概要
大長編ドラえもん第2作目。劇場版は1981年3月14日に公開。
前作が原作の通常回を大幅に改変したものだったが本作からは大長編・劇場版前提の話として描かれることになる。
本作ではしずかとジャイアンとスネ夫の3人がのび太と仲違いしてしまったことから途中で冒険を降りてしまうも最終決戦で復帰するという珍しい展開が見られる。ちなみにしずかはのび太と仲違いしながらも皆の和解を望んでおり、最終的には彼女のおかげで和解にへと繋がった。
ドラえもん映画作品では初めて、本作オリジナル主題歌が導入され、心をゆらして(歌:岩崎まこと 作詞:武田鉄矢)をバックにドラえもん一行とコーヤコーヤ星の人々との別れる名場面はムック本でも取り上げられたこともある。
2009年には新・のび太の宇宙開拓史として、リメイクされた。
イラストタグとしては『のび太の』を抜かした宇宙開拓史のほうが多い。
ストーリー
ある晴れた夏の日、超空間のねじれが原因でのび太の部屋の床と宇宙船の倉庫がつながってしまう。そこで出会った少年ロップルとウサギのような姿をしたチャミーと友達になったのび太とドラえもんは彼らが住む星コーヤコーヤでガルタイト鉱業という企業が悪事を働いていることを知る。2人はロップルたちを助けるためにガルタイト鉱業との戦いを決意する…。
用語解説
コーヤコーヤ星
我々の住む銀河系とは別の銀河にある植民惑星。トカイトカイ星人が住み着いて農地を開拓している。月を二つ持つ特殊な天体であり、ガルタイトを大量に含んでいるため重力は地球よりずっと下。
また、時間の流れも地球と異なっており、コーヤコーヤ星の1日が地球の1時間程度に当たる。
二つの月が同時に出る春先には、東から大洪水とともに肥えた土を運んでくるため、住民は地下に避難している。
変な動物がたくさんいる。
2009年版ではこの星にロップル達が移民したことになっており、原作や旧映画版と異なって小さいながら街も設立してある。
トカイトカイ星
コーヤコーヤ星のすぐ近くに存在する星。この星も地球より重力が低い。
元々はロップル達はこの惑星の出身であり、星がビルで埋め尽くされたためコーヤコーヤ星に移住した。ロップル達が地球の汚れた空気に順応できないことから、この惑星も排ガス等がほぼないと思われる。
ガルタイト鉱業の本社ビルもこの惑星にある。
2009年版では未登場。
ガルタイト
コーヤコーヤ星に無数に存在する鉱石。触れ合わせて結晶体の軸をねじるようにずらしていくことで反重力場を形成する。これがメチャクチャ多いためコーヤコーヤ及びトカイトカイは地球とほぼ同じ気圧を持ちながら、非常に低い重力になっている。そのため、のび太やドラえもん達はこの惑星系では地球上の数倍もの力を発揮できる。
原作では、ロップル達の種族は石器時代からガルタイトで空を飛んでいたとのことで、そのためプロペラと言う機構はないらしい。
(しかし、1981年版ではプロペラのついた人力飛行式の農具が登場している)
ガルタイトの採掘は主にトカイトカイ星の「ガルタイト鉱業」が行っているが、コーヤコーヤ植民地を蔑ろにした非人道的な採掘作業が行われているため、コーヤコーヤ星の人々からは恨まれている。
ゲストキャラクター
コーヤコーヤ星に住む開拓移民の子。護身用にショックガンを持っているがあまり射撃は得意ではない様子。のび太と友情を育む。やさしく友人想いではあるが、身の危険を顧みずに敵地に乗り込む豪胆さも持っている。
毛玉にウサギの耳をつけたような姿をしている。原作と1981年版では容姿が異なり、原作及び2009年版では白目黒目がちな目をしているのに対し、1981年版ではほかの人間キャラクターと同様の目つきをしているためかなり違った印象を受ける。
ロップルの妹。
のび太にあやとりを教えてもらったお礼に、雪の花をのび太に贈る。
- カモラン
ロップルの隣人で心優しい性格のおじさん。
度々ガルタイト鉱業による被害に遭っている。
- ブブ
カモランの息子で少々意地悪な性格。カモラン共々ガルタイト鉱業の被害を受けている。
のび太たちに嫉妬していたが、ガルタイト鉱業に脅されて地球との接続地点のことを喋ってしまう。
その後は、罪滅ぼしも兼ねてジャイアン達をガルタイト鉱業のアジトに案内するなど協力を惜しまなくなる。
- ボーガント
ガルタイト鉱業の主任。殺人を厭わない残忍で強欲な性格をしており、手下のゴス、メスを従わせている。コーヤコーヤ星のガルタイトを独占しようと開拓者に度重なる嫌がらせをしていた。後に宇宙パトロールから捜査対象となり、ギラーミンが倒された後もしぶとく逃げ延びるが御用となった。
コーヤコーヤ星で活躍するのび太たちを倒すためにガルタイト鉱業が雇った殺し屋。ことあるごとにのび太らを妨害し殺害しようともくろむ。原作では最終決戦においてのび太との早撃ち勝負で敗北する。この際、のび太は「恐ろしい相手」という感想をしているが、ギラーミンものび太の腕を「只者ではない」と見抜いている。
映画では早撃ちではなくのび太がショックガンの照準を合わせ、ロップルが引き金を弾くことで気絶させられており、そのまま洪水にのまれて流されていった。
余談
- 重力の小さい星でのび太がスーパーマンになる話は本作の原作の1年前に掲載された「行け!ノビタマン」が元ネタという声が多い。
- ジャイアンたちと仲違いしたのび太が別の場所で活動するのがメインになっていく展開は本作の劇場版が公開される3ヵ月前に掲載された「森は生きている」に酷似している。
関連タグ
ドラえもん 映画ドラえもん 大河原邦夫(メカデザイン担当) 前作のび太の恐竜 次作のび太の大魔境 リメイク新・のび太の宇宙開拓史