「この屈辱はどうあっても晴らさねばなりますまい。誰に?当然あんなものをドカドカ宇宙に作ったコーディネイター共にです!違いますか!」
CV:堀秀行
プロフィール
人種:ナチュラル
生年月日:C.E.42年10月1日
星座:天秤座
血液型:A型
年齢:31歳
身長:181cm
体重:70kg
概要
反コーディネーター組織「ブルーコスモス」の盟主で、世界を裏で操る軍産複合体「ロゴス」の一員。本作における黒幕の一人。
盟主ムルタ・アズラエルが第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で戦死した後、弱体化したブルーコスモスを立て直したとされる。
一見紳士的に見えるが、実はヒステリックで激昂しやすい性格の持ち主で、気に入らないことがあると物にあたる場面もみられた。
その上、コーディネイター殲滅のためなら同胞である筈のナチュラルを犠牲にする作戦を平気で強いており、自分以外の人間のことを全く鑑みていない。
また、ロゴスの存在をデュランダルに暴露された際は目が飛び出そうな程驚愕した表情をしたり、仲間を見捨てて逃げたりと、精神的な脆さや自己中心的な非道さがアズラエルと共通している。
尚、甘く見ていたとはいえ、最前線で指揮を執っていたアズラエルと違い、彼は決して矢面に立たず、他人依存に偏るより卑劣で悪辣な振る舞いを貫徹した。
ユーラシア西部に邸宅が存在し、地下室にはモニターがいくつか並んでおり、そこでロゴスメンバーと連絡を取り合う。
ワインやダージリンティーを愛飲。黒猫(品種はノルウェージャンフォレストキャット)を飼っている。この猫はオーブ攻防戦の最中まで行動を共にしたが、シャトルに乗り込んでからは姿がなく、その後の動向は不明。
『DESTINY』の敵キャラは「根っからの悪人ではないため非情になろうとしてもなりきれていなかった」不器用な人物ばかりが目立つ中、ほぼ唯一と言ってもいい正真正銘の悪人である。
ブルーコスモスとの関係
前盟主であったムルタ・アズラエルと同様にコーディネイターを強く憎んでいる。
自分の悪事の数々も、コーディネイターに世界を乗っ取られないためと自己正当化している。
また、大西洋連邦のジョゼフ・コープランド大統領を使ってコーディネイター殲滅計画『プラン』を企てていた。
ただし、番外編でコーディネイターを憎むまでの経緯が描かれたアズラエルと違い、彼はそういった過去が説明されることはなく、なぜ彼がここまでコーディネイターを敵視するようになったのかは今もって不明。
ただ、過去の秘密が一切明かされない訳ではなく、唯一示唆する発言としてネオ・ロアノークに「コーディネイターがナチュラルに手を差し伸べるなどあるはずがない。どうせ、また手を返される」と発言している。このため、ジブリールは「かつてコーディネイターから裏切られた事があるのでは?」との考察もあるが、推測の域を出ないものとなっている。
ネオ・ロアノークとの関係
奇跡的に生きていたムウ・ラ・フラガを密かに回収し偽りの記憶を植え付け、特殊部隊ファントムペインの一員「ネオ・ロアノーク」に仕立て上げた張本人。
尤もネオ・ロアノークにはブラック上司扱いされており慇懃無礼な態度を取られていた。
小説版ではムウ・ラ・フラガがネオ・ロアノークに変えられた理由として、彼が“エンデュミオンの鷹”であったから役に立つと考え偽りの過去の記憶を植え付けたことが示唆されている。
活躍
物語前半
序盤にてザフト過激派によって行われたユニウスセブン落下事件「ブレイク・ザ・ワールド」をザフトの仕業と大々的に公表し、宣戦布告の口実を得た事で再びプラントへの攻撃を開始する。
しかし、まともに準備が整っていない上に情報不足な形で強引に開戦させた結果、初戦のプラントへの核攻撃作戦ではニュートロンスタンピーダーで自滅に追い込まれる形で敗退。その後、地球に降下したミネルバ隊をファントムペインに度々攻撃させるが失敗続きの有様であり、無駄に戦力を消耗しているだけの結果には、傀儡であったコープランドを完全に呆れさせていた。
その為、黒海に部隊を派遣させようとコープランドに指示を行った際には、度重なる失敗によって民衆の反連合運動が高まっていた事や連合の同盟が拗れていること、自身の私兵部隊であるファントムペインですらまともな戦果をあげていないといった様々な事実を突きつけられた形で、コープランドに協力を拒否される。
