「このミネルバクルーとしての誇りを持ち、最後まで諦めない各員の奮闘を期待する」
プロフィール
概要
ザフトの将官格である白服の士官で、前大戦後に新造された戦艦ミネルバの艦長を務める女性。
優れた判断力とリーダーシップを持つ有能な士官であり、軍人らしい厳格さと女性らしい物腰の柔らかさを併せ持ち、部下からの人望は高い。また、プラントの新最高評議会議長であるギルバート・デュランダルからの信頼も篤い。
主人公であるシン・アスカや、レイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホークら若いパイロットの上官として活躍する。
一人称は「わたし」、二人称は「あなた」。公の場所や上司相手には敬語、戦闘中の指揮・伝令では命令口調になるが、そうでもない限り、言葉遣いはマリューのようにお姉様や女性らしい雰囲気を醸し出すように女性語を常用する。
作中の立ち位置
ガンダムシリーズでは珍しい軍人らしい上司であったが、それ故にシンら若いパイロットの不和や精神的ショックなど劇中の人間模様に対しても表面上は深入りせず、デュランダルと彼らとの中間管理職に徹する面が多かった。
デュランダルとは現在「深い仲」であり、彼がミネルバ内で多少の融通が利くのもタリアとの個人的な付き合いがあるためというのが大きい。
しかし、独断でルナマリアにアスラン・ザラの尾行や盗聴をさせたりと、必ずしもデュランダルの傀儡という訳ではない。
デュランダルもタリアにFAITHの権限を与えているなど彼女の艦長としての技量を見込んでいる。
作中の政治をめぐる思想においては、上司にして元恋人であるデュランダルに対しては懐疑的で、むしろ後に敵対するアークエンジェルのクルーらと共感することが多いように描かれている。
しかしザフト軍人としての責任感は高く、『DESTINY』第34話では生半可な覚悟で中立国オーブからザフトに戻って来たアスランの思慮の浅さを叱責する場面もある。
劇中を通じて厳格なザフト軍人、そして議長デュランダルの忠実な部下であり続けたが…?
過去と現在
私生活では既婚者で一児の母。
デュランダルとはかつて恋仲であったが、遺伝子の不適合故に婚姻統制を敷くプラントから婚姻を認められなかった(詳細はギルバート・デュランダルの頁を参照)。
「子供が欲しい」と強く望んでいたタリアのためにデュランダルが身を引く形で二人は別れることになった。
- 漫画・岩瀬昌嗣版ではタリアは婚姻が自由なオーブ連合首長国への移住を望んだが、遺伝子研究の第一人者であるデュランダルはプラントを離れることを望まず、また彼女自身も子供を授かりたい思いから別の男性と結ばれることとなったと描かれている。
しかしいつ頃よりを戻したのかは不明だが、現在では彼と肉体関係を持つ「深い仲」である。
なお、公的な場では「(デュランダル)議長」と敬称で呼ぶが、モノローグや2人きりなど私的な場では「ギルバート」と呼び、男女関係については周囲に伏せている。
その一方では職務の都合で息子のウィリアムとはあまり会えない日々を過ごしており、自身の母としての至らなさへの負い目などを感じている。
作中の動向
初陣
アーモリーワンでの新型MS3機強奪に際し、事態収拾のためインパルス発進を指示。その後、ミネルバに避難してきたデュランダルの意に従う形で出航し、所属不明の強奪犯を追跡する。
その途中、地球に向けて落下していくユニウスセブン破砕作業を行っていたジュール隊を援護し、彼らの仕事を引き継ぐ形で地球への降下を決断。ジュール隊の艦に移るデュランダルには、別れ際に「私はこれでも運の強い女です。お任せください」と告げている。
大気圏突入後は、同行していたカガリとアスランをオーブに送り届けるため、この時点ではまだ中立だったオーブ・オノゴロ島のドックに入港。
モルゲンレーテ社のドックでアーサーと補給と修理の相談をしていたところ、技術スタッフのマリア・ベルネス...マリュー・ラミアスと対面している。
しかしその後情勢の変化によりザフトは積極自衛権によるオペレーションであるスピア・オブ・トワイライト発動に伴い、地球軍と戦闘開始。地球軍寄りのセイラン家の支配が進んでいたオーブが中立国としての立場を捨てて大西洋連邦との同盟が結ばれればミネルバは四面楚歌の状況になるとアンドリュー・バルトフェルドから警告を受け、予定を早めて出航を決断。
