概要
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する架空の紀元及び年号。略して"C.E."と呼ばれる。
「C.E.」及び「コズミック・イラ」の名称については、「SEED」設定製作スタッフの吉野弘幸氏が使用していたハンドヘルドPC・HPジョルナダ680に使用されていたOS「ウィンドウズCE」から着想を得、歴代ガンダムシリーズの年号に用いられた「センチュリー」という単語を使用しない形で「コズミック・イラ」と命名されたという。
特徴
時系列
- 『SEED』の時系列はザフト軍によるガンダム4機強奪が発生したC.E.71年1月25日から第一次連合・プラント大戦終結までの9月27日(リアルタイムの最終回の放送日である2003年9月27日に合わせたもの)の約8ヶ月間だが、PHASE-47の連合首脳会議にてニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)の兵器利用が決議された7月16日から、ボアズ攻防戦が繰り広げられる9月23日まで約二ヶ月の空白がある。
- 『SEED DESTINY』は地球連合軍によるアーモリーワンのザフト製ガンダム3機強奪が発生したC.E.73年10月2日から第二次連合・プラント大戦終結(C.E.74年前半の何処か)までを描いたものとなっている。その間までの日付は翌日の10月3日に「ブレイク・ザ・ワールド」、11月(何日かは不明)に「フォックストロット・ノベンバー」、12月(何日かは不明)に「ラクス・クライン暗殺未遂事件」、西ユーラシア侵攻(ベルリン大虐殺)からC.E.74年になること以外は明らかになっていない。
- 『SEED FREEDOM』は「C.E.75」としか明示されていないが、一部キャラクターの誕生日と年齢の設定によりC.E.75年3月29日から5月17日の期間に起こった騒動を描いたものと推定できる。
- 第二次連合・プラント大戦終結は『FREEDOM』から1年以上前とされている。
- 世界初のMSが開発されたのがC.E.65年、MSが初めて実戦投入されたのがC.E.69年、本編開始がC.E.71年と、MSの歴史は6年(最新時系列でも10年)ほどしかない。
- これはU.C.0073にMS一号機が開発され、本編開始がU.C.0079となる宇宙世紀(ファースト)と同様である。
新型メカ
- SEEDシリーズ特有の特徴として、他シリーズの最終決戦では主に敵側に新型メカが目立ち主人公勢力はほとんどが中盤からの機体を引き続き使う流れが多いのに対し、此方は必ず味方ポジションが入れ替わることもあり、最終決戦では双方とも新型メカを投入する(『SEED』『FREEDOM』)か、一切投入せず既存メカだけで戦う(『DESTINY』)というものがある。
- 最終決戦における味方ポジションの勝利条件が「大量破壊兵器の破壊」となることから、敵側の大量破壊兵器が新型メカとして投入される。
少し変わった形の死亡フラグクラッシャー
- 本編では「死んでいたと思ったキャラが実は生きてた」描写がやたら目立つ事が指摘されがちだが、それとは別にC.E.最先端技術によってほぼ蘇生に近い形で現世に復活したという例も珍しくなくなっている。
戦闘能力
- 他シリーズよりも機体性能の差と勝敗の結びつきが顕著であり、性能差が顕著な場合はパイロットの腕を問わずジャイアントキリングはまず発生しない。
- 性能の低い方が勝つこともないことはないが、その場合彼我の性能差はそこまで存在しない上、パイロットの腕よりも何らかの奇策や対策に頼っている。
- パイロットの腕がその精神状態に大きく左右される。
- 主人公格の精神状態はほぼ常時劣悪気味であり、『FREEDOM』終盤にて漸く最高に近い状態の精神状態における戦闘能力を披露した。
年齢設定
- SEEDシリーズの年齢設定は「物語開始時の年号に迎えている年齢」で描かれている為、劇中で一度も誕生日を迎えなかったために実際の年齢と釣り合っていないという例がある。
- 例を挙げれば『SEED』時点のアスラン・ザラは10月29日生まれの16歳という設定だが、これはC.E.71年10月29日に迎える年齢であり、C.E.71年1月25日~9月27日までしか描かれていない『SEED』だと本編通して15歳のままである。
