【CAUTION】以下の内容の中に、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのネタバレに触れる記述がある可能性があります。
概要
C.E.30年に到来した第一次コーディネイターブームと宇宙ビジネスの活発化に伴い、L4宙域にて他のスペースコロニーと共に建造が開始された研究用コロニーの1基。完成後は遺伝子研究が盛んに行われたことにより「禁断の聖域」「遺伝子研究のメッカ」などと呼ばれ、G.A.R.M. R&D社や地球連合軍の研究施設が存在した。
その研究内容からブルーコスモスに度々狙われており、C.E.55年5月18日にはG.A.R.M. R&Dの研究施設がブルーコスモスの襲撃に遭い、勤務していた研究者達が死亡する。さらにC.E.68年には経緯不明のバイオハザードが発生し、多数の死者を出した。
その際、本コロニーは放棄と同時にガンマ線の大量放射により消毒され、以降は無人と化した。
この件は地球連合・プラントを問わず大きな騒ぎとなった他、「ブルーコスモスの暗躍があった」と噂されている。
緊急事態により施設が放棄されたため、電子的なデータについては実態をうかがい知ることが出来ないほど徹底的に破棄されたものの、紙や写真のような物理的な資料や情報については内部に手付かずで残っている。
また、放棄された要因がバイオハザード=機械類に対してダメージを与えるものではなかったため、C.E.71年代になってもコロニー内は問題なく呼吸でき、照明等の電気系統や人工重力も働いている程度には設備が正常に機能していた。
しかし、C.E.71年7月12日に本コロニーの内外で大規模な戦闘が発生し(後述)、その余波により残存していた設備は軒並み破壊され、遂に機能を完全停止した。
G.A.R.M. R&D社
コーディネイター作成を一大産業とする遺伝子企業。『Genetic Advanced Reproductive Medical Research Development(=高度遺伝生殖医療研究所)』の略。
コーディネイター作成(受精卵の遺伝子操作)からクローン作製まで、遺伝子に関する幅広い研究・業務を行っていた。
メンデルの研究施設では、客を取ってコーディネイター作成を行う傍ら、ユーレン・ヒビキ率いる研究チーム主導により遺伝子操作通りのコーディネイターを誕生させるために必要となる人工子宮を研究開発していた。
C.E.46年頃に資金難に陥るも、アル・ダ・フラガからの『クローン作製』の依頼を条件に研究資金を確保し、C.E.55年5月18日にキラ・ヤマトの生誕をもって人工子宮を完成させる(依頼のクローンの方はC.E.46年後期に本コロニーの研究施設で作製している)。
しかし、同日に研究施設がブルーコスモスの襲撃に遭い、ユーレンやヴィア・ヒビキを含む研究チームのメンバーは死亡し、人工子宮に関する技術も失われた。
一方、研究施設自体は半壊状態ながらも照明等の一部電気系統はC.E.71年代でも生きており、紙の資料(研究員やキラの写真等)も手付かずで残っていた。
その後C.E.68年のバイオハザードにより、メンデルが放棄されたのが追い打ちとなり倒産した。
この研究施設で生まれ幼少期を過ごしたレイ・ザ・バレルは、分野こそは違うがロドニアのエクステンデッドのラボに対して、当時の似たような光景をフラッシュバックで思い出している。
劇中での扱い
『SEED』
物語の終盤にてレドニル・キサカの発案とアスラン・ザラの情報提供からL4宙域のコロニーへ水源を求めていた三隻同盟の目に留まり、C.E.71年7月1~12日の間彼らの拠点となった(エターナルのみ7月5日に到着)。尚、当初は曰くのある『メンデル』と知らないまま拠点とした後に気づくも、L4宙域にて設備などの損傷が最も少ないコロニーだったため変更することはなかった。
