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ギルバート・デュランダル

ぎるばーとでゅらんだる

ギルバート・デュランダルとは、TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。同作に於けるキーマンの一人である。
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「思いがあっても結果として間違ってしまう人はたくさんいる。またその発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くとも限らない。受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね」


プロフィール編集

人種コーディネイター
誕生日C.E.41年11月19日
星座さそり座
年齢32歳
血液型AB型
身長183cm
体重69kg
趣味チェス
CV池田秀一

概要編集

パトリック・ザラ亡き後、新たに就任したプラント最高評議会議長。

第1次連合プラント大戦直後はアイリーン・カナーバが一時臨時議長を務めていたが、戦後に締結された「ユニウス条約」がプラント側にとって不利な内容であった為に評議委員を辞職する事になり、その後釜として就任している。そのため、C.E.72年4月から議長の座についており、議長の任期は一年なのにもかかわらずC.E.73年10月以降も議長であったことから、C.E.73年4月1日の議長選挙で再任された可能性が高い。


前々議長であるシーゲル・クラインと同じく「穏健派」に属する人物で、ナチュラルへの偏見や差別意識等は一切持たず、地球側との融和策を採り、戦争の痛手で混迷するプラントをまとめ上げる等、就任早々より辣腕を振るっている為、市民からの信望も篤い。

開戦後も実質的なザフト側の戦争指導を行いながらもあくまで平和主義者として振舞いつづけ、ついには多くの地球の人々の支持をも集める卓抜した政治手腕を持つ。


本職(プラントの評議会議員は選挙による指名制)は遺伝子工学の権威であり、コロニー・メンデルに在籍していた経歴を持つ。

「人は自分を知り、精一杯できることをして役立ち、満ち足りて生きるのが一番幸せであり、争うこともなくなる」という思想を持ち、遺伝子工学によってそれを実現する人類救済計画「デスティニープラン」の実現を目指している。


人物(以下、ネタバレ)編集

彼は本心から平和を願っている。しかしその一方で、自分は人類の本質、あるべき姿を知っているという遺伝子工学者としての増長、対して人類は愚かで何も知らないと見下す傲慢さ、そして自身の理想を実現させるためならば如何なる犠牲も厭わないという非情さを持つ、常軌を逸した思想家の側面も持つ。


劇中で発生する多くの悲劇を事前に把握しながらも阻止に動かず、それどころか裏から支援することで残虐行為を誘発し、事が起こってから批判する側に回り、迅速に対応してみせることで、プラントだけなく、地球の民衆からも支持を集めるというマッチポンプ的な手法を用いている描写がある(元からある火種を利用しているだけとはいえ)など、決して清廉潔白でもない。

対人関係においても、ユニウスセブンの脱走兵やロゴスのように平和に仇なそうとするものだけでなく、無辜の人物であっても自らの理想の邪魔になる可能性がある者であれば先制的に暗殺者を差し向けるなど一切容赦せず、自分に協力的な人物に対してさえその思考を誘導したり、行動を束縛するように動き、自分の認めた役割を果たす者にしか用はなく使えないと見れば殺害を図るなど、人を駒とみなしている。


アスラン・ザライザーク・ジュール達からはこの本性を察知された事で離反され、盲信して付き従っていたシン・アスカを含めたミネルバ隊からも強引且つ性急な手段に疑念を抱かれてしまい、軍全体の纏まりが無く、士気が低いまま迎えた最終決戦はザフト側の敗北に終わり、彼自身もこれまでのしっぺ返しの如く、腹心のレイ・ザ・バレルに撃たれる最期を迎えてしまった。


しかし、思想と手段、末路はどうであれ最小限の犠牲で戦争のない世界を実現しようとした姿勢は、単純に正しいとか間違っているとかと言い切れるものではない。


雑誌コラム『SEED RGB DESTINY』においては、第2次連合・プラント大戦世代の老人がベルリンを訪れる一幕において、『DESTINY』後も幾つかの戦争は発生した事が語られている。また、「天空の皇女」に登場するフェアネス・ツヴァイクレのように、デュランダルの死後もデスティニープランを肯定する人物は現れている。


また続編『SEED FREEDOM』においてもデスティニープランを提唱したことは大きく世界に刻まれて残っており、既に死してもなお彼の言葉は大きな影響を及ぼしている。。監督は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のキャラクターアーカイブで「プラン自体は悪だとは考えていません。強制されることが問題なのです」と言われている。


この為にデュランダルに関しても、SEED作品の登場人物らしく色んな意味でファンの間で評価が分かれるところとなっている。


主な人間関係編集

議長在任以前にはパトリック・ザラが推進する、コーディネイターの出生率低下対策に携わっており、そこでラウ・ル・クルーゼとレイに出会っている。前大戦の黒幕であるクルーゼとは、彼の正体だけでなく狂気の一端までもを知りうる間柄であったとみられる。


腹心であるレイはクルーゼと同じ遺伝子(アル・ダ・フラガ)から生まれたクローンであり、クルーゼの死により唯一の肉親と呼べた存在を失ったレイを父のように導き、結果レイからは自らデュランダルの駒たるを望むほど心酔されている。

しかしデュランダルはクルーゼの死後、彼に「君もラウだ」と言っており、「レイ・ザ・バレルという個人」としてよりも「クルーゼと同一の存在」として見ていた側面が強いと思われる。 レイはデュランダルの教えにより、自分を「あってはならない不幸な存在」と捉えて否定し、デュランダルに精神的に依存することを余儀なくされていた。

レイとキラ・ヤマトの舌戦の中で放たれた言葉や、最後の発砲からは、彼が決して本心からデュランダルの思想に賛同していなかったことが窺える(但し、彼と最期を共にしたことからも親愛の情は確かなものだったようである)。