- 因みに『DESTINY』は少なくともPHASE-9時点でC.E.73年11月を過ぎている事が確定している為、この時点で彼は既に18歳である。
- 逆に約8か月間を描いたことで本編時系列内で誕生日を迎えたキャラも多いが、誕生日が祝われたキャラは一切存在しない(そもそも言及さえない)。
- 『FREEDOM』のみ例外であり、アーサー・トライン(1月4日)、マーチン・ダコスタ(1月7日)、ダリダ・ローラハ・チャンドラII世(1月11日)、レドニル・キサカ(1月21日)、ラクス・クライン(2月5日)、ミリアリア・ハウ(2月17日)、ディアッカ・エルスマン(3月29日)、ヘルベルト・フォン・ラインハルト(不明)の8名が一足先に誕生日を迎えた年齢設定となっている。
- 例を挙げれば『SEED』時点のアスラン・ザラは10月29日生まれの16歳という設定だが、これはC.E.71年10月29日に迎える年齢であり、C.E.71年1月25日~9月27日までしか描かれていない『SEED』だと本編通して15歳のままである。
作品一覧
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO
ASTRAYシリーズ
- 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY R/B
- 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED FRAME ASTRAYS
- 機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女
MSV企画
主要な組織・団体
地球連合
C.E.70年2月5日に起こった「コペルニクスの悲劇」により国連の事務総長や首脳陣が死亡したのを受け、2月7日に大西洋連邦がコペルニクスの悲劇をプラントによる地球ひいてはナチュラル全体への宣戦布告とし、崩壊した国連に代わる国際組織として設立を宣言、即日設立された組織。
その設立経緯から内部に過激な反コーディネイター思想を掲げるブルーコスモスという組織が根を下ろしており、核ミサイルやテロなどの破壊行為でコーディネイターとナチュラルの対立を煽動している。
アメリカやメキシコ、イギリス、アイルランド等による連邦国家。
旧プラント理事国の一つで、プラント建設計画の際に各国から出資を呼び掛けた事から、理事国のリーダーにも成っており、軍事面以外にも強い発言力を持っている。
反コーディネイターの色が強く、構成員の中にブルーコスモスの者が多い。
連合軍内での将校クラスの制服の色は白系統。
構成する国の一つとして南アメリカ合衆国が存在する。
ロシアやEU諸国、西アジア、黒龍江省と北海道による連邦国家。
旧プラント理事国の一つ。軍事要塞アルテミスを所有していた。
連合軍内での将校クラスの制服の色はフロスティブルー。
北海道を除く日本、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、モンゴル国、台湾など極東地域が集合した共和国。
旧プラント理事国の一つ。
たまに(やられ役として)名前が出る事と、フジヤマ社がライゴウガンダムの製造をした事以外の動向は不明。少なくともC.E.70年6月14日の「新星攻防戦」で資源衛星「新星」をザフトに奪われ(これが軍事要塞化され後の「ボアズ」となる)、C.E.73年10月3日のブレイク・ザ・ワールドで上海と北京を失っている。
この国とオーブ連合首長国の成立で現代での日本は消滅している。
地球連合が実力行使のため常備する武力組織。
特に軍事力を持つ大西洋連邦とユーラシア連邦では制服の色を変えており、連合軍内での将校クラスの制服の色が異なる。
地球連合軍の非正規特殊部隊。連合軍所属部隊としての正式名称は「第81独立機動群」。
その実態は、地球連合軍の中枢をコントロールしていた秘密組織ロゴスに所属する私兵集団。ロゴスの意のままに任務を遂行できる精鋭部隊が必要だった為に創立された。
兵士の殆どがブルーコスモス関連施設で引き取った孤児で、反コーディネイターと言った洗脳教育を施されている。
また、組織の傾向からブルーコスモスの将校も多数在籍しており、中には記憶を改竄し洗脳した人員も導入されている。
プラント
コーディネイターが中心となって作り上げた砂時計型をした新世代コロニーの総称。
プラント1基を1区、10区で1市とカウントしており、C.E.71年時点で全12市・計92基が存在していた。