「スペシャルエディションⅡ」では、コープランドから辛辣に罵られるに等しい苦言も言われているため、第2次連合・プラント大戦での連合とザフトの戦いは、初期より連合側の方が不利であったことがうかがわれる。この点は「ブレイク・ザ・ワールド」の影響で地球連合軍は戦力や予算の大部分を復興や支援活動に割り振る必要性に迫られていたことが原因となっている。
その後、大西洋連邦に代わってユウナ・ロマ・セイラン率いるオーブ軍に協力を要請するも、これも悉く失敗。クレタ沖での戦闘でオーブ軍が壊滅したのを皮切りに、その後新たに完成したデストロイガンダムを配備させ、連合に強く反対する幾つかの都市を壊滅状態に追い込む。
しかし、ベルリンにおいてミネルバとアークエンジェルとの共闘でデストロイは破壊されステラは戦死、スティングは退けられ、リーダーのネオも行方不明となり、ファントムペイン(ロアノーク隊)は事実上壊滅に追い込まれてしまう。
後にギルバート・デュランダルの演説によって自らを含むロゴスの存在やこれまでの所業を暴露された事で、屋敷にロゴス・ブルーコスモスを憎む暴徒達が襲撃、これによりジブリールは屋敷を捨て、他のロゴスのメンバー共々連合軍最高司令部ヘブンズベースへ逃げ込む。
ヘブンズベース攻防戦
態勢を立て直そうと、量産されていたデストロイ5機、新型大型MAユークリッド、ウィンダムをはじめとする一線級MSを主力とする強力な大規模戦力を準備し、更には生きていたスティングを強化処理を施しデストロイに乗せる。
ヘブンズベース攻防戦において、布告無しの先制奇襲攻撃で反ロゴス同盟軍の前衛を瞬く間に殲滅、更には同盟軍側の隠し玉であった空挺部隊も対空ビーム砲「ニーベルング」で退け、同盟軍の出鼻を完全に挫く形で有利に立つ。しかし、切り札であったデストロイ5機をシン・アスカ達が乗る3機のガンダムによって破壊され、次第に大勢を覆されほとんどの戦力を失う。ジブリールはまたしても他のロゴスのメンバーを見捨て潜水艦で一人脱出した。
オーブ攻防戦
オーブのセイラン家に匿われ潜伏するが、身柄引き渡しを要求するザフトへの対応をユウナが誤ったことで、オーブはザフトに攻め込まれる。
ジブリールはウナト、ユウナと共に脱出する予定であったが、二人は現れなかったため(ウナトはシェルター崩壊、ユウナはグフイグナイテッドに潰されて死亡したため)、ジブリールは護衛に警備兵を始末させた後、セイラン家のシャトルで宇宙に脱出した。
ちなみに愛猫もオーブまでは連れてきているが、その後は不明。少なくともセイラン所有シャトルに乗り込む直前には行動を共にしていたオーブ軍兵士が抱いていたため、宇宙に連れてきていたと思われていた。しかし、リマスター版ではオーブ兵士から離れる場面が追加され、更にダイダロス攻防戦の最中に海辺の都市で建設中の建物から月を見上げる同種の猫というカットが入るため、ジブリールの元から逃げ出した可能性がある。もっとも明言はされていないため詳細は不明。
ダイダロス攻防戦
月面のダイダロス基地に着くと、戦局の巻き返しを図るために同基地に設営されていた「軌道間全方位戦略砲レクイエム」を使用。廃コロニーを流用したビーム偏光ステーションを利用して本来L5宙域へ射角が取れない月の裏側から大出力ビーム砲で直接攻撃を行うと奇策を持ってプラント首都アプリリウスを一気に壊滅させようと目論む。
しかし、直前で第三中継ステーション「グノー」がザフト軍に発見されてしまいジュール隊と地球連合軍の護衛艦隊と激しい戦闘が行われた影響でビーム射角が逸れてしまい、アプリリウス壊滅に失敗するが、その代わりにヤヌアリウス・1〜4とディセンベル7、8の計六基のプラントコロニーを破壊。
続けて第2射を発射を画策し、中継ステーションの再配置とアルザッヘル基地とダイダロス基地の月面戦力を動員。ザフト側も殆どの宇宙戦力が招集し、第一中継ステーション「フォーレ」で大激戦となるが、フォーレ側の戦闘に気を取られていた隙にダイダロス基地がミネルバの奇襲に遭い、戦闘により基地司令部とレクイエムの管制コントロールルームが破壊されて阻止されてしまう。
最期
形勢不利と感じ、4度目の脱出を図るが失敗。
レイ・ザ・バレルのレジェンドによるビームスパイク攻撃によって乗艦したガーティー・ルーの艦橋ごと撃たれ、遂に死亡した。
そうして、人々の憎しみを一身に集め、自分の計画にもっとも献身的に協力してくれた駒の最期に、ある人物はほくそ笑んだ。
「ありがとうジブリール……そして、さようならだ。」
余談
声を演じた堀氏は前作でファーストコーディネーターことジョージ・グレンを演じているという皮肉なキャスティングとなっている。
それより前には『機動武闘伝Gガンダム』では主人公関連のキョウジ・カッシュとシュバルツ・ブルーダーを演じたことがある。
