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概要編集

映画ドラえもん第16作。同時上映はドラえもん誕生

本作は映画ドラえもんでは珍しく、「異世界に行く」のではなく「異世界を作る」事が題材になっている。藤子作品では「神さまごっこ」「創世日記」、ドラえもんのエピソードでも「地球製造法(てんとう虫コミックス5巻)」「ハロー宇宙人(同13巻)」「異説クラブメンバーズバッジ(同23巻)」など様々な「箱庭」的な創世記が描かれてきており、本作もそういった箱庭を舞台としている。

そのため、異なる世界の時間軸の交差や傍系人類、シミュレーション仮説、文明の衝突といった純SF的要素に加えて文化人類学的な要素もあり、ドラえもんにしてはややストーリーが難解な所がある。また、本作ではドラえもん達が団結して困難に立ち向かうというよりも、飽くまでも第三者的、いわゆる神の目線的に介入して事態の収拾に当たるという異色作でもある。

ある意味本作の主役はのび太達が作成した世界の人々であり、その中で展開されていく人間ドラマこそが最大の特徴である。

大人になってから視聴してみると色々と発見がある作品とも言える。


のび太と竜の騎士でも描かれた、地上の人類とは別に地底で異種族が文明を発達されているという世界観が再び描かれる。「竜の騎士」では恐竜絶滅に彗星衝突説を採用していたが、本作では小惑星(隕石)衝突説を採用している。恐竜像も主流学説の変化を反映させて、ティラノサウルスが従来の直立から前傾姿勢になっていたりと新しくなっている。創世記モチーフとして、冒頭にアダムとイブの話、知恵の木の実などについての言及があるが、これらは「のび太と鉄人兵団」や前作「のび太と夢幻三剣士」でも言及がある。新地球でののび太・しずかに相当する人物達の結婚にも触れられる。


あらすじ編集

夏休みの自由研究が行き詰ったのび太はドラえもんにねだり、ひみつ道具「創世セット」で地球型惑星を作り、観察絵日記をつけ始める。

めんどくさがりつつも観察日記を作るのび太だったが、進化の進みの遅さから「陸上にばっかりじゃつまらない」ということでドラえもんと共に新地球に介入し、進化退化放射線源でムリヤリユーステノプテロン進化を促進させる。そして創世セットの存在を知ったしずかジャイアンスネ夫も、それぞれ日記本文や挿絵といった役割を分担しつつ観察日記の作成に参加する。

ようやく人類の誕生にまで漕ぎ着けた後、のび太は自分にそっくりな人間を発見し、彼の一族に肩入れする形で『神様』として新地球の歴史の要所に介入していく。しかし、その地球には手違いによってSF映画の金字塔の如く進化した昆虫達がジュール・ヴェルヌのような地下帝国を築いていた…。




レギュラーキャラクター編集

ドラえもん


のび太

  • ドラえもんからの協力によって『創世セット』によって新たな宇宙を創造し、その宇宙で起こった出来事を観察した『創世日記』をつける。自分に似た住民に思わず肩入れすることも。

しずか

  • のび太とともに『創世日記』を付ける。漫画版では神様を理由に戦争をする人間達について苦言を呈していた。

ジャイアン

  • 当初はスネ夫と共同研究をするも断念。のび太とともに『創世日記』に点ける中で、創世された地球の中で密かに進化した昆虫人によってスネ夫とともに捕まる。

スネ夫

  • 当初はジャイアンと共に風船に自分の顔写真をプリントしたテレホンカードを括り付けて飛ばし、拾った人の住所から風向きを研究する自由研究を行っていたが拾い主が一向に現れず研究は中止。その後は、のび太の自由研究に混ぜて貰うも創世された地球にいた昆虫人達にジャイアンと共に捕まる。

ゲストキャラクター編集

ノンビ編集

cv:林原めぐみ

  • 石器時代ののび太に似た少年。

ノビ彦編集

cv:林原めぐみ

  • 神話時代ののび太に似た兵士。生贄にされかけた少女を結果的に救うが素顔を見て愕然する。

ヒメミコ編集

cv:巴菁子

  • 神話時代の巫女の老婆。白神様に少女を生贄にするようにと神からのお告げを受ける。邪馬台国の卑弥呼をモデルにしている。

王弟編集

cv:加藤治

  • ヒメミコの弟。

野比奈編集

cv:辻村真人

  • ノビ彦の子孫である薬草売り。愛妻家で情けない性格だが、優しい心の持ち主で、接触した昆虫人からも「ああいった優しい人ばかりなら、人間族とも仲良く出来るのに」と惜しまれる程の善人。山に食糧を探しに行った途中で出会ったチュン子を助けたことにより、チュン子達からお礼の金銀財宝を貰い財をなし後の時代には偉大な先祖として銅像が建てられるほどに崇められている。

スネ麻呂編集

CV:肝付兼太

  • スネ夫に似た顔をした名医。尊大な性格で薬草を売りつけようとする野比奈を邪険に扱う。

スネ子編集

cv:山田恭子

  • スネ麻呂の娘。

源頼光編集

cv:稲葉実

  • 実在の人物。

野美のび秀編集

cv:井上和彦

  • 野比奈の子孫。野比奈から受け継いだ金銀財宝を元に財をなし、日本有数の企業を築いた資産家。出来松博士の南極横断のスポンサーとなった。秘書であるしず代には公私共におけるパートナーで結婚を申し込もうと考えている。

出木松博士編集

cv:速水奨

  • 出木杉に似た科学者。のび秀の協力により、南極横断のための飛行船を作製する。のび秀の南極探検に同行する。

源しず代編集

cv:玉川紗己子

  • しずかに似たのび秀の秘書。一流の登山家でもあるためのび秀の南極探検に同行する。

昆虫人編集

  • 昆虫人類たち。学名は「ホモ・ハチビリス」(名前の由来はホモ・ハビリスか)。のび太とドラえもんの手違いにより虫の祖先が進化して生まれた。終盤、地上を侵略しようとのび秀達と一触即発の雰囲気になるも、のび太の介入で戦争は回避される。

チュン子編集

cv:こおろぎさとみ

カブトムシのような昆虫人の少女。詳細は本項を参照。


ビタノ編集

cv:林原めぐみ

  • 大学生。卒業論文を出すために地球誕生について調べている。

エモドラン編集

cv:山田恭子


余談編集

新地球における原始時代、古墳時代、室町時代など様々な時間軸でのび太達のそっくりさんが出て来る中、普段は劇場版でレギュラーにならない出木杉のそっくりさんも出てくる。初期プロットでは昆虫人が地上に地震を起こそうとする内容だったが大人の事情で無かったことにされた。



関連項目編集

のび太の日本誕生


昆虫人間


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