だが、オーブ領海のすぐ傍では地球軍が網を張っており、オーブ海軍は再度の入国を拒絶する姿勢を示していたことから、タリアは二者の関係に勘付く。
「領海内に戻ることは許さないと…つまりはそういうことよ。どうやら土産か何かにされたようね。正式な条約締結はまだでしょうに。やってくれるわね、オーブも」
オーブの売国奴によりミネルバは危機に陥るが、シン・アスカの一騎当千の活躍によりユウナとカガリは虎の尾を踏んだことに気づく。
- いや、この後の展開を考えるとユウナもカガリも「いかにミネルバ、そしてシン・アスカの恨みを買ったか気づいてなかった」と言えよう。この決定の不味さをオーブ側で明確に理解していたのは現場のトダカ一佐くらいである。もしタリアが過激派だったらミネルバがオーブに報復を行う可能性も十二分にあったのだ。
- 上述の台詞の時にタリアはカガリの謝罪を思い出していた。タリアはカガリが良識的な元首だと知ってはいるが、謝罪に来たのがカガリ一人だけだったので「カガリ以外に今のオーブ首脳陣にまともな奴はいない」と見透かしていた節はある。
アスラン・ザラ復隊
カーペンタリア基地到着後、ザフトに復隊したアスランを介してFAITHに任命されたものの、ダーダネルスでの地球軍との戦いにてカガリを擁するアークエンジェルの介入を受け、ミネルバも艦や人員の犠牲を出す被害を受ける。
キラ・ヤマト一行の真意を確かめるため外出するアスランを、アークエンジェルを警戒するタリアはデュランダルの命ではなく独断でルナマリアに尾行させる。
結果、ルナマリアは「プラントのラクスは偽物であり、本物のラクスはコーディネイターの暗殺部隊に殺されかけた」という事実を盗聴という形で知ってしまう。
しかし、ハイネ・ヴェステンフルスの戦死のこともありキラとアスランの話し合いは決裂し、ルナマリアもまたタリアに対して「アスランがアークエンジェル側のスパイと疑われかねない」事実を報告出来ず、意図的に「本物のラクス」等の情報を隠した報告を行なった。タリアは「艦長室を出たら調べた内容を全て忘れるように」と隠蔽を命じた。
- 盗聴内容を全て録音させろよというツッコミはあるが、今回の尾行命令はタリアの独断であり、デュランダルはそれを把握できなかった。彼に知られていたら間違いなくルナマリアは消されていたので、見方によっては、タリアがルナマリアの身の安全を守ったと言える。
シンの軍規違反
何度もミネルバの危機を救ってきたシンだが、その後地球軍の捕虜であり強化人間であるステラ・ルーシェを巡り数々の軍規違反を引き起こした。
「勝手な捕虜の解放、クルーへの暴行、モビルスーツの無許可発進、敵軍との接触。こんなバカげた軍規違反、聞いたこともないわ!」
タリアはシンを厳しく叱責したが、「普通に考えれば銃殺だけど、シンのこれまでの功績を考慮してくれれば…それだけは…」と苦悩していた。
しかし司令部は(おそらくデュランダルの根回しにより)起こった事実をねじ曲げてまで不問に処した。
シンが銃殺刑に処されるという最悪の事態は避けられたが、彼はますます増長し、タリアは苦い思いを抱えることになる。
しかし、ステラは連合のハンニバル級陸上空母ボナパルトで再調整を受け、デストロイガンダムの生体CPUとしてベルリンを含むヨーロッパの三都市で無差別破壊及び虐殺を行い、焼け野原にしてしまう。
事態を知ったアークエンジェルとフリーダムが交戦し、ミネルバもベルリンに向かう。
タリアは
「流石正義の味方の大天使ねぇ…助けを求める声あらばって事かしら?」
と皮肉を言った。
シンの搭乗するインパルスが割り込む形になるが、ネオ・ロアノークの言葉でデストロイガンダムに乗っているのがステラだと知る。シンは何とか彼女を助けようとするが、もはや風前の灯の命であったステラは最終的にはシンの腕の中で息を引き取った。
エンジェルダウン作戦
ベルリン戦後、デュランダルの命令を受けアークエンジェル及びフリーダム討伐を目的とした同作戦に参加。
なお、アークエンジェルのこれまでを見てきたタリアも「AAは敵ではない」と理解し作戦司令部に異議申し立てをしていたものの、FAITHの身とはいえザフトの総意である軍事作戦を覆すことなどできず、軍務に徹していた。
だが、作戦中に独断で通信を繋げてAAに呼びかけ、この場で艦を止め投降するよう促す。これはAAを沈めたくない彼女がかけた情けであったが、AAは何としてもオーブに戻る必要があったため、艦長であるマリューはこれを丁重に拒否する。