ちなみに、レイに撃たれた心情を監督は「"仕方ない"という感じでしょうね。驚いたとは思いますが、そういう事もあるか、これも運命か、と」とデュランダルの思いを語っている。


主人公のシンに対しては、彼の遺伝子情報をもとにその芽が出る前から目をつけており、最新鋭機を常に与え、数々の軍機違反を不問にして最終的に特務隊「FAITH」の権限も与えるなど重点的に接触して彼の支持を取り付けている(なお、それによって起こるシンの増長、アスランとの不和等の諸問題はタリア・グラディスに丸投げしている節はあるが…)。シンはデュランダルの理想に共感しながらもオーブ連合首長国やアスランと戦うことに疑問を抱いていたが、レイとの友情までもを利用するデュランダルによって戦うことだけを考えるよう巧みに誘導され、望まない戦いに身を投じることとなる。


また、前大戦のエースパイロットであるアスランが、カガリ・ユラ・アスハの側近として「戦争が迫りつつあることを知りながら、パトリック・ザラの息子である自分は身分を隠して何もしていない」という焦燥感にとらわれていることを、カガリや彼の友人らよりも先に気づき、(偽名ではなく)アスランとして接してFAITHの権限と専用の機体を与える厚遇によって彼を篭絡することに成功する。しかしエンジェルダウン作戦によってアスランが自分に反感を抱いたことに気づくと直ちに暗殺に移っている。


前回の大戦を通じて絶大な支持を集めるも姿をくらましていたラクス・クラインの影響力を利用することをもくろみ、ラクスと声が似ているミーア・キャンベルを整形手術で彼女に似せて、自分に都合のいい発信を行う「偽のラクス」を生み出す。彼女の似姿を用いて民衆を扇動し、支持を集めるだけにとどまらず、本物のラクスには暗殺部隊を差し向ける。後に偽物疑惑が浮上するとすぐにミーアをコペルニクスに幽閉、ラクス暗殺に利用した。



来歴編集

過去編集

C.E.55年頃にコロニー・メンデルに勤務していたとされる。パトリック・ザラの推し進めるコーディネイターの出生率低下対策に従事していた。また、勤務当時からデスティニープランを構想しており、その構想ノートが残っていた。

これは「科学によって人は完全なる幸せを得られる」という思想に基づいていたが、「コーディネイターの英知ならばあらゆる問題を解決できる」と断じていたパトリック・ザラの思想と紙一重とも言える。


後にミネルバの艦長に就任するタリア・グラディスと恋仲になるが、デュランダルの思想に関してタリアは心から賛同出来ずにいた。

その後タリアとデュランダルは結婚を考えるが、コーディネーターは遺伝子の書き換えにより世代を重ねるほど子供が生まれにくくなるという問題を抱えており、遺伝子の相性が悪い彼らの結婚は婚姻統制を敷くプラントにおいては認められなかった。

  • タリアとデュランダルの別れについてはメディアによって描かれ方が異なっており、アニメ版(正史)では「子供が欲しいと強く望んでいたタリアのためにデュランダルが身を引いた」と表現されており、漫画・岩瀬昌嗣版では、タリアはオーブ連合首長国に移住してでもデュランダルと共に生きる事を望んだが、自らの理想を叶えるにはプラントにいなくてはならないと考えていたデュランダルが拒否したため、子供を望んでいたタリアは別の男性と結婚し、別れを選ぶ事になったと描かれている。

愛する女性との別れは彼に敗北感と、他者の欲望の被害者であるという認識を持たせた。


同様に人の欲望の結果、短命のクローンとして生まれてきた絶望の末に世界を滅ぼそうとし、そして敗れた盟友ラウ・ル・クルーゼの悲劇を経験し、そして彼と同じ遺伝子とその悲哀を背負うレイ・ザ・バレルの身元を引き受け、デュランダルはクルーゼとは違うまったく新しい選択肢を選ぶ。


「初めから『正しい道』を選べば、敗れることはない」。人類すべてに正しい道を提示することで誰もが何も失わない世界を目指すようになる。

「ならば次は間違えぬと、確かに言えるのか?君は」


DESTINY編集

C.E.73年、新型試作モビルスーツである「セカンドステージシリーズ」の中でも、最も汎用性が高いとされているインパルスのパイロットとして、ザフトの正規隊員になったばかりの少年シン・アスカを抜擢する。

当時のシンは成績こそ優秀だが訓練学校時代の上官に逐一反発する問題児で、タリアはシン以上に優秀な成績を収めていたレイ・ザ・バレルがよりパイロットに適しているのではと考えていたが、デュランダルは彼の遺伝子に秘められたパイロットとしての才能、そして「SEED」の資質に目をつけていた。


アーモリーワンでオーブの代表であるカガリ・ユラ・アスハとの対談中にセカンドステージ強奪事件に遭遇、事態の収拾を図るべくミネルバに乗艦し、行動を共にする。

友好国とはいえ他国の代表を最新鋭戦艦に招くというのは普通あり得ないのだが…ミネルバ艦長タリア・グラディスとデュランダルは「深い仲」であり実質デュランダルはミネルバを私物化している。

その後ザフトの脱走兵によるユニウスセブン落下事件に際し下艦。事件後は被害を受けた地球に多大な支援を行うなど戦争回避に奔走するが、ブルーコスモス盟主かつロゴスでもあるロード・ジブリールの意思の下、大西洋連邦が開戦に踏み切るとザフト軍を地球に降下させる事を決定。更にはラクス・クラインの影武者として用意したミーア・キャンベルを使い、再び核を撃たれた事実に怒りや抗議の声を上げる市民たちの気持ちを静めることに成功する。

一方、面会を望んだアスラン・ザラに対しては、父親の所業に苦悩する彼の心境を理解する言葉を囁き、セカンドステージ最後の1機セイバーと特務隊「FAITH」の権限を与えた上でザフトへの複隊を促す。

