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ギルバート・デュランダル

ぎるばーとでゅらんだる

ギルバート・デュランダルとは、TVアニメ「機動戦士ガンダムSEEDDESTINY」の登場人物。同作に於けるキーマンの一人である。
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CV:池田秀一

概要

パトリック・ザラ亡き後、新たに就任したプラントの最高評議会議長。
第1次連合・プラント大戦直後は、アイリーン・カナーバが一時臨時議長を務めていたが、戦後に締結された「ユニウス条約」がプラント側にとって不利な内容であった為に評議委員を辞職する事になり、その後釜として就任している。

前々議長であるシーゲル・クラインと同じく「穏健派」に属する人物で、ナチュラルへの偏見や差別意識等は一切持たず、地球側との融和策を採り、戦争の痛手で混迷するプラントをまとめ上げる等、就任早々より辣腕を振るっている為、市民からの信望も篤い。
開戦後も実質的なザフト側の戦争指導を行いながらもあくまで平和主義者として振舞いつづけ、ついには多くの地球の人々の支持をも集める卓抜した政治手腕を持つ。

本職(プラントの評議会議員は選挙による指名制である)は遺伝子工学の権威であり、スーパーコーディネイターを生み出そうとしたコロニー「メンデル」に在籍していた経歴を持つ。
「人は自分を知り、精一杯できることをして役立ち、満ち足りて生きるのが一番幸せであり、争うこともなくなる」という思想を持ち、遺伝子工学によってそれを実現する人類救済計画「デスティニー・プラン」の実現を目指している。

人物(以下、ネタバレ)

人格者としてナチュラル・コーディネイターを問わずカリスマ的な支持を集めており、実際彼の言動は平和を願う彼の本心からのものである。
しかしその裏側には、自分は人類の本質、あるべき姿を知っているという遺伝子工学者としての増長、対して人類は愚かで何も知らないと見下す傲慢さ、そして自身の理想を実現させるためならば如何なる犠牲も厭わないという非情さを持つ、常軌を逸した思想家の側面が隠されている。

劇中で発生する多くの悲劇を事前に把握しながらも阻止に動かず、それどころか裏から支援することで残虐行為を誘発し、事が起こってから批判する側に回り、迅速に対応してみせることで支持を集めるマッチポンプ的な手法を用いているらしい描写がある(元からある火種を利用しているだけとはいえ)など、決して清廉潔白でもない。
対人関係においても、ユニウスセブンの脱走兵やロゴスのように平和に仇なそうとするものだけでなく、無辜の人物であっても自らの理想の邪魔になる可能性がある者であれば先制的に暗殺者を差し向けるなど一切容赦せず、自分の理想に協力的な人物に対してさえその思考を誘導したり、行動を束縛するように動くなど、人を駒とみなしている。

しかし、劇中でクライン派から見た形で描写される、彼の非人道的ともいえる所業の数々はあくまで目の前の正義や個人の感情に拘泥していないだけのことであり、彼自身は最後まで理想主義を貫いていた。
彼の徹底して理性に基づいた行動は、曖昧で感情的なクライン派の行動とは対比となっており、単純にどちらが正しいとか間違っているとかと言い切れるものではない。

雑誌コラム『SEED RGB DESTINY』においては、第2次連合・プラント大戦世代の老人がベルリンを訪れる一幕において、「DESTINY」後も幾つかの戦争は発生した事が語られている。また、「天空の皇女」に登場するフェアネス・ツヴァイクレのように、デュランダルの死後もデスティニープランを肯定する人物は現れている。

この為にデュランダルに関しても、SEED作品の登場人物らしく色んな意味でファンの間で評価が分かれるところとなっている。

主な人間関係

議長在任以前にはパトリック・ザラが推進する、コーディネイターの出生率低下対策に携わっており、そこでラウ・ル・クルーゼレイ・ザ・バレルに出会っている。
前大戦の黒幕であるクルーゼとは、彼の正体だけでなく狂気の一端までもを知りうる間柄であったとみられる。