こうなってしまった以上、軍務を優先するしかなくなったタリアは、水中に逃げようとしたAAのエンジン部分に砲撃を加えたものの、AAは被弾したエンジンを用いて轟沈を偽装、大破したフリーダムのコックピットを回収して逃亡に成功した。
アスランとメイリンの脱走
ロゴス討伐作戦を前にジブラルタル基地に寄港したミネルバだったが、そこに「アスランがミネルバオペレーターであるメイリン・ホークを連れ、基地から脱走した」という衝撃の知らせが入る。
泡を食ってデュランダルの執務室を訪れたタリアだったが、追跡するレイの情報から「メイリンは人質ではなく共犯であり、彼女の身柄が外部に渡った場合、重大な機密情報が漏洩しかねない」と撃墜許可が申請され、デュランダルはそれを即断。
彼らの直接の上官として当然抗議したものの、デュランダルはそれを無言の圧と共に退け、取り付く島もないまま2人が乗るグフイグナイテッドは海中に落下してしまった。
2人を生け捕りにして事情聴取することができたにもかかわらず、問答無用で抹殺という手段を選んだことで、タリアはデュランダルに対する疑念を強めていくことになる。
アスランとメイリンは落ち延びてAA組に保護されるが、タリア達にその事を知る術は無い。
シンとレイがFAITHに任命され彼らに「おめでとう」と言うが、続くデュランダルとの会話は彼女の静かな怒りに満ちたものだった。
「アスラン・ザラとメイリン・ホーク撃墜の件、私はまだ納得したわけではありません」
ジブリール討伐
ロード・ジブリール討伐という大義名分の裏にオーブを排除するという目論見がデュランダルにある事を、タリアは見抜いていた。
なお、タリア自身はユウナ・ロマ・セイランの命によって行われたミネルバの騙し討ちに対しては思うところはあるものの、カガリの好意によりミネルバの補修及び補給が行なわれていたこともあり、オーブという国そのものには悪感情を持っている訳ではない。
ヘブンズベースから逃亡したジブリールを追い、オーブへと転進する。オーブがジブリールの身柄引渡しを拒んだため開戦となり、アークエンジェルと再び対峙し、マリューとの激戦を繰り広げるものの、お互いに決定打なく終っている。ジブリールがオーブからシャトルで脱出した事により、今回の作戦はオーブ討伐では無く、ジブリールの生死を問わない身柄確保であるとして、タリアはAAに沈められた旗艦に代わり戦闘停止命令を出し、カーペンタリア基地まで撤退した。
「いずれにしても、彼は捕らえられず、君達はオーブに敗退した、と」
デュランダルの詰問に、タリアは
「はい。…そういうことに、なります。アークエンジェル、フリーダム、そして、ジャスティス、といって差し支えないでしょう。それらの参入によって、状況は不利となり、その上、依然として彼が国内にいるという確証も得られませんでしたので、あのまま戦っても、ただの消耗戦になるだけでした」
と答えた。
「そうか…。いや、ありがとう。グラディス艦長。判断は適切だったと思う」
タリアの『名を捨て実を取った』旨の戦況報告に、オーブ進攻を目論んでいたデュランダルもこの場は引き下がったのだった。
それからしばらく後、ジブリールの放った「軌道間全方位戦略砲レクイエム」によりプラントコロニー6基が破壊され、ミネルバ隊に動揺が広がる。
そんな中、タリアは母国プラントの危機にミネルバクルーを奮い立たせる。
「みんな…連戦で疲れていると思うけど…ここが正念場よ。ここで頑張らねば、帰る家がなくなるわ…!いいわね!」
メサイア攻防戦
デュランダルのデスティニープラン導入実行宣言に困惑するアーサーに、「どうもこうもないでしょ?私にだって分からないわ。」「戦争は政治の一部よ。そこから全体などなかなか見えるものではないわ。」「艦内の様子、気を付けておいてね。みんな貴方と同じ気持ちでしょうから。」と、艦内の秩序を保つように伝える。
デュランダルが…ザフトがレクイエムでアルザッヘル基地を撃ったことで、遂に最終決戦の火蓋が切られた。
メサイア攻防戦でミネルバはアークエンジェルと敵対し、タリアは艦長として最後の戦いに挑む。
タリアはかつて偽名を使っていた頃のマリューの言葉を思い出していた。
「でも同じですわ。やっぱり先のことは分かりませんので、私達も今は今思って信じたことをするしかないですから。」
(私も同感よ。だから今は戦うしかないわ。終わらせるために!)