同時期にザフトの特殊部隊による本物のラクスの暗殺未遂事件が起こっている。これはキラ・ヤマトフリーダムを使用されたことで未遂に終わり、部隊は機密保持のため自爆したので真相は闇の中だが、後の彼の言葉からも確実に関与していたと考えられる(本物が生きているといずれ世間に自分といるラクスが偽物な事がバレる可能性があるのだから当然の行動だろう)。ラクスらには確固たる根拠こそないが、ミーアの件も相まって彼と彼をトップとするザフトへの大きな疑念を持たせるきっかけとなる。

デュランダルに関するこの疑念はキラたちとの対話を通じてアスランに伝わっていたが、タリアに尾行調査を命じられたルナマリア・ホークがタリアに隠蔽を命じられたためデュランダルはそれを把握できなかった(見方によっては、タリアがルナマリアの身の安全を守ったと言える)。


ベルリンでのデストロイによる虐殺事件後は、兼ねてより調べ上げていた地球軍、そしてブルーコスモスを裏から操る軍産複合体ロゴスの存在とそのメンバーの情報を世界中に公表。彼らを「戦争を引き起こす諸悪の根源」と断罪し、地球・プラント間、ナチュラル・コーディネイター間ではなく、平和を願う人類とロゴスとの戦いであると宣言することで、プラントはおろか戦場となり疲弊していた地球からも圧倒的な支持を得る事に成功する。なお、デストロイの存在について事前に知っている描写があり、ロゴスの公表をより効果的なものにする為に、ベルリンでの対応を意図的に遅らせ、投入する戦力も故意に少なくしていたことがうかがえる。また、ロゴス公表に際しては他のプラント最高評議会議員の了承を得ず、独断専行かつ唐突に行われている。他者の意見に形だけでも耳を貸さず、事を起こして状況を変えてから事後承諾を強制する彼のパターンが如実に表れ始める形でもあった。


ロゴス公表後、自身の計画の最大の不安要素であるアークエンジェルを排除する(という名目で、デュランダルとしてはキラの排除を目的とする)エンジェル・ダウン作戦を発令。アークエンジェルこそ取り逃がしたもののフリーダムの撃破に成功する。


新たな試作機「サードステージシリーズ」のデスティニーレジェンドがロールアウトすると、シンとアスランを呼び出し直接これらを与えるが、この際アスランがデュランダルの方針に疑問を唱えたことでアスランをもはや用済みと判断。あらぬスパイ容疑をかけて拘束を試みるもとり逃し、アスランがメイリン・ホークを伴いグフイグナイテッドを奪って逃走すると、両者の疑いも定かでない中で強引に撃墜命令を下し、レイを通じてシンに彼の戦友と友人を撃墜させた(もっとも、これについてはメイリンがザフトのホストコンピュータに撹乱のためにハッキングを仕掛けた記録が残っており、レイとデュランダルが彼女をと見なした根拠をタリアが覆せず押しきられた形になる)。


対ロゴス戦争では市民の支持を背景に元地球軍側を含む地球諸国の大半を自陣側に引き込み、残存するロゴス・ブルーコスモス派の地球軍が立てこもる拠点、ヘブンズ・ベースを攻略。

次いで1人逃亡したジブリールを捕縛する名目でオーブにも軍を差し向け、ユウナ・ロマ・セイランの浅はかな回答を好機と見て一気に侵攻する。オーブ攻略は当初順調に進んだが、カガリがオーブに帰還、指揮権を取り戻しアークエンジェルらが介入すると戦局は硬直。攻めあぐねる中ジブリールの脱出疑惑が浮上し、名分と実利が釣り合わなくなったと判断した軍が撤退したため、中断した。


オーブ戦後、オーブにおける実権を取り戻したカガリによるロゴス打倒の反対声明に対し、ミーアを用いた放送で予定通りに対処するが、カガリ側の声明にオーブにいないはずの「本物のラクス」が表れる想定外の事態に直面し、ラクスにデュランダルへの非支持宣言を行われてしまう。


この件は人々の間に疑問を植え付けることになったものの、ロゴス・オーブとの対決という大義は変わらず支持されており、デュランダルは衛星基地「メサイア」に移動する。

ラクスの偽物としては用済みとなったミーアはコペルニクスに身を隠させ、のちに本物のラクスを暗殺するための道具として利用するが、ミーアがラクスをかばって死亡、またも暗殺に失敗する。


月からの反攻を企図するロード・ジブリールが月の巨大兵器レクイエムでプラント「ヤヌアリウス」と「ディセンベル」を崩壊させると、即座に対応する形でミネルバ隊を中心とする戦力を月に派遣し、さらなるプラントの破壊の阻止とジブリールの抹殺、レクイエムの奪取に成功する。

ちなみに、レクイエムの元々の標的はプラント最高評議会のあるプラント首都「アプリリウス」であり、彼も本来であればそこにいたはずだったが、ロゴス打倒の指揮を執るという建前でプラント国防委員会の仕事を優先して評議会に出向いていなかったため難を逃れていた。レクイエムに対する彼の反応も考慮するとレクイエムがプラントへ放たれ被害が出ることさえも想定していたことがうかがえる。

また、この一件によりプラント内の反ロゴス感情が高まったため、ミーアを使っていたことに対する不信感は一時的とはいえ払拭されることになった(他者から指摘されて気にする程度)。


ロゴス・ブルーコスモス派の殲滅に成功し、人々の間で「本当に戦争を終わらせる」という機運が高まるのに乗じて、ついにデスティニープランの導入を宣言する。

この宣言に対して反抗の意志を示し、独断で部隊を展開した大西洋連邦の軍部の動きを口実として、修復したレクイエムを勧告無しで発射し、見せしめのように大西洋連邦の大統領もろともアルザッヘル基地を破壊する。この時、大統領は軍部の暴走についてデスティニープランに対する相談も込みで彼にコンタクトを取ろうとしていたが、レクイエムを撃つための丁度良い機会だったため敢えて無視した。


