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概要編集

のび太は藤子・F・不二雄の漫画(およびそれを原作としたアニメ)『ドラえもん』の主人公(ドラえもんものび太も主人公である)。


眼鏡をかけた少年。ドラえもんと固い友情で結ばれ、一緒に暮らしている。


誕生日は8月7日(鼻の日・バナナの日・パートナーの日etc.)の獅子座。毎年誕生日付近には、「のび誕〇」(〇は西暦)タグをつけられた絵が多数描かれ、盛大に祝われる。


ドラえもんが来る前は父・のび助、母・玉子と3人で暮らしていた。幼少時は父方の祖母が同居していた。父方の祖父は、のび太が産まれる前に亡くなった(TC14巻収録「夢まくらのおじいさん」。父方の祖父の名前が「のびる」というのは『最新ドラえもんひみつ百科1』のみで一時的に使用された表記で藤本の漫画には登場せず、公式設定でもない)。


なお、「夢まくらのおじいさん」にて父方の祖父は、タイムマシンで会いに来た小学生ののび太を自分の孫だとすぐに認識していた。TC4巻収録「おばあちゃんのおもいで」では、父方の祖母はタイムマシンで会いに来た小学生ののび太をすぐに大切な孫だと認識した。2人揃って孫に優しい夫婦である。


ちなみに母方の祖母(玉子の母親)は健在である(TCプラス1巻収録「グルメテーブルかけ」で僅かに登場。TC7巻収録「ママのダイヤを盗み出せ」では若い頃の姿で登場)。


年齢編集

漫画では3〜12歳。『よいこ』から『小学六年生』まで幅広い雑誌で連載されていたため、幼年雑誌の作品内ののび太はドラえもんよりも低身長に、小学高学年向けの作品内ののび太はドラえもんよりも高身長に描かれている。


てんとう虫コミックスでは年齢に関する記述はぼかされ、ぼかせなかった箇所はおおむね小学4年生となるように台詞等が調整されている。


藤子・F・不二雄大全集やデジタルカラー版では雑誌掲載時の台詞となっているため、描かれているのび太は幼児から小学6年生である(「小学五年生の勉強くらいわかるだろう」「もうすぐ中学生」等の台詞もある)。


2024年現在放送中のアニメでは小学5年生(10〜11歳)という設定。


性格編集

ドジで怠け者だが、心優しい素直な少年。人見知りしない性格で、年上に対してもタメ口で話す傾向もある(先生、同級生の親、世話になる人物等は除く)。


基本的に一つのことに集中するのが苦手で長続きしないことが多いが、自分が心の底から興味を持った物事に対してはのめり込み凄まじい集中力を発揮するタイプである。悪人ではないのだが、いたずら好きなところがあり、調子にも乗りやすい(特に劇中後半では辟易するような悪戯癖がある)。


短編はもちろん、大長編及び映画版等で危機的状況に陥った際は、勇気があり正義感が強い持ち主という一面を覗かせる(この点は『銀河超特急』にて、スネ夫から「のび太は大長編になるとかっこいいことを言う」と指摘されたことがある)。


ドラえもんから出して貰ったひみつ道具を使って騒ぎを起こし、周りに迷惑をかけてしまったり、しっぺ返しを受けることも多いが、ひみつ道具の持ち主であるドラえもんや誰も思いつかないようなひみつ道具の使用方法やひみつ道具を使ったおもしろい遊び方を考えて、時には困ってる人を助けて人助けをしたり、周りの友達を楽しませたりするのが得意で、ひみつ道具を有効に使う場面もある。


また、本人の不注意もあるが、大変不幸な目に遭いやすい体質の持ち主でもある。ドラえもんは基本的にのび太の味方だが、一方で「それは君がドジでのろまで弱虫だからだよ」等、辛辣な言い方をすることも多い。しかし、それらを抜きにしてものび太に降りかかってくる不運は異常で、どんなに注意深いとしても独力で解決出来なかったり回避が不可能な災難も目立つ。


  • ジャイアンスネ夫、その取り巻きには日常茶飯事的に虐められる。
  • 町内を散歩して偶然道でジャイアンに会っただけで彼の気分や機嫌次第で理不尽によく殴られる、また無理矢理自分を殴ろうと町中を追い回される(状況によってはジャイアンとスネ夫2人がかりで町中を追い回される)
  • 学校が終わりまっすぐ家に帰りたくてもジャイアンたちに町中を追い回されて自力では家に帰れず、それを理由に帰宅時間が遅くなった事で怒られる。
  • テストのたびに0点を取ること、または隠してた0点の答案用紙がのび太のママに見つかり怒られる。
  • 授業中の居眠りや遅刻の理由や宿題を忘れて先生に怒られ廊下に立たされる、またはそれが原因で放課後居残り勉強をさせられる。
  • 授業参観や保護者会や運動会など大事な学校行事を(忘れてた、または自分のせいでママが周りに恥をかいて怒られたを理由に)言わずに怒られる。
  • 夏休みや冬休みの子どもが学校に行かない長期休みでも宿題や家の手伝いをしない事で怒られる。
  • しずかとの約束に向かおうとしたところをジャイアンやスネ夫、時には先生からの妨害を受ける。
  • のび太のママから頻繁に家の手伝いで、お使いや草むしりや部屋の片づけや宿題を言いつけられたり、たいした理由がなくてもよくお説教を受ける(用事で出かけようとした時などにちゃんとした理由を伝えても彼女の都合で邪魔される事もあるので先生同様に妨害を受ける事も多い)
  • 野良犬に出くわせば理由もなく噛みつかれる。
  • 猛スピードで突っ込んでくる車に轢かれそうになったのを回避すればドブに落ちる。
  • 悪戯する子供を軽く注意すれば、その親から逆に悪者扱いされる。
  • 自分が関わっただけで何かトラブルがあれば必ず元凶扱いされる。
  • ただ歩いたり窓を開けただけで、誰かが投げた(あるいは打った)球が顔面に直撃する。
  • ドラえもんから運をよくするひみつ道具をもらっても、返って災難な目に遭う。
  • 歌手を目指すジャイアン心の友として、頻繁に彼のはた迷惑なイベントジャイアンリサイタルにファンクラブの結成や恐怖のディナーショーなどでジャイアンリサイタルで併催する形のディナーショーで、彼の壊滅的な声量と声質の悪声の歌を聴きながらジャイアンの作る凄まじい悪臭を放つ不味い料理を食べれるという地獄の悪夢のようなディナーショーに強制的に無理やり協力させられ、ジャイアンシチューなど(他にはジャイアンシチュー以外にもジャイアンピザなんて料理もあった)を嫌がる近所の子供達や友人たちに無理やり食べさせようとするため、周りから嫌がられ迷惑がられ恨まれる。
  • ひみつ道具が原因で外の公衆の面前でしずかを裸や下着姿にしてしまったり、彼女の裸を咄嗟の事故で見てしまったり、のび太がジャイアンやスネ夫の悪戯などの何らかの要因で不本意ながら彼女に失礼な行動を取ってしまって、彼女を怒らせてしまったり、泣かせてしまったりして、しずか(好きな子)に嫌われる(だが、しずか自身長い間引き摺り気にする性格ではないためすぐ仲直りする)
  • のび太のママがひみつ道具をよく知らずに勝手に触ったりいい加減に使ってしまい、彼女自身やのび太やドラえもん達がそれを知らずにひみつ道具の被害を受けてしまったり、彼女の行動が原因でそれをきっかけに大きな事件にあってしまう事がある。

