もう会えないかもしれないけど…君の事はずっと忘れない。
概要
20世紀に公開された最後の作品でもある。
古代の中南米、マヤ文明やアステカ文明を意識した世界観を舞台に、のび太と瓜二つの王子のティオと共にドラえもん達が冒険を繰り広げる。
文学「王子と少年」も元ネタで、もう一人の自分をテーマに、同じ姿をしていながら心優しいのび太と勇ましくも孤独なティオ王子の対比が印象的。ストーリー自体も悪役との対決より、性格の違う二人の交流に重点を置いている。
あらすじ
ドラえもんは協力するために「万能舞台装置」を出してあげるが、ジャイアンがそれを分捕ってしまう。
のび太は「タイムホール」を使って万能舞台装置を取り返そうとするが、無理な使い方の結果故障してしまい、古代文明の王国「マヤナ」へつながってしまう。そこにはのび太そっくりの王子・ティオがいた。
ティオは自分の母にかけられた眠りの呪を解くために、未来の技術に満ちた現代日本を調査したいとのび太に依頼。かくして二人は入れ替わり、お互い未知の時代や立場での生活を満喫する事になった。
一方、マヤナから遠く離れた闇の神殿では、日食を用いた儀式で王国の簒奪計画を立てる魔法使い・レディナが暗躍していた…。
登場人物
ゲストキャラクター
CV:緒方恵美
マヤナ国の王子で、その外見はのび太に瓜二つだが、裸眼。
呪術によって母親を昏睡状態に陥らせたレディナの打倒を目指している。のび太とは違い身体能力抜群かつ勇猛果敢で、腕っ節も強くジャイアンと互角の強さを持つ。
一方、母不在のプレッシャーや立派だった父王への劣等感からくる焦りと不安のせいか、わがままで尊大な振る舞いが目立ち、優しさや思いやりに欠けるため家臣や国民の評判は良くなかった。
色々のび太とは正反対の性格でありながら、自分と同じ顔で優しい心を持つ彼とかかわる内、内心に変化が表れる。
- ポポル
CV:杉山佳寿子
ティオのペットで外見はハムスターのような外見の可愛い動物。何でも気に入ったものを自分の物にし、集めて収集する癖がある。
最初はティオとのび太の見分けがつかず間違えていたが、のび太といっしょに過ごすうちに彼と瓜二つののび太にも懐くようになり、また両者の見分けもできるようになった。
中の人は『ドラえもん』と同じ藤子作品の『キテレツ大百科』の2代目コロ助役である。
CV:飯塚雅弓
イシュマルの娘でティオに仕える少女、王国での身分は高い。ティオに好意を寄せているが、彼にはなかなか自分の気持ちを気づいてもらえないでいる。
おっとりしていて礼儀正しく控えめな性格だが芯は強く、自分の考えをのび太やティオに述べることもある。後半ではレディナの刺客に攫われてしまう。
- イシュマル
CV:中田浩二
ククの父親でティオやマヤナ国の戦士達の棒術師範。鍛え上げられた肉体を持つ実直な男性で、孤立していたティオが心を許す数少ない家臣。
高い実力を誇り、ジャイアンにも棒術を教え、彼と強い絆で結ばれた師弟関係を築き慕われる様になる。
- カカオ&モカ
マヤナ国の少年兵コンビ。尊大なティオを嫌い裏で陰口を叩いていたが、劇中の決闘によって和解する。
マヤナ国の支配を企む魔女。
元は国の神官長であったが、邪な魔術に傾倒したことで追放された。
当該項目参照。
- ヤフー
CV:けーすけ
レディナに仕える動物使い。
ワニに乗っている。
- ケツアル
CV:島田敏
レディナに仕える薬使い。
小柄な老人の姿をしており、幻惑の薬で敵を混乱させる幻術を得意とする。
名前の由来はコアトルと併せて、アステカ神話の蛇神である「ケツァルコアトル」と思われる。
- コアトル
CV:広瀬正志
レディナに仕える槍使い。
卓越した槍の技術を持つ。レディナの命令でドラえもんたちの前に立ちはだかる。
用語
タイムホールとタイムとりもち
単行本17巻『モアよドードーよ、永遠に』(のび太と奇跡の島の原作)に登場するひみつ道具。
フラフープのような輪っかのくっついたミシンのような形をしている。
時間軸と空間座標を指定することで空間に穴を開け、所定の時間につなげることが可能。
マヤナ
古代のどこかの太陽の国。
正確な場所は明示されないが、マヤ文明やアステカ文明をモデルとしており、藤子・F・不二雄の漫画『T・Pぼん』のエピソード「チャク・モールのいけにえ」に似ている。
サカディ
マヤナ国に伝わるサッカーに似た競技で、ゴールは闘技場にある龍の口。先に3点先取した方が勝ちとなるが、ボールに手を触れる以外はどの様なラフプレーを行ったとしても全て許される。
この勝負の本質は「敗者は勝者の言うことを何でも聞かなければならない」点にあり、王族の死であろうが履行されるという命懸けの決闘に等しい。
関連項目
THE_FINAL_ODYSSEY:同日公開の劇場版ウルトラマン。同じく20世紀最後の劇場版作品。どちらもラスボスが女性であるという共通点がある。