これを目撃したオーブ国防軍が国防の観点からレクイエムを破壊せざるを得なくなったことで侵攻を開始するも、それさえ口実としてデスティニープランに反対しているオーブをレクイエムで撃とうとする。オーブ国防軍に集結した反対勢力との決戦(メサイア攻防戦)では、戦闘の早期決着のためにレクイエムでオーブを撃つことを最優先としたため、レクイエムの砲門前にいた敵勢力を味方もろともネオジェネシスで薙ぎ払うという、前大戦のパトリック同様のなりふりをかまわない姿勢を露わにする。

アーサー「ああっ!マルベースとブルトンが!?」

タリア「(ギルバート、あなた…!!)」

味方のナスカ級を犠牲にしたこの暴挙にはこれまで彼に付き従っていたザフト軍にも激震が走った。

ただでさえ一部のプラントを崩壊させたレクイエムを修復するどころか使用したために対内的な心象が悪化していた上に、前大戦の悪夢であるジェネシスまで持ち出したことでイザーク・ジュールら一部のザフト軍の離反に遭い、オーブ国防軍の排除に失敗する。結果、レクイエムを防衛しきれずオーブ攻撃は頓挫。さらにメサイアをも破壊されて敗北する。


ちなみに、この場面における最適解はゴンドワナ級が現着するまでの時間稼ぎであり、ゴンドワナ級さえ駆けつければ圧倒的な数のMSと戦艦によりオーブ国防軍を蹂躙することができた。しかし、予想外にストライクフリーダム(キラ)の侵攻が早く、彼がキラを過剰に警戒していたために早期決着を急いてしまったことが敗因となった。一方、オーブ国防軍側も電撃作戦による短期決戦にしか勝機が無いことは認識しており、その時間稼ぎの一環としてレクイエムの中継ステーションを破壊した他、旗艦であるエターナルを囮にしてまでレクイエム本体の破壊を優先していた。それでも、オーブを標的としたレクイエムの発射寸前までは漕ぎつけていたため完全な悪手とは言い難く、デスティニーがあと10秒でもインフィニットジャスティスを足止めできていれば、あるいはインフィニットジャスティスとアカツキがネオジェネシスの照射を間一髪で躱すようなことがなければ彼が勝利していた。


大勢は決した。しかし、まだ彼とキラ・ヤマトの勝負は終わっていない。


崩壊してゆくメサイアの中で、自身の計画の最大の障壁であり続けたキラ・ヤマトと初めて対峙し、彼に世界を割る覚悟を問いた。


「だが、君の言う世界と、私の示す世界。皆が望むのはどちらかな?」


銃口を向けあいながらも言葉による対決となり、互いに自分を曲げることはなかったが、対話は決裂。両者が引き金に力を籠める。だが、レイが後ろからキラ・ヤマトを狙っていた。

勝利を確信するデュランダル。

ミネルバを降り駆けつけたタリアも銃を構えた(リマスター版ではアスランも駆けつけている)。


瞬間、デュランダルはその運命を弄び続けてきたレイの凶弾に斃れた。


土壇場でのレイの裏切りはデュランダルの過ちの証明であり、敗北を意味した。

「…やぁ、タリア。撃ったのは、君か?」

ミネルバを降り駆けつけたタリアの膝に抱かれ、問いかけるデュランダル。人の道を外れた元恋人を殺すため、あるいは、我が子の自由な未来を守るために、タリアが彼を撃った可能性もデュランダルは考えていたのかもしれない。

「いえ。レイよ。」

「あぁ…」

自分が誰に撃たれたのかを理解したデュランダル。その後のレイの「ギル…ごめんな…さい…でも『彼』の明日は…」という言葉を聞き、「…そうか」と返した。(この『彼』とはキラ・ヤマトだと解釈出来るが、レイの友人のシンという解釈も出来る)。


タリアからマリュー・ラミアス艦長への言伝を受け取ったキラ(とアスラン)は去り、倒れたデュランダルは、崩れ落ちたレイや自分を看取ると決めたタリアと共に、崩壊するメサイアの爆風に消えていったのであった。


FREEDOM編集

「望まれて生まれた。世界が望んだ。」


デスティニープランを否定したキラだったが、世界平和監視機構コンパスのヤマト隊の隊長として転戦するも戦争が終わらない現状に加えてデスティニープランの存在そのものがキラを大きく苦しめる存在となる。

なお、メサイアでキラと対峙した時の回想シーンがあるが、こちらは池田氏の再録が行われている。


評価編集

「謀略家」としての側面編集

ミーアをラクスの影武者として擁立した一件を筆頭に、ベルリンでの対デストロイ戦におけるアークエンジェルとの共闘の記録映像の改竄、終盤におけるレクイエムの修復および運用など、何かと彼の行動には「目的の為に平然と他者を犠牲にする謀略家」としての側面が付きまとう部分が元々多く、また物語終盤になると武力頼りの立ち回りにシフトしていった。

とはいえ、大西洋連邦軍部の暴走を口実としてレクイエムを発射することにより、オーブに国防的観点から無理にでもザフトを攻めないといけない理由を作り出すことで、レクイエムをオーブへ撃つ口実まで用意するという狡猾な立ち回りを披露しており、対外的な体裁だけは最後まで保ち続けていた。尤も、対内的な体裁は保ち切れなかったため、前述の通り自組織内の離反・反乱を許してしまい、それが最終的な敗北に繋がった。