腹心であるレイ・ザ・バレルはクルーゼと同じ遺伝子(アル・ダ・フラガ)から生まれたクローンであり、クルーゼの死により唯一の肉親と呼べた存在を失ったレイを父のように導き、結果レイからは自らデュランダルの駒たるを望むほど心酔されている。
しかしデュランダルは彼を「レイ・ザ・バレルという個人」としてよりも「クルーゼの身代わり」として見ていた側面が強い。 レイはデュランダルの教えにより、自分を「あってはならない不幸な存在」と捉えて否定し、デュランダルに精神的に依存することを余儀なくされていた。
レイとキラ・ヤマトの舌戦の中で放たれた言葉や、最後の発砲からは、彼が決して本心からデュランダルの思想に賛同していなかったことが窺える。(但し、彼と最期を共にしたことからも親愛の情は確かなものだったようである)

主人公のシン・アスカに対しては、彼の遺伝子情報をもとにその芽が出る前から目をつけており、最新鋭機を常に与え、数々の軍機違反を不問にして最終的に特務隊「FAITH」の権限も与えるなど重点的に接触して彼の支持を取り付けている。
シンはデュランダルの理想に共感しながらもオーブやアスランと戦うことに疑問を抱いていたが、レイとの友情までもを利用するデュランダルによって戦うことだけを考えるよう巧みに誘導され、望まない戦いに身を投じることとなる。

また、前大戦のエースパイロットであるアスラン・ザラが、カガリの側近として「戦争が迫りつつあることを知りながら、パトリック・ザラの息子である自分は身分を隠して何もしていない」という焦燥感にとらわれていることを、カガリや彼の友人らよりも先に気づき、(偽名ではなく)アスランとして接してFAITHの権限と専用の機体を与える厚遇によって彼を篭絡することに成功する。
しかしアークエンジェル撃沈によってアスランが自分に反感を抱いたことに気づくと直ちに暗殺に移っている。

前回の大戦を通じて絶大な支持を集めるも姿をくらましていたラクス・クラインの影響力を利用することをもくろみ、ラクスと似た歌唱力を持つミーア・キャンベルを整形手術で彼女に似せて、自分に都合のいい発信を行う「偽のラクス」を生み出す。
彼女の似姿を用いて民衆を扇動するだけにとどまらず、本物のラクスには暗殺部隊を差し向け、のちに偽物疑惑が浮上するとすぐにミーアの暗殺に踏み切っている。

来歴

過去

遺伝子工学者時代、デュランダルはクルーゼやレイと親交を結ぶ中で、遺伝子によって人の運命を決めることで人類救済を目指す「デスティニープラン」を考案する。
これは「科学によって人は完全なる幸せを得られる」という思想に基づいていたが、「コーディネイターの英知ならばあらゆる問題を解決できる」と断じていたパトリック・ザラの思想と紙一重とも言える。
後にミネルバの艦長に就任するタリア・グラディスとは当時恋仲であったが、デュランダルの思想に関してタリアは心から賛同出来ずにいた。

その後タリアとデュランダルは結婚を考えるが、コーディネーターは遺伝子の書き換えにより世代を重ねるほど子供が生まれにくくなるという問題を抱えており、遺伝子の相性が悪い彼らの結婚はプラントの行う婚姻統制によって認められなかった。
タリアはオーブ連合首長国に移住してでもデュランダルと共に生きる事を望んだが、自らの理想を叶えるにはプラントにいなくてはならないと考えていたデュランダルは拒否。子供を望んでいたタリアは別の男性と結婚し、別れを選ぶ事になった。

愛する女性との別れは彼に敗北感と、他者の欲望の被害者であるという認識を持たせた。
同様に人の欲望の結果、短命のクローンとして生まれてきた絶望の末に世界を滅ぼそうとし、そして敗れたクルーゼの悲劇を経験し、デュランダルはまったく新しい選択肢を選ぶ。