等々、その不幸の数々は数え出せばキリがなく、のび太本人が「ぼくは日本一不幸な少年だ」と言ったり、「ぼくは世界一不幸な少年だ‼︎」と言ってドラえもんの前で号泣したり、「ぼくは不幸な星の下に生まれたんだ」と言ったり、「夢のない世の中だなぁ…」・・・・と言っていたり、このように本人の自覚があるように、のび太は普段から酷い目にばかり遭い、毎日ろくな目に遭わない不幸な少年なので彼がひどく嘆いてしまいたくなるのも頷ける(TC7巻収録「災難にかこまれた話」)。

だが、のび太自身口裏が上手く調子がいいところもあるので、例えドラえもんが道具を出したがらなくても同情心などで上手くドラえもんから道具を出してもらう事もある。

ただしその一方、ファンの間では「ドラえもんがいつも傍にいてくれることや、将来は幼馴染でクラスのマドンナであり、クラスのアイドルであり、みんなの憧れでみんなの人気者の可愛い女の子を奥さんにして結婚出来たり、腕白だけど親思いな子供を授かって幸せな家庭生活を送れるのだから、実際にはかなり幸福な境遇では?」という意見も存在する。


しかし、映画『ドラえもん のび太とアニマル惑星』では、「運の悪い人間程異常なまでに幸運になれる」という『ツキの月』を食べた結果、途轍もない幸運に恵まれて惑星間の行き来を成し遂げている為、やはり不幸体質と言えるだろう。


また、余計な言動が原因で自分からトラブルを生むこともあり、NSワッペンでは磁石の原理を得意げに話していたジャイアンに「そんなの誰でも知ってるよ。僕なんか幼稚園の時に気付いたもんね、遅れてるなぁ」とバカにした事でジャイアンの怒りを買い、名刀電光丸の回では変な顔をしていた侍を見て本人の前で爆笑した事で侍の怒りを買っている。お世辞口紅の回でも新しい赤い服を着たママのことを「出目金」と言い、パパの書いた果物の絵も「不格好で不味そう」と酷評して2人から叱られているなど、おべっかが上手くて世渡り上手なスネ夫とは対照的に褒める事が下手で無意識に他人を悪く言ってしまう口下手な面がある(特に腹話ロボットの回が顕著であり、口が達者なお陰で難を逃れているスネ夫と口の悪さでジャイアンとママを怒らせているのび太が対照的に描かれている)。


落ちこぼれの代表的なキャラクターとされることが多いが、漫画を深く読めば分かる通り、長所も欠点もあるごく普通の活発な男の子である(ただ、普段あまり役に立たないようなことが得意で、勉強や運動など普段必要とされることが苦手)。


何かにつけてドラえもんに頼ってしまうことが多いのは確かであるが、自分だけの力でなんとかしようと努力する気持ちも持っている(そもそも『ドラえもん』という作品自体が、主人公のドラえもんがドジな少年をひみつ道具で救う、言い換えれば読者である子供の願いを叶える物語なので、ファンの間では「のび太がドラえもんに頼ったり助けを求めるのは『ドラえもん』の趣旨から考えて当然では?」という意見も存在する)。実際、『のび太とブリキの迷宮』ではドラえもんが行方不明となっていた間ずっと早寝早起きを実践し、遅刻もせず宿題もきちんとこなしていた(ここは見張り役がいるから怠けられた大原部長に対する両津勘吉のようなもの)。


また、子どもらしい純真な心を持ち、首長竜のピー助(TC10巻収録「のび太の恐竜」)、台風のフー子(TC6巻収録「台風のフー子」)、木の子供であるキー坊(TC33巻収録「さらばキー坊」)、裏山の精霊(TC26巻収録「森は生きている」)、雪の精霊(TC21巻収録「精霊よびだしうでわ」)等に慕われ、『雲の王国』では、その生き物に対する優しさで地球を救った。


しずかのパパも、のび太のことを「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことが出来る」と評価している。実際、普段から自分をいじめているジャイアンやスネ夫についてどんな関係か聞かれても「友達」と即答したり、ピンチに陥っても躊躇することなく助けようとする。時にはつい調子に乗り過ぎたり、人助けが空回りしてジャイアンやスネ夫以外の人々に迷惑をかけてしまうこともある(大半は悪気はない)が、その時はしっかり反省して謝ったり、自分で責任を取ったりする誠実さを見せている。原作者である藤子・F・不二雄も「のび太は同じ失敗を繰り返すけれど、その度にちゃんと反省する」と述べている(『新刊展望』1981年4月号に掲載されたインタビュー)。


大長編及び映画版では持ち前の優しさにより、生命を弄ぶ悪党に対して激怒することがある。『南海大冒険』ではルフィンを改造生物に仕立て上げようとしたマッドサイエンティスト・Dr.クロンのコンピューターに銃を発砲して破壊したり、映画版『宇宙英雄記』ではイカーロスが惑星の住民を蔑ろにする発言をした際、怒りのパワーで攻撃力が備わったあやとりの紐で瞬く間に無力化している。


あまり話題にならないが、実はかなりの精神力の持ち主でもある。TC14巻収録「無人島へ家出」では無人島に家出してそのまま帰れなくなったことがあるが、その時はなんと無人島でそのままただ1人極限状況の中を過ごし、ドラえもんが助けに来てくれると信じて10年間待ち続けた


それだけでなく、普段からジャイアンやスネ夫にいじめられることが多いのび太だが、一時的に落ち込んだり泣いたりすることはあってもそれを引きずることはせず、すぐに明るい笑顔で学校に通うことが大半である。これはTC18巻収録「あの日あの時あのダルマ」で、おばあちゃんがダルマをプレゼントした時に「転んでも1人で起き上がるダルマのような強い子になってほしい」と言われ、それを約束したことが強く影響する。TC6巻収録「さようなら、ドラえもん」では、未来へ帰るドラえもんを安心させる為にジャイアンとタイマンで決闘し、ボロボロになりながらも諦めることなく勝利したことも、のび太の持ち前の精神力が強く表れている。TCプラス5巻収録「45年後…」では、50代半ばになったのび太が現在ののび太に「これから君は何度もつまづくけど、そのたびに立ち直る強さを持っている」と言いながらエールを送っている。