デスティニープラン編集

その全貌が劇中で語られる事は無く、放送後のインタビュー等で語られた情報にも矛盾が生じる(というよりは、監督・脚本・設定担当で捉え方が大きく異なる)など、依然として不明瞭なものであるが、遺伝子情報からその人間の適切な社会的役割を見出す事で人類社会の効率化を図る政策である事はどの情報でも共通している。

キラ達は、人々が夢(欲)を抱く自由を禁ずること、人間の理性や善性を軽視していること、人間の天職を見出すのではなく最初から特定の役割を担わせるために遺伝子を操作された人間が生み出されること(キラは「僕達コーディネイターの世界の究極だ」と評した)、逸脱した者を排除する野蛮性を危惧してこれに反発し、デュランダルも崩壊寸前のメサイアにてキラと対峙した際はそれを受けてもなお世界に安寧をもたらすこと自体はできると主張し、意見は平行線となった(後年のキラも「世界に安寧をもたらすことはできる」という一点における正当性に悩まされることとなる)。また、このアイデアを聞いたメンデル時代の同僚が記したノートには「デュランダルの言うデスティニープランは一見今の時代有益に思える。だが我々は忘れてはならない。人は世界のために生きるのではない。人が生きる場所、それが世界だということを。」と書かれていた。

彼のデスティニー・プランの提唱そのものは物語最終盤(第45話)と唐突ではあったが、その根幹となる思想は第29話にて「ならば私が変える!全てを!戻れぬというのなら始めから正しい道を。アデニン、グアニン、シトシン、チミン。己の出来ること、己のすべきこと。それは自身が一番よく知っているのだから」という形で述べられ、第39話で名前が初登場すると同時に批判まで述べられるといったように、物語を通してみると描写が最低限だっただけで段階自体は踏まれている。


ファンからの評価編集

デュランダルが「デスティニープラン」を考案した理由には、彼の略歴と過去も関わっていると考えられる。

過去の経歴に関する記述にあるように、彼は「進化しすぎた遺伝子技術が原因で恋人を失った」過去を背負っていたのである(その点では、彼もこの大戦の加害者であり、被害者でもあると言えるのかもしれない)。これらの出来事が彼の大きなトラウマとなり、遺伝子によって人の役割を決めてしまえば自身のような悲しみを背負う人間もいなくなり、人間の欲望も統制されて争いの火種もなくなるだろう、と結論付け、 「人類は統制されなければ平和を維持できない」と考え、導入、実行しようとしたのである。

ただし、人間が「感情」のある生き物である事を無視して「個人の自由」を奪う計画であった為に、いずれにせよ反対意思を生まれない様にするのは皆無であったと言わざるを得ないのも事実である。


役職故か「人間」を「遺伝子」という枠でしか測れておらず、キラを「MSパイロットでいる事が一番幸せでその役割を果たせないから不幸」と断じている。このキラのケースだけでもキラを不幸と考える視点がアスランやラクス、カガリと大きくかけ離れており、アスランがデュランダルを見限る要因にもなっており、レイとの会話ではアスランのことを「キラと出会ったのは不幸」「アスランも戦士でしかない」と断言している。さらに、レイに対してもクルーゼと同じ存在(遺伝子)という認識を持ちそれを強要したためにキラの付け入る隙を作ってしまいレイの敗北に繋がった他、シンに対しても兵士としてしか扱わずに彼の母国や元上司を撃たせようとしたためにメンタルの不安定化を招いている。総じて、彼の敗因の一つは、人を遺伝子(才能)でしか評価できず、その心情まで考慮することができなかったことに尽きる。一方、「遺伝子」という絶対的かつ客観的指標を重視することから才能に対する審美眼自体は非常に優れており、彼が才能を認めた者たちは総じて大成している。


ブルーコスモスの支持母体とはいえ、世界中の企業を支える「資本」としての役割も担っていたロゴスを、「人類の敵」として一方的に糾弾して壊滅させた行動も、理想実現の為とはいえ非常に性急かつ問題なものだった(そもそも、デュランダルのロゴスを悪とする論調に、誰も反発も疑問も抱かないどころか、むしろ多くの人間が迎合した事自体が問題である)。

事実ロゴスの壊滅後、地球で世界規模の経済恐慌や企業の倒産、失業率の増大、暴動を引き起こす原因になってしまい、反対にプラント側の打撃は極めて少ない事から、ユニウス戦後のナチュラル側のコーディネイターへの反感を高めてしまっており、その結末はむしろジブリールを始めとするブルーコスモスにとって都合の良い状況になってしまっている。結果として、何だかんだで小康状態だった世界を自身の理想のために混乱させた(厳密には混乱させることを黙認しつつ便乗した)大戦犯となった。


前述した通り、対外的な体裁(口実)を整えることには非常に長けており、それによる大衆誘導の手腕に秀でている。これは自派閥への対内的な体裁しか気にしなかったパトリックやアズラエルと対照的であり、その手腕の脅威具合は作中でもジブリールやアスランから指摘されている。しかも、それが余りにも秀で過ぎており、メタ視点を持つ視聴者でさえも「彼が正しい」と思わせてしまった。更には放送終了後からしばらく経った後に発売されたスーパーロボット大戦Z女主人公ルートをプレイして『デュランダルは正しい』という人もいた程である。実際、体裁自体は殆ど正しかったが、その正しい体裁のもとに行われる施策がおかしいという具合であり、最終盤の一見強引に見える立ち回りも視聴者にそれが分かりやすくするためのメタ的なものと言える(前述の通り強引に立ち回らないと勝機が無い状況でもあった)。


仮にデュランダルの言動を分かりやすく例えるなら「人類は私利私欲で争ってばかり(事実)だから、それを止めさせるために人類を徹底的に管理しよう(極論)」といった感じであり、思想の根本は「人類は私利私欲で争ってばかり(事実)だから、それを止めさせるために人類を滅ぼそう(極論)」という考えのクルーゼと対極だが大差ない「白」と「黒」と言える。まるでチェスの駒のように…。


