CV:堀秀行
概要
『機動戦士ガンダムSEED』の世界コズミック・イラ(C.E.)において初めて登場した人類初といわれるコーディネイター。
「我々ヒトにはまだまだ可能性がある。それを最大限に引き出すことが出来れば我らの行く道は果てしなく広がるだろう」という理念を掲げる出自不明な科学者グループによってC.E.-16年に生み出されたデザインベイビーであり、僅か17歳(C.E.1年)で大西洋連邦MIT博士課程を修了、オリンピックの銀メダリスト、アメリカンフットボールのスター選手、C.E.5年に海軍に入隊し後に空軍のエースパイロットとして活躍した。エースパイロットとしての功績からC.E.10年に大西洋連邦からFASA(連邦航空宇宙局)に招聘された。
さらに、理工学の分野においても様々な業績を掲げ、C.E.4年(当時20歳)にはノーベル賞候補に選出されており、世界中から「万能の天才」と評された。
名前の由来は実在した宇宙飛行士のジョン・グレン。
人物
C.E.12年にFASAが木星探査プロジェクトを発動し、そのための木星往還船「ツィオルコフスキー」計画を発表したことに際し、わずか28歳で設計主任として計画の中核的存在となる。
C.E.15年に「ツィオルコフスキー」を完成させ、自ら乗り込み木星へ出発する。その際、自分が遺伝子操作によって生み出された人間であることを世界中に告白し、その詳細を記したマニュアルを公布する。自らを「この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者。調整者、コーディネイター」と称し、「僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う」という言葉を残し、木星へと旅立って行った。これがC.E.における「ジョージ・グレンの告白」と言われる事件である。
C.E.22年に木星圏に到達し、エウロパ付近の隕石の中から「Evidence01」(通称「宇宙クジラ」「羽クジラ」「クジラ石」)と呼ばれる化石を発見する。これをFASAはじめ世界に伝えたところ大混乱を生み、FASAからは化石を持ち帰るように指示された。
C.E.29年に「Evidence01」を伴い木星圏より帰還する。
持ち帰った「Evidence01」についてはL5宙域の研究コロニー「Zodiac」に運び込まれ、詳細な検査が行われ、「偽物である可能性は全く発見できなかった」「クジラレベル、あるいはそれ以上の知性を持っていた可能性が高い」と調査委員会が発表したため、各宗教界は混乱に陥った。
また、「ジョージ・グレンの告白」と「Evidence01」を持ち帰った責任から拘束されることとなった。
C.E.31年に拘束が解かれ、「Zodiac」にて「Evidence01」の調査を開始する。これに伴い、「Zodiac」は異星生物研究機関から宇宙における一大研究施設へと成長と遂げていくこととなる。
C.E.38年に「Zodiac」の大規模・複雑化のために新型の天秤型コロニー構想を発表、大西洋連邦・東アジア共和国・ユーラシア連邦をはじめとする出資者を味方につけて建造を開始する。この構想により建造されたコロニー群が後の「プラント」であり、建造中にシーゲル・クラインやパトリック・ザラと面識を持っている(特にシーゲルとは師弟関係にあった)。
シーゲルらとは違いプラントの政治に関わるようなことはしなかったが、老齢に差し掛かっていたC.E.53年にコーディネイターに生まれなかったことを悲観したナチュラルの少年の銃撃により死亡した。
ジョージを暗殺したこの少年は逮捕され裁判にかけられたものの、心身耗弱として刑事責任には問われず、背後にブルーコスモスの存在が示唆されていたものの真相は解らずじまいだった(後にロゴスの工作の一環であったと発覚する)。
また、プラント側は地球連合側に犯人の引き渡しを要求したものの、地球側は退けている。
キャプテンGG
人間としてのジョージ・グレンは死亡したが、彼の支援団体「ジョージ・グレン友の会」によって密かに遺体から奇跡的に損傷を受けていなかった脳髄だけが摘出冷凍・任命保存され、「G・Gユニット」内で厳重に管理されていた。
その後紆余曲折逢ってロウ・ギュール達ジャンク屋組合の旗艦リ・ホームに搭載され、ホログラフィー艦長「キャプテンGG」として復活を果たした。
なお彼の復活は世界に混乱を招く恐れがあるとして隠蔽され、ジャンク屋組合以外には全く知られていない。
生前の自分に欠けていた「笑いのセンス」を磨くことを目標に掲げ、下らないジョークを連発する事から彼のファンである山吹樹里やリーアム・ガーフィールドを呆れさせてしまった。
自身の発言がきっかけで発生した人間同士の紛争に関してロウからどう思うか尋ねられた際、言葉の通りに地球と宇宙、現在と未来の「調整者」と定義したうえでの自分の後に続くものを望んだ発言だった。だがロウもそうであったように単に遺伝子を調整した人間とする誤った解釈とは違う事を説明。戦いを終わらせる方法に関してどう思うかロウに聞き返し、自分自身の答えを導き出したロウを「君も真の調整者(コーディネイター)だよ」と賛辞の言葉を送った。
艦長以外にもリ・ホームの周辺にあるモビルスーツに自身のデータを転送して遠隔操作することも可能で、樹里のサポートを受けバクゥのバルトフェルド機を操縦することもあった。
スパロボ
何故か機動戦艦ナデシコと縁が深くWでは木連から偉人としてたたえられておりゲキガンガーをもたらした人物と言われている。Ⅴでは未登場だがやはり木連にゲキガンガーをもたらした人物として称えられている。
パトリック・ザラに批判的でそのメンタリティに批判的。(だがもとはと言えば彼が理想論からコーディネーターの技術をばらまいた為、ブーメランともいえる)
余談
- C.E.における戦争の根幹になるナチュラルとコーディネイターの確執を発生させた張本人であるため、一部の視聴者からは「諸悪の根源」扱いされている。
- 尤も、彼はあくまでコーディネイターに関するデータを世界に公布しただけであり、その後の動乱はナチュラル・コーディネイター達が勝手に始めたことなので、彼に責任を求めるのはお門違いもいいところであろう。(現に上記のように、彼はより良い未来を望んで告白を行ったと語っている)
- ただ、彼が公開した技術は当時の医療技術では非常に高額なものであり、パトリックを含む第一世代コーディネイターに当たるものが富豪でないと出来なかった。そういったこともあり、その状況でコーディネイターの技術を放り投げるような形で公開して、木星へ行き放り投げるように動いた行為からも無責任だと責められることも仕方ない状態ではある。
- 尤も、彼はあくまでコーディネイターに関するデータを世界に公布しただけであり、その後の動乱はナチュラル・コーディネイター達が勝手に始めたことなので、彼に責任を求めるのはお門違いもいいところであろう。(現に上記のように、彼はより良い未来を望んで告白を行ったと語っている)
- 一方、作中世界の人物からはそのような認識をあまり持たれておらず、ナチュラル・コーディネイター問わずファンないし信奉者が多い(顕著なのは構成員が全員ナチュラルな「ジョージ・グレン友の会」)。少なくとも彼個人に対し明確に憎悪と言えるものを示したのはクルーゼのみである。
- 良くも悪くも歴史的人物ではあるため、キラ・ヤマトをはじめジョージが殺された以降に生まれた若者でも名前や大まかな人物像は知っているようである。
- 何の因果か、ジョージ・グレンを演じる堀秀行氏はSEEDDESTINYにおける戦乱を引き起こした人物であるロード・ジブリールを演じている。