターを必要以上に嫌悪する風潮が強かった)。
所謂「赤服」ではないもののその実力は高く、隊長のラウ・ル・クルーゼからの信頼も厚い。
パーソナルカラーであるオレンジ色に染められ、ジョリー・ロジャー(海賊旗)を思わせる骸骨のパーソナルマークを掲げた「ZGMF-1017 ジン」オリジナルカスタム機(=通称ミゲル・ジン)を専用機とし『黄昏の魔弾』の二つ名を持つ。
続編『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』に登場するハイネ・ヴェステンフルスの後輩に当たり、尊敬するハイネに肖って愛機をオレンジ色にカラーリングした設定が存在する。
余談だが、ハイネの声優も同じく西川氏である。
東アジア共和国の資源衛星であった「新星」を奪取する戦果を挙げており、ザフト軍宇宙要塞の『ボアズ』として名を変える。
しかし『ボアズ』は彼の死後、地球連合軍の核ミサイル攻撃によって壊滅する。
なお、彼は一度ムウ・ラ・フラガのメビウスゼロと交戦した経歴もある。
上官であるクルーゼの素顔が気になっていたらしく、それが死亡フラグになったとも言われている。
活躍
SEED本編では序盤のヘリオポリスのG奪取作戦に参加。
この時、後述の理由でノーマルジンでの出撃を余儀なくされた。
クルーゼ隊がGを奪取するまでの陽動隊としてコロニー内部に突入した後、アスランから「ストライク強奪の失敗」を告げられると捕獲を試みるが、OSが書き換えられてキラ・ヤマトへ操縦を代わったストライクの動きと、実体攻撃を無効化するPS装甲についてゆけず敗北。
一矢報いるべく自爆装置を作動させた後、この間の戦闘データを持って脱出する(この時点で死亡する漫画もある)。
帰艦し報告を終えた後、M69バルルス改・特火重粒子砲を装備したジンに乗り、他の隊員と共に再出撃。
その際、半ば強引についてきたアスランのイージスと連携してソードストライクに雪辱戦を挑むが、初期型のビーム兵器では中々有効打を与えられず、一度は避けたが旋回してきたビームブーメランで背後からジンの脚部を切断され、体勢を崩した隙を突かれて対艦刀シュベルトゲベールで真っ二つとなった機体の爆散と共に戦死した。
石口十の漫画版ではクルーゼの命令でジンアサルトに換装された3号機に搭乗し、アークエンジェルを狙って出撃。ジンの武器では歯が立たないPS装甲だと分かっていながらソードストライクに挑み、母艦から引き離そうとする。
ストライクのビームブーメランの攻撃でアサルトシュラウド部が破壊されてもなお闘志は衰えず、「いくらフェイズシフトでも!」と叫び特攻を仕掛けたものの、性能差には抗えず対艦刀で串刺しにされ戦死した。
外伝『ASTRAY』の第一話にも登場。ザフトの補給基地を襲撃したサーペントテールの叢雲劾と互角に戦う。最終的には右腕を斬られるも、彼の駆るジンを撃墜。しかし、爆発する寸前で劾は脱出、しかもスラスターを全開にして補給基地に激突、破壊されることになった。
当初は劾のことを傭兵ごときと見下していたが、戦いを終えるとすごい奴だと評価する。
この戦いは、SEED本編が始まる直前で行われており、修理が間に合わなかったのでノーマルのジンで出撃することになったが、愛機のカスタムジンであったならばもっと活躍できたであろうと評するファンの声も大きい。
本編では序盤で死亡退場してしまうミゲルだが、SEED第4期ED「FIND THE WAY」で同じく本編で殉職するニコルと共に並んでいたり(奇しくも生き延びるイザークとディアッカが左側に、戦死してしまう自身とニコルが右側にいる)、外伝や前日談のドラマCDに登場したりと死亡後にこれでもかというくらい魅力ある設定が明かされ、人気を獲得するに至った。
余談
2012年に放映されたリマスター版SEEDでは、第1期OP『INVOKE-インヴォーク-』にて、彼と専用ジンの新規カットが追加された他、サビの部分に登場するジンがオレンジ色に塗装されており、彼とムウの戦闘シーンであった事実が判明した(映像内では撃墜されてしまっているが)。
ちなみにハイネとは声と機体のカラーリングの他にも戦闘中での後方不注意が決定打になって死亡するという嫌な共通点もあったりする(ついでに機体も真っ二つにされる最期も同じ)。
ゲーム作品では
GBA用ゲームソフト『君と友と戦場で』では、2周目以降から専用のカスタムジンに搭乗して戦うも、結果は変わらずヘリオポリスにて戦死する。
スパロボでは『J』と『W』にて参戦。
Jでは時期は違うものの中盤にて戦死。乗機はノーマルジンのまま。
しかし、Wでは専用機に搭乗し続けて生存し、仲間にこそならないがジュール隊の一員として終盤に一話限りだがスポット参戦する。
ちなみに、該当話ではザフト・連合の両陣営のエースが集まり共闘するというなかなかに胸熱な展開となっており、ミゲル自身はかつての敵対関係を超えた共闘に対して「悪くはない」と語っており、原作序盤で「ナチュラルがモビルスーツなど生意気」と見下す発言をしていたことを考慮すると、生き延びたことで彼も大きく精神面の成長を遂げたと言える。
「第3次スーパーロボット大戦α」では彼自身の出番は無いが、劇中の彼の台詞を発言するモブ兵士が代役で配置されている。
Gジェネレーションシリーズでは作品ごとで扱いがまちまち。
SEEDシリーズ本格参戦の『GジェネレーションSEED』ではミゲル……の役を担うモブの存在により、見事に出鼻を挫かれてしまった。
それから数シリーズ後の『Gジェネレーション CROSSRAYS』で遂にスカウトキャラクターとして(ハイネと共に)参戦。Gジェネシリーズでは今作で初めて西川氏のボイスが収録された。
パイロット性能、キャラクタースキル共に低い部類に入るが、本作は投資でドーピングできるため、ある程度ながら穴埋めが可能。スカウト登録条件も最初のSEEDステージクリアと緩いため序盤から活躍させることも可能である。
残念ながら彼の愛機であるミゲル専用ジンは不参戦という憂き目に遭うが、いっそのこと中の人繋がりな憧れの先輩の機体であるハイネ専用デスティニーガンダムに乗せてやるのも一興だろう。