脚本家も初期のアドルフ・ヒトラーをモデルとしたと語っており、当初はその話術により国内で圧倒的な支持を得つつも、その言動がエスカレートした後年は悪の独裁者となってしまったという点で酷似している。


「平和主義」と「勝利への欲望」編集

その政策や考え方の良し悪しは別として、彼の行動は決して私利私欲の為ではなく、あくまで世界の平和を維持させる目的や疲弊しきった世界を確実な平穏に導く為の必要悪や、平和という物に対する一つの答えとも取れ、肯定的意見も決して少なくない(これはシャアなどを肯定する視聴者と大差がないが)。

しかし実際のところは、典型的な私利私欲であり、彼の場合は自分が得た遺伝子関係の知識が絶対と言う前提で有り自分の知の正しさを証明する手段がデスティニープランである事が私利私欲になってしまってる。

当たり前だが遺伝子はそこまで万能ではなく、私利私欲ではないとするならば自分以外の専門家たちとの協議を行い、そこで遺伝子がそこまで万能な判断材料ではない事に気づく(この点は当時の公式書籍内でラクスが言及している)。更に問題として自分を最優先してくれなかったタリアの存在から更に思想が強固な方向に向かっていっている事からも自分の知と才を証明したいと言う意識が有ったと言う点である。

更に言えば、人類を滅ぼすことに失敗したクルーゼを敗者とし、さらに運命(遺伝子)に敗北した経緯から「私は勝ちたいだけだ。戦いたいわけではない」「私はごめんだ。君のように足掻くのも、負けるのも」とも語っており、クルーゼと同じく世界に対しての一種の憂さ晴らし&リベンジマッチだったことも描写されている。


実のところ、デュランダルの行動の問題点はこの「勝利への欲望」というものが原因ではないかと疑われている。


ギルバート・デュランダルは「平和主義者」だが、その実「汝平和を欲さば戦への備えをせよ」を地で行く人物である。『ガンダム』シリーズでも描かれていることだが「戦争とは下準備で決まる」のであり、彼は最強のカードを揃えて「戦う前から自分が絶対的優位に持ち込む」ことでプラント内での絶大な世論の支持、コーディネイターとナチュラルを越えた世界での支持を取り付け大政翼賛会状態を作り出していた。


彼の揃えたカードはラクスの代役であるミーア、アスラン、シン、レイ、自身と「深い仲」であるミネルバ艦長タリア。


デュランダルは自身の計画の邪魔となるキラがラクスと恋仲であったことを知るも、「プラントのルール」で定められたラクスの婚約者はアスランでありながら「魂が引かれあった」恋人同士となったキラとラクスにデュランダルは嫉妬していたかのような描写がある。


キラ・ヤマトに対して「計画の邪魔」以上に「負けたくない」という私的な欲望を抱いていたと思われる。


デュランダルの「デスティニープラン」の目的は全人類に「初めから正しい遺伝子の定め」を提供し、人類すべてに正しい道を提示することであった。

しかしそれは全人類に、「遺伝子の定めの婚姻統制を強いる=デュランダルの過去の苦しみを大勢の他人にも味わわせる」ものではなかったのか?…という疑惑がある。


デュランダルが「愛するタリアの未来を守るためにプラントのルールに従い物わかりのいい男を演じて別れを選んだ」のに、「キラがプラントのルールに外れてラクスと魂が引かれあった恋人同士となった」のはデュランダルにとっては自分が負け犬であると突きつけられたようであったのかもしれない。

  • デュランダルがタリアといつ頃よりを戻したのかは不明だが、そのタリアの未来の象徴であるタリアの息子を傷つけてまで再び彼女と関係を持つようになった。「負け犬になりたくない」という「自らの欲に負け」タリアと再び関係を持ったのだろうか?

彼は揃えられる最強のカードを揃えてキラに挑もうとしたが、最後の最後でレイというJOKERの価値がひっくり返りキラに敗れてしまったのかもしれない。


プライベートに関して編集

『DESTINY』の5話でタリアとデュランダルとの肉体関係を示唆する描写がある。タリアは既婚者で一児の母である。そんなわけで、放送当時はガチ不倫だと思われていたBPOにも引っ掛かった。ドラマCDによるとタリアの夫はとっくに亡くなっていたらしいのだが…。


そして、ドラマCDにて。終戦後、タリアの遺児であるウィリアム・グラディスの元に遺品を届けに来た副長アーサー・トライン。艦長であるタリアを守れなかったことをウィリアムに詫びる。しかしウィリアムは遺品を自分が持っていても仕方がないから処分すると冷淡に告げ、困惑したアーサーはタリアの遺品を持ち帰ってしまうのだった。

アスランのアドバイスを受けたアーサーは、ウィリアムと話し合うが、遺品を巡る話し合いの末にウィリアムは激昂する…


「ちゃんと知ってるんだ僕は!母さんは、アイツのところへ行って、アイツと一緒に死んじゃったんだ!!」


ウィリアムは10歳にして母とデュランダルとの関係を理解していた。自分のことなんて全然…と嘆くウィリアムに、アーサーはタリアがいつもウィリアムの写真を見ていたこと、不満は自分に話して欲しいと告げるのだった。


「アイツ」と呼ばれていたデュランダルはタリアの息子ウィリアムと面識があったのだろうか…?