自制心も非常に強く、使い方を間違えればとんでもない効果を持つひみつ道具を持ったとしても、調子に乗って失敗してしまうことはあっても、本当の意味で悪用することはしない。実際「タンマウォッチ」(自分以外の時間を完全に停止させる)や「ソノウソホント」(喋ったことが全て本当になる)等の強力なひみつ道具を貸してもらっても、いじめっ子への軽い仕返しだけで済ませて自分の欲望を満たす為に使うケースはほとんどなく、仮に欲を満たすとしても、自転車を買って貰ったり(TC4巻収録「ソノウソホント」)、テストで良い点を取りたい(TC1巻収録「一生に一度は百点を…」)等、子どもらしい可愛い理由がほとんどである。


TCプラス6巻収録「「チリつもらせ機」で幸せいっぱい?」では、「チリつもらせ機」を利用して「日本の人々から1円ずつ貰えば億万長者になれるかも!」と考えるも、ドラえもんから「それは泥棒と同じじゃないか!」と指摘され、すぐに「冗談だよ」と返している。下記のように欲深いところもあるのび太だが、誰にも気付かれず大金を得られるひみつ道具を目の前にしても、自分を律することが出来る精神もしっかりと持ち合わせている。


TC13巻収録「悪魔のパスポート」では、どんな酷い悪事をしても全て許されてしまう「悪魔のパスポート」を手に入れた際、たとえ相手が笑顔で許してくれたとしても、自分が悪いことをしていることには変わらないという自己嫌悪に耐えられなくなり、自分がやってしまったことの後始末を自ら行い、悪魔のパスポートを自らドラえもんに返したほどである。その様子を見たドラえもんは「君が悪人になろうと思うのは無理なんだよ」と言いながら優しく微笑んだ。


更に、TC7巻収録「帰ってきたドラえもん」では、「ドラえもんが帰って来た」という酷い嘘をついたジャイアンとスネ夫に対し激しい怒りを見せるも、「ウソ800」(服用して喋ったことと反対の内容が実現する)を手に取った際は彼らに仕返しをするだけで許している。これほど強力な道具を手に入れ、尚且つ彼らに心を深く傷つけられたとしても、軽くやり返すだけで済ませるのび太はやはり小学生とは思えない自制心及び優しい心を持っていると言えるだろう。


ただ、それなりに欲深いところもあり、ひみつ道具で金儲けを企んでは失敗を繰り返している(TC28巻収録「キャラクター商品注文機」、TC37巻収録「なんでもひきうけ会社」、TC39巻収録「厚みぬきとりバリ」等)。ひみつ道具の恩恵を受けて調子に乗ってしまうこともあり(TC15巻収録「階級ワッペン」、TC26巻収録「のび太の地底国」、TC39巻収録「のび太神さまになる」等。

また、自分が描いた漫画や自分をモデルにしたグッズは(漫画に関しては下記の通り絵が下手であるにも拘らず)売れて大儲け出来ると本気で信じているなど自尊心も強い(勿論何も全く売れなかった。週刊のび太では、「他の漫画は面白いけどのび太の漫画のせいで台無し」など酷評であったため怒って漫画を描くのをやめた)。


尤も、上記の通りのび太は普段からジャイアンやスネ夫、その他のクラスメイトにいじめられていることが多い上に、TC42巻収録「町内突破大作戦」ではクラスメイト全員が敵に回ったことさえある(しかもこの時は味方に付いてくれそうなしずかと出木杉はその場に居合わせていなかった)。その為、これらは彼らに対する仕返しであることも多く、一概にのび太に非があるとは言い切れないのだが)、自分より能力が劣っている子を(のび太自身に悪気はなかったのだが)調子に乗って嫌な思いをさせてしまったことがある(TC23巻収録「ぼくよりダメなやつがきた」)。ただしその後はドラえもんに説得され、自分が悪いことをしてしまったと自覚し、ジャイアンとスネ夫にいじめられそうになっていたその子を庇い、代わりに殴られるという形で責任を取っている。


いずれにしても、何でも出来る親友が傍にいる(普通の人間なら誰でもドラえもんに頼りたくなる)状況や、どんなことでも実現出来る強力なアイテムを貸してもらえる状況だとしても、ドラえもんがいるからと威張るようなことはせず日々の生活を普通に過ごし、(調子に乗ってしまうことはあっても)道具を本当の意味で悪用することもせず、将来は真っ当な社会人として生きていくのび太は、ある意味ドラえもんよりも異質な存在と言える。


また、彼は時折妄想と取られかねない発言をしてジャイアン達に笑われているが、大長編及び映画版では、それらの事象の存在を言い当ててしまうケースが往々にして見られる(天国の存在鳥人の存在等)。


なお、勘違いされがちだが、出木杉とは相性が悪いのではなく、しずかと一緒にいる機会が多い事を嫉妬している事が非常に多いと言うだけで、実は相性はそれほど悪くない。事実、のび太は出木杉の嫌いなところを挙げようとして結局彼の良いところしか挙げられなかったし、TC20巻収録「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」では宇宙戦艦を制作した出木杉に対して「流石出木杉君だな~」と褒めるシーンもあり、成人後ひいては彼らが家庭を持ってからも友人関係が続いている点などからそれが窺える。出木杉側も上記ののび太の妄想とも取られかねない発言に関しても真摯に受け答えしつつそれに関連した事象をレクチャーした他、のび太の長所を認めている節がある(ただしTC43巻収録「宇宙戦艦のび太を襲う」や『大魔境』等では、ドラえもんやのび太の話をあり得ないと断言して反論したり受け流すこともしているが)。見方を変えるとのび太は常識に捉われない発想、出木杉は優れた知識からくる発想で動く人物とも言える。





苦手編集

勉強とスポーツ

時々(TC37巻収録「のび太の0点脱出作戦」等では5回に1回の割合だったが、TC42巻収録「もぐれ!ハマグリパック」では10回に1回の割合に成長している)0点を取ってはママに怒られている。しかし一度だけだが自力で100点を取っており(TC25巻収録「な、なんと!!のび太が百点とった!」)、事前にしっかり勉強した時や、一夜漬けした時は65点を取ったことが3回ある(上記の「のび太の0点脱出大作戦」、TC39巻収録「具象化鏡」など)。