「初めから『正しい道』を選べば、敗れることはない」。人類すべてに正しい道を提示することで誰もが何も失わない世界を目指すようになる。

本編

C.E.73年、新型試作MSである「セカンドステージシリーズ」の中でも、最も汎用性が高いとされているインパルスガンダムのパイロットとして、ザフトの正規隊員になったばかりの少年、シン・アスカを抜擢する。
当時のシンは成績こそ優秀だが訓練学校時代の上官に逐一反発する問題児で、タリアはシン以上に優秀な成績を収めていたレイ・ザ・バレルがよりパイロットに適しているのではと考えていたが、デュランダルは彼の遺伝子に秘められたパイロットとしての才能、そして「SEED」の資質に目をつけていた。

アーモリーワンでオーブ連合首長国の代表であるカガリ・ユラ・アスハとの対談中にセカンドステージ強奪事件に遭遇、事態の収拾を図るべくミネルバに乗艦し、行動を共にする。
その後ザフトの脱走兵によるユニウスセブン落下事件に際し下艦。 事件後は被害を受けた地球に多大な支援を行うなど戦争回避に奔走するが、ロゴスのロード・ジブリールの意思の下、大西洋連邦が開戦に踏み切るとザフト軍を地球に降下させる事を決定。更にはラクス・クラインの影武者として用意したミーア・キャンベルの演説によって、動揺する市民を抑えるとともに戦争への支持を取り付ける。
一方、面会を望んだアスラン・ザラに対しては、父親の所業に苦悩する彼の心境を理解する言葉を囁き、セイバーガンダムと特務隊「FAITH」の権限を与えた上でザフトへの複隊を促す。
同時期にザフトの特殊部隊による本物のラクス・クラインの暗殺未遂事件が起こっている。のちの彼の言葉からも確実に関与していたと考えられ、ラクスらには確固たる根拠こそないものの議長、ザフトへの大きな疑念を持たせるきっかけとなる。
デュランダルに関するこの疑念はキラたちとの対話を通じてアスランに伝わっていたが、尾行調査を命じられたルナマリア・ホークが独自に隠蔽したためデュランダルはそれを把握できなかった。

ベルリンでのデストロイガンダムによる虐殺事件後は、兼ねてより調べ上げていた地球軍、そしてブルーコスモスを裏から操る軍産複合体「ロゴス」の存在とそのメンバーの情報を公表。彼らを「戦争を引き起こす諸悪の根源」と断罪し、地球・プラント間、ナチュラル・コーディネーター間ではなく、平和を願う人類とロゴスとの戦いであると宣言することで、プラントはおろか戦場となり疲弊していた地球からも圧倒的な支持を得る事に成功する。
なお、デストロイの存在について事前に知っている描写があり、ロゴスの公表をより効果的なものにする為に、ベルリンでの対応を意図的に遅らせ、投入する戦力も故意に少なくしていたことがうかがえる。
また、ロゴス公表に際しては他のプラント最高評議会議員の了承を得ず、独断専行かつ唐突に行われている。他者の意見に形だけでも耳を貸さず、ことを起こして状況を変えてから事後承諾を強制する彼のパターンが如実に表れ始める形でもあった。
ロゴス公表後は、自身の計画の最大の不安要素であるアークエンジェルを排除するエンジェル・ダウン作戦を発動。アークエンジェルこそ取り逃がしたもののフリーダムガンダムの撃破に成功する。

新たな試作機、デスティニーガンダムレジェンドガンダムがロールアウトすると、シンとアスランを呼び出し直接これらを与えるが、この際アスランがデュランダルの方針に疑問を唱えたことでアスランをもはや用済みと判断。
あらぬスパイ容疑をかけて拘束を試みるもとり逃し、アスランがメイリン・ホークを伴いグフを奪って逃走すると、両者の疑いもさだかでない中で強引に撃破命令を下し、レイを通じてシンに彼の戦友と友人を撃破させた。

