「時々理屈に合わないことをするのが人間なのよ」
概要
原作でも風船手紙コントローラーにてフルネームが判明するが、初期の名前は「しず子」だった(原作の愛称がしずちゃんなのはその名残)。通称「しずかちゃん(原作では「しずちゃん」)」。しずかに変わったのはアニメ化の影響によるものとされる。
おさげを垂らした少女で、原作と水田版では黒髪だが、大山版では茶色となっている。わかりづらいが、水田版ではおさげの大きさも若干小さくなっている。
大人になるとポニーテールに変えている。
なお源姓ではあるが、原作では源氏の末裔と言うようなことを強調する描写は特に無い。
アニメでは2016年放送のオリジナルエピソード「ドラドラ源平合戦 〜しずかちゃん御前を救え!〜」で静御前と誤認されてジャイアンとスネ夫によく似た平家方の武士に捕らわれたことがあり、源義経(のび太からは「よっちゃん」と呼ばれる)が登場していた。
嗜好
シャワー、お風呂が大好きで、1日に3・4回は確実に入っていると思われる。
黎明期はのび太が入浴中に乱入してしまったり、入浴を覗いた場合「のび太さんのエッチ!」の罵声と共に洗面器のお湯を浴びせたり、風呂桶を投げつけたりして追い出すのが定番だった。
原作では逆に軽く驚くだけだったり(「のび太の秘密のトンネル」等)裸を見られても平気だったり(「勉強部屋のつりぼり」等)している事が多く、30巻あたりになるとどこでもドアで「どこでもいいから早く!」と言って開けたらしずかちゃんのお風呂に直行したり、「キミにはほんとうにもうあきれた!」と逆ギレされるというシーンすらあった(最ものび太はこの時アヤカリンという幸運を分け与えられるが時間が経つほど効果が薄まる秘密道具を使っており、切羽詰まっていた状況でもあるのだが…)。
なお、大山時代は映画によってアレやアソコ(これに関しては流石にささやかなイタズラ描写が描かれていない)が描かれていたりいなかったりすることもあった。
好物は焼き芋だが内緒にしている(「しずかちゃんの心の秘密」では彼女の誕生日にドラえもんとのび太がプレゼントとしてみんなの前で渡したことがあったが、見事に怒られてしまった。というのも、彼女は焼き芋は一人の時や家族といるときぐらいしか食べないからである)。2番目に好きなのはチーズケーキで3番目はお寿司。
ちなみにキテレツ大百科のみよちゃんはキテレツと仲良く焼き芋を食べる場面もある(最初から相思相愛の設定のため)。
大長編ドラえもんで食事する際にはよくパンケーキを注文している。それ以外はスパゲッティ、カレーライスなどを注文したことがある。女の子らしく、家事もそれなりにこなし料理や裁縫(ミシンを使えると発言しており、自分用のワンピースを作ったりもしていたほど)などもそつなくこなす(アニメ版ではお菓子作りに失敗したりと、真逆な描写も稀にあった)。ホットケーキやクッキーなどよく焼いているようで、のび太たちにふるまおうとすることも多い(そして、のび太、ドラえもんが食いそびれるのもお約束)。
ぬいぐるみ好きであり、原作後半にはしずかのぬいぐるみ好きを物語る話も多い。また、その頃には藤子F自身が、三姉妹の子育てに勤しんでいたことから、人形遊びの話などもある。
年頃の女の子らしく、二枚目アイドル(田原のトンちゃん、モチーフはトシちゃんといわれた田原俊彦)の大ファンであり、本人に会って握手をしてもらったこともあるほか、芸能関係の噂話にも興味津々。また、漫画も好きでとりわけ少女漫画を好んだりしている。
家では小鳥を飼っている(文鳥やジュウシマツを飼っていた話もあるが、後半ではカナリアに統一されている。そしてよく逃げられている)。初期~中期は白い柴犬を飼っていた。ただし、犬の名前は「ペロ!生きかえって」(TC3巻)ならびに「ヨンダラ首わ」(TC14巻)では「ペロ」、「はいどうたづな」(TC12巻)では「チロ」、「ドロン葉」(TC16巻)では「シロ」となっており、さらに「ペロ!生きかえって」「はいどうたづな」「ドロン葉」では大型犬なのに対し「ヨンダラ首わ」では小型犬と、エピソードによって差異がある。
動物では蛙が大の苦手で、ギャーって叫んだり、そのまま逃亡したり、「カエル嫌い!」って叫びながらのび太の机に飛び乗るシーンもある。(「ニンニン修行セット」(TC28巻)等)。また、蜘蛛が苦手と発言する話もある。
習い事
母親の方針で、自宅に講師を呼びピアノのレッスンを受けているが、本人はヴァイオリンの方が好きで、レッスンに愚痴をこぼしたり(厳しい先生を嫌っている)、サボったり、逃げ出したりすることもある。
ただ、そのバイオリンの腕前は聴くに堪えないレベルの怪音が流れ出ることで知られる(TC33巻『鏡の中の世界』ではのび太が脂汗をかいたり、漫画版「のび太と竜の騎士」のひとコマでは「ギコーバキー」という書き文字があったり)。
のび太曰く「ジャイアンの歌といい勝負」らしく、ゲーム作品でこのバイオリンが攻撃手段として用いられている物もある。もっとも、のび太自身も破壊力こそないもののジャイアン以上の音痴ではあるが。ちなみに、よく比較に出されるジャイアンの歌だが、こちらは破壊力と声質、声量の破壊力は凄いもののリズムと音程は取れており、ジャイアン自身も音感は持っているため、リズム、音程の取れてなさではしずかの方が醜い。ちなみにジャイアンがある程度歌の下手さを自覚しているのに対し、しずかは一切ない。
また、水田版ではジャイアンの歌でも壊れなかったひみつ道具を破壊するエピソードがある。ヴァイオリンのレッスンに通っている描写もいくつかあった。ちなみに人生には同類がいる。なお、ヴァイオリンの描写が初めて出た回ではとくに問題なく弾いていた。
なお、ジャイアンとしずかにばかりフォーカスされがちなため注目を浴びることは少ないが、ドラえもんとのび太は災いレベルではないものの実はジャイアンよりも音程を外しているという意味では真の音痴であり、ぶっちゃけドラえもんの主要人物5人は音楽面ではスネ夫以外ロクでもないことになっている
もっとも、静香の音楽センスだが、歌っているときは決して音程を外れていない(自信ないと言っておきながらマイクを握ると離さないタイプ)し、ピアノもコンクールに出られるぐらいの腕前なので、バイオリンだけが壊滅的かつ自分の世界に酔っているとも言える。
お色気描写の遷移
作中で入浴シーンが何度も描かれることから、フィクションの描写に対する規制案が現実世界で出るたびに、コンプライアンスの観点から彼女の名前が頻繫に登場する。
原作や大山時代では、劇中でパンチラや裸の描写が多く、原作では小さな1コマが、丁寧な動画で画面いっぱいに描写される事も多かった。今では考えられない事だが、女子小学生の全裸や胸の膨らみ、乳首までが、プライムタイムの全国放送で、公然と放送される状況が続いた。地上波やBS・CS放送のような区別は、この当時まだ無い。
もっとも、当時のドラえもんに際立ってお色気描写が多かったと言う訳ではなく、同時期放送の他のアニメでもそういった描写は割と多く見られた(当時は女性の悲鳴、入浴、全裸で視聴率アップを図れた時代といわれたとこち亀にも書かれている)。
劇場版(映画ドラえもん)でも例外ではなく上記のようにお風呂の描写が度々描かれた事もあったが、声優・スタッフを一新した水田時代に入ると放送倫理が厳しくなったこともあり、そういった描写は少なくなっている。一例として原作の『超大作特撮映画「宇宙大魔神」』ではリニューアル後1回目の2008年製作版にあったきせかえカメラでスネ夫がデザインした高露出のコスチュームを着せられる場面が、2020年のリメイク版では削除されている。
ただしお色気描写が全く無くなったと言う訳ではなく、タンマウォッチが登場する「時間よ動け~っ!!」では、階段から転落しそうになる所でパンチラが描かれている。
『のび太のひみつ道具博物館』と『のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』ではパンモロが描かれたものの、テレビに放映された時はそれらも規制されたりカットされたりしている。
ちなみに、星野源のアルバムドラえもん(星野源)にTheShowerという曲がある。彼女をイメージした曲。
人物像と人称・口調・口癖・呼称の差異
大山時代の1980年代中期以降こそ、聡明で心優しく包容力があるのび太たちの、憧れとなっている理想的な女の子だが、連載・放送黎明期な頃のしずかちゃんの性格は現在とは全く異なっており、「どこか底意地悪く、腹黒い女の子」という側面が強かったことは、現在の若い世代の読者や新ドラ世代の子どもたちには想像も全く付かないだろう。連載・放送黎明期の作品自体がブラックユーモア色が強かったことも関係している。
ジャイアンやスネ夫と一緒になってバカにしたりするなど、実例を挙げると…………。
- 「クラスで一番忘れんぼなアンタが?」(TC2巻「アンキパン」)
- 「ウッソー、のび太くんはもっと面白い顔よ!」(TC40巻「顔か力かIQか」)
- 「やめて!アンタはクラスでも有名なへたくそなのよ!」(TCS5巻「自信ヘルメット」)
この他にも、のび太にエイプリルフールを仕掛けた際は「ウソとわかって安心できるものがいい」という理由から「アンタの家が火事よ!」と言い放っている始末。
もっとも、黎明期の彼女はジャイアンやスネ夫のようにのび太を直接的にいじめるよりも、利用したり便乗したりという腹黒い側面のほうが強かった。
無理難題をお人好しなのび太に「お願いね」「頼むわね」という形で吹っ掛けて、しずかちゃんに気に入られようとするのび太がドラえもんを巻き込んで右往左往するというのが黎明期のエピソードによく見られたパターンである。性格がだんだん今に近づいていったのは『ペロ、生き返って!』でその片鱗を見せている。
黎明期が過ぎ基本的におしとやかな言動を見せるようになっても、出木杉の所へ行くことが多いのと、スネ夫の別荘などに行く際にのび太を仲間はずれにするスネ夫に一切抗議せずにスネ夫について行くことが多いのと、名前が固定されている女友達とのシーンが少ないため、性格が悪いのではないのかという読者や視聴者も少なくないが、劇中後期には、スネ夫がのび太を仲間外れにしようとすると「いつもそんなこといって、のび太さんをなかまはずれにするなら、あたしも帰るわ」などのび太に味方する描写も出てくるようになり(「バショー扇の使いみち」、TC版「水たまりのピラルク」など、雑誌掲載版は作者もなかったことにしたほど胸糞の悪い話だった)、「走れ!流しそうめん」の回では根気よくのび太に付き合い、のび太に風呂を覗かれたり秘密道具で被害にあっても後日には何事も無かったのかのように接するので、度量の大きさは疑いようがない。
暴力嫌いで心優しい少女のイメージがあるが、母親によって厳しく躾けられている部分もあり、人が見ていないときには、肌着で寝そべってアイスをなめたり(『サハラさばくで勉強はできない』)、両親がいないときに深夜番組を楽しもうとしたり、後述する『男女入れ替え物語』では、のび太に入れ替わった後、まっさきに木に登ったりするなど、あけっぴろげな場面も多い。母親は娘に対し、躾にかなり厳格なところがあり「女の子は木登りなんかしちゃいけません」と戒めたり、しずかに入れ替わり、胡座をかいていたのび太に怒鳴ったりしている(同『男女入れ替え物語』)。
また案外、腕っぷしも強い。黙って裸を覗かれたりする、大切なものを壊されたりするなどすると、本気でキレて相手を引っ掻く、ボコボコに殴るなど、ジャイアンに勝るとも劣らないくらいに怖い性質を秘めている。基本はのび太やドラえもんが被害者となるパターンが多い(『あとからアルバム』『カチンコチンライト』など)が、TC20巻超大作特撮映画以下略、通称『ウラドラマン』では、タイムボカンシリーズばりの恥ずかしい衣装を着させられた事でスネ夫をボコボコにした事もある。
わさドラ版ではスネ夫が空想動物サファリパークが来た際に夢かどうか証明する為に引っ叩いてくれと頼んだ為、渋っていたとはいえ、のび太と一緒に思いっきりグーパンでボッコボコにしていたほか、「いただき小判」の回ではひみつ道具で静香の背中に張り付いていたのび太に対しドラえもんがひみつ道具を取り上げようと飛びかかろうとした際に事情を知らなかった静香は自分の身の危険を感じビンタ一発でKOしている。
息子のノビスケはスネ夫とジャイアンの息子を子分にするぐらいのガキ大将として描かれているが、さすがののび太でもここまで暴力的ではないので多分、彼女のお転婆な面が遺伝したのだと思われる。
のび太との婚姻後の氏名が漫画・アニメ共に出てくる事は少ない、おそらく「野比静香」と思われるが、あまり馴染みが無いからかSTANDBYMEドラえもん2の広告の「野比しずか」の表記に違和感を感じる視聴者も居たようだ。
それでも根の性格は博愛精神が強く、動物や子供に優しくて、弱いものいじめを嫌っている(ジャイアンを諭す話もある)。成績は出来杉の次に優秀であり、先生に怒られたりする場面はあまり無い(流石に、道路でローラースケートをしていたときは、スネ夫、ジャイアンと一緒に叱られていたが)。スポーツするシーンはないものの、劇中後期にはテニスをやってみようと発言した話があり、その後はテニスをしていたとのび太に発言している話がある。のび太を入れ替わる話『男女入れ替え物語』では、野球で大活躍しているなど、運動神経は非常に良かったりする。
良くも悪くも性善的な部分もあり、時としてこれによって、のび太が損をすることもある。例)のび太と一緒にドラえもんの道具で遊ぶ→ジャイアンとスネ夫が無理矢理混ざろうとする→2人きりが良いのび太が断ろうとしたら、道具の効果を2人に教えたり歓迎してしまったりして結果としてトラブルの火種になる…など。