余談編集

リアルタイムでの視聴者からの愛称は「議長」。


  • 中の人が中の人なので、「通常の3倍な赤いモビルスーツでキラと戦うに違いない(一部では『ザフトグ』とか言われていた)」と期待されていたが、結局その期待が実現することはなかった。
    • そもそも劇中では戦闘の指揮を取ってはいたものの、MSに乗ったことも直接戦闘に参加したことも無い (そもそも彼は池田秀一氏のキャラとしてはシャアよりも同じ監督の作品であるサイバーフォーミュラ名雲京志郎のセルフオマージュ的側面が強い) 。
    • ただ、外部出演の『スーパーロボット大戦Z』ではタリアのミネルバに同席しており(メインはタリア)、クワトロからの特殊台詞が用意されている。
    • また明確ではないが、声優の関連性から『スーパーロボット大戦』シリーズでは後作ラスボス(アムロ・レイと声が同じ)とは、ライバル関係であったという考察も少なからずある。

  • 一方で、プロパガンダ、演説、指揮のみで直接戦闘は無し、人類管理、身内に撃たれるなど、どこか機動戦士ガンダムに於けるギレン・ザビを髣髴とさせる材料を持ち合わせている。

関連人物編集

ラウ・ル・クルーゼ…親友にして盟友。

レイ・ザ・バレル…腹心の部下にして息子のような存在。

シン・アスカ…「見どころのある若手」としていろいろと目を掛け、数々の軍規違反を不問にする。

ミーア・キャンベル…彼が世論誘導のために用意したラクスの影武者

イザーク・ジュール…無印で民間人シャトルを撃墜した事が軍法会議にかけられたところを不問にする。だが結局はこれも彼のヤキン・ドゥーエ攻防戦のプラント防衛に貢献した才能面だけを評価していたに過ぎず次第に疑念を持たれ、メサイア攻防戦でクーデターを起こされる立場となった。

ディアッカ・エルスマン…こちらも『SEED』における離反行動により本来なら間違いなく処刑されていたところ、それを免れるよう取り計らった。以後はイザークとほぼ同様。

ラクス・クライン白のクイーンは強敵と評価し、そのカリスマ性・能力の高さ故に排除を目論む。彼がミーアに行った仕打ちにより完全に敵対することになった。

カガリ・ユラ・アスハ…オーブはその理念からデスティニープランを受け入れないであろうと内心友好国であるうちから邪魔に思っていた。代表であるカガリにオーブからプラントに流出した人材や技術を軍事転用しないよう求められるが、軽くあしらっている。

アスラン・ザラ…言葉巧みにカガリの護衛の立場から引き抜きザフトに復隊させる。懐柔できないと判断すると罪状はあるとレイに処分を任せるが失敗。

キラ・ヤマト…彼の出生を知っており、ラクス共々「厄介な存在だな」と評している。ラクス一派の武力の要として敵対。ラウの敵(かたき)であり、極めて個人的な私怨もある。

メイリン・ホーク…ある意味彼女をミネルバに配置してしまった事が議長最大の誤算だった可能性がある人物。なお、アスランを冤罪のスパイ疑惑で葬ろうとした議長だが、メイリンの軍事機密へのハッキング冤罪でも何でもなく前から趣味でやってた。


タリア・グラディス…遺伝子上の相性から破局してしまったが、彼が唯一愛した女性。

ウィリアム・グラディス…タリアの息子。ドラマCDにてある意味デュランダルの行いの最大の被害者であると発覚した。


???…リンク先重大なネタバレにつき閲覧する時注意すべし。


キャスバル・レム・ダイクンシャア・アズナブル/クワトロ・バジーナ)、コマンダーサザビーフル・フロンタル…ガンダムシリーズにおける中の人繋がり


関連項目編集

機動戦士ガンダムSEED DESTINY

政治家 カリスマ ラスボス


ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム:同じく、遺伝子を重視した世界を作ろうとした人物。


劇場版において編集

劇場作品『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』はDESTINYの後の時間軸であるため、既に故人であるデュランダル本人が回想以外で登場することはない。


しかし彼の提唱したデスティニープランに関して、曲りなりにも平和を齎すであろうそれを否定したキラは自分のしたことは正しかったのか苦悩し、自分たちは否定したが惹かれる人たちまで否定することはできないとラクスは語りカガリもそれに同意している、デスティニープランを取り入れてめざましい復興を成し遂げたファウンデーション王国が存在したりと、強い影響を残している。


また、FREEDOMで大活躍したシンやメイリンを見た視聴者から「やったことの是非はともかく、議長の遺伝子を観る眼は正しかった」「最高の人材発掘能力を持つ男」と再評価されている。


今作品の黒幕アウラ・マハ・ハイバルと造られた新人類アコードとの関わりは映画でははっきりしなかった部分が後藤リウ著の小説版下巻で補完されたが、本編と異なる描写や監督が言っている事と違う点もあり、デュランダルの真意についても不明な部分も多い。


小説にて編集

入場者特典の書き下ろし短編小説『月光のワルキューレ』によれば、戦後にデュランダルがしたことは断罪されており、地球にレクイエムを撃とうとしたことが問題視され、デスティニープランも否定されたとのこと。


士官学校時代は落ちこぼれであったシン・アスカがFAITHとなり、ルナマリア・ホークがFAITHとなった彼と付き合いだした事やミネルバの活躍にアグネス・ギーベンラートは不快感を覚えていた。そんな折、レオナード・バルウェイなるハンサムな赤服の青年が「議長のお気に入りだから、ミネルバは」と彼女に声をかけている。


デュランダル失脚後の映画本編でアグネスは「おかしいと思ってたのよね。あんたがFAITHだなんて。でも結局デュランダル議長にとって、丁度いい駒だったってことでしょ?」とシンを嘲笑い、シンは何も言い返せなかった(しかし、アグネスも自身の発言が後にブーメランとして跳ね返ってくるとは知る由もなかったが)。

小説版だとアグネスのこの発言に内心で「たしかに、デュランダル議長におだてられ、認められて調子に乗っていた。そして彼を信じ、彼の思うままに動くコマとして利用されていた」と独白していて、明確に「騙されていた」と認識している。