魔界大冒険』でも、出木杉の難解な話を全て理解した上で鋭い指摘をしたこともある。ひみつ道具を組み合わせて使ったり、今までにない新しい使い方を生み出したりと応用力も高く、持ち主であるドラえもんを感心させるほど(TC13巻収録「風神さわぎ」、TC14巻収録「かがみでコマーシャル」、水田わさび版アニメオリジナルエピソード「N・Sワッペンで運動会」等)。

日本誕生』では動物の遺伝子アンプルを的確にセレクトし、ペガサス・ドラゴン・グリフォンを作り出すということもやってのけた。

先述したひみつ道具の商業への利用もこのような応用力があって成立している部分もある。


その為、ファンの間では「のび太本人にやる気がない(及び一つの事に集中できない)だけ、もしくは周りから勉強が出来ないレッテルを貼られて自信を失い自分はダメだと思い込んでいるだけで、実際にはやれば出来るタイプの人間であり、地頭は良く潜在能力は高いのでは?」という意見も存在する(TC2巻収録「ぼくの生まれた日」にて、パパがママと赤ん坊ののび太を見ながら「(のび太が)君に似たら成績優秀疑いなし!」と言っている為、ファンの間では「潜在能力が高いのは母親の能力の遺伝では?」という意見も存在する)。

ただ後述の宿題忘れが多い辺り、記憶力に関しては基本的に低いようで「クラス一物忘れが激しい」と評されている(TC2巻収録「テストにアンキパン」)。更にドラえもんから八岐大蛇の情報を聞いても終盤でそれを忘れてしまい、ドラえもんに聞き直す等、あたかも人の話を聞いていなかったような態度をとった(短編第22巻第11話「タイムマシンがなくなった!!」)。


派生作品を含めるなら、学習漫画『ドラえもんの算数おもしろ攻略 かけ算・わり算』では、ドラえもんと算数の勉強をしたのび太は優勝賞品200万円の買い物ゲームに出場しており、テレビ中継されている状況で見事優勝を果たしている


また、よく宿題を忘れる、授業中に居眠り、朝寝坊した際は遅刻してしまい、先生からよく叱られ、廊下に立たされることが多い(TC18巻収録「ひい木」、TC20巻収録「ゴルゴンの首」、TC23巻収録「本人ビデオ」、TC36巻収録「オバケタイマー」等)。


漫画を読むことが好きで、鋭い観察眼を持っている。実際にジャイアンからは「漫画を見る目は確かだ」と評価されており、のび太本人も「僕が面白いと思った漫画は必ずヒットする」と自負している(TC37巻収録「大人気!クリスチーネ先生」)。


しかし読書に対しては重度の苦手意識を持ち、1ページも読まない内に眠ってしまったり(TC27巻収録「人間ブックカバー」)、「手にとるだけで頭痛、ページを開けば目まいと吐き気、2,3ページで意識不明」となる(TC32巻収録「本はおいしくよもう」)。のび助からはたびたび偉人の伝記をプレゼントされているが、読まずに放置している(上記の「本はおいしくよもう」)。


ただし、出木杉に読み聞かせをしてもらった『十五少年漂流記』の続きが気になり、彼からその本を借りて夜通し読み込んだこともある(上記の「人間ブックカバー」)。また、ドラえもんやスネ夫程にないにせよ恐竜については比較的知識を持っており、プロガノケリスアーケロンといった、一般の人はまず知らない古代亀の名前をそらんじている(TC17巻収録「大むかし漂流記」)。


野球だけではなくサッカーやスケートをしたこともあるが、上手くこなせないことが多い。ちなみに野球については打率1分(TC35巻収録「空ぶりは巻きもどして…」)であり、殆ど三振守備エラーばかりしている。ただしエピソードによっては、まぐれでヒットを打ったり守備で活躍することもある(TC4巻収録「石ころぼうし」、TC27巻収録「きりかえ式タイムスコープ」等)。


ただし、作品によっては運動を克服していることもあり、これも向上心が弱いだけで全くできないという訳ではない模様。彼は基本的に泳げないが、TC45巻収録「強力ハイポンプガス」及びTCカラー作品集6巻収録「ドンブラクリーム」では、ドラえもんのコーチにより短時間(推定数十分~数時間)で泳げるようになっている。それだけでなくTC1巻収録「走れ!ウマタケ」では、最初は竹馬に乗れなかったのび太だが、特訓したお陰で短時間(推定数十分~数時間)で乗りこなせるようになっている。更に大全集11巻収録「雪ふらし」では、元々はスキーを滑ることが出来なかったが練習で上達して(TC2巻収録「勉強べやの大なだれ」)、普通にスキーで滑るシーン(TC19巻収録「大雪山がやってきた」等)が描かれている。


因みに逃げ足も速いとよく言われているが、自身から漫画を横取りしようと追いかけてきたジャイアンには「のろまのくせに逃げられると思うな」とバカにされるシーンもある。


歌唱力はお世辞にも上手と言えるほどではなく、TC13巻収録「ちく電スーツ」ではスネ夫から「ジャイアンより酷い」と言われており、TC8巻収録「ぼく、マリちゃんだよ」では周囲の人々から酷評されている。しかし水田版アニメオリジナルエピソード「青い月夜のリサイタル」等、エピソードによっては人並みに出来ていることもある。


楽器の演奏は基本的に全く出来ずアニメオリジナルエピソード「結成!のびーとルズ!」では道具の力でズルをしたり映画「のび太の地球交響楽」ではリコーダーを吹けないのび太が物語の軸となっている。


画才のある父を持つ一方で、のび太本人は絵を描くのが得意ではなく(TC5巻収録「つづきスプレー」、TC8巻収録「ロボットがほめれば…」、TC31巻収録「あとからアルバム」、TCカラー作品集4巻収録「完全しゅうせいき」等)、犬を描こうとしたつもりが猫になってしまったこともある(TC3巻収録「そっくりクレヨン」)。ただしTC21巻収録「恐竜が出た!?」では、白亜紀の風景画を綺麗に描いていることも。


地震等、一部の自然現象に恐怖心を抱いていたが、ドラえもんのひみつ道具によって克服した(TC12巻「カミナリになれよう」、TC34巻収録「地震訓練ペーパー」。後者はドラえもんが彼に地震に慣れる訓練を強要したので震度7クラスの揺れでも動じなくなった。しかしドラえもんの配慮不足やひみつ道具の効果が極端にキツい所為で実際に少し大きい地震が起こった際、ドラえもん達はすぐ家の外へ避難したのだが、不運にものび太だけは地震に気づかないままテレビを見続けており、パパとママから「逃げ遅れて家の下敷きになったらどうする」、「なんでそうのろまなの」と叱れるとばっちりを受けた(トラブルをひみつ道具のせいにする事がしばしばあるのび太だが、このような事態を招いた辺り、あながち的外れではないのかもしれない)。