「これより本艦は、戦闘を開始する。インパルス発進!全砲門開け。照準、アークエンジェル!!」
「ザフトの誇りにかけて、今日こそあの船を討つ!」
「左30度開倒。タンホイザー起動!」
タリアはアークエンジェルが回避したらエターナルにミネルバの主砲タンホイザーが直撃する状況を作りアークエンジェルを追い詰めた。
- なお、アークエンジェルの操舵手アーノルド・ノイマンの操舵のバケモノ具合からみて、これがほぼ唯一の勝ち筋であり、タリア・グラディスの艦長としての戦術の巧みさを証明している。
マリュー「しまった!本艦が動けば、エターナルに…!」
タリア「撃てぇーっ!!」
マリューをはじめとしたAAクルーは敗北を覚悟するが、ネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)の乗るアカツキが割り込み、対ビーム防御・反射システム「ヤタノカガミ」により跳ね返し形勢逆転される。
そしてアスランにミネルバのメインエンジンをファトゥム-01スラスターで貫通させられ、ミネルバは敗北する。(流石にアスランにもグラディス艦長への不義理を悔やむかのような描写があった。)
最後の決断
エンジンを潰され航行不能になったミネルバは月面に不時着。タリアは全クルーに対し総員退艦を告げると、アーサーに皆を託し独り小型艇に乗り込む。
かつて愛した男を、一度は共に歩もうとした自分が責任を持って止めるために。
崩壊寸前のメサイアに到着し、中枢部に辿り着いた彼女が見たものは、デュランダルに銃を向けながら問答をするキラ、そして負傷しながらも彼の背に銃を向けるレイの姿だった(リマスター版ではアスランもいる。)
…そして銃声が響いた。
振り返ったキラ、驚くタリア。デュランダルを撃ったのは…レイであった。
「…やぁ、タリア。撃ったのは、君か?」
致命傷を負い、タリアの膝に抱かれ問いかけるデュランダル。人の道を外れた元恋人を殺すため、あるいは、我が子の自由な未来を守るために、タリアが彼を撃った可能性もデュランダルは考えていたのかもしれない。
「いいえ。…レイよ。」
キラの言葉により、一人の『個』となったレイが…突発的にデュランダルを撃ってしまったのだった。
「ギル…ごめんな、さい…でも、彼の明日は…。」
自分が誰に撃たれ、何に敗れたのか理解したデュランダル。全ては人を遺伝子でしか見ていなかった自分の過ちであると…。
タリアはキラに銃を向け、「あなたは行きなさい、この人の魂は私が連れて行く。」と告げた。
タリア・グラディスは最終的には自分が責任を持つべき部下も、自ら望んだ子供までもを差し置いて、レイに撃たれたデュランダルと最期を共にすることを選んだのだ。
最後にして最高の好敵手であるマリューへの「子供がいるの、男の子よ。いつか会ってやってね、って…。」というタリアの言伝を受け取ったキラ。
「すまないね、タリア。でも、嬉しいよ…。」
デュランダルの謝罪に、
「しょうのない人ね。でも、本当仕方がないわ。これが『運命』だったという事じゃないの?あなたと私の…」
とタリアは答えた。
「フフ、やめてくれ……」
と自嘲するデュランダル。
泣きじゃくり動かないレイに、タリアは「レイ、こっちにいらっしゃい。あなたも良く頑張ったわ。」と告げる。親の無いクローンであり、父のように慕うデュランダルからも内心ラウ・ル・クルーゼのコピーとしか見なされていなかったレイは、生まれて初めてタリアの母性愛に触れる。
「お母、さん…」
タリアはデュランダルとレイと最期を共にし、崩壊するメサイアでその生涯を終えた……。
ドラマCDにて
ドラマCDで分かったことだが、彼女の夫も、彼女の両親も既に亡くなっており、唯一の遺族の彼女の息子ウィリアム・グラディスは10歳とは思えぬ利発さで、彼女とデュランダルとの関係を理解していた。傷ついた彼の心に寄り添う道を副長アーサー・トラインは選ぶのであった。
小説版
小説版ではタリアの心理描写も書かれているのだが、たびたび副長であるアーサーに対して内心酷評している。
(例)
「まずいにきまっている。(アーサーは)人柄はいいのだが、どうもこの副長は言わずもがなのことを言い過ぎるようだ。」
「アーサーも少しは自分の頭を使ったらどうなのだろう」
一方で、メサイアに向かうべくアーサーにミネルバクルーの退艦を任せた際には、「頼りないが、あくまで善良」なアーサーに対し、内心で「彼に託したいと願うのは、クルーの退艦だけではない」「この世界の進む先を(託したい)」と願っていた。
また、デスティニープランを発表し暴走していくデュランダルの姿に戦慄し、自らの過去の選択、彼の絶望に気がつかなかった事を悔いる描写がある。
タリアは幼いわが子が将来プラントごと戦火にのまれるようなことも前線に送られるようなこともあってはならないとメサイア攻防戦に挑んだが、ネオ・ジェネシスが味方の艦まで焼き払ったことで彼女の考えは変わっていた。
敵を撃ち、味方を撃ち、オーブを撃ってーそれで得た世界などわが子に誇れるだろうか?そんな世界にわが子を住まわせたいと思うのか?
