概要
日本の元政治家。1936年7月16日生まれ。第91代内閣総理大臣、第22代自民党総裁(在任2007年9月~2008年9月)。小泉内閣では長期にわたり内閣官房長官を務めた。
第67代内閣総理大臣の福田赳夫は実父。日本憲政史上初、そして2022年現在では唯一の親子で内閣総理大臣となった例である(なお、アメリカ合衆国のように親子で大統領に就任したケースはジョージ・H・W・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュなど複数ある)。
官房長官時代には、独特の斜に構えた姿勢が人気になる。在任日数1289日は菅義偉に抜かれるまでは歴代1位の記録だった。
首相時代は、第1次安倍内閣との『違い』をみせようとしたが、調整型の隠蔽政治にマスコミには見えたらしく支持率が下がり、わずか1年で辞任する。辞任記者会見の際に、記者にキレて『あなたとは違うんです』と言い放ち、これが流行語となった。
首相時代には、その風貌や外交などの軟弱(とされた)姿勢から、「チンパンジー」と酷評されたこともあった。またそのキャラクターと父・赳夫のダッカ日航機ハイジャック事件対応のイメージなどもあったのか保守層にもなかなか熱い支持を得難い面もあったものの、その豊富な外交経験を活かした助言は一定の信頼を得ており、政権交代後民主党の首相からも助言を求められた。
2012年9月26日、次期衆議院選挙への出馬をせず今期いっぱいでの政界引退を表明。
後継は長男の福田達夫。
人物評
ユーモアが無く無愛想であり、『(ソ連)書記長』のようであった(事実石油会社時代に東陣営ソ連から石油をかう功績があった)と言われているが、実際には瞬間湯沸かし器といわれるほど激昂家として知られ、時に熱血漢ぶりを発揮することもあったという。
実際には首相就任後の福田はクールアース推進構想での数値目標導入、公務員制度改革での内閣人事庁の新設、道路特定財源の一般財源化表明など様々な改革に着手。
竹中平蔵は「一カ月に一回くらい結構大きな決断をしている」と評されたほどだった。
またユーモアが無く無愛想と言われるのは冷静沈着な風貌であることと、官房長官として森喜朗の失言などの釈明、小泉政権では政敵に当たる田中真紀子に川口順子が外務大臣を務めていた際には小泉の指示の下で外務省を取り仕切るなどの裏方が多かったことも背景にある。
「目立とうとしない政治家は珍しい」とまで言われたほど。
加えて皮肉屋であり、発言に「揶揄」「イヤミ」「煽り」を巧みに織りまぜ、政敵(田中真紀子など)を扱き下ろす発言も多かったこともあげられる。
一方でこの福田のブラックジョークのファンも一定数おり、脚本家である三谷幸喜は「明らかに面白いことを言おうという意思がうかがえ、しかも確実に面白いことを言っている」と評されるほどだった。2ちゃんねるでは会見での冷笑的な態度から「フフン」の愛称が定着した。
公文書管理法
首相になった後、公文書管理法の法制化に取り組んだ。
2017年9月の朝日GLOBEの取材では、そのきっかけはアメリカの国立公文書館の資料の質や管理に感銘を受けたことだといい、「正しい情報を入手することができるのは、民主主義の原点。入手できないと、国民は正しい判断ができない」などと語った。
自衛隊の日報隠しや、森友問題での公文書改ざんが発覚した後の2018年6月の日本記者クラブの取材では、「記録を残すのは、大げさに言えば歴史を積み上げている。その石垣は一つ一つがちゃんとした石じゃないと困る。正確な文書を積んでくださいということです。改ざんだとか資料が無いというようなことは当初考えてなかった。あり得るのかと思いました」
などと語り公務員の研修や、行政のニュースを伝えるメディアの重要性を語ったという。
このような公文書管理の面においては高く評価されており「きっと50年後の研究者はすごく助かると思う」と評する者もいる。
関連タグ
福田赳夫 福田達夫 ソ連 内閣総理大臣 政治家 日本の政治家 自民党・自由民主党
福田 あなたとは違うんです フフン エージェント チンパンジー