妙におしっこシーンが多いキャラクターでもある(TC27巻収録「四次元たてましブロック」、TC35巻収録「悪魔のイジワール」、TC39巻収録「メモリーディスク」、その他「空中ブロック製造機」など)。たまにおもらしおねしょをしてしまう癖は公然の秘密(『夢幻三剣士』ではのび太が「水が関係する夢を見るとやってしまう」と述べている)。


TC26巻収録『◯□恐怖症』ではのび太の苦手なものが色々登場し、ヘビカマキリは飛び上がった一方で毛虫(女の子の前で、何度か毛虫を追っ払ったりしている)、ゴキブリ(『ウラシマキャンデー』など)、ネズミ(『ハメルンチャルメラ』など)は全く怖がらないので、案外他人が苦手な動物は平気だったりもする。蜘蛛は作品によっては苦手だったり平気だったりする。ほかにお化けも苦手。何よりも苦手なのが怒ったママとジャイアンである。


特技編集

昼寝と射撃、あやとり。あやとりは自作の技を開発するなど熱心だが、「金がかからず疲れないから」という理由でのこと(TC8巻収録「カネバチはよく働く」)。周りは相手にしないが、時々女の子と一緒にあやとり遊びをしていることもある。


射撃編集

射撃の腕前は天才的で、二丁拳銃の早撃ちは見るものを圧倒する。特に大長編及び映画版では、のび太の射撃能力がクローズアップされる場面が多い。『宇宙開拓史』では、宇宙でも屈指の腕前を持つ殺し屋・ギラーミンとの一騎打ちを演じた。


また、その能力をいかんなく発揮した『銀河超特急』では、本来攻撃用ではない弾速の非常に遅い信号弾とその発射器を使って高速で飛び回る小型艇を偏差射撃で撃墜したり、標的の空き缶を1発目の射撃で浮かせ、残りの5発全てを浮いている間に命中させるといった離れ業を披露している。それだけでなく、作中では6人の敵を早撃ちで瞬時に撃退しており(映画版では横に回転しながら射撃し、4人に一気に命中させている)、ラストは強敵を誘い出して早撃ちで撃退している。


「のび太の早撃ち速度は0.1秒」というのは『ザ・ドラえもんズスペシャル』には早撃ち速度0.1秒という設定のドラ・ザ・キッドが登場するが、同作にてのび太とキッドが対決する場面があることから考察されている。


TC24巻収録「ガンファイターのび太」では「タイムマシン」に乗り込んで西部開拓時代に行った時、リボルバー型拳銃の実弾射撃で人を撃った経験もある。ガンマンとの最初の対決では流血描写はあるが絶命に至らなかったが、撃ったのび太は直後にショックで気絶している。その後のガンマン達との最終決戦では、ドラミが駆け付けるまでに先述のリボルバーの二丁拳銃でガンマン数人を無力化している(1987年版「ガンファイターのび太」〈大山のぶ代版アニメ〉ではその前にドラミが駆けつけ、撃った相手を眠らせるひみつ道具「ドリームガン」を渡している)。『南海大冒険』でもフリントロック式の銃を使用して射撃し、悪役が使用する機械の破壊も行っている(機械のすぐそばに人がいる状況での狙い撃ち)。


また、のび太は銃器を選ばず安定した命中精度を誇る。よく代表例として拳銃や光線銃が取り上げられるが、実際には「空気砲」や「部分進化ガン」(ラッパ銃型のひみつ道具)等の大口径の銃器、「CMキャンデー発射機」等の特殊な形状のひみつ道具といった、銃以外の飛び道具も問題なく扱っている(これについては、のび太に負けず劣らずの射撃の腕前を披露しているドラえもんにも言えることだが)。それだけでなく、上記の『銀河超特急』でも、弾の軌道が不安定な信号弾を敵に命中させている。


大全集2巻収録「アタールガン」(『小学一年生』1970年2月号掲載)では、のび太は射撃も苦手という設定だったのだが、TCプラス2巻収録「夢中機を探せ」(『小学二年生』1974年11月号掲載)にてのび太が射撃の才能を初めて自覚し、TC12巻収録「けん銃王コンテスト」(『小学六年生』1976年1月号掲載)にて「のび太は射撃の名手」という設定が定着した。


しかしTC20巻収録「ツモリガン」(『小学二年生』1979年12月号掲載)では、のび太は自身が得意とする早撃ちでドラえもんに敗北している。更に、TCプラス2巻収録「命れいじゅう」(『小学二年生』1983年4月号掲載)では、「命れいじゅう」でジャイアンとスネ夫を狙うはずが先生に誤射してしまっており、大全集6巻収録「実物射的で狙い撃ち」(『小学五年生』1977年9月号掲載)でも、ジャイアンやスネ夫達を狙おうとしたのだが外してしまっている。


大全集11巻収録「ゲラメソプンピストル」(『小学一年生』1978年12月号掲載)でも、「ゲラメソプンピストル」でジャイアンやスネ夫を狙うはずが、近くにいたはる夫や犬に誤射してしまっている。TC30巻収録「空き地のジョーズ」(『小学三年生』1983年11月号掲載)では、ひみつ道具の効果で空き地にサメがやって来てしまい、ドラえもんとのび太は光線銃型のひみつ道具(音と光で脅かす武器)でサメを追い払おうとしたのだが、のび太は全弾外してしまい弾切れを起こしてしまったなど、テンパっているときや土壇場の場面では命中率が悪いようでもある。


TC22巻収録「しあわせをよぶ青い鳥」(『小学三年生』1979年11月号掲載)では、銃型のひみつ道具「チルチルペンキ」を使用し、空を飛んでいる鳥にペンキを浴びせようとした際も外してしまっている。


上記の『銀河超特急』でも、馬に乗って逃げ出した強盗団に対してのび太は銃を乱射したのだが、全て外してしまいドラえもんから「焦って無駄弾を撃っちゃダメだ」と言われてしまっている。


これらのエピソードは全て「夢中機を探せ」及び「けん銃王コンテスト」より後に描かれたエピソードである(それぞれのエピソードの掲載年月日を参照)。


また、銃の腕前は確かだが、矢を放って当てるのは苦手なようで「ああ、好き、好き、好き!」では当てた相手は自分を好きになるキューピットの矢で好きな女の子の意中を射止めようとしたが、全て外れて関係ない人に当たっており、ドラえもんからも「下手くそ』呼ばわりされていた(ただ、この時はまだ射撃の腕前が高いと言う設定はなかった。更に好きな女の子が目の前にいて緊張して目を瞑ってしまったりしていたのが原因ともとれる)。


鼻くそをほじって1ダース揃えたり(TC6巻収録「夜の世界の王さまだ!」)、それを飛ばして部屋の照明の紐に命中させたりしたとすごくくだらないこともするが、実はこれこそがのび太が射撃の才能がある事を自覚した出来事である(上記の「夢中機を探せ」)。また、「タケコプター」の技量も優秀である(『竜の騎士』)。


