「………ローエングリン……照準ッ!」
「世界のことは、確かに分からないけど
でもね、大切な人がいるから、世界も愛せるんじゃないかって私は思うの。
きっとみんなそうなのよ。だから頑張るの。戦うんでしょ?」
概要
英字表記 | Murrue Ramius |
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人種 | ナチュラル |
誕生日 | C.E.45年10月12日 |
星座 | 天秤座 |
血液型 | O型 |
年齢 | 26歳(SEED)→28歳(DESTINY)→29歳(FREEDOM) |
身長 | 170cm |
体重 | 63kg(SEED)→50kg(SEED DESTINY) |
階級 |
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CV | 三石琴乃 |
一人称は「わたし」、二人称は相手の年齢や身分に関係なく「あなた」。
言葉遣いは公の場所や身分が高い上司には敬語を用い、戦闘中の指揮・伝達時は命令口調にもなる一方、プライベートでは女性語を頻繫に用いる。
呼称はムウや敵キャラクターには「名前・姓+呼び捨て」、同性のキャラクターには「名前+さん」、同い年以下の異性には「名前+くん」、身分が高い上司や戦闘時の呼称では「性+役職名」と、敬称を用いて呼ぶ。
大西洋連邦のヘブンアイランド技術研究所では、技術士官としてPS装甲の開発に携わっていた。しかし、紆余曲折あって強襲機動特装艦「アークエンジェル」の艦長代理に任命され、戦力も人員も不足する艦を率いるという重責を負うことになる。
情に厚く、軍人として冷徹さが要求される状況においても情を優先する傾向があり、軍務の遂行を最優先とする副長のナタル・バジルールとは対立が絶えなかった。
また、戦艦長として訓練を積んだわけではないためなのか、当初の指揮能力はあまり高くないほうであり、敵の策に嵌められる失敗も多々あった。続編の『DESTINY』でも、ミネルバ艦長のタリア・グラディスに先手を何度も取られるなど、彼女と比べると指揮能力で劣ると見られる描写が存在する。
そんな彼女を支えるのがキラ・ヤマト、ムウ・ラ・フラガ、アーノルド・ノイマンといったアークエンジェル隊の面々なのである。
作中でも一二を争うプロポーションを有し、様々なキャラからボインだの巨乳だの言われている。栗色セミロングに茶色の瞳をしているグラマー美女。
実際、アークエンジェルが攻撃を受ける度にでっかい乳が激しく揺れるシーンが何度もバンクで流された。
同時に、身長は170cmと(女性としては)長身であり、『SEED』時は男子であるキラよりも高かった(現在はイーヴン。また、タリアも170cmと同身長である)。
ナタル・バジルールやエリカ・シモンズが身長174cmであることを考えれば、マリューの身長は大西洋連邦出身のナチュラルの女性としては平均的と思われる。
作中におけるナチュラルキャラではかなり身体能力が高く、度重なる戦闘(銃撃戦)において、ザフト兵を多数撃退している。特に『DESTINY』では、ザフトの特殊部隊と思われる部隊と対等以上に戦っていた。
作中の登場人物の中でもトップクラス(名誉的な扱いで准将となったキラを除けば)の出世株で、30を前に大佐という階級についているガンダムシリーズ有数の出世株である。
経歴
機動戦士ガンダムSEED
ザフト軍によるヘリオポリス襲撃の際にはアークエンジェルの副長を務めていたが、輸送中のG兵器を(自身の手で起動させたストライクを除いて)奪取される。この戦闘により、アークエンジェルは艦長以下のブリッジ要員のほとんどを失い、多数の避難民を抱えた同艦の艦長代理を務めることになる。当初は軍事機密であるG兵器に触れたキラ・ヤマト達を拘束するなど、軍人としての行動が目立っていたが、彼らが抱えている事情に理解を示し共闘するようになる。その際、アークエンジェルに乗り合わせる事になったムウ・ラ・フラガとは後に恋仲になっている。
情に流される面も度々見られ、副長兼兵器管制担当のナタル・バジルールと対立する事もしばしばであった。だからこそ、任務遂行を最優先とするナタルと相互に補完し合うことで局面で的確な判断を下し、ザフト軍の執拗な追撃を凌ぎながらアークエンジェルをアラスカ基地まで辿り着かせる事が出来たと言える。ザフト軍によるアラスカ基地攻略戦の際に、多くの友軍を捨て駒に使う連合軍上層部に憤慨し、艦ごと連合軍を脱走、オーブに身を寄せる。