本来、資金を提供した宗主国が作る「プラント運営会議」の支配下にあったが、 コーディネイターはプラント開発に従事する者が多く、かつ宇宙生活者が大半だった為、プラントはコーディネイターという同胞意識を共有する人々にとって祖国の様なものと成っていた。 しかし、プラント理事国は「プラント=主権国家」とは認めず植民地として横暴な態度を取り続けたことから、プラント側では独立の気風が強くなっていく。理事国側はそれを武力をもって抑え込もうとし、プラント側のMSを開発するなどで抵抗、その結果プラントのコロニーの一つに核ミサイルが命中するという悲劇が発生し、連合(元理事国)がそれをプラントの自作自演としたことでプラント側の堪忍袋の緒が切れ、C.E.70年2月18日に黒衣の独立宣言と徹底抗戦を明言し奪取、「プラントは我等コーディネイターの国である」とする強硬手段をとった。
プラントで一党独裁の政権与党の立場にある政治結社だが、事実上国軍として機能している武装組織。あくまで国家の正規軍ではなく便宜上は「義勇軍」であり、階級は存在しない。
故にザフトに属する者も平時(非戦時)にはそれぞれの本職に就いている。
パトリック・ザラを支持するプラント・ザフトの一派。地球連合に対する急進派となる派閥である。
パトリックがコーディネイターに対しての迫害と尊敬を一身に受けてきた世代である(本人もC.E.61年に反コーディネイター組織により殺されかけ、最愛の妻も前述した核ミサイルにより失っている)為に、それらが高まるほど優越思想に傾倒していった。コーディネイターの出生率の低下については、あくまでも科学技術の発展によるコーディネイター存続を望んでいた。
- クライン派(旧クライン派)
シーゲル・クラインを支持するプラント・ザフトの一派。
プラントに有利な形(主に独立承認)での地球連合との早期講和を目標としている。
また、シーゲル自身はコーディネイターの出生率低下によるその未来に疑問を感じたことから、将来は交雑によるナチュラルへの回帰する路線を思案したことからナチュラルとコーディネイターの融和も目標としている。また、宇宙に存在する未知の遺伝子を手に入れて、それを用いて出生率の低下を抑える思索もしていた。
オーブ連合首長国
南太平洋ソロモン諸島に存在し、大小さまざまな島(火山列島)から構成される島嶼国。
大西洋連邦がプラントへの徹底抗戦のために地球連合の設立を宣言したことから今後の情勢を察した代表首長ウズミ・ナラ・アスハがその翌日C.E.70年2月8日に中立宣言を行い、地球連合とプラントのどちらをも支持しない中立国家となった。
作品中では「オーブ」と省略されることが多い。
オーブ連合首長国が保有する軍事組織。オーブの「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」の理念を守る為の武力でもある。
- オーブ国際救助隊
オーブ連合首長国において、国際協力のために技術交流や国際親善を行う組織。
これは表向きの姿で、オーブ国防軍の隠密任務を遂行している部隊である。
正式名称は「オーブ外務省外郭団体国際協力機構管轄組織国際災害救助隊」、略称は「ODR」。
歌姫の騎士団(三隻同盟)
ナチュラルとコーディネイター共存を主張する中立派で構成された勢力。
第一次連合・プラント大戦の交戦勢力である地球連合、ザフト双方での過激化と絶滅戦争へのエスカレートから、これら過剰思想に反対を示した脱走兵で構成された寄り合い集団である。その為ラクス・クラインやカガリ・ユラ・アスハ等に代表される、諸勢力の有力家系の出身者もメンバーに名を連なるが、横の繋がりの強い組織である。強力な新型兵器を保有する一方で、後ろ盾そのものは希薄な組織で有った為、その補給にはマルキオ導師が手配を行った。
ターミナル
各国の非戦派が集まって結成された非政府組織。
第一次連合・プラント大戦の際にシーゲル・クラインが立ち上げたレジスタンス組織を前身とし、同大戦にて人類の戦争活動(独立戦争)が絶滅戦争(核戦争)まで発展した実例から、各国家上層部の非戦派がこれを調停または介入する組織の必要性を痛感したことにより結成された。
ブルーコスモス
反プラント・反コーディネイター思想を掲げる団体。「青き清浄なる世界のために」というスローガンを持つ。