射撃の命中率は9割前後という独自研究(参考)があるが、作中の全射撃場面を集計したものではない。




眠ること編集

昼寝は文字通り彼のぐうたらぶりを象徴する特技であり、なんと0.93秒で眠りにつくことが出来る。それも、目を閉じてから0.93秒ではなく、枕代わりの座布団を持って立っている状態からそれを頭の下に敷き横になる、という一連の動作まで含めて0.93秒なのである

その様子が描かれたTC30巻収録「ねむりの天才のび太」では「もしもボックス」を使用して「眠れば眠るほど偉い世界」を実現したことがあり、オリンピックにおける眠り競技で日本代表選手として活躍が期待されるとまで言われていた(水田版アニメオリジナルエピソード「ひるね王選手権」では、のび太がもしもボックスを使用して「昼寝が競技の世界」を実現した際、世界大会の日本代表として選ばれている)。のび太曰く「早寝のコツは頭の中をカラにする」とのことなので、この早さも納得である(睡眠のメカニズムでは、ノンレム睡眠に至るには十数秒程かかるとされており〈眠りの深さによりレム睡眠に至る〉、のび太は現実的に考えれば睡眠というより失神及び気絶している状態に近いことになる)。


細かい作業編集

また、技能に関してはゴム風船のスペースシャトルを工作したり(TC25巻収録「のび太のスペースシャトル」)、鉄道模型の寝台車にベッドを組み込む(TC39巻収録「のび太の模型鉄道」)等といった細かい改造もこなしている。それだけでなく「水加工用ふりかけ」を使用して水で粘土細工を作った際は精巧な潜水艦を完成させたり(TC23巻収録「水加工用ふりかけ」)、足でけん玉を遊んだ(TC12巻収録「ウラオモテックス」)こともある。


本人曰く「ぶきっちょな人間」であり、模型を作り方を間違えてしまったことがある(TC4巻収録「してない貯金を使う法」、TCプラス1巻収録「ぼくを止めるのび太」等)。だがロボットプラモによるジオラマ制作合戦ではきちんとプラモを組み立てているし、ジオラマ背景の製作はドラえもんの道具を使ったがウェザリングは完全に自力である(TC32巻収録「超リアル・ジオラマ作戦」)。


ラジコンの操作も苦手で、スネ夫等から「のび太に貸すと(ラジコンを)壊すから」と馬鹿にされることも多く(TC39巻収録「十戒石板」等)、実際に壊してしまったこともある(TC42巻収録「運動神経コントローラー」等)。ただしTC25巻収録「のび太の結婚前夜」の作中では、成年時ではあるが自動車は普通に運転している。その為、器用が不器用かは微妙なところであり、出来不出来の差が激しい。


設定として紹介されず作中で強調されることは少ないが、女装した際に自らバラすまで相手に少年(男)だと気付かれない事もある(TC3巻収録「白ゆりのような女の子」、43巻収録「強~いイシ」、『太陽王伝説』、「ネアンデルタール人を救え」等)。


家出編集

家出をする事が多く、その理由はママやパパ(時にはドラえもんも加わることもある)に叱られて「あんなに怒ることない!」、「僕のことが嫌いなんだ!」と逆ギレして衝動的に家出に走ってしまうのがお約束の流れとなっている。しかし、「見たいテレビがある」と言うしょうもない理由で帰ろうとすることもあり、勢い任せの割に意思が弱い。その為大抵はその日のうちに帰ることが多いが、家出の最長記録はなんと10年(無人島へ家出)にもなった事がある


服装編集

原作、水田版アニメでは様々な服を着用しているが、大山版アニメでのイメージが強い為か、大きな白襟のついた黄色いシャツを纏ってるのがパブリックイメージ(大山版でも勿論複数の服を着ているがこれが一番多い為)。


日テレ版では原作初期に多く見られた白襟の赤いシャツ。


パジャマや特別な場合を除いては半ズボンが基本であり、パンツは白いブリーフとなっている。これらは原作版が描かれた頃の小学生男児の標準的な服装である(尤も、現代においてもそんな突飛な服装ではないが)。シャツについては季節に合わせて長袖になったり半袖になったりしているが、ズボンは基本的に常に半ズボンである。


恋愛事情編集

惚れっぽい他メンバーと違い基本的に幼馴染で同級生のしずか一筋であり、『恐竜』ではプテラノドンに追いかけられている際、涙を流していたり、『ねじ巻き都市冒険記』では命がけでしずかを救おうとする程にしずかへの想いは本物なのだが、エピソードによっては他の女の子に目を奪われたりするぐらいの描写はある。


そもそものび太の初恋の相手はしずかではない。TC6巻収録「赤いくつの女の子」の作中において、のび太は幼稚園の頃、近所に住んでいた母子家庭の娘であるノン子に既に恋心を抱いていた。このエピソード自体はのび太のほろ苦い思い出と言って良いのだが、しずかと結ばれる未来が約束されており本人もそれを望んでいるにも拘らず、目の前を通りかかった別の美少女と仲良くなりたいが為にドラえもんからひみつ道具を借りたり(TC38巻収録「友だちの輪」)、二十二世紀デパートからドラえもん宛に誤配されてきたひみつ道具が可愛い女の子型ロボットと知って使用したり(TC37巻収録「かぐやロボット」)、しずかに振られてしまった場合に備えて滑り止めの彼女を作ろうとする(TC24巻収録「虹谷ユメ子さん」、TC18巻収録「ガールフレンドカタログ」)等、スネ夫や出木杉に負けず劣らずのプレイボーイ気質を見せたこともある(尤も大抵は上手く行かず失敗しているが)。


また、あまりにしずかと上手くいかないのび太を不憫に思ったドラえもんが、未来からロボットのガールフレンドを連れて来てのび太に紹介したこともある(TC2巻収録「ロボ子が愛してる」)。大山版アニメにおけるドラミ初登場時に、初対面のドラミを見てデレデレしたこともある(ただし原作版にはのび太がドラミにそのような目を向ける描写は一切存在しない)。


将来的にはしずかと結婚する為、のび太と他の女の子の間で恋が成就することはないが、大長編及び映画版ではゲストキャラクターの女の子と良い雰囲気になっていることもある(『宇宙開拓史』のクレム、『魔界大冒険』の美夜子のび太の地球交響楽ミッカ等)。

他、人外存在からも好意を寄せられやすい。




嗜好編集

好物として第一に挙げられるものがホットケーキであり、ママからも「のびちゃんの大好きな」と公認されている。また、しずかから手作りのホットケーキを作ってくれることもある(ただし、原作において、そこにありつけた描写はないような…)。ほかに好物として登場したものとして餅、柏餅、ブドウ(「パパも甘えんぼ」)、梨(無人島の大怪物)など。苦手な食べ物はニンジン、魚(ただし、刺身としては好物と紹介された話もある)など。