オーブ壊滅後は、オーブ残存勢力の戦艦であるクサナギ、ラクス・クラインらがザフトから奪取した戦艦エターナルと共闘し、連合軍、ザフトいずれにも属さない第3勢力「三隻同盟」の一翼を担った。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では恋人のムウが行方不明になってしまうが、彼女は過たずして放ったローエングリンでドミニオンを轟沈、最終決戦を戦い抜き生還している。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第1次連合・プラント大戦終結後は、アンドリュー・バルトフェルド、コジロー・マードックらと共にオーブへと亡命し、「マリア・ヴェルネス」を名乗りモルゲンレーテ社の造船課にエンジニアとして勤めていた。住まいはアスハ家の別宅で、バルトフェルドやキラ、ラクスらと同居。
かつてはアークエンジェル付きの整備士だったマードック共々、オーブに寄港したミネルバの整備を行っており、このときに同艦長のタリア・グラディスと対面している。
オーブの立場が微妙な中、深夜にザフト軍と思わしき部隊によるラクス暗殺の襲撃を受け、バルトフェルドやキラと共にこれを防ぐ。この事件をきっかけにして、フリーダムでユウナ・ロマ・セイランとの(強制的な政略)結婚式からカガリ・ユラ・アスハを連れ去ることにしたキラと共に出航したアークエンジェルの艦長席に再び座り、オーブを後にする。
後には一人で思い悩んでいるキラに声を掛け、「なんか、何でこんなことになっちゃったのかなって思って。何でまた、アスランと戦うようなことに。僕たちが間違ってるんですか? ほんとにアスランの言うとおり議長はいい人で、ラクスが狙われたことも何かの間違いで、僕達のやってることの方が馬鹿げた、間違ったことだとしたら……」と吐露したキラを「でも、大切な誰かを守ろうとすることは、決して馬鹿げたことでも間違ったことでもないと思うわ」「また手を取り合える時が来るわ、あなた達は。だから諦めないで、あなたはあなたで頑張って」と優しく励ました。
ベルリンの戦闘では、記憶を失いネオ・ロアノークとして生きていたムウと再会する。しかし、彼はムウとしての記憶を消されており、かつての恋人であるマリューに対しても、「な、何だよ? 一目惚れでもした? 美人さん?」と言い放ち、マリューはあまりの事態に部屋を飛び出し泣き崩れるのだった。
エンジェルダウン作戦を経てオーブに帰還した後は、ザフトとの戦闘前にネオを解放するが、微かな記憶のために戻って来た彼を仲間として受け入れる。
最終決戦のメサイア攻防戦ではミネルバとの奮戦の末、再び艦に陽電子砲を向けられるも、ネオがアカツキで盾になったことで難を逃れる。
このとき、ムウとしての記憶を取り戻した彼に名を呼ばれたことで喜びの涙を流した。
ミネルバが撃破された際には軍人の礼儀として艦に向け敬礼し、戦いが終わった後はムウとモニター越しに笑顔を向け合っている。
余談
担当声優の三石琴乃氏は本作のナレーションを担当している他、ラクスが持つハロ(通称:ピンクちゃん)やエザリア・ジュールを兼役で担当している。
『DESTINY』では、SEED時代よりも体重が大きく落ちているのがファンの間で話題になっていた。
実は前作から続投しているキャラは(男女問わず)体重が落ちているのだが、大体が1桁台の減少に収まっているのに対して、彼女はなんと13kgも減っており、身長からすれば病的なまでの落ち方となっている。
『SEED』での最終決戦でムウが死亡したと思い、ショックで激ヤセしてしまったのだろうか…。
Pixivにおいては、一時期はフルネームよりも「マリュー」のみでタグが付けられるイラストが多かった。
最近はフルネームタグの方が多いが、タグ数に余裕があれば併用もアリか。
そして、名前ネタなのか、「魔乳」タグも多くのイラストに付けられている。
格闘戦の件
上にはああ書いたがそもそも状況を評価・考察していくと、実は生身の戦闘で彼女に負傷させたことがあるのはアスランだけ。他に格闘戦を披露して強さを見せたキャラとしてはキサカとルナマリアがいるが、今のところ直接対決はなし。ルナマリアに関しては侵入者が悪戯感覚で彼女は本気(侵入者に背後から銃を突き付けられた)だったため、実のところの生身の戦闘力がどれほどのものか定かではない。小説版によると、侵入者は昔からルナマリアに体術では勝てたことがない。
『DESTINY』序盤においても、コーディネイターの工作員からなるラクス暗殺部隊を(隠遁生活中、しかもウェイトが13kgも落ちた状態で)迎撃している。
他のガンダムシリーズに広げても、流石にGガン勢は別格として、マリューの上となると生身でMSを停止させられるガロード・ランやジャミル・ニート(2人ともガンダムX。三石氏も出演している)ぐらいの無体さではないだろうか。宇宙世紀だとハヤト・コバヤシがどれだけ通用するか?(アムロの柔道技は彼から伝授されたもの)
関連イラスト
関連タグ