C.E.71年7月12日に、フリーダムとジャスティスを追ってきたムルタ・アズラエルが乗艦するドミニオンに襲撃される。その最中、ムウ・ラ・フラガがラウ・ル・クルーゼが近づいてる事態を察知し、本コロニーの内部へ向かう。
モビルスーツ戦の後、ムウとキラ・ヤマトは生身で廃棄された施設内へと逃亡したクルーゼを追撃するが、本コロニーにこそコズミック・イラの真の闇が待ち受けていた。闇の全てを語り出すクルーゼ、本コロニーこそがキラの生まれ故郷、そして人の卑しき所業の集積地でもあった。
三隻同盟(特にアークエンジェル)への威圧行為としてドミニオンのローエングリン(陽電子砲)を撃ち込まれた上、外では三隻同盟vsドミニオン隊vsクルーゼ隊、内ではランチャーストライクvsゲイツ、バスターvsデュエルと、内外問わず混戦が繰り広げられたなども重なり、その外壁には大量の穴が開き、生きていた設備も機能を停止した。
『SEED DESTINY』
物語のキーパーソン、ギルバート・デュランダルがかつて研究員として勤務していた場所として登場する。
C.E.73年12月中~下旬頃、マーチン・ダコスタがラクス・クラインの指示でデュランダルの過去を探るために本コロニーへ訪れている。2年前の戦闘により設備が機能を停止していたため空気と重力が完全に失われており、宇宙服の着用が必須となっていた。
廃墟同然となっていた研究施設を探索し、電子的なデータは抹消されていたものの、物理的に残っていたデスティニープランの構想ノートを発見する。
また、ザフトは再び非合法な組織に拠点とされる事態を防止するために、グラズゴー隊を割いて哨戒に当たらせていた(元々L4のコロニー群は「不審な一団が根城にしている」と噂されており、1度ザフトが調査していた)。この哨戒任務にはジン長距離強行偵察複座型が用いられた。
『SEED FREEDOM』
ファウンデーションの女帝アウラ・マハ・ハイバルがかつて研究員として務めており、その際に「ある人物の母親も研究員の1人であった」とする衝撃の事実が明かされた。
アウラはデスティニープランを管理して人々を導く存在、コーディネイターの次の進化人類『アコード』を創り出していた。デュランダルと上述の母親も共同研究者だった。
関連人物
研究員
G.A.R.M. R&Dの主任研究員。人工子宮の開発を主導した。キラとカガリの実父。資金難からラウを作るなど、SEEDのトラブルの元凶とも言える存在。
G.A.R.M. R&Dの研究員。人工子宮の開発に参加するも、夫ユーレンの暴走についていけなくなり半ば決別する。キラとカガリの実母。
C.E.55年頃に勤務していた元研究員。パトリック・ザラの推し進めるコーディネイターの出生率低下対策に従事していた。また、勤務当時からデスティニープランを構想しており、その構想ノートが残っていた。
C.E.55年5月18日まで勤務していた元研究員。ユーレンとはライバル関係にあり、共に「より優れた人類を作り出すこと」を研究テーマとしており、その過程にてデュランダルの思想に共感してある人物の母親と共に『アコード』を創り出した。また、資金集めのためにアンチエイジングについても研究していた。彼女が幼女の様な見た目なのは、この研究によって作製されていた薬品を事故で浴びてしまい急激に若返った挙句成長出来なくなったため。
戦闘用コーディネイターの開発者の1人。
最高のコーディネイター(スーパーコーディネイター)
人工子宮を用いて作られた『最高のコーディネイター』唯一の成功例。「当代最強のパイロット」と評されるほどの能力を持つ。一方、「アコードになり損ねた失敗作」とも言われている。
『最高のコーディネイター』の研究の失敗作。しかし、『戦闘用コーディネイター』を上回る戦闘能力を有する他、霊感能力も獲得している。
クローン
キラの実父の研究に出資した男、アル・ダ・フラガの『クローン』。分類上はナチュラルだが、アルの遺伝子的優秀さと本人の努力により当代屈指のパイロット能力を持つ。