対ロゴス戦争では市民の支持を背景に元地球軍側を含む地球諸国の大半を自陣側に引き込み、残存するロゴス・ブルーコスモス派の地球軍が立てこもる拠点、ヘブンズ・ベースを攻略。
次いで1人逃亡したロード・ジブリールを捕縛する名目で、オーブ連合首長国にも軍を差し向け、ユウナ・ロマ・セイランの浅はかな回答を好機と見て一気に侵攻する。
オーブ攻略は当初順調に進んだが、カガリがオーブに帰還、指揮権を取り戻しアークエンジェルらが介入すると戦局は硬直。攻めあぐねる中ジブリールの脱出疑惑が浮上し、名分と実利が釣り合わなくなったと判断した軍が撤退したため、中断した。

オーブ戦後、オーブにおける実権を取り戻したカガリによるロゴス打倒の反対声明にミーア・キャンベルを用いた緊急放送で対抗しようとするが、カガリ側の声明に「もう一人のラクス」が表れ、はっきりとデュランダルへの非支持宣言を行い、「偽のラクス」が予想外の展開に取り乱したために自身の策謀が露呈してしまう。

この件は人々の間に疑問を植え付けることになったものの、ロゴス・オーブとの対決という大義は変わらず支持されており、デュランダルは衛星基地「メサイア」に移動する。
ラクスの偽物としては用済みとなったミーアはひとまずとどめおき、のちに本物のラクスを暗殺するための道具として利用するが、ミーアがラクスをかばって死亡、またも暗殺に失敗する。

月からの反攻を企図するロード・ジブリールが月の巨大兵器レクイエムでプラント「ヤヌアリウス」と「ディセンベル」を崩壊させると、即座に対応する形でミネルバ隊を中心とする戦力を月に派遣し、さらなるプラントの破壊の阻止とジブリールの抹殺、レクイエムの奪取に成功。
修復したレクイエムを勧告無しで発射し、見せしめのように大西洋連邦の大統領もろともアルザッヘル基地を破壊。

ロゴス・ブルーコスモス派の殲滅に成功し、人々の間で「本当に戦争を終わらせる」という機運が高まるのに乗じて、ついにデスティニープランの導入を宣言。
修復したレクイエムと新たにメサイアに建造したネオジェネシスの二つの大量破壊兵器を伴い、オーブを破壊して世界を自身の理想の下に統一しようとする。
オーブ軍に集結した反対勢力との決戦では味方もろともネオジェネシスを発射するなど前大戦のパトリック・ザラ同様のなりふりをかまわない狂気を露わにするも、イザーク・ジュールら一部のザフト軍の離反もあってオーブ軍の排除に失敗。
レクイエムを防衛しきれずオーブ攻撃は頓挫。さらにメサイアをも破壊されて敗北する。


ラストシーンでは、崩壊しゆくメサイアの中で、自身の計画の最大の障壁であり続けたキラと始めて対峙し、彼に世界を割る覚悟を問った。

「だが、君の言う世界と、私の示す世界。皆が望むのはどちらかな?」

銃口を向けあいながらも言葉による対決となり、互いに自分を曲げることはなかったが、対話は決裂。両者が引き金に力を籠める。


瞬間、デュランダルはその運命を弄び続けてきたレイの凶弾に斃れた。


レイの裏切りはデュランダルの過ちの証明であり、敗北を意味した。
キラは去り、倒れたデュランダルは、崩れ落ちたレイと、駆け付けたタリアと共に、崩壊するメサイアの爆風に消えていったのであった。


評価

「謀略家」としての側面

ミーア・キャンベルラクス・クライン影武者として擁立した一件を筆頭に、ベルリンでの対デストロイ戦におけるアークエンジェルとの共闘の記録映像の改竄、終盤におけるレクイエムの修復および運用など、何かと彼の行動には「目的の為に平然と他者を犠牲にする謀略家」としての側面が付きまとう部分が元々多かった。
しかし特に終盤の彼の行動は、それまでと比較しても急に武力頼りで短絡的とも言えるものになっており、結果としてアスランを離反させたり、連合とのレクイエム攻防戦にてプラントへの攻撃を防ぐべく尽力したイザークディアッカらジュール隊の反乱を招くなど、最悪の結果をもたらしている(詳しくは後述)。