メサイアを包む炎の中に消えた際にも、「この人たちを連れて行かなければならない」「もっと前に、ちゃんと見てあげなければいけなかったのに、そうしなかったから」と、過去の清算のためにわが子を置き去りにしてしまうことを心の裡で詫びていた。
タリアの戦死後、マリューとムウが『グラディス艦長の遺言』を守りタリアの子に会いにプラントに行くと告げている。
劇場版『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』
2024年公開の劇場版『機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM』では、死後もコズミック・イラの世界に大きな影響力を遺しているデュランダルに比べてタリアの事は特に話題にもされず名前も出ない。
しかし、オルフェ・ラム・タオがキラとラクスに敗れる直前に「何度も過ちを繰り返す人間の愚かさ」をなじる幾つかの過去シーンの中に、タリアがレイを抱きしめてデュランダルと共に心中することを選ぶシーンがある。
スパロボでは
終盤までは味方で、ifルートに進むとフラグ次第でレイと共に生存する。
そのifルートでは、ブライト達に自分の意思でZEUTHに残ったシンとルナマリアを託し、過去の蟠りに囚われずアークエンジェルとアクシズの言葉に耳を傾けるように頼んでいる。
次回作である第2次スーパーロボット大戦Zには登場しなかったが、第3次スーパーロボット大戦Zで種運命関連はZ1のifルート移行とフラグ成立が正史となっている事実が判明したことから、第1次多元戦争終結後は軍を退役して息子と共に暮らしているだろうと思われる。
本作ではミネルバがLOTUSの母艦扱いなので、最後まで味方として生存。
デュランダルとの関係や不倫の描写も無く、「元恋人」に落ち着いている(デュランダルの方は未練がありそうだったが…)。
ベルリン市街戦でステラ・ルーシェが死亡しないためミネルバ隊とアークエンジェル組は良好な関係を築くが、本作でのエンジェルダウン作戦ではラクス・クラインが自分の存在、そして暗殺未遂事件を公表し、交渉は決裂してしまう。
やむを得ず戦うことになるが、そこに侵略者・クトゥルフが乱入する。
「どうやら私達が争っている場合じゃなくなったようね」
タリアはアークエンジェル組と一時休戦・共闘する道を選ぶ。
その後、アークエンジェル側と示し合わせてアークエンジェルの轟沈を偽装した(偽装を見抜いたレイ・ザ・バレルはデュランダルに密告したが、デュランダルは敢えて見逃している)。
デスティニープランに対しても、「ウィリアムの未来はウィリアム自身の手で自由に決めさせてやりたい」と、母として断固拒否の考えを示した。
これによりミネルバを降りただ一人デュランダル側に付いたレイとも対立することになる。
そしてメサイアでデュランダルと対峙した際には、「未来は私達のような大人ではなく、若い世代が作っていくもの」と説得した。
- これは、クワトロ・バジーナの名言「新しい時代を作るのは老人ではない!」のオマージュで、同じ声のデュランダルに向けられていると思うと感慨深い台詞でもある。
レイとタリアと心中すること無くメサイア攻防戦で一人死亡したと思われていたデュランダルだったが……クトゥルフとの最終決戦にてネオスゴールドにメサイアの巨大質量を利用した特攻を行い戦況をひっくり返す。「元恋人」のタリアに「死ぬ前に君の役に立ててよかったよ」と告げ、デュランダルは壮絶な最期を遂げた……。
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