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概要

女性語中性口調よりも女性的ニュアンスが明らかにたっぷりと含まれている言葉遣いで、中性口調よりも艶っぽく大人びた女性らしい雰囲気を醸し出すのが最も大きな特徴である。


冗長なことから、戦後生まれ世代の会話では敬遠され全く使われていない絶滅危惧種として扱われている言葉遣いでもある。

海外の映像作品の日本語字幕からも(主に文字数の制限などから)より中性的な言葉に置き換えられつつある。


現代の日本語における女性語の起源は、京都で使われていた「京言葉」の中でも宮中の女官が使っていた「女房言葉」や、江戸時代江戸の中でも「武家言葉」と高家などが使っていた「京言葉」の混成から生まれた「山の手言葉」、更には遊廓遊女(ぶっちゃけて言えば超高級娼婦)が使っていた「遊女言葉」などが起源と思われる。


また、明治以降に日本語の「標準語」が確立されている過程で生まれた「人工語」としての側面が有り、それ以前の日本では「方言によっては男性語・女性語の区別が無い」「女性のみが使う言葉づかいは有るが、あくまで女性全判ではなく、特定の階層や職業・社会的立場の女性のみが使う言葉(宮中の女房言葉など)」という事も有った。

(日本語における女性語が廃れているのは、見方によっては「時代に合わなくなった人工語が消えたり変化している過程」とも言える)

もっとも、近代日本のフィクションでは「言文一致運動が時々起きるが、現実の話し言葉とフィクション内の台詞のズレは中々解消出来ない」という歴史が有るので、フィクションで女性語を使った場合の違和感の有無は、作者の思想や作品の設定や雰囲気や「リアルさ」によりけりとも言える。


芝居語(職業語)としての女性語の存在

漫画アニメドラマなどの創作作品では残っており、主人公キャラクターを筆頭とするほとんどのキャラクターは中性口調をメインにするのが基本で、女性語を常用するのは、あくまでもごく一部のお嬢様お姫様お姉様優等生女子教師女子上司女子社長母親高飛車腹黒ツンデレオネエなどの属性を持つ少数キャラクターが多い。

また、敬語キャラクターにも言える事だが、この手の物腰が低く柔らかいキャラクターが人気が意外と高い傾向にあるが、ポリティカル・コレクトネス支持者間では女性語を使っているキャラの存在自体が糾弾対象とされている。


なお女子キャラクターのみならず、男子キャラクターでも使用する場面も意外と多く散見される。

オネエキャラクターは言わずもがな、その場の気まずい雰囲気を和ませるため、気難しい人物とスキンシップや親睦を深めるために、ユーモアや茶目っ気をたっぷりと醸し出すように女性語を躊躇なく使う場面もある


用法・使い方

肯定文には「~だわ」「~なのね」「~なのよ」「~よね」「~わね」「~わよ」などを付属し、疑問文には「~かしら?」を付けるという口調(但し、「~かしら」は「~かしらん」の省略語が元であるため、厳密には女性語ではなく、男性も使う)。

なお、女性語はドラえもんのヒロイン・源静香やサザエさんの主人公・フグ田サザエにちなんで、しずかちゃん言葉やサザエさん言葉とも呼ばれている。てよだわ言葉は明治以降独自に発達した東京方言である。
アキホ君こんな漫画ない?07いやらしいわねっ!


ちなみに、「~ですの」「~ですわ」「~ですのね」「~ですのよ」「~ですわね」「~ですわよ」「~ますかしら?」「~ですかしら?」女性語丁寧語と掛け合わせ、さらに昇華させた口調はお嬢様言葉とも呼ばれている。
センシティブな作品犯罪ですわよ!


なお、女性語に一見見えても地域によっては男性が用いるという例も少なくない。例えばスーパー万代の「チョコが一番ですわ」「パクパクですわ」などのPOP文章は、実際には関西弁風の文体であるが、これが女性語(てよだわ言葉)のようにも読めるという事で一時期twitterで流行していた事がある。
スーパー勤務マックちゃん


肯定形

  • 「名詞+(なの)よ・(なの)ね・(なの)よね・だわ(よ・ね)」(実例:オカマよ、オカマなのよ、オカマね、オカマなのね、オカマよね、オカマなのよね、オカマだわ、オカマだわよ、オカマだわね)
  • 「動詞+のよ・のね・のよね・わよ・わね・わよね」(実例:行くのよ、行くのね、行くのよね、行くわよ、行くわね、行くわよね)
  • 「形容詞+のよ・のね・のよね・わよ・わね・わよね」(実例:うれしいのよ、うれしいのね、うれしいのよね、うれしいわよ、うれしいわね、うれしいわよね)