大長編ならびに劇場版ではお子様ランチやカレーライスを頼むことが多い。



のび太は「主人公」か「副主人公」か問題編集

のび太は、ドラえもんと並び、漫画『ドラえもん』における主人公である。

作者の藤本は、作品発表時から1996年まで、多数の記事やインタビュー等でことあるごとに「主人公ののび太」「主人公のドラえもん」と、のび太とドラえもんの両方の名前をあげて語っている。


主人公は1人と限定するならば、作品タイトルが「ドラえもん」なので「ドラえもんが主人公」「のび太は副主人公と呼ばれることもある」というのみで、この場合の「副主人公」は「主人公」とほぼ同じ意味である。のび太もドラえもんも、どちらも作品において優劣がつけられることがない重要な人物である。


「ドラえもんが主人公であり、のび太は副主人公」と作者が明確に語っているというのは悪質なデマ。そのような発言は存在しない。


当初はのび太が「主人公」だったが、途中で主人公が交代し、のび太は「副主人公」になったという記事が横行しているが、これもまったくのデマ。


1つのデマが十数年にわたってコピペされ、拡散され続けていたことになる。ネットの情報はウソだらけなので「Wikipediaは参考資料として使ってはいけない」と大学できつく教えていることが正しいということを証明する好例である。


『新刊展望』1981年4月号に掲載されたエッセイ及び1989年の講演にて、作者の藤本はのび太のことを「副主人公」と呼んでいるが、いずれの場合も(ドラえもんではなく)のび太を題材に「主人公論」を語る中での発言であり、作品タイトルにもなっている主人公のドラえもんがいるため、もうひとりの主人公ののび太のことを「副主人公」と呼んでいるに過ぎない。


1988年に藤本は「アイディアに悩む頭の悪いぐうたらな男(つまり、ぼく)を主人公の少年(のび太)におきかえてストーリーを作っていきました」と『藤子不二雄Ⓕまんがゼミナール』(小学館)154頁に記している。


1992年に藤本は「のび太のキャラクターは最初から計算していたわけじゃないんです。昔の漫画みたいなカッコいいヒーロー的な主人公だと、描いていてなかなか感情移入ができない。だから、自分も親しめる主人公ということで、描いているうちに、自然にこうなってきちゃっただけなんです」と『DENiM』創刊号(1992年8月号、小学館、藤子・F・不二雄大全集『Fの森の大冒険』272頁に再録)に記している。


2024年7月発行の『ドラえもん 第1巻 50周年記念 永久保存版 別冊ふろく』の5頁には「ドジな主人公・のび太への共感」と記されており、2024年の公式出版物においても「のび太は主人公」という認識であることが分かる。

その他編集

永久に年を取らないキャラクターの代名詞の一人編集

ただし、『サザエさん』とは違い、のび太は青年期以降の「未来の姿」が描かれるシーンが比較的多い。


ドラえもんが来る前ののび太の未来編集

TC1巻収録「未来の国からはるばると」の初対面シーンにて、セワシの口から語られている。

それによると、のび太はジャイ子と結婚し、子供を少なくとも6人授かるも、大学にも行けず就職も出来なかった為に自分の手で会社を興すが、その会社が自分が遊んだ花火の不始末で火事(『さがせ!野比家のへっぽこご先祖さま』で詳細が描かれており、新社屋の完成を記念する花火大会を予定していたが、線香花火以外に打ち上げ花火も数十発用意されており、打ち上げた直後にビルが崩壊した。おそらく屋内で打ち上げ、その衝撃がビルに伝わったと思われる。)になり倒産、莫大な借金を残すこととなってしまったという。


あまりにも借金の金額が大き過ぎた為、孫の孫であるセワシの代でも返済することが出来ず、そのせいでセワシのお年玉は50円と述べられている。



ドラえもんが来たことによるのび太の未来編集

ドラえもんがのび太の家に居候し、のび太の運命が修正されたことで、大学卒業後は就職し、その後しずかと結婚する。その後、自分の父親と同じ名前を持つ野比ノビスケという一人息子を設け、更にはノビスケの子供である玉子似の孫息子(TC36巻収録「のび太の息子が家出した」)も設けることとなる。


ただ、これらの価値観が連載開始の1970年代のものである為、バブルが崩壊し、終身雇用が以前ほど当たり前ではなくなり、日本人の価値観が多様になった近年において、ファンの間では「本当にドラえもんが来た後の未来が幸せなのか?」、「起業出来るなんて男の夢じゃないのか?」と言う意見も存在する。(中には、改変前の歴史では妻となるジャイ子は改変後では売れっ子漫画家になるため、「この歴史改変はジャイ子の才能を埋もれさせないためのものでは?」というぶっ飛んだ考察も存在する)


それだけでなく「借金取りが家に押しかけるなんて相当のやり手では?」という意見も存在する(通常の金融機関であれば、担保で帳消しに出来る程度にしか貸さない。つまり、のび太は相当な額を無担保で信用借りしていたことになる。ただし闇金融等を利用していた場合は話が変わってくるが)。


実際、上記のように原作版ではのび太がドラえもんのひみつ道具を使用して商売をするエピソードは多々あり(TC10巻収録「夜を売ります」、TC28巻収録「のび太航空」、TC37巻収録「なんでもひきうけ会社」、TC39巻収録「厚みぬきとりバリ」等)、その都度にある程度の成功を収めている(尤も、その後は失敗してしまうことが大半だが)。

また、吸音機を用いた騒音除去サービスを始めた際にはパパ相手に商談紛いの交渉を行い、300円も徴収する事に成功するなど(TC第15巻収録「騒音公害をカンヅメにしちゃえ」)など回によっては小学生とは思えない交渉力を発揮している。

その為、ファンの間では「未来ののび太が商売である程度成功してもおかしくない」という意見も存在する。


ちなみに、上記の「未来の国からはるばると」における描写では、のび太が起業したのは1988年であり、会社が焼けたのが1993年、倒産したのは1995年ということであり、まさしくバブル真っ盛りの時代に起業し、バブルの崩壊とともに倒産という、皮肉にも現実の時代背景的に矛盾がない流れになってしまっている。(もっともこれなら借金取りが押しかけたことも納得できる。バブル期では銀行が企業に融資を積極的に進めることが多かった。むろんこれらが崩壊後に大きな損失になった。)