また、前任のアズラエルが年齢しか明らかになっていないのに対し、こちらは何故かプロフィールが誕生日や血液型、身長、体重まで細かに設定されている。
感情的になると周りに当たり散らす大人気ない様子が描かれていたが、それと同時に顔が凄いことになることでも有名で、スパロボやGジェネでは、激昂したり断末魔を上げたりする際の演出として度々拝むことができる。
その他のメディアでは
ステラの仇討ちやステラの死因の元凶への復讐を踏まえているのか、一部の漫画版や『スーパーロボット大戦L』ではシン・アスカがジブリールを討ちとる展開に変更されている。
漫画作品
シンが乗るデスティニーのビームライフルでレクイエムのコントロールルームを貫かれ、爆発に巻き込まれて死亡する(死に際に自分がデュランダルの掌で踊らされていたことに気付き、愕然としていた)。
デスティニーのビームブーメランがガーティー・ルーのブリッジに直撃して死亡する。
本編での出番はなく、Desireにてデスティニーとレジェンドによってガーティー・ルーが撃沈、それによって本人も死亡。
ゲーム作品
連合vs.Z.A.F.T.Ⅱ
ネオやイアン・リーと異なってジブリールだけが何故か地球連合軍側のオペレーターキャラとして登場せず、P.L.U.S.モードでも名前しか登場しない。
スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
スパロボ初登場作品。中盤までは黒幕然として振舞っているが、実際はデュランダルやユキムラに利用されているに過ぎず、中盤以降はデュランダルやAフォースに追い詰められる。
最終的にレクイエムのコントロールルームをAフォースに破壊され死亡した。
今作ではゼントラーディの戦力を(本格的に攻めてくる前とはいえ)軽んじていることから尚更滑稽な印象を受ける。
音声が初収録されたスパロボ作品。
ガーティ・ルー乗艦時はイアンとの掛け合いがある。
本作では、地球連合軍の代表から、新地球連邦の幹部に格下げ。
後半はデュランダルに裏の顔を暴かれ、パプテマス・シロッコとデューイ・ノヴァクが起こしたクーデターにより、バスク達と共に逃亡。
最後はバスク共々シロッコの露払いとして散った。
基本的にキラ視点で話が進むので扱いが尋常ではないほど悪く、いつ死んだかすら定かではないほどあっけなくナレ死する。
プラントへの核攻撃について抗議しに来たリリーナを人質に取るなど原作以上に小物ぶりを発揮しており、『マクロスF』のレオン・三島と並んで「野望だけは大きいが結局は誰かの掌の上で踊らされているに過ぎない小悪党」として描かれている。
終盤では本作のオリジナル組織に見捨てられ逃げようとしたところを、デスティニーの主要武器を使った連続攻撃「フルウェポンコンビネーション」で引導を渡された。
原作終了後のはずだがとある変態紳士…もといエンブリヲに助けられていたらしく密かに生存していた。ジュリオ・飛鳥・ミスルギと共に彼の部下として登場。しかし終盤でジュリオと同じようにエンブリヲの目的を都合の良いように履き違えた結果、彼に見限られて粛清され今度こそ完全に死亡した。あとクリスからはウザがられていた。
メインストーリー3章より登場。
今作ではヤキンの戦いを生き延びるも、失墜したアズラエルから盟主の座を奪い取った立場となっているらしく、原作同様にブレイク・ザ・ワールドを機に本格的に暗躍を開始するのだが、そのアズラエルは、何故かオリジナル敵勢力の尖兵として並行世界を股に掛けた謀略に荷担していた。
その後、ジブリールが利用目的でアズラエルを生かし、しかも劣悪な環境で軟禁していた事実が明かされており、ロゴス狩りの最中で再会した際にその詰めの甘さを遠回しに嘲笑され、以前からファンの間で評されていた「アズラエルの方が盟主としては上」という有様が明確に描かれることとなった。
関連タグ
類似人物
- ハリ・ジャガンナート:来歴が一切明かされない点が共通する劇場版登場のコーディネイターの過激派。
- フォンセ・カガチ、アウラ・マハ・ハイバル:カリスマをほとんど示せなかったガンダムシリーズの黒幕繋がり。前者は操り人形として扱う女王マリア・ピァ・アーモニアに焦点を当ててる理由で出番が非常に少なかった模様。後者はハリ・ジャガンナートと同じく劇場版に登場し、レクイエムを修復して使用する。
- フィクス・ブラッドマン:キョウジ・カッシュと同じネオジャパンの人物の声優が演じる新地球連邦の総司令官。スーパーロボット大戦Zにてジブリールと共演した。