デスティニー・プラン

その全貌が劇中で語られる事は無く、放送後のインタビュー等で語られた情報にも矛盾が生じるなど、依然として不明瞭なものであるが、遺伝子情報からその人間の適切な社会的役割を見出す事で人類社会の効率化を図る政策である事はどの情報でも共通している。
キラ・ヤマトらは、人間の天職を見出すのではなく、最初から特定の役割を担わせるために遺伝子を操作された人間が生み出されることを危惧してこれに反発したのだが、デュランダルがキラ・ヤマトと対峙した際にも、両者の間でデスティニープランについて語られる事は全く無く、そもそもにして彼のディスティニー・プランの提唱そのものが、物語的にはかなり唐突なものだった。
詳しくは当該記事を参照のこと。

ファンからの評価

議長が「デスティニープラン」を考案した理由には、彼の略歴と過去も関わっていると考えられる。

過去の経歴に関する記述にあるように、彼は「進化しすぎた遺伝子技術が原因で恋人と親友を失った」過去を背負っていたのである(その点では、彼もこの大戦の加害者であり、被害者でもあると言えるのかもしれない) 。
これらの出来事が彼の大きなトラウマとなり、遺伝子によって人の役割を決めてしまえば自身のような悲しみを背負う人間もいなくなり、人間の欲望も統制されて争いの火種もなくなるだろう、と結論付け、 「人類は統制されなければ平和を維持できない」と考え、導入、実行しようとしたのである。

ただし、人間が「感情」のある生き物である事を無視して「個人の自由」を奪う計画であった為に、いずれにせよ反対意思を生まれない様にするのは皆無であったと言わざるを得ないのも事実である。
また、ブルーコスモスの支持母体とはいえ、世界中の企業を支える「資本」としての役割も担っていたロゴスを、「人類の敵」として一方的に糾弾して壊滅させた行動も、理想実現の為とはいえ非常に性急かつ問題なものだった(そもそも、デュランダルのロゴスを悪とする論調に、誰も反発も疑問も抱かないどころか、むしろ多くの人間が迎合した事自体が問題である)。
事実ロゴスの壊滅後、地球で世界規模の経済恐慌や企業の倒産、失業率の増大、暴動を引き起こす原因になってしまい、反対にプラント側の打撃は極めて少ない事から、ユニウス戦後のナチュラル側のコーディネイターへの反感は高めてしまっており、その結末はむしろロード・ジブリールを始めとするブルーコスモスにとって都合の良い状況になってしまっている。

さらに役職故か「人間」を「遺伝子」という枠でしか測れておらず、キラを「MSパイロットでいる事が一番幸せでその役割を果たせないから不幸」と断じている。このキラのケースだけでもキラを不幸と考える視点がアスランやラクス、カガリと大きくかけ離れており、アスランがデュランダルを見限る要因にもなっており、後にアスランに対しても「キラと出会ったのを不幸」と断言しており、「キラもカガリもアスランのMSパイロットの機能を阻害するバグ」程度にしか見ていない。

しかし、その政策や考え方の良し悪しは別として、彼の行動は決して私利私欲の為ではなく、あくまで世界の平和を維持させる目的や疲弊しきった世界を確実な平穏に導く為の必要悪や、平和という物に対する一つの答えとも取れ、肯定的意見も決して少なくない。(これはシャアなどを肯定する視聴者と大差がないが)

私利私欲ではないと言う意見もあるが実際のところは典型的な私利私欲である。彼の場合は自分が得た遺伝子関係の知識が絶対と言う前提で有り自分の知の正しさを証明する手段がデスティニー・プランである事が私利私欲になってしまってる。当たり前だが遺伝子はそこまで万能ではないし私利私欲ではないとするならば自分以外の専門家たちとの協議を行い、そこで遺伝子がそこまで万能な判断材料ではない事に気づく。更に問題として自分を最優先してくれなかったタリアの存在から更に思想が強固な方向に向かっていっている事からも自分の知と才を証明したいと言う意識が有ったと言う点である。