葛城ミサト:中の人が同じで主人公の上官繋がり。劇中で一尉(大尉)から三佐(少佐)に昇進しているという共通点もある。ちなみにどちらの監督も同声優の大ファンで知られる。「第三次スーパーロボット大戦α」での共演時には、ミサトの発音で「EVAを援護して」と発言するという声優ネタも披露。
中の人繋がり
以下、劇場版ネタバレ注意。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
世界平和監視機構コンパスに所属し、引き続きアークエンジェルの艦長を務める。階級は大佐。
ファウンデーション王国との合同作戦中、同国のブラックナイトスコード ルドラが不審な挙動をしている現場を目撃したことで、作戦がコンパスに対する罠であることに気付く。だが戦力差は覆せず、アークエンジェルは武装とエンジンを失い轟沈してしまう。
総員退艦を命じたマリューは、ブリッジにビームを撃ち込まれる寸前に緊急脱出装置で回避し、ボロボロになりながらも甲板まで逃れる。
疲労と怪我で動けなくなっていたが、中破したムラサメ改で迎えに来たムウと一緒に離脱し、直後の核ミサイル爆発から逃れた。
「すまん、待たせた!」
「…遅いわよ!」
アカツキ島に避難後は、キラとアスランの殴り合いを仲間たちと見守り、キラが「ラクスは世界が平和になることを望んでた」と口にした時には「でも、誰かに平和をポンとプレゼントしてもらおうと思ったわけじゃないでしょ?」諭した。
ファウンデーション、もといアコードとの戦いに際しては、オーブに停泊中のミレニアムをハイジャックし、正規クルーを降ろし自分たちだけで出撃することを提案し、決行。
しかし、ミレニアムクルーであるアレクセイ・コノエやアルバート・ハインラインにはその策を見透かされていた。
部隊の再編制後はコノエから艦長席を譲られて戸惑うが、これからの戦いにはあなたのほうがこの席にふさわしいと評されて引き受ける。そしてコノエに副長を頼み、号令をかけて宇宙へと向かう。
最終決戦においては、パイロットスーツを纏って戦闘用ブリッジに上がり、戦場を直接視認しながら指揮を執る。
今まで乗っていたアークエンジェルとは勝手の違うスーパーミネルバ級のミレニアムであったが、他のクルーや僚機の支援を受け、耐熱耐衝撃結晶装甲とアンチビーム爆雷に任せて回避行動すらとらずに正面突破、『SEED』でナタルが行った予め発射しておいたミサイルを敵艦の死角から時間差で攻撃する「戦術バジルール」、ドリフト航行で敵機を迎撃しつつ反撃するといった、これまでの戦闘経験の集大成といえる喧嘩殺法めいた戦術で護衛のMS達と共にファウンデーション軍の艦隊を次々と撃破。
最後は「ぶつけてでも墜とす!!」の宣言通り、アークエンジェルの仇討ちとばかりに敵旗艦のグルヴェイグに艦首ラム「ゴウテン」による突撃を仕掛け、そのまま至近距離からの一斉砲撃で見事に討ち取った。
戦闘終了後は、レクイエム発射をアカツキで妨害する命懸けの大仕事を終え帰還したムウをブリッジで出迎え、周囲の目も憚らずに抱き着き熱烈な深いキスを交わしたのだった。
小説版
後藤リウの小説版ではマリューの心理描写も多く書かれている。
- アークエンジェルの後部デッキまで逃げ延びた時。
艦長らしく、艦と運命をともにするのか……?だが、彼女はまだ生きたかった。いいや、生きなければいけない。ファウンデーションがしたことを誰かに伝えなければ。そして彼らがこれから何をする気か、見極めなければ。およそまともなことではないに決まっているのだから。彼らを、止めなければ。
- アカツキがレクイエムを反射してムウの無事を確認した後
何度もこんな場面を見せられてきたが、もうこれを最後にしてほしいものだ。
- ラクスに出撃の許可を求められた時。
一瞬、言葉を失った。とんでもない、と思った。ラクスはプラントにも、自分たちにも欠くべからざる人だ。それに、何の戦闘訓練も受けていない。たとえコーディネイターでも、訓練を受けていなければただの素人だ。
懇願されて心が揺れる中、割り込んで来たアルバートの言葉で「技術的には問題ない」と見て、コノエに視線を向け、彼がかすかに頷いた。
「……わかったわ。発進を許可します」
マリューには彼女の気持ちがよくわかった。自分とで、ムウを戦場に送り出すときは、たまらない気持ちなのだ。それでも、自分には同じ戦場でやることがある。ラクスだって何かやりたいはずだ。
劇場版の余談
余談として、スタッフトークイベントにて語られた予定では、アウラにトドメを刺すのは戦闘艦橋から装甲服を着たマリューが対戦車ライフルで狙撃させることだったとのこと。これは尺の問題で叶わなかったが、マリューの白兵戦伝説に新たなページが刻まれなかったのは(それはそれで)残念である。
また、福田監督はXで最後の入場者プレゼントについて触れ、ラストであんなに深いキスをしたら、その後の展開は自粛と意味深な発言をしている。