否定形

  • 「名詞+じゃない+のよ・のね・のよね・わよ・わね・わよね」(実例:犯人じゃないのよ、犯人じゃないのね、犯人じゃないのよね、犯人じゃないわよ、犯人じゃないわね、犯人じゃないわよね)
  • 「動詞+んじゃない+のよ・のね・のよね・わよ・わね・わよね」(実例:行くんじゃないのよ、行くんじゃないのね、行くんじゃないのよね、行くんじゃないわよ、行くんじゃないわね、行くんじゃないわよね)
  • 「形容詞のナイ形+のよ・のね・のよね・わよ・わね・わよね」(実例:うれしくないのよ、うれしくないのね、うれしくないのよね、うれしくないわよ、うれしくないわね、うれしくないわよね)

疑問形

  • 「名詞+(なの)かしら?」(実例:UFOかしら?、UFOなのかしら?)
  • 「名詞+じゃない(の)かしら?」(実例:UFOじゃないかしら?、UFOじゃないのかしら?)
  • 「動詞+(の)かしら?」(実例:行くかしら?、行くのかしら?)
  • 「動詞+んじゃない(の)かしら?」(実例:行くんじゃないかしら?、行くんじゃないのかしら?)
  • 「形容詞+(の)かしら?」(実例:美しいかしら?、美しいのかしら?)
  • 「形容詞+んじゃない(の)かしら?」(実例:美しいんじゃないかしら?、美しいんじゃないのかしら?)

とあるお笑いの神様の女性語台詞

なによ、な~によその目は?はっきり言って、アタシはオカマよ!オカマはラーメン屋をやっちゃいけないっていうのかしら?オカマがラーメン屋をやっちゃ、法に触れるっていうのかしら?
きっと今


外国語、及びそれらの翻訳との関係

以上のように、日本語では日常的には全く使われない言葉遣いとなってきているが、諸外国ではそうでもない。

その理由は語彙の違いにある。外国語、専ら欧州言語では「女性名詞」や「女性品詞」という、日本語の女性語とは別の単語が存在する為である。しかし、これは日本語の女言葉のように自身の性別に依存するものではなく、主語の性別により依存するものである。例えば「私は学生です」という文は男性なら「Je suis étudiant」、女性なら「Je suis étudiante」である()。しかし、「彼は学生です」であれば、男性であれ女性であれ「Il est étudiant」、「彼女は学生です」であれば同様に男性であれ女性であれ「Elle est étudiante」と言わなければならない。


これらの性的単語の種別がないイングリッシュですら、男性と女性が用いる言葉が異なっている。

身近な単語で言えば、成人男性は口語において父親のことを「ファーザー(Father)」や「ダッド(Dad)」と呼ぶが、あまり「パパ(Papa)」とは呼ばない。

逆に、女性の場合は逆の呼び方となり、男性の使うような呼び方をすると、男勝りの性格とされる。


こういった海外の風習と日本文化の兼ね合いは、翻訳家泣かせの一因とされている。

原語表現に沿うべきなのか、それとも、ある程度の意訳にするべきなのかは、担当者の技量が垣間見られる部分である。

小説や映像作品における字幕や吹き替えの和訳は、こういった苦労の元に作られている。

故に、現代では全く使われていない日本語としての女性語も、海外では変わらず現役である事を留意しなければならない。

逆に、海外短編を日本語訳する際に、原文では、恋人同士の2人の会話が中心だが主人公2人が男女カップル・男性同士の同性カップル・女性同士の同性カップルのいずれであるかは読者の想像に任せられるというトリッキーな作品だったにもかかわらず、日本語訳では男性語・女性語が明確に分かれている為、泣く泣く翻訳者側の解釈に沿った「女性同士の同性カップル」の話として翻訳せざるを得なかった、という実例も存在する。

まさに、国が違えば文化が違うわけで、日本語独特な表現である、明治以前の侍言葉、お公家の言葉、活弁口調、方言といった類の言葉が外国語では翻訳しづらいのと同様の話で、専門家はお互いに苦労しているようである。


また、海外の実写映画・ドラマの字幕に関しては、字幕の文字数の制限や女性の登場人物に如何にもな女性語を使わせると作品のリアリティラインと齟齬が出るなどの理由から、時代ものなどの「女性語を使う女性の登場人物」が居ても不自然でない場合を除いては、女性語的な語尾は使われなくなっている。


方言において

名古屋弁の終助詞の活用語尾「〜だがね」は一般に女性しか用いず、一般に男性が用いる「〜だがや」とは区別される。

河内弁においては他の関西弁において「〜やんか」と言うべきところを「〜やんけ」と言うが、北河内においてはこれは一般に男性の言葉とされ、女性は大阪弁同様「〜やんか」と言うことが好まれる。


関連タグ

オネエ言葉:男性が使う女性語

だぜ子:女性語とキャラクターを真逆に際立たせる手法

女言葉:表記揺れ

男性語:女性語とは、色々な意味で対をなす言葉遣い

女性語を頻繫に使う女子一覧

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