デスティニー・プランは個人の感情、意志よりも遺伝子でみた適正を押し付けるディストピアなのだが最大の矛盾はそれを提唱しているデュランダル自身はデスティニー・プランを行うものとして最適な調整をされることなく誕生している、そして己の思想(個人の感情)が全開で他に犠牲を強いる独裁者(怪物)と言う点である

しかしその一方で、そもそもデスティニー・プランの詳細が明かされていない事や、それが作中で提示されたのも割と唐突だった事、そもそも序盤の理知的で政略に長けたキャラクターっぷりとは対照的に、特に終盤は唐突に武力一辺倒に頼ってやけに性急に事を進めては事態を悪化させるキャラになった事から、デスティニー・プランを初めとした展開そのものが、デュランダルを終盤の尺の中で、絶対にキラ達が相容れない倒すべきラスボスにする為のものだったのではないかという指摘も多い(これ以外にも本作の終盤は、おそらく脚本上の尺の都合で物語を強引に進めた弊害と思しき唐突な展開が多数見受けられる)。
また序盤でも、ラクスやキラ達を暗殺すべく刺客を放ったのが彼だと後に明かされたのだが、これが後付けなのか当初からの設定なのかは不明なものの、当初からの設定にしてはあのタイミングでデュランダルがラクスやキラを暗殺しようとする事自体の動機が不明瞭である(ミーアという偽物を擁立する為や政敵を倒す為だったにしても、あのタイミングでラクス派に手を出すのは明らかにリスクの方が高い)。

Gジェネレーションシリーズ

『PORTABLE』にデビューして以来、着実に参戦。

スーパーロボット大戦シリーズでは

最終的に決裂してしまうものの自軍部隊には概ね好意的な人物として描かれている。
デスティニープランに関しても「人類を守るために必要な才能を見つけ出す」という解釈がされている。
また、イオリア・シュヘンベルグに匹敵するほどの予見をしていたりもする。

余談

中の人が中の人なので、「通常の3倍な赤いモビルスーツでキラと戦うに違いない」と期待されていたが、結局その期待が実現することはなかった。
そもそも劇中では戦闘の指揮を取ってはいたものの、MSに乗ったことも直接戦闘に参加したことも無い (そもそも彼は池田秀一氏のキャラとしてはシャアよりも同じ監督の作品であるサイバーフォーミュラ名雲京志郎のセルフオマージュ的側面が強い) 。
ただ、外部出演のスーパーロボット大戦Zではタリアのミネルバに同席しており(メインはタリア)、クワトロからの特殊台詞が用意されている。

一方で、プロパガンダ、演説、指揮のみで直接戦闘は無し、人類管理、身内に撃たれるなど、どこか機動戦士ガンダムに於けるギレン・ザビを髣髴とさせる材料を持ち合わせている。

関連人物

ラウ・ル・クルーゼ…親友
レイ・ザ・バレル…腹心の部下にして息子のような存在
タリア・グラディス…遺伝子上の相性から破局したが、彼が唯一愛した女性
ミーア・キャンベル…彼が用意したラクスの影武者
シン・アスカ…「見どころのある若手」としていろいろと目を掛ける
ラクス・クライン…真逆の発想を持った政敵
キラ・ヤマト…ラクス一派の武力の要として敵対
アスラン・ザラ…過大評価の結果良くも悪くも制御しきれなかった節がある

ガンダムシリーズで似たポジションのキャラクター

キャスバル・レム・ダイクンシャア・アズナブル/クワトロ・バジーナ)…中の人繋がり
フル・フロンタル中の人繋がり
リボンズ・アルマーク

関連項目

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
政治家 カリスマ

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