「作れるから」の理由だけで作り出されたクルーゼと同じ遺伝子を有する『クローン』。プラントの士官学校を主席合格するほどの能力を持つ。
戦闘用コーディネイター
地球連合軍がダンテ・ゴルディジャーニ主導の下最初期のコーディネイター技術を元に、戦闘面に特化させたコーディネイター。
地球連合軍により生み出された『戦闘用コーディネイター』の1人。
地球連合軍により生み出された『戦闘用コーディネイター』の1人。心理コントロールの失敗により2重人格者となっている。
グゥド・ヴェイアを改良して誕生した『戦闘用コーディネイター』の総称。各個体は「スリー」「フォー」と製造順に呼ばれている。
民間軍事会社が開発した『戦闘用コーディネイター』。多くのコーディネイターの遺伝子サンプルを使用した上に肉体そのものにも大幅な改造を施されたことにより、叢雲劾やソキウスとは一線を画す能力を持つ一方、高い能力と引き換えに人間らしい感情を失っている。
アコード
人類の調停者・指導者としてアウラが生み出した究極のコーディネイターであり新人類。人間の枠を超えることの無いコーディネイターとは異なり、テレパシーや読心といった精神感応を可能とする超能力を有する。また、戦闘能力についても並みのコーディネイターを凌駕し、個体によってはスーパーコーディネイターさえ上回る。
アコード同様明言されてないが、アウラが「私が作った」と発言しているため事実上の関係者。
その他
直接の関係者では無いが「彼のDNAサンプルがコロニー内に遺されている」との情報がある。
上記の人物が該当するのならば、彼も事実上の関係者となりうる。しかも彼は本編以前の時分は政敵と同様『コーディネイター優越思想』を掲げていた事情もあり、全くの無関係と切り捨てられない。一方、C.E.43年以降は諸事情により多忙だったため、直接関与していた可能性は低い。また、最終的に娘の婚約者に当初とは別の人物を宛がっている事情から、計画を知った上でそれから引き離そうとした可能性もある。
余談
上記の通り、ユーレン・ヒビキ、ギルバート・デュランダル、アウラ・マハ・ハイバルなどコズミック・イラ屈指の危険人物(うち2人はラスボス及び敵組織の首魁)が多数勤務していた過去に加え、彼らが行っていたあまりに非人道的な研究の数々、更にその成果物も本編・外伝問わず物語の根幹に深く関わり、いずれも戦争を通して「メンデルの生み出した闇」との戦いが描かれている実態から「コズミック・イラの闇の根源」「掘り返したらもっとヤバいものが出てきそう」などと酷評されている。
ちなみに、『ASTRAY』ではプラント最高評議会からの『ジョージ・グレンのDNAサンプル』などの眉唾物を発掘するための依頼を受け、グーン地中機動試験評価タイプで発掘作業に勤しむ人物が登場している。厄ネタが眠っているのは事実のようである。
またこれらの事情もあり「このコロニーを襲撃したのはブルーコスモスの数少ない功績」などと評する一部ファンもいる……が、知っての通り本編に登場したブルーコスモスの盟主達全員が、メンデルの関係者達の謀略に踊らされた末に破滅している。
そして、メンデルが崩壊するまで経緯と詳細に関する情報が断片的(電子的データが抹消されていることから作中キャラ達もそういう認識)なため、本編の物語に大きな影響を与えたヒビキ夫妻の結末を含めた、作中に登場するほとんどの研究員達の過去は謎に包まれたままであり、映像化するにせよ言及するにせよ、何らかの形で設定の補完を求める声が多い。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
スペースコロニー 人体実験 パンドラの箱 諸悪の根源 だいたいこいつのせい
ロドニア:『DESTINY』にて連合軍のエクステンデッド研究所が存在していた場所。メンデルに並ぶみんなのトラウマ。