尤も、この「のび太起業」の未来図は、上記の「未来の国からはるばると」の初出版(『小学四年生』掲載時。TC0巻で確認可能)では「父の会社を継ぐ」とされていた(記念写真がのび太とのび助が乾杯をする構図になっているのはその名残)。その後、連載が進むにつれ、のび助の職業が経営者でなく普通のサラリーマンと設定された為、TC収録の際に矛盾が発生しないよう書き換えられた(どちらにしても会社を7年間経営出来ていたことは間違いないが)。

また、水田版における2022年の誕生日スペシャル『さがせ!野比家のへっぽこご先祖さま』においては「起業→火事」の流れについては起業の際にすでに多額の借金をしており、設立祝いで社屋の屋上で花火を打ち上げた結果、それで丸焼けになってしまったという風に描かれている。


また、TC0巻収録「机からとび出したドラえもん」(『小学三年生』に掲載された第1話)で示された未来は「就職するが仕事で大失敗してクビになる。その後はゴム紐と歯ブラシのセールスマン(当時の言葉を使えば”押し売り”)を経た後に宝くじで一攫千金して起業するも、1年で会社を潰して大借金を負う」とされており、ビジネスの才能は持ち合わせていないと言える描写になっている。


創世日記』では、のび太の行動によって祖先が財を得るという「神のいたずら」があったものの、のび太のそっくりさんである野火氏は産業革命後の社会(概ね第一次世界大戦後レベル)において、一大コンツェルンを創設していた事がある。


のび太の将来の職業編集

未来は常に変わり続けているので、未来ののび太は様々な職業に就いている。


ドラえもんが現代に来ない場合の未来ののび太の職業は「社長」「訪問販売員」「乞食」など。


ドラえもんが現代に来たことによって変わった未来ののび太は、会社に就職したことが18巻「ガールフレンドカタログメーカー」で語られているが、職業名は不明。その後も会社から帰宅する場面が描かれており、勤め人としてしずかとノビスケを問題なく養えるだけの収入は得ているようだ。


「環境保護局の自然調査員」という具体的な職業名は、1989年のアニメ映画『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』の公開前に、「コロコロコミック」の特集記事内に記載されただけの限定的な設定で、アニメ映画には具体的な職業名は登場しない(1998年発売の『最新ドラえもんひみつ百科1』などにもこの職業名が記載されているが、『ミニドラSOS!!!』の際の特集記事の職業名を引き写したものと考えられる)。この職業名は藤本の漫画には一切登場せず、水田版アニメでも登場しない。


未来ののび太像編集

未来ののび太像については、世代によるもののドラえもんが歴史を変える前と後でかなり違う。


ジャイ子と結婚した場合は痩せていて無精鬚を生やしている。しずかと結婚した場合、大山版では、痩せてはいるものの無精ひげは生えていない。原作版・水田版の場合はやや肥満体型であり、メガネがない状態で生活している(TC16巻収録「りっぱなパパになるぞ!」では「治ったのは近眼だけ」と述べている)。更に、しずかと結婚したルートでの大人のび太は、ノビスケのいる時代での容姿が原作版とアニメ版とで異なる場合もあり、原作版と水田版ではのび助の面影を残した雰囲気が出ており、大山版では少年時代の幼さを醸し出していた(映画『ミニドラSOS!!!』)。上記の「のび太の結婚前夜」における大人のび太も、大山版では前述の『ミニドラSOS!!!』に基いているのに対して、水田版では原作版のように少年時代とはかなり異なる髪型となっている。


実は勉強ができる?編集

アメトーーク!』では『のび太ほっとけない芸人』としてピックアップされたが、その際に「実はかなり勉強が出来る方なのではないか?」と指摘された。


作中でのび太が零点を取ったテストに出てくる問題というのが、「テレビの上にはミカンがあります。さて、リンゴはいくつあるでしょう?」、「ここに君がいます。さてそれ以外には誰がいるでしょう?」といった、もはや問題の体をなしていない設問が載っており、そもそも解ける方がおかしいと言われる問題でテストが構成されていた。(なお、これらは大山版においてのスタッフの遊び心の面が強く、水田版ではあまり見受けられない。ただし、当たっているのにバツがついてしまったことは水田版でもある


その一方で、負の数を使った計算問題や、分数の掛け算・割り算など、小学生のテストにしては難しい問題はかなり正確に解いており、中には当たっているのにも拘らずに採点されていないものまである。上述したのび太が実力で100点を取ったテストなど「Xを求める一次方程式」(普通なら中学生以降で習うもの)が問題に含まれているほど(なお、このテストののび太の原作版での解答欄は非常に丁寧で、名前も間違っていない)。


大山版では、映画『のび太の結婚前夜』のみ、青年のび太は小原乃梨子が演じている編集

馴染みのある少年のび太の声と比べて、少々太めの声で演じている。慣れない声色に挑戦したからなのか、「大人になったのび太を演じるのは、大変だった」と、当時放送されていた『笑っていいとも!』の『あなたの知っているようで知らない世界』で語っている。


のび太、恐竜の学名に編集

中国の地質学教授シン・リダ教授が新種の恐竜の化石を発見した際、その化石にのび太の名前を由来とする「エウブロンテス・ノビタイ」と名付けている。


のび太に例えられる人物編集

  • 福田康夫 … 政治家、元首相。風貌のほかに、のび太の中国語訳の一つが「康夫」であることも由来。
  • 古田敦也 … 元プロ野球選手。
  • 田上富久 … 政治家、元長崎市長。
  • 張富升(张富升) … 中国の射撃選手。
  • ジュゼップ・マリア・バルトメウ … スペインのサッカークラブFCバルセロナ元オーナー
  • ムン・ヒョンウク … 韓国の犯罪者、n番部屋事件の主犯格。通称・ガッガッ。

歴代担当声優一覧編集

日本テレビ版編集

太田淑子

テレビ朝日版第1期編集

小原乃梨子丸山裕子※一時代役

大本眞基子、小原乃梨子(幼少時代)

塩屋浩三拡森信吾、小原乃梨子(大人時代)

大川透45年後…

テレビ朝日版第2期編集

大原めぐみ

門脇舞以、大原めぐみ(幼少時代)、寺崎裕香(3歳ののび太)

川中子雅人、堀秀行、大原めぐみ、妻夫木聡※(大人時代)

※妻夫木は声優として演じる以前にもTOYOTACMで実写化された際にのび太役を担当していた事がある


関連イラスト編集

梅雨の日に無題

すやすや雨の日のお迎え

「しずちゃんのためなら」あーもうっ、じれったいなあ!

❤️


関連動画編集


関連タグ編集

ドラえもん ドラえもんの登場人物一覧

のび太 藤子・F・不二雄

ドラえもん(キャラクター) 野比のび助 野比玉子 源静香 野比ノビスケ セワシ

眼鏡 のび犬 0点  ガンマン あやとり やる時はやる男

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