そのメンバーは末端の自称も含めれば数十万人規模の団員が存在し、国籍や年齢、職業はさまざまである他、中には親に定められた自分の遺伝子形質を憎んでブルーコスモスに参加するコーディネイターもいる。また、あらゆる団体に支持者が存在し、各国の政財界や軍部にも根を張っている。
活動内容は政治ロビー団体から反コーディネイターのテロ行為まで多岐にわたる。
後述のロゴスからバックボーンを得ており、両者が結託すれば短期間の内に反コーディネイター世論を形成させる事さえ可能となっている。
ロゴス
「DESTINY」において存在が発覚した秘密組織。歴史は古く、類の有史以来存在し続けてきたとされる。
地球各国の政府・軍部と太いパイプで繋がっている他、高い政治介入能力を生かして戦争の開戦から終戦までのロードマップを作り出して世論誘導を行ってきた。
ブルーコスモスの盟主を含んだ10人の幹部で構成され、その幹部たちの表の顔は産業の大物経営者が多く、ブルーコスモスにも資金援助を行っている。
ジャンク屋組合
「ASTRAY」シリーズに登場する、文字通りジャンク屋で構成されたギルド。
主な所属者はロウ・ギュール
サーペントテール
主な所属者は叢雲劾
C.E.の主な人種
ナチュラル
遺伝子操作されてない人類、つまり純粋なホモ・サピエンスの事。
コーディネイター
遺伝子操作を受け誕生する人類。
生誕には父の精子・母の卵子を摘出した上で遺伝子操作を加え、母親もしくは人工子宮で誕生する。容姿は親が好みにカスタマイズ指定が行える為、総じてスタイルが良い。
人類史におけるコーディネイターの歴史はまだ浅く、一世紀未満。作中に登場するキャラクターに第一世代(親がナチュラルで自分はコーディネイター)と第二世代(第一世代同士が成した子供たち)が多いのも、時期的に最初期第一世代の子供らが結婚適齢期になった=第三世代がほぼ未成年である為。
特異な能力・因子
空間認識能力
空間内の物体の情報を素早く正確に認識する能力の事。
脳内で想像するだけで視認していない戦域の状況(具体的な機数とその配置に至るまで)を把握する事が出来るというもの。
S.E.E.D
「優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子(Superior Evolutionary Element Destined-factor)」の頭字語。
C.E.で起きた出来事
血のバレンタイン事件
地球連合軍の一部の過激派賛同者達によって行われた実質的なテロ事件でバレンタインの日に行われたことからこの名が付いた。メビウスが次々とプラントに核ミサイルを撃ち込み、多数の犠牲者を出し、このことが発端となり、後のニュートロンジャマー投下に発展、地球連合軍とプラントのザフト軍との戦争が開戦した。
アスラン・ザラの母親もこの事件で亡くなっており、彼が軍に入隊するきっかけとなった。
軍事技術
ニュートロンジャマー
ザフトが地球軍の核ミサイル攻撃によるプラント破壊行為の報復として、地球のほぼ全土に地中深く埋め込んだ特殊な装置。一度埋めたら取り出し不可能であり、電波と共に自由中性子(原子エネルギー)の活動を無差別且つ半永久的に阻害する効果がある為、地球全土で原子力エネルギーが使用不能となり、エネルギー不足による都市経済のマヒ等により、1億人以上の犠牲を出した。
連合軍の核ミサイル攻撃とこの作戦により、両者の溝は決定的となった。
関連技術としてはニュートロンジャマーキャンセラーやニュートロンスタンピーダーが登場した。
M.O.S.
モビルスーツ用のオペレーションシステム。
フェイズシフト装甲
G兵器に採用されている特殊装甲。実弾に対して高い防御力を誇る。
後継技術としてはトランスフェイズ装甲やヴァリアブルフェイズシフト装甲が登場した。
その他の用語
ユニウス条約
地球連合とプラントとの間に正式に締結された停戦条約。
SEEDシリーズのナレーション
本編・次回予告:三石琴乃
関連動画
信じるか信じないかは「あなた"SEEDaい"です」
※:公式動画です。
PHASE-01 | 遺伝子調整が実現された世界に起こることとは…? |
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PHASE-02 | コズミック・イラのやばい技術を知っていますか? |
関連項目
スーパーロボット大戦J︰作品世界がコズミック・イラ。
歴代ガンダム作品の架空の起源・年号
宇宙世紀(機動戦士ガンダム、機動戦士ガンダムUC、機動戦士Vガンダム他)