また、『DESTINY』最終回での問答はキラに強い影響を遺しており、終わらない戦乱に苦悩しながら、夜半にネットでデュランダルの功績とデスティニープランの詳細を調べているシーンがある。


ゲーム作品では編集

Gジェネレーションシリーズ編集

初登場は『PORTABLE』。

一国の指導者というだけあって指揮と魅力の数値が高い。

一部作品ではシャアと共闘させることも可能。


スーパーロボット大戦シリーズ編集

ミネルバ隊が味方として描かれる作品では、最終的に決裂してしまうものの自軍部隊には概ね好意的な人物として描かれており、積極的な支援も行ってくれる。

デスティニープランに関しても「人類を守るために必要な才能を見つけ出す」という解釈がされている。


原作終了後設定だと当然故人扱いで登場しないのだが、イオリア・シュヘンベルグに匹敵するほどの予見をしていて、人外の脅威への対抗策を幾つも用意し、死後も大きな影響を残している。


クワトロ・バジーナ時代のシャア・アズナブルとは2度共演したが、2度とも自身の考えを否定されている。


ここでは、『Z』シリーズ、『L』について紹介する。

Zシリーズ》編集

音声初収録作品。

本作は終盤までは基本的に味方で、ZEUTHの支援者の一人。

デュランダルの「清濁併せ持つ策士にして傑物」としての描写が、スパロボ作品で最も強調された作品である。


原作通り、ステラの乗るデストロイによる虐殺騒動後、ロゴスや賢人会議の表明を行っているが、スカルムーン連合や堕天翅族、百鬼帝国といった人外勢力との決着がついていない状態で発表したため、焼き討ち事件などで地球の混乱を悪化させている。


スーパーロボット大戦SC2では同志だったパプテマス・シロッコにはデスティニープランを「愚かな思想」と否定され、完全に敵対関係になっている。

また、そのデスティニープランの因縁から、フロスト兄弟に仇敵として付け狙われ、ifルートでは彼らの存在からプランの弊害を見抜いていたハマーン・カーンからも危険視されている。


黒のカリスマとは長い付き合いがあり、多元世界化前にも接触したり、新地球連邦の情報を流して「ニュートロンスタンピーダー」を彼に渡し、その現物をゼオ・ガットラーに渡した。

また、これらの点や、その性格からも、ZEUTHに流されていた偽りの情報を知った上で、ザフト側のZEUTHにアークエンジェルの攻撃を命令したと思われる。


ZEUTHが第2次オーブ攻防戦以降、ザフト側に反抗意思を見せ始めてからは見切りをつけ始め、ミネルバ隊にZEUTHへの不意打ちを命令しているも、タリアからは反抗されたため、イザークの部隊に攻撃を新たに命令している。

また、ZEUTHが離反したことから、スカルムーン連合との決戦時には地球を見捨てるも同然の体制を取る。

さらに、混乱に乗じてラクスの暗殺を目論んだが、ミーアの妨害によって失敗に終わる。

その後も非干渉を取り続けていたが、死の淵に立たされていたミーアが世界中に呼びかけを行った結果、ミネルバ隊を中心としたザフトの部隊が独断行動を取り、同じくシロッコの意向を無視した地球連邦軍と連携をとる事態となった(この事が結果的に世間からの非難を防ぐことになった模様)。


ザフトとの最終決戦では原作と違ってミネルバから指揮をとり、パイロットではないものの戦闘前会話や特殊戦闘台詞が多数発生する。


ifルートでは事切れる寸前に、窮地に陥ったシン達を救った。


第3次Z(天獄篇)では既に故人だが、フル・フロンタルによってプラントの国防委員長に就任したレイの口からデュランダルがデスティニープランを考案した真の理由が明らかとなる。


スーパーロボット大戦L編集

恐らく歴代で最も上手く立ち回って活躍した作品。

終盤まで味方であり、ミネルバが終始自軍にいるため、LOTUSの支援者といった印象が強い。


異世界から転移してきたマクロス・フロンティア船団を庇護し、船団と協力関係を築く。


エンジェルダウン作戦に関してはレイからアークエンジェル撃墜の偽装が行われたことが報告されても、侵略者に少しでも対抗するため、原作では敵対していたキラ達を敢えて見逃している。


終盤にこれまでのスパロボ作品同様にデスティニープランを立ち上げるが、今作におけるデスティニープランは異星侵略者に対するカウンターの延長線、といった側面も大きかった。

戦闘の際もセントラルと共同戦線を張り、原作と同じくネオ・ジェネシスを撃つなどして徹底抗戦するが、最後までLOTUSから投降の説得をされるなど、立ちはだかる敵という印象はなく「主義の相違によるやむをえない対立」という形になっている。


デスティニープランそのものもLOTUSのメンバーからは反発こそされたが、その真意については一定の理解を示されるなど、スパロボ作品で最も良心的な人物描写が多く描かれている。

ラクス暗殺未遂の件で一時は命を狙われ、黒幕がデュランダルだと疑っていたキラ達も事情を知った際は「貴方はその気になれば出来た筈なのに、僕達を殺そうとしなかった」と、デュランダルに同情的だった。

また、内心では「タリア達やキラ君達に自分を止めて欲しかったのかもしれない」と零しているが、前述した『SEED FREEDOM』の項目を省みた場合、本来デスティニープランの申し子として生み出されたラクスにもプランを否定して欲しかったことになる。


その最期も、単にメサイアの爆沈で散るのではなく、沈んだかと思われていたメサイアを引きずって月に現れ、LOTUSを救うためにクトゥルフ要塞にメサイア落としを決行し、自らの命と引き換えに突破口を切り開くという劇的なものとなっている。

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