のび太の関係
のび太たちの憧れな女の子であり、クラスのマドンナでもある。のび太と静香の結婚が、本作の最大の目的であるのだが、明確に彼女に好意を持っていることを告げたのは他に出木杉(過去には姿を見せていないが矢部小路)だけであり、スネ夫やジャイアンは彼女を恋愛対象としては見ていない(『録音フラワー』など例外的な話もあるが)。
しずか自身は、子供の頃からどうしようもないのび太に気にかけるなど、どこか気になる存在である。また、TC20巻『ぼくをタスケロン』のように、彼の人柄に自分から惹かれることもあった。劇中後半には、のび太が風邪で一緒に遊べなくなった際に、身代わり道具に対して「のび太さんの代わりだもの」と満更でもない発言があったり、『のび太と夢幻三剣士』のラストシーンでは、原作、劇場版とも明白に恋愛感情が芽生えているような描写さえある。
なお、のび太が自分に惚れていることは暗に気付いているようで、その弱味を知っていて泣き落としを使ったりすることもある(有名人に会わせてと頼み込んで断られた時や、のび太がジャイアンリサイタルのチケットを売りつけようとした時の応対など)。
大人になると「のび太と結婚しないと危なっかしくて見ていられない」という理由で結婚する。皮肉なことにのび太は持ち前のダメ男ぶりで静香のハートを射止めたとも言える(もちろん人間的な優しさやいざという時の芯の強さに静香も惹かれたと言うのもあるが)。
反対にのび太とは正反対なハイスペック少年・出木杉は「1人で何でもできてしまうから」と言う数奇な理由でフラれたりしている。
黎明期から80年代中期
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呼称 |
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80年代中期から現在
しかし、1980年代中期以降になると作風の変化とともに…………
一人称 |
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黎明期とそれ以降で作風の変化とともにキャラクターの性格に差異が生じるというのは、長期連載ではそもそもよくあることなので、彼女もそういう変遷を辿ったキャラクターであるとも言えるだろう。ただし、2003年放送の「記憶掘り出しビデオ」では、モブキャラクターである一郎(見た目ははる夫)のことを「一郎君」と呼んでいたことがある。元々台本に書いていたのか、声優の野村道子氏が言い間違えただけなのかは不明。
家族
両親と本人の3人暮らし。兄弟姉妹はもたない一人っ子。
父親のデザインは、大山時代では容姿が統一されていなかったが、一般的に認知されているデザインは初登場したシーンや『のび太の結婚前夜』で見られるメガネを掛けた姿であることが多い。
→http://twitdon.blog.jp/archives/12374294.html
余談
- 原作の漫画では正確な誕生日が設定されておらず、現在のテレビアニメでは5月生まれに統一されているが具体的な日にちは設定されていない。
- ヒロインで可愛い女の子という立ち位置故か、ドラえもんやのび太たち男性キャラやのび太のママなどと異なり、原作、アニメ共に歯を食いしばったり剥き出しにしてる描写は滅多にない。
歴代担当声優一覧
恵比寿まさ子:日本テレビ版
野村道子 佐久間レイ(2000年映画での幼少期):テレビ朝日版第1期
かかずゆみ:テレビ朝日版第2期
関連イラスト
関連タグ
ドラえもん(キャラクター) 野比のび太 骨川スネ夫 剛田武(ジャイアン) 出木杉英才
パンチラ お色気担当 のび太さんのエッチ! お風呂のしずかちゃん
たとえ胃の中、水の中 魔女っ子しずちゃん のび太の結婚前夜:主要エピソード
水川あさみ:TOYOTAのCM(ドラれおん)の実写化時にしずか役を担当
亀井静香:2014年2月に放送のアニメ版本編内で「しずかちゃん」を道具を使って呼んだ際、本家源静香や某イナバウアーに紛れて登場している。
野々花みよ子:他の藤子F不二雄先生の作品における同じポジションのヒロインキャラ。
bokete:アプリ様々な人の手によって初期静香などとは比べ物にならない程真っ黒な彼女を見ることが出来、ジャイアン以上の暴力的、サイコパスっぷりを見せつけてくれる。