のび太「なかなかいいよ。僕がな直せばもっとよくなる」
しずか「きゃっ、止めてっ。あんたはクラスでも有名なへたくそなのよ」
のび太「そう!僕上手いんだ」
概要
ドラえもんカラー作品集5巻及び、藤子・F・不二雄大全集4巻に収録
自分に自信が持てない人に自信をつけさせるためのヘルメット。このヘルメットを被ると、仮に周囲の人々が罵声を飛ばしても声援に聞こえるため、本人に自信とモチベーションが喚起される。自信がつく度合いは額の部分にあるダイヤルで調節でき、効果を強めれば強めるほど聞こえてくる言葉もオーバーになる。
ちなみに「ションボリ、ドラえもん」では、言っている自分物達も応援しているような表情に使用になている。
ストーリー
皆が笑って下校する中、のび太だけは不機嫌そうな顔をしていて帰宅。するとドラえもんも大声で笑っていたため「そんなにおかしいのかっ。どうせ僕はバカだよ」と怒って泣き出てしまい、ドラえもんはテレビの漫才を見ていただけと説明すると、のび太に何があったのか聞き、またテストで0点を取ったことを明かされた。
これに対し「嫌いだな」と言うと、のび太も「皆、大嫌いだ」と腹を立てるが、ドラえもんが嫌いと言ったのはそののび太のひがみっぽいところで、「君の一番悪いのは、自分はダメだと思い込んでいるところだ」と指摘し、自分に自信を持つよう一喝。そうしたらなんでもきっと上手くいくと励ましたが、それでものび太は自信を持てなかったため、ドラえもんは「自信ヘルメット」を取り出し、ダイヤルを「強」にしてのび太に装着。
さっそくドラえもんが、のび太のことを寂しがりがりやのメソメソくん呼ばわりすると、のび太はヘルメットの効果により「そんなに褒められると照れる」と自信を付け、なんだか世の中も明るく見えてきて何でもできそうな気がしてきたので、その勢いでドラえもんに勧められるまま宿題にも着手。一方ドラえもんはママが持ってきてくれたおやつのどら焼きを、自信を持たせたお礼にどら焼きを2つ共くれないかと持ちかけたが、自信を付けたのび太には2つともくれると聞こえたため、全て食べられてしまった。
宿題を終わらせたのび太は遊びに出かけ、遭遇したジャイアンとスネ夫にニヤニヤ笑われるも、のび太は自分は人気者だなと解釈し、テストで0点を取ったことを指摘されても、そう羨ましがらず、頑張れば自分みたいになれると言ってしずかの家にいってしまった。そして黙って家に入って来たことを注意されても、自分に会えてうれしいと解釈し、彼女が描いていた果物のスケッチに勝手に手を加えだし、上記のセリフを言われても全く気にしなかった。
出来上がった絵にしずかは泣き出してしまったが、当ののび太は全く気にせず、この家を自分の家にしてあげるとまで言い出して、彼女の母親も一緒に困ってしまった。このことを電話で知らされたドラえもんは急いでのび太を迎えに行き、ヘルメットを外して正気に戻ったのび太も恥をかいてしまったと落ち込みながらドラえもんと共に帰宅した。
それでもドラえもんは、宿題を終わらせることができてよかったじゃないかと励ますが、書いた答えは全てでたらめで間違っていたため、やり直しをすることになり、ドラえもんは自信だけでもダメなことを実感した。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年8月15日に、水田版は2017年5月19日にそれぞれ放送している。
2017年版
- ドラえもんはのび太から皆が自分を笑っていると聞かされた際、「そんなばかな」とは言っていなかった。また、のび太がそう思った理由は0点の連続記録を更新したからだった。
- ドラえもんがヘルメットのダイヤルを「強」にしたのは、これを装着してものび太に自信が湧かなかったからだった。
- ママに勉強をやっているのを聞かれた際、のび太は「勉強なんてやる気になれば簡単だからね」と言っていて、ママは夢かと思ってほぺったをつねっている。
- 外出したのび太は、最初にクスクス笑っている女子達に会ったが、自分のことをカッコイイと褒めていると聞こえている。またジャイアンとスネ夫に会ってすぐ、先生もこの場に通りかかって宿題はやったのか聞いてきたが、のび太は自信満々にもう終わらせたことを言い、おまけに自分が100点を取らないよう難しい問題を作ってくれと宣言していた。
- ヘルメットの効果で自信をつけたのび太が、ジャイアンとスネ夫に言われ壁を登って見せる下り、空地でホームランを打つ下り、そこにサッカーをしにやって来た中学生を自信だけで追い払う下り、入ってしまったボールを神成さんから取り返そうとするも、のび太のとばっちりでジャイアンとスネ夫が怒られ逃げることになる下りが追加されている。
- しずかは「のび太さんの絵って...!」というだけで、上記のセルフは言っていなかった。
- のび太の「はじかいちゃったぞ」のセリフは「しずかちゃんを怒らせちゃった」に変更されている。
余談
2017年版に登場した理科の問題には、上下2つのメダカの図のうち、あまり美味しくなさそうな方を選べという意味不明な問題があり、のび太は上の方を選択し間違いだったが、これと全く同じ問題が2008年放送の「のび太の0点脱出